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カテゴリー「SSW/フォーク」の記事

2024年2月26日 (月)

祝来日:James Taylorってことで,彼の旧作を。

_20240223_0001 "Never Die Young" James Taylor (Columbia)

この4月に来日公演を行うことになっているJames Taylorである。公演が東京で1回だけというのが,日本における今のJames Taylorの受け入れられ方なのかと思ってしまうが,かく言う私も都合がつかないため行く予定はない。都合がつきさえすれば,多分行っていたと思えるだけにちょっと残念ではある。何と言っても米国の国民的な歌手という位置づけは揺るがないところだけに,やはり見ておきたいという思いは強いのだ...。

ということで,ライブには行けそうにはないが,私としても結構な数のアルバムを保有しているから,久しぶりに聞いてみるかということで取り出したのが1988年リリースの本作。正直言って,James Taylorのアルバムには奇をてらったところはないので,いつでも安定のJames Taylorを楽しむことができる。その中でアルバムにはそれぞれ良し悪しはあるとしても,平均点は高いのがこの人のアルバムの特徴だと思う。

このアルバムも,突出した曲はないとは言え,まぁいつもJames Taylorである。まぁ,"Sun on the Moon"なんかはワールド・ミュージック風味を感じさせるのが新機軸ってところではあるが,それでも大筋は変わらない。この人の声さえあれば成立してしまうんだろうなぁという感じもするが,私はJames Taylorはそれでいいと思う。そしていつも思うことだが,James Taylorの音楽を支えるバックのメンツの豪華さである。そうしたところにJames Taylorの米国音楽界におけるポジションが表れていると思ってしまうのだ。これだけのメンツが揃えばおかしなことにはならんというのが正直なところだが,このアルバムはちょっと甘いかなと思いつつ星★★★★ってところだろう。James Taylorと言えばこれって作品ではないが,私が保有するアルバムに限ってということにはなるが,つくづくJames Taylorに駄作はないと思わされるアルバム。

Personnel: James Taylor(vo, g), Leland Sklar(b), Carlos Ve, g), Leland Sklar(b), Carlos Vega(ds, perc), Bob Mann(g), Dan Dougmore(pedal-steel, banjo), Don Grolnick(key), Arnold McCuller(vo), Rosemary Butler(vo) with Michael Brecker(ts), "Cafe" Edson A. daSilva(perc), Jay Leonhart(b), Jeff Mironov(g), Mark O'Conner(vln), Bill Payne(synth), Greg "Fingers" Taylor(hca), David Lasley(vo), Lani Groves(vo)

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2024年2月 8日 (木)

何を今更って感じだが,ブラックホークの99選からDonnie Frittsを。

Prone-to-lean "Prone to Lean" Donnie Fritts (Atlantic)

長年ブログをやっていると,何をアップしていて,何をアップしていないかが曖昧になる。これも偏に歳のせいと片付けてもいいのだが,このアルバムなんかはとっくにアップしていても不思議ではない。Donnie Frittsのアルバムは何度かアップしているが,この彼のファースト・アルバムは何度も言及しながら,記事にはしていなかった。

「ブラックホークの99選」にも選ばれているから,知っている人は知っているが,関心のない人にとってはDonnie Frittsって誰?で終わりだろう。しかし,このアルバムを初めて聞いた時の自分のテイストへのフィット感は忘れられない。私はこのアルバムを「99選」を頼りに,中古盤を探していたのが学生時代だが,本作のカット盤(もはや死語か?)ながら中古盤を見つけた時は本当に嬉しかった。そしてアルバムを聞いた時の喜びは更に大きかったと記憶している。このスワンプ風味の効いたSSWの世界は,アメリカン・ロック好きの私の琴線をくすぐるものであった。それはその当時も,年齢を重ねた今でも変わらないが,還暦を過ぎた私にとっては更に訴求力を上げていると言っても過言ではない。

世の中には好き者は少なからずいて,このアルバムも紙ジャケCDでも再発されたこともあるが,私はLPは保有し続けながら,CDも保有しているぐらい好きなアルバムだ。今でもプラケース版ならCDも中古で簡単に手に入るといういい時代になったものだと思わざるをえない。しかし,若い頃苦労して手に入れたということが私にとっては重要な記憶でもあるのだ。

何よりもDonnie Frittsの声が魅力的に響くが,私はそれに加えてこのアルバムの良さを,Donnie Fritts自身あるいはBarry Beckettが弾くエレピの音に感じてしまうのだ。おぉっ,これぞ自分が欲しい音だと思ったものだ。

ジャケを見ていると,売れる訳ないと思ってしまう(笑)が,それでもいかにも南部に根差したサウンドは,リリースから半世紀となる今でも魅力的。マッスル・ショールズの面々ほか,最高のメンツに支えられた傑作中の傑作。マジで最高だ。星★★★★★。

Personnel: Donnie Fritts(vo, el-p), Pete Carr(g), Jimmy Johnson(g), Eddie Hinton(g, hca, vo), Brry Becketvo, el-p, vib, clavinet), Mike Utley(org), David Hood(b), Roger Hawkins(ds, perc), Sammy Creason(ds), Jerry McGee(g), Tony Joe White(g, vo), Spooner Oldham(vib, vo), Jerry Masters(b), Mickey Raphael(harp), Rita Coolidge(vo), Billy Swann(vo), Dan Penn(vo), Kris Kristofferson(vo), John Prine(vo), Jerry Wexler(vo) with  The Muscle Shoals Horns

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2023年12月29日 (金)

2023年の回顧:音楽編(その1:ジャズ以外)

2023-cds_1

今年もいよいよ押し詰まってきたので,今年の音楽に関して回顧しよう。まずは恒例に従い,ジャズ以外の音楽から。

ここ数年,ストリーミングへの依存度が高まり,CDの購入枚数が減少していることはこれまでに何度も書いてきた。それは必ず買うだろうミュージシャンを除けば,新譜もストリーミングで聞いて出来を判断した上で買うようにしているから,当然購入枚数も減るのだ。そうした中で最も印象に残っているのが上掲の4枚。我ながらちょっと変わったチョイスになったようにも思えるなぁ。

まずはMeshell Ndegeocelloの"The Omnichord Real Book"だが,最初に聞いた瞬間からこのアルバムは今年のNo.1アルバムだと思っていたし,その後もこれを上回るアルバムはなかったと言ってよい。実に優れた作品であり,来年の来日が本当に楽しみだ。

Everything But the Girlの24年ぶり(!)の新作"Fuse"も全く期待を裏切らない出来で,彼らが活動のインターバルがあろうと,極めて優れたミュージシャンであることを改めて実証したアルバムだと思う。

Arooj Aftab / Vijay Iyer / Shahzad Ismailyによる"Love in Exile"はカテゴライズ不能と言ってもよいが,このアンビエントな響きが実に面白かった。Vijay Iyerもいろいろやるもんだと思いつつ,こうした本流からはずれた活動を経て,来年ECMからリリースされる予定の新作への期待も高まる。

そして今年最後の新譜として取り上げたIsabelle Faustの"Solo"の味わい深さは,記憶が新鮮なこともあるにはあるが,ここに挙げるに十分な魅力を持ったアルバムだったと思う。

これ以外ではJoni Mitchellの復活を記録した"At Newport Featuring the Joni Jam"は涙なくして聞けないものだったし,アーカイブの第3弾も素晴らしかった。また,Rolling StonesやIggy Popの新作は,音楽に年齢は関係ないと思わせてくれたのが嬉しかった。

今年の特別賞はBob Dylanの"The Complete Budokan 1978"ということになるだろう。発掘されたこと自体が素晴らしいし,Bob Dylanの若々しい歌いっぷりは感慨深かった。ただ,正直に言ってしまえば,音楽としてはRolling Thunder Revueのボックスの方が私としては好みなのも事実。"Shadow Kingdom"もよかったしねぇ。だが,これはリリースされたことを評価の対象にすべきと思うので特別賞なのだ。

ということで,私の全方位的な音楽の聴き方が反映された選盤になった気がするなぁ。明日はジャズ編をお届けする。

2023-cds_2

2023年12月20日 (水)

今更ながらのNick Drake。素晴らしいアルバムであった。

_20231218_0001 "Five Leaves Left" Nick Drake (Island)

わずか3枚のアルバムを残してこの世を去ったNick Drakeのこれがデビュー・アルバム。リリースされた当時は全然売れなかったが,その後,評価がどんどん上がっていき,傑作としての評価が固まったのは1990年代に入ってからのようだ。しかし,本作が再評価されるずっと前から,ブラックホークの99枚のうちの1枚に選んでいた松平維秋の審美眼は素晴らしかったと思わざるをえない。

このアルバムが持つ内省的でメランコリックな響きはリスナーの心の琴線を揺さぶるものと言ってもよいが,こうした響きがおそらくはBrad Mehldauにも影響した結果,彼のレパートリーにこれまでのところ(多分)4曲,Nick Drakeの曲が選ばれることにつながったと思える。そのうち3曲("Time Has Told Me","River Man",そして"Day Is Done")は本作に収められていることを踏まえれば,Brad Mehldauの追っかけたる私にとってもこのアルバムは極めて重要だということになる。

プロデュースを名匠,Joe Boyd,更にゲストにRichard ThompsonやDanny Thompsonを迎えていることからしても,当時のIslandレーベルの期待値の高さが表れていると思うが,残念ながらセールスにはつながらなかった。それは60年代末という時代のなせる業だったのかもしれない。しかし,この音楽が持つ魅力は時代を越えて不変だと思わせるに十分であり,素晴らしいメロディ・センスに,必要最小限の編成における的確なアレンジメントが加わって,今の耳にも魅力的に響く。ストリングスとの共演なんてまさに痺れる出来で,やっぱりこれは傑作だと改めて思わせる。星★★★★★。

Personnel: Nick Drake(vo, g, p), Richard Thompson(g), Danny Thompson(b), Tristan Fry(ds), Rocky Dzidzornu(perc), Clare Lowther(cello), Lyn Dobson(fl), Harry Robinson(arr), Robert Kirby(arr)

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2023年12月15日 (金)

久しぶりにRickie Lee Jonesの"The Magazine"を聞いて思ったこと。

_20231212_0001 "The Magazine" Rickie Lee Jones (Warner Brothers)

なんだかんだと言いながら,私は結構な数のRickie Lee Jonesのアルバムを保有しているが,プレイバック回数が多いのは1stと2ndになってしまっている。これってなんでなんだろうと思いつつ,EP"The Girl at Her Volcano"をはさんでリリースされた彼女の3枚目のフル・アルバムとなったこの"The Magazine"を今回聞いてみて,その理由がはっきりした。

このアルバム,8曲目の"Runaround"までは2ndアルバム"Pirates"の雰囲気を踏襲していると言ってもよい。確かに冒頭の"Prelude to Gravity"のオーケストレーションとかは,それまでのRickie Lee Jonesのアルバムの雰囲気と異なるので,多少面食らうことは事実であるが,そこからの演奏や歌いっぷりは"Pirates",更には1stに通じるものを感じる。しかし,問題は9曲目からの"Rorschachs"と題されたパートにあると思うのだ。全3曲から成る組曲と言ってもよさそうなこのパートは,明らかにそれまでとテイストが違い過ぎて,違和感が非常に大きい。

