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カテゴリー「ソウル/R&B」の記事

2020年8月11日 (火)

やはりDonny Hathawayのライブは最高なのだ。

_20200810"In Performance" Donny Hathaway(Atlantic)

私が長年愛聴しているのがDonny Hathawayの”Live"である。あれを最高と言わず,何を最高と言うのかというぐらいしびれるアルバムであるが,本作は”Live"と同じ時の音源を中心に,Donny Hathawayの死後にリリースされたライブ・アルバムである。残りテイクと言ってしまえばその通りなのだが,これまた実にしびれるアルバムなのだ。特に冒頭の”To Be Young, Gifted and Black"なんて鳥肌もの。もはやこれはゴスペルの世界とさえ言いたくなる歌だが,聴衆が大騒ぎするのも当然である。それぐらい強烈なのだ。それに続く"A Song for You"も絶唱である。この歌のうまさは尋常ではない。本当のソウルを感じる。

私はこの2曲だけでもこのアルバムは買う価値があると思っているが,全編に渡って素晴らしい演奏,歌唱の数々である。3曲目の"Nu-Po"はインストとなっているが,Donny Hathawayのエレピの響きというのがこれまた心地よいのだ。この曲だけCarnegie Hallでの演奏で,ほかのクラブでの演奏とは雰囲気が違うのだが,エレピのグルーブも楽しめることは言うまでもない。

4曲目だけがNYCのBitter Endでの演奏だが,これがまたソウルを感じさせる名唱。それに続く”We Need You Right Now"も"Sack Full of Dreams"も残りテイクと言うにはあまりにももったいないもので,"Live"と同様に聞かれるべきものである。

もちろん,スタジオ音源だって十分に魅力的なものと思いつつ,それでもやはりDonny Hathawayはライブが素晴らしいのだと改めて思ってしまった。星★★★★★。まじで惚れ惚れしてしまった。これを聞いて,Donny Hathawayのビター・スウィートとでも言うべき魅力を語り合えない人とは,私は友人にはなれないな(きっぱり)。

こうなったら次は既発音源と未発表音源を組み合わせた”These Songs for You, Live!"も久々に聞かない訳にはいかなくなって(笑)。

Recorded Live at the Troubador. the Bitter End(track 4) and the Carnegie Hall(track 3)

Personnel: Donny Hathaway(vo, el-p, p), Phil Upchurch(g), Mike Howard(g), Cornell Dupree(g), Gil Silva(g), Willie Weeks(b), Bassie Saunders(b), Fred White(ds), John Susswell(ds), Earl Derouen(conga), Leslie Carter(conga), Richard Tee(org)

2020年3月 1日 (日)

Barry Mannが名曲の数々をセルフ・カヴァーで歌う。いいねぇ。

_20200229 "Soul & Inