"Thimk" Stephne Bishop (Life's a Bish)
Stephen Bishopは1951年11月生まれなので,まだ73歳である。年齢を重ねても現役で頑張るミュージシャンが増えたこの時代に,この年齢でラスト・アルバムをリリースするというのはちょっと早くないかと思いたくもなるが,関節炎を患ってのことのようだ。なので,このアルバムのセッションでは一切ギターは弾いていないようで,このアルバムでもクレジットには"Original Guitar Arrangement"とされているのはそういう理由だろう。但し,最後に収められた"You Can Laugh at Me"はStephen Bishopのギター弾き語りなのだが,これは埋もれていたテープを掘り起こした過去音源(おそらくはかつてのデモ音源)だろう。
そんなStephen Bishopが自身のラスト・アルバムと宣言した本作は,本人のWebサイトでCDとアナログが販売されていたが,現在はSold Out状態となっている。私は慌てて国内のショップ(結構高い!)から仕入れたものだが,これだけ売れているなら再プレスされる可能性もあるだろうから,未入手の方はストリーミングで当面我慢してもらうしかないというところだ。
Stephen Bishopと言えば,アルバム"Careless"か"Bish"からというのが普通だと思うが,私もこの2枚,特に"Careless"は大好きなアルバムであった。中学生か高校生の頃に聞いた"On and On"の瑞々しさは忘れがたいし,その後の映画「トッツィー」の"It Might Be You"も印象深かった。声が魅力的な上に,いい曲を書く人なのだ。
さすがにこのアルバムでは歌は厳しい部分も出てきているのは事実だが,それを補っているのが豪華なゲスト陣。彼らの演奏や歌唱はエンジニアが別にクレジットされているところから,かなりの部分はオーバーダビングだろうが,それでもこれだけのメンツが集うところにStephen Bishopの人徳が感じられるのだ。仲間たちとのハーモニーを聞いているだけで感動してしまう。
このアルバムは過去の曲の再演や,これまで未発表だった曲で占められているが,やはりいい曲が揃っていると言える。ストリーミング版で最後に収めらている"A Message from Stephen"は,Stephen Bishopの結構笑わせる語りで始まり,Jimmy Webbがピアノで奏でる"On and On"で締めて泣かせる。媒体版にはその後に2曲のボーナス・トラックが入り,更には映像へのリンクも記載されている。
純粋に音楽だけで評価すれば決して満点のアルバムとは言えないだろうが,このアルバムは聞くに値するアルバムであることは間違いない。このアルバムの位置づけも鑑み,敢えて星は付けないが,私はしみじみとしながら聞きながら,Stephen Bishopのこれまでの活動に感謝したいと思っていたのであった。これまでグラミーには縁のなかったStephen Bishopだが,もしこの作品でグラミーを獲るようなことになれば,それこそ本人にとっても素晴らしいことだと思える。そうなるように是非音楽界も気を利かせて欲しいよなぁ。
Personnel: Stephen Bishop(vo, g), Eric Clapton(g), Marcus Eaton(g, synth, perc, vo), Christopher Cross(g), Greg Leisz(pedal steel), John Jarvis(p), Greg Phillinganes(p, el-p), Gerry Beckley(p, vo), Michael McDonald(el-p, org, vo), David Benoit(p), Dave Grusin(p), Steve Porcaro(el-p), Jimmy Webb(p), Mark Inti(b), Leland Sklar(b), Nathan East(b), Sean Hurley(b), Mai Leisz(b), Steve Gadd(ds), Jake Reed(ds, perc), Nic Collins(ds), Jack Tempchin(hca), Mehgan Cassidy(vln, vla), Sting(vo), Leah Kunkel(vo), Art Garfunkel(vo), James Lee Stanley(vo), Graham Nash(vo), Dewey Bunnel(vo), Jeff Larson(vo), David Pack(vo), Kenny Loggins(vo), Hunter Hawkins(vo), Marilyn Martin(vo), Liz Lieber(vo), Stephen Bishop, Jr.(laugh and sneeze)
本作のストリーミングへのリンクはこちら。
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