これが私がこのアルバムに手が伸びない最大の理由だと今回聞いてわかったと言うべきか。LP時代ならA面しか聞いていなかっただろうなとついつい感じてしまったのであった。この"Rorschachs"の部分は,Rickie Lee Jones自身のプロデュースとなっていて,そのほかは今や映画音楽の巨匠と化したJames Newton Howardとの共同プロデュースであるのと異なる。即ち,Rickie Lee Jones自身の意思がより強く反映されていると考えてもよいだろうが,私にとってはそれが裏目に出たというところだ。そうした点で評価も半端なものになり,星★★★☆。なんだか惜しいという感じだ。

Personnel: Rickie Lee Jones(vo, p, synth), Steve Gadd(ds), Jeff Porcaro(ds), Nathan East(b), David Hungate(b). Dean Parks(g), Buzz Feiton(g), Jeffery Pevar(g, mandolin), Sal Bardani(g, vo), Steve Lukather(g), Greg Phillinganes(el-p), James Newton Howard(synth, arr), Neil Larsen(synth, el-p), Nick De Caro(accor), Lenny Castro(perc), Victor Feldman(perc), Michael Boddicker(prog), Marty Paich(arr, cond), Jerry Hey(arr)

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2023年12月14日 (木)

2023年の回顧:ライブ編

今年はもうライブに行く予定がないので,ちょっと早いが今年の回顧をライブから始めたいと思う。今年は結局ジャズ,ロック,クラシック等でトータル23本のライブに参戦した。コロナウイルスの5類への移行により,海外ミュージシャンの来日も以前のようになってきて,私のライブ通いも増えてきたということだ。2022年は9本しか行っていないから,大幅増というか,従来のペースに戻ったというだけだが...。

そうした中で,今年最高のライブは何だったかと言えば,2月のBrad Mehldauの紀尾井ホールのピアノ・ソロだった。その後,ピアノ協奏曲も聞きに東京オペラシティにも行ったが,あれを失敗作だと思っている私ゆえ,このソロのポイントは無茶苦茶高いのだ。私がBrad Mehldauの追っかけということもあるが,現代最強のピアノの一人だということを見事に実証したライブであった。

ジャズ系で記憶に残るのはクリポタ入りのSF Jazz Collective。1st,2ndでレパートリーを完全に変えるプログラムには燃えに燃えさせてもらった。そしてつい先日観た挟間美帆のm_unitも想定以上によかった。そのほかではLars Jansson,Domi & JD Beckも記憶に残る。

クラシックは4本。そのうち3本がオーケストラでそれなりに楽しんだが,一番よかったのはCharles Dutoitが新日本フィルを振った「幻想交響曲」。私が「幻想」を偏愛していることもあるが,この演奏は生でオケを聞く至福を改めて感じさせてくれたと言ってよい。仕事の関係でFabio LuisiがN響を振る「幻想」を聞けなかったのは惜しかったが,Dutoitの演奏の満足度が高かったからそれでよしとしよう。

ロックはTedeschi Trucks Bandしか行っていないが,つまらないテナー・サックス・ソロに辟易とした以外はいいライブだったと思う。"Beck’s Bolero"で燃えなきゃ嘘だよな(笑)。

そのほかにもいろいろなライブに行ったが,特に不満を感じることもなく,生の音楽を楽しんだ私である。因みに番外編として,21年ぶりに来日したJewelのBlue Note東京でのライブ時の写真に私がばっちり写り込んでいるので,「しゃれ」でアップしておこう。私のことを知っている人には簡単に見つかっちゃうだろうなぁ(笑)。

Jewel-at-blue-note-tokyo

2023年12月 3日 (日)

瑞々しいとしか言えないLaura Nyroのライブ音源。

_20231202_0001"Spread Your  Wings and Fly: Live at the Filmore East May 30, 1971" Laura Nyro (Columbia / Legacy)

ごく一部の音源を除いて未発表だったLaura NyroのFilmore Eastでのライブ音源。既にリリースから20年近くが経過しているが,久しぶりに取り出して聞いてみた。ピアノの弾き語りで歌われる数々の曲は,私の貧困なボキャブラリーでは「瑞々しい」としか言いようがないものであった。

