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カテゴリー「SSW/フォーク」の記事

2022年5月 3日 (火)

メジャーな人たちによるLeonard Cohen曲のカヴァー集。全体的にはいいんだけど,はっきり言ってBonoは奇を衒い過ぎ。

_20220430 "Tower of Song" Various Artists(A&M)

このアルバムが出たのはもう四半世紀以上前のことだし,Leonard Cohenが亡くなってから既に5年半以上経過している。つくづく時の流れは早いと思うが,久しぶりにこのアルバムを聞いてみた。

そもそもこのアルバムを買った頃の私にはLeonard Cohenへの思い入れはなかった頃だ。確かに「ブラックホークの99枚」に"The Best of Leonard Cohen"は入っていたし,そのアルバムは昔から聞いていた。しかし,Leonard Cohenの魅力に本当に気づいたのは"Live in London"を聞いてだったということになるかもしれない(記事はこちら)。

ではなぜこのアルバムを買ったかと言えば,冒頭に入っているDon Henleyが歌う"Everybody Knows"を,Don Henleyの当時のベスト・アルバム"Actual Miles"で聞いて気に入ったからだったように記憶している。そして,ここに参加するミュージシャンも結構豪華な人が揃っており,そういう要素もあっての購入だったように思う。

各々のミュージシャンによるそれぞれの歌唱はLeonard Cohenへのリスペクトと個性が出ていて楽しめる。そうした中でもLeonard Cohenの曲中でも比較的よく知られている"Hallelujah"をBonoが歌うというところには期待と注目が集まると言ってもよいだろう。ところが,これが全然よくない。こっちが期待するのはBonoによるストレートな歌唱だったが,出てくるのはプログラミングされたごときバックの音と,例の"Hallelujah"のコーラスの部分だけで,あとはボソボソつぶやいているのかというものしか出てこないのでは,明らかに奇を衒い過ぎ,あるいは策に溺れたとしか言いようがない。BonoにはBonoの表現方法があろうが,もっと真っ当なカヴァーの仕方があって然るべきだったというのが私の感覚である。

例えば,Billy Joelが歌った"Light as the Breeze"は,Leonard Cohen本人が,自分の歌唱よりいいぐらいだと言ったとか言わないという逸話があるのとBonoの歌唱は対照的であり,ほかのミュージシャンが比較的素直な表現をしているだけに,このBonoの取り組みの失敗はこのアルバムの印象を悪くしただけである。それもあって,ほかの曲にはほとんど文句はないのに星★★★★とせざるをえないのは全てBonoの責任である(きっぱり)。

Tower-of-songs 参加ミュージシャンは多数なので,Personnelは詳細は省略し,メインの歌手陣のみ記述。尚,このアルバムには別ヴァージョンのジャケット(→)もあるようだが,そっちの趣味は...って感じである。まぁ,元のジャケも大したことないが(爆)。また,タイトルとなっている"Tower of Song"が未収録なのはシャレとして考えておこう。

Personnel: Don Henley, Trisha Yearwoood, Sting with the Chieftains, Bono, Tori Amos, Aaron Neville, Elton John, Willie Nelson, Peter Gabriel, Billy Joel, Jann Arden, Suzanne Vega, Martin Gore

2022年3月18日 (金)

2003年に出たJames Taylorのベスト盤。やっぱりいいねぇ~。 #JamesTaylor

_20220312-5 "The Best of James Taylor" James Taylor(Warner Brothers)

James Taylor,アメリカの国民的歌手と言ってもよい人である。実にいい曲を書き,心地よく歌う。この人のことを嫌いな人なんていないのではないかとさえ思ってしまう。

本作は2003年に出たベスト・アルバム。私は結構James Taylorのアルバムは保有しているが,全部という訳ではないので,こういうベスト盤も重宝するのだ。新曲1曲を含む全20曲を聞けば,まぁJames Taylorの主だったところは聞けるが,その後出したアルバムもいいが,キャリア全般を俯瞰するなら,まずはこれぐらいからってのは悪いアイディアではない。

まぁ,今の若い人たちがJames Taylorの音楽を聞いても,全然刺激がないと感じるかもしれないが,我々の世代はこの音楽を聞いて郷愁を誘われればいいのだ(きっぱり)。ブックレットにある若々しいJames Taylorの写真を眺めて,時の流れを感じるもよしってところである。そんな気分にさせてくれる名曲群。いいねぇ。星★★★★★。

Personnel: James Taylor(vo, g), Red Rhodes(g), Danny Kortchmar(g, perc), David Spinozza(g), Dan Dagmore(steel-g), John Sheldon(g), Carole King(p), Craig Doerge(p), Kenny Ascher(key), Clarence McDonald(key), Nick DeCaro(org), Bill Payne(key), Clifford Carter(key), John London(b), Bobby West(b), Leland Sklar(b), Andy Muson(b), Tony Levin(b), Willie Weeks(b), Russ Kunkel(ds, perc), Rick Marotta(ds), Jim Keltner(ds), Steve Jordan(ds), Ralph McDonald(perc), Milt Holland(perc), Victor Feldman(vib, perc), Bobby Hall(perc), Peter Asher(perc), Airto Moreira(perc), Joni Mitchell(vo), Carly Simon(vo), David Crosby(vo), Graham Nash(vo), Andrew Gold(vo, harmonium), Leah Kunkel(vo), Randy Brecker(vo), Eliane Elias(vo), Kenia Gould(vo), Zbeto(vo), Curtis King(vo), Michael Brecker(ts), David Sanborn(as), Gayle Levant(harp), Byron Berline(fiddle)

2022年2月18日 (金)

これは知らなかった...。Rachael Yamagataの"Porch Songs"の現物CDが出ていた。

_20220213 "Porch Songs" Rachael Yamagata(Frankenfish)

私はデビュー以来,Rachael Yamagataをかなり推してきたと思う。彼女の声は実に魅力的であり,書く曲も素晴らしい。そんなRachael Yamagataの最近の動静は聞こえてこないのが実に寂しいことである。音源としてはこの"Porch Songs"がダウンロード・オンリーでリリースされたのは,2018年10月に遡る。即ち,私たちは彼女の新しい音源に3年以上接していないことになる。Webサイトの更新も大してされていないようだし,Facebookのページも21年4月が最新投稿では,本当に今,彼女が何をしていて,何を考えているのかがわからないというのが実感だ。これだけ魅力的な歌い手はもっと,世の中に音楽を発信して欲しいと思うのは私だけではないと思う。

そんなRachael Yamagataの最新EPである"Porch Songs"については,リリースされた折に,私は絶賛を惜しまなかった(記事はこちら)。しかし,それはダウンロード・オンリーだと思っていたから,現物CDが出ているなんてのは知る由もなかった。しかし,何の気なしにAmazonを見ていたら,このEPに関して「その他の形式:CD」とあるではないか。となると,これは手に入れなければならんということで,発注,めでたく入手したのであった。

驚いたのは,この現物CDが韓国において限定1,000枚でリリースされたってことである。しかも,届いたCDにはご丁寧にシリアル・ナンバーがふられている。Rachael Yamagataは日本をスルーして,韓国でライブをやっていたこともあるので,結構韓国にはファンが多いのかと思っていたが,ドラマの主題歌とかに使われているのが結構効いているようだ。しかし,このCDのリリースは全く知らなかったし,彼女のWebサイトにも一切情報は出てきていないはずだ。それでも出すってことは,韓国においては相当なポピュラリティってことなのかもしれない。

それはさておき,このCD,ストリーミング版が6曲なのに対し,最後に"Be Somebody’s Love"のバンド・バージョンが加えられた7曲仕様というのが貴重ということもあり,ちょっとEPとしては高いと思えたものの,取り敢えず入手できたのはよかった。そして,本当にいい歌手であることを改めて痛感させられた。もっと活発に活動をして欲しいと思える人である。

2022年2月 7日 (月)

Aoife O’Donovan:Joe Henryプロデュースもよろしく,こりゃ最高だ!

_20220203-2 "Age of Apathy" Aoife O’Donovan(Yep Roc)

初めて聴く人である。なぜ私がこのアルバムを購入する気になったか。それはJoe Henryがプロデュースをしているからという一点である。Joe Henryがプロデュースをしたアルバムは,一部例外もあるが,総じて出来がよい。と言うか,私の趣味嗜好にはまるのだ。なので,Joe Henryがプロデュースしたという情報を得ると,ついつい買ってしまうのだ。通常はストリーミングでチェックしてから買うのが普通になったが,これはチェックのプロセスを省略して購入した。しかも私が購入したのは国内盤かつ2枚組のデラックス・エディション。失敗したら痛いところだが,これは買って正解。それも大正解。これがいい。実にいい。

アコースティックとエレクトリックのブレンドが丁度いい感じなのに加え,Rickie Lee Jonesのクセを取って,ずっと聞き易くしたような歌いっぷりが実にはまる。こういう女性ヴォーカルは,私にとってはまさにどストライクなのだ。シンプルなバッキングなのだが,曲も演奏も歌唱も本当によい。全然この人のことは知らなかったが,追いかけたくなるような魅力に溢れた音楽に触れた。まずはストリーミングでってところだろうが,こんな清新な音を聞かされては私は全面的にOKである。

遅いよ,と言われるかもしれないが,私にとってここ暫くでもっとも魅力的に響いた女性シンガーである。この驚きはRachael Yamagata以来かもしれない。この2枚組のDisc 2はAoife O’Donovanの弾き語りで歌われるデモ・ヴァージョンのようなものだが,これがこれで魅力的だと思えてしまうのは,これは完全に惚れた弱みだとさえ思ってしまう。完全にひと聞き惚れ状態の私である。気は早いが,私にとって,今年のベスト盤候補と言ってもよい出会いであった。最高だ。星★★★★★。

こんなアルバムがリモートで全然別の場所で行われた音源を組み合わせて作られたってこと自体が,私にとっては奇跡的。くぅ~ってなったのは言うまでもない。

Personnel: Aoife O’Donovan(vo, g, p, el-p), Patrick Warren(p, el-p, strings), Chris Bruce(g), Madison Cunningham(g, vo), David Pilch(b), Jay Bellerose(ds), Levon Henry(reeds), Tim O'Brien(mandola), Florian Blancke(celtic harp), Allison Russell(vo)

2022年2月 3日 (木)

Carly Simonの懐かしのアルバム。

_20220129-2 "Boys in the Trees" Carly Simon(Elektra)

「男の子のように」である。懐かしいねぇ。私はCarly Simonの大ファンって訳ではないのだが,多分,彼女のアルバムで最初に買ったのがこれだったと思う。本作からは全米6位まで上がった"You Belong to Me"がシングル・カットされたのだが,Michael McDonaldとの共作になる同曲は,既にDoobie Brothersの"Livin' on the Fault Line"で先行発表されていた。当時,私はDoobiesに結構はまっていたので,それがきっかけでの購入という感じである。

このアルバムはArif Mardinのプロデュースも相まって,結構いいアルバムだと思える。当時はまだ別れていなかったJames Taylorも相当の貢献ぶりで,そういうところも聞きどころと言えば聞きどころであるが,基本的にはSSW的なところと,そこはかとなくファンクを感じさせるところがいいバランスで収められていると言ってよいと思う。上述の"You Belong to Me"なんて,バックはStuffの面々+David Sanbornである。なるほどねぇって感じの音になっているのはさすが。

そんな中で,James Taylorのギターとパーカッションだけをバックに歌われる"De Bat (Fly in Me Face)"だけが相当異色に響くのはちょっとバランスを崩しているなぁと思ってしまう。変化球としてこういうのを入れたくなるのはわからない訳ではないのだが,どうもこれがアルバム全体からは浮いているのが何とも惜しいのだ。基本的にはいいアルバムなのだが,私にはこの曲が瑕疵に感じられてならない。

アルバムのラストに収められている"For Old Time’s Sake"もちょっと雰囲気が違うのだが,こっちの方は映画の主題歌的な響きもあって,ポピュラー・ソングって感じもあるものの,受け入れには問題なし(笑)。

ということで,私としては好きなアルバムではあるのだが,評価としては星★★★★ってところ。

Personnel: Carly Simon(vo, g), James Taylor(g, vo), Cornell Dupree(g), Eric Gale(g), Jeff Mironov(g), John Hall(g, vo), Hugh McCracken(g), Hamish Stewart(g, vo), Omnie McKintyre(g), Stu Scharf(g), Richard Tee(el-p, p), Ken Bischel(p, el-p, synth, autoharp), Don Grolnick(el-p, synth), Gordon Edwards(b), Will Lee(b), Tony Levin(b), Steve Gadd(ds), Crusher Bennett(perc), Rubens Bassini(perc), David Sanborn(as), Joe Farrell(fl), Michael Brecker(ts), Phil Bodner(oboe), David Carey(marimba), Harvey Estrin(recorder), George Marge(recorder), Margaret Ross(harp), Grolia Agostini(harp), Lutehr Vandross(vo), Roderick George(vo), Ken Williamas(vo), Alyla Orme(vo), Lucy Simon(vo), Joanna Simon(vo), Steven Dickson(vo), Marc Embree(vo), Cissy Houston(vo), Alex Ligertwood(vo) with horn

2022年1月31日 (月)

RSD Black FridayにリリースされたBen WattのEPのCD版。

_20220128-2 "Storm Shelter" Ben Watt(Unmade Road)

昨年11月のRecord Store Day Black Fridayにアナログ・リリースされたBen WattのEPがCDでもリリースされた。全6曲をBen Wattのピアノ弾き語りで演じているが,うち4曲は"Storm Damege"からの曲である。

私はBen Wattというミュージシャンを全面的に信頼しているが,今回はピアノ弾き語りというところがポイント。シンプリシティの中にBen Wattの声が映えるって感じである。"Storm Damage"リリース後に予定されたツアーのリハーサル時に録音されたものらしいが,コロナ禍で来日予定もあったツアーはキャンセルになってしまったのは残念だった。

それにしても,Ben Wattは私とほぼ同年代にもかかわらず,いまだに瑞々しい声を維持しているのが実に素晴らしい。シンプルであるがゆえに,素のBen Wattを楽しめるってところだ。本来であれば,昨年取り上げるべきであったが,リリースからまだそんなに時間も経っていないので,新譜扱いとさせてもらおう。星★★★★☆。

Personnel: Ben Watt(vo, p)

2021年12月30日 (木)

2021年の回顧:音楽編

2021-best-albums
いよいよ今年の回顧も最後の音楽編である。このブログにも何度か書いているように,私の新譜購入のペースは,以前に比べると随分落ちた。そんな中で印象に残った新譜音源(星★★★★☆以上)については,ブログ右側の「2021年のおすすめ作」にアップしているので,そこが回顧する上でも基本になる。

しかし,回顧するもへったくれもなく,今年のベスト作はこれになるだろうなぁと思っていたのが2作ある。それが児玉桃の”Hosokawa/Mozart”と菊地雅章の"Hanamichi: The Final Studio Recordings"であった。この2作ともにこのブログに記事をアップしたのは3月であったが,その段階でこれを越えるものはないと思っていた。児玉桃については2006年録音の音源ではあるが,細川俊夫の「月夜の蓮(”Lotus under the Moonlight”)」の演奏があまりにも素晴らしく,私は唸ってしまった。もちろん,モーツァルトのピアノ協奏曲23番もいいのだが,何と言っても「月夜の蓮」である。

そして,菊地雅章だ。これも2013年の録音ではあるが,この作品について記事を書いた時の「命を削って紡ぎだされるフレージング」という表現には,いささかの誇張もないと思っている。それぐらい痺れる音楽であったと言わざるをえない。私にとってはこの2枚の印象があまりにも強かった。

そのほかでは新録音では,ジャズ界の不老不死,Charles LloydのMarvelsとのアルバムはいつもながらの優れた出来であった。記事にも書いたが突出した部分はないとしても,このクォリティの高さは尋常ではない。メンバーの貢献度も高かった。また,私が高く評価し続けるMarcin Wasilewskiの"En Attendant"はこれまた痺れる出来であった。Joe Lovanoを迎えた前作,"Arctic Riff"も悪くなかったが,私としては多少の違和感もあった。やはりこの人たちはトリオが一番いいと思う。また,Dave Hollandも年齢を感じさせないカッコいい音楽を作り続けていて凄いなぁと思う。音楽性をアルバム毎に変えてくることも立派。本当に幅が広いし,もう一人の主役と言ってよいKevin Eubanksのギターもよかった。

そして,年末になって現れたRobert Plant/Alison Kraussの第2作は滋味溢れる出来に嬉しくなった。Bruno MarsとAnderson PaakのSilk Sonicはソウルの楽しさを完璧なまでに打ち出していて,これまたいいものを最後の最後に聞かせてもらった気がする。全然タイプは違うが,現代音楽ではMichael WendebergとNicolas Hodgesによるブーレーズのピアノ曲全集。私の嗜好にばっちりはまるこの音楽は,決して万人向けではないとしても,この手の音楽好きにはたまらない魅力があると思う。

発掘ものもいいものがあったが,発見という意味ではJohn Coltraneの「至上の愛」ライブははずせないところ。いかんせん音がもう少しよければ...というところはあったが,歴史的音源であることは間違いない。むしろ,私が音楽として楽しんでしまったのがCharles Mingusのカーネギー・ホールでのライブ。その日の演奏をきっちり収めたこともに加え,演奏が何よりも楽しい。Mingusに対する私の勝手な思い込みやイメージを覆したのが本作だったと言ってよい。そして,Joni Mitchellのアーカイブ・シリーズ第2弾が実に素晴らしく,もはや第3弾が楽しみな私である。アナログでリリースされた初期4枚のアルバムのボックスも実によいのだが,ディスクがきつきつで取り出しにくいのが玉に疵(笑)。

ということで,新譜の購入枚数は減ったものの,今年もそれなりに楽しめた1年であったと思う。

2021年12月15日 (水)

Bobby Charlesの”Wish You Were Here Right Now”:もうリリースされて四半世紀以上とは...。

_20211211-4 ”Wish You Were Here Right Now” Bobby Charles(Stony Plane/Pioneer LDC)

Bobby Charlesがこの世を去って10年以上経過しているが,彼がBearsvilleレーベルに残したアルバムは今聞いても実に素晴らしいアルバムなのは言うまでもない。Bobby Charlesについては件のアルバムを聞いていればOKって話もあるが,ラックを漁っていて,久々にこのアルバムを聞いてみた。

私が保有しているのは国内盤だが,リリースされたのは95年なので,もはや四半世紀以上前で,昨今感じることが多くなったように,時の流れが実に早い。本作は,当時比較的マイナーなシンガー・ソングライターのアルバムを結構出していたパイオニアLDCからのリリース。同社からのCDはジャケを矢吹申彦が書いていることが結構あったが,これもそうである。永らくニューミュージック・マガジンの表紙も担当していた矢吹申彦の絵はSSWへのフィット感は確かにあるよなぁなんて感じさせるジャケである。

それはさておき,このアルバムは1984年と1992~3年の録音が混在したものなのだが,音の変化のようなものがほとんど感じられないってのがある意味凄い。まぁBobby Charlesの音楽性がそういうものなのだということの裏返しであるが,まさにこれが個性ってことだろう。いかにもSSW的な音と,ルイジアナ出身らしくケイジャン風味の音が混在するのもBobby Charlesらしい。

そしてこのアルバムには結構豪華なゲストを迎えているのが特徴的。特に84年はNeil Young,Willie Nelson,Fats DominoらがBobby Charlesをサポートする。一方,90年代の録音ではSonny Landrethの客演が光る。"The Jealous Kind"のスライドなんて最高である。それでも上述の通り,出来上がってっ来るのは完全にBobby Charlesの音楽というのは自身のアルバムが決して多い訳ではないのに大したものだと思う。変わりようがないとも言えるし,鉄板の個性と言うこともできるだろう。

もちろん,アルバムとしてはBearsville盤を聞いていれば事足りるってのも事実なのだが,それでもこれはこれで結構味わいのあるアルバムだということを再確認した私である。ラストのタイトル・トラックなんて泣かせるしねぇ。星★★★★。