ソングライターとしても才能を発揮したLaura Nyroであったが,ここではAshford~Simpson,Goffin~King,Bacharach~David,そしてMarvin Gaye等のレパートリーも交えて歌っているが,その審美版が素晴らしい。彼女の声にぴったりはまって,まるでオリジナルのようにさえ響いているではないか。

レコーディング後残されていたテープの状態は結構悪かったみたいだが,そこはリリースに対応したチームの努力によって,完璧ではないとしても,全然問題なく聞くことができるのが素晴らしい。やはりLaura Nyro,素晴らしい歌手であったと再認識させられたライブ・アルバム。星★★★★★。

Miles-and-laura 尚,余談ながら,1970年にFilmoreに出た時の対バンはMiles Davisだったというのは,今にして思えば信じられないような組み合わせだよなぁ。そう言えば,MilesとLaura Nyroが一緒に写っている写真があったので,ついでにアップしておこう。69年,Columbiaのスタジオで撮られたものらしいが,Milesが笑っているぜ(笑)。

Recorded Live at the Filmore East on May 30, 1971

Personnel: Laura Nyro(vo, p)

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2023年11月25日 (土)

久しぶりにRy Cooderのベスト盤を取り出す。

_20231123_0001 "River Rescue: The Very Best of Ry Cooder" Ry Cooder (Warner Brothers)

私は結構なRy Cooderのファンである。以前はWarner時代のリーダー・アルバムはサントラを除いて,全て保有していたぐらいだが,好きなものとそうでもないものは実ははっきりしていた。後者は1stと"Jazz"が代表的なところだ。しかし,総じてアルバムはアメリカン・ロック好きの心をくすぐるものばかりであったと思っている。

今やアナログは手放してしまい,Warner時代のアルバムはCDで何枚か保有しているが,手っ取り早くWarner時代を振り返るには丁度いいのがこのベスト盤である。本作がリリースされたのが1994年だから,もはや30年近くの時間が経過してしまったが,その後もRy Cooderは現役で活躍しているし,近作のTaj Mahalとの"Get on Board"を私は22年のベスト作の一枚に選んでいるぐらいで,やはり信頼できるミュージシャンであることには今でも変わりはないのだ。

このベスト盤の冒頭には,唯一の新曲として"River Come Down (PKA Bamboo)"が入っているが,それ以外はWarner時代のアルバムから満遍なくチョイスされているが,1stとライブ盤"Show Time"からの曲はない。その代わりと言ってはどうかと思うが,サントラ盤"Paris, Texas"からタイトル・トラックが採用されている。

聞いていて,やはり懐かしいと思ってしまうが,歌手,ギタリストとしてはもちろん,あらゆる音楽を吸収してしまうところにこの人の幅広さ,才能を感じてしまう。そして今や手許にないアルバムをまた聞きたいと思わせるところが,このベスト盤を聞いての感覚であった。まぁアルバムを買い直すところまではいかないだろうから,ストリーミングで済ませようとは思うが,改めて聞いたらまた欲しくなってしまうかもしれない(爆)。

それにしても"Boomer's Story"について書いた記事でも感じたことだが,Dan Pennの名曲"Dark End of the Street"をインストでやってしまうところが何とも渋い。いずれにしても,Ry Cooder入門編には適していることは言うまでもない。

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2023年11月23日 (木)

ブラックホークの99選から,今日はChristopher Kearney。

_20231113_0002 "Christopher Kearney" (Capitol)

これまでも何度も記事にしている「ブラックホークの99選」のアルバム群だが,私の音楽的な嗜好に相当な影響を及ぼしているものが多い。しかし,一般人にとっては,なんじゃそれは?みたいな渋いアルバムが多く,本作なんかもジャケだけ見ればどう見ても売れないだろうと思ってしまう。基本的にブラックホークの99選は,あまり知られていなくても,優れたアルバムを選んでいるというのが実態だから,超メジャーな人のアルバムは少ないのだ。それでもユーミンの「ひこうき雲」が入っていたりするが,まだその当時はユーミンがビッグネーム化する前だったということと考えられるが,Bob Dylanが2枚入っているのも例外と言った方がいいかもしれない。

そんな中でこのChristopher Kearneyである。「ブラックホークの99選」はそれでも根強い人気があって,本作もCDが国内盤としてリリースされたのであった。こんなことをやるのは日本のレコード会社か,韓国のBig Pinkレーベルだけだと言いたい(笑)。

Christopher Kearneyなんて名前は聞いたことがないという人がほとんどだろうが,この人はカナダ出身のSSWで,少なくとも3枚のアルバムをメジャーのCapitolで出しているのだから,それなりに人気はあったってことかもしれない。そうは言っても,往時のCapitolはLeo Kottkeとか,Guthrie Thomasとかもリリースしているから,必ずしも売れる音楽ばかり出していた訳ではないが...。

このアルバムを聞いていても,なるほどブラックホーク,と言うより今は亡き松平維秋氏が好みそうな音だよなぁって感じだが,この人の魅力はそれほどクセの強くない歌いっぷりってところで,この辺りは受け入れやすさもあるし,スワンプ・ロック的な響きとSSW的な音の同居も魅力的。どシブいという感じではないが,こういう音ってやっぱり好きだなぁと思ってしまうアメリカ音楽指向の強い私である。本作もいい出来だと思うが,99選には更に優れたアルバムもあるってことで,星★★★★☆としよう。

ドラムスにTerry Clarkeの名前があるが,これは後にJim HallやPaul Desmondと共演するTerry Clarkeの若き日の記録なのだろうか?

尚,余談だが,このアルバムの国内盤の帯には,この人の名前が「クリストファー・キーニー」となっているが,決してこれはキーニーではないだろう。カタカナで書けば,カーニーもしくはコーニーの方がそれっぽく響くはずだ。コンサル会社のA.T. KearneyがA.T. カーニーなんだから,単純に考えればカーニーが採用されるところだろう。名前の記述は難しいのはわかるが,もうちょっと調べるなり何なりすべきだな。

Personnel: Christopher Kearney(vo, g), Josh Onderisin(g), David Bromberg(slide-g, dobro), Chuck Aarons(g), Jim Ackley(key), James Rolleston(b, vo), Scott Lang(b), Terry Clarke(ds), Diane Brooks(vo), Steve Kennedy(vo), Rhonda Silver(vo)

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2023年11月17日 (金)

今年最後の無駄遣い?Bob Dylanの「コンプリート武道館」が到着。

Complete-budokan "The Complete Budokan 1978" Bob Dylan(Columbia/Legacy)

1978年のBob Dylan初来日時の音源は既に"Budokan"としてアルバム化されているが,本作はそのもととなった2/28と3/1の2公演を完全収録したもの。CDバージョンはいろいろなオマケつきとは言え,4枚組で¥22,000という暴虐の値付け(アナログ版はその倍!)であるが,こういうのは買わないと後悔するということで,無駄遣いとは思いつつ,ついつい買ってしまった。

この時の来日公演に私は行っていないが,その折の演奏には賛否両論あったと記憶している。確かにそれまでのBob Dylanのイメージからすると,演奏にポップな感覚が強く,曲にも結構アレンジが施されているから,こんなのDylanじゃねぇわ!と毒づいたファンも多かったと思う。おそらく一種の軽さを醸し出しているのがSteve Douglasのサックスとフルート(特に後者)ではないかと思われるが,この感覚を受け入れられるかどうかがこの時の演奏への評価を大きく変えると思う。

それを改めて振り返るべく,これからこのアルバムに接していこうと思うが,私自身はBob Dylanの音楽は好きだが,原理主義的なファンではない。だから私にとってはこういうのもありとして受け入れ可能なのだ。元を取るべく(笑),45年前の若々しいBob Dylanの演奏を思いきり楽しみたいと思う。

Recorded Live at 日本武道館 on February 28 and on March 1, 1978

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