Recorded in 1984,1992 and 1993

Personnel: Bobby Charles(vo), Sonny Landreth(g), Bobby Broussard(g), Tommy Moran(g), Neil Young(g), Jody Payne(g), Ben Keith(steel-g),  George Bitzer(key), Joe Krown(key), Tommy Withrow(p), Reese Wynans(p), Pat Breaux(accor, ts), David Hyde(b), B. Spears(b), Mike Burch(ds), David Peters(ds), Danny Kimball(ds, rubboard), Billy English(ds), Bobby Campo(perc), Karl Himmel(perc), Micky Raphael(hca), Marshall Cyr(tp), Jon Smith(ts), Bill Samuel(bs), Fats Domino(vo), Willie Nelson(vo, g), Elaine & Lisa Foster(vo), Erica Falls(vo), Dana Duhon(vo)

2021年12月 6日 (月)

Karen Daltonの"In My Own Time"の50周年記念盤がリリースだそうだ。

_20211204 "In My Own Time" Karen Dalton (Paramount→Papa’s Choice)

世の中には好き者がいて,いろいろな音源が拡大再発されるのには段々驚かなくなってきた。だから,このKaren Daltonの名盤の誉れ高きセカンド・アルバムの50周年記念盤が出るというのにも,なるほどと思いつつ,驚いたのはそのリリース形態である。3LP+7インチ×2+CDというスーパー・デラックス・エディションは凄いなぁと思いつつ,なるほどという感じだが,カセット・テープや8トラックまで出るらしいというのにはさすがにびっくりした。昨今,人気が一部で再燃しているカセット・テープはさておき,8トラなんて再生できる環境がどれぐらい残っているのかと思うと,これには本当に驚いた。

それはさておき,このアルバム,「ブラックホークの99選」にも入っているが,Karen Daltonは歌い手に徹していて,自作の提供はしていないので,彼女はシンガー・ソングライターではなく,あくまでもシンガーである。そして,アルバム・タイトル通り,(一部例外はあるものの)時代に即した曲を選んで歌っているって感じがする。そして,"When a Man Loves a Woman"みたいな曲も交えてしまうところがユニークだが,歌いっぷりは若干癖があるのも事実。しかし,私のようなSSW好きにとっては,このアルバムを支えるバックのメンツも魅力的なので,避けて通れないアルバムではある。おそらくはプロデューサーも務めたHarvey Brooksの人脈ってのもあるだろうが,Paul Butterfield作の"In My Own Dream"は曲もいいが,そこで聞かれるJohn Hallのソロなんて実に渋いものである。

だからと言って,50周年記念盤まで手を出すとは思えないが,何か凄いことになっているなぁと感じる今日この頃。アルバムとしては100%好みかどうかは別に,星★★★★☆には十分値すると思う。

Personnel: Karen Dalton(vo, g, banjo), Richard Bell(p), Harvey Brooks(b), Amos Garrett(g), John Hall(g), Daniel Hanken(g), Bill Keith(pedal steel), Ken Pearson(org), Denny Seiwell(ds), John Simon(p), Greg Thomas(ds), Dennis Whitted(ds), Bobby Notkoff(vln), Hart McNee(ts), Robert Fritz(cl), Marcus Doubleday(tp)

2021年12月 5日 (日)

ようやく到着。Joni Mitchellのアーカイブ・ボックス第2弾が最高だ!

Jma2 "Archives Volume 2: The Reprise Years 1968-1971" Joni Mitchell(Rhino)

リリースから若干時間が経過したこのボックスがようやくデリバリーされた。早くから発注していても,輸入盤が発売日に届くことが少ないAmazonにはマジで文句を言いたいところだが,価格差を考えれば仕方ないかもしれない。しかし,遅いものは遅い。本作を待望していた私としては待つのが実に辛かった。

ここに収められた音源はストリーミングでも聴けるんだから,それでも聞いて待っていてもよかったのだが,今回はひたすら待ちに徹していた私である。そのボックスを早速聴いているのだが,まず聞いたのが名門カーネギー・ホール出演時のライブ音源。いやはや実に若々しく瑞々しい。もうこれを聞くだけでも星★★★★★。全部聞き通すのがこれほど楽しみなボックスはない(きっぱり)。最高である。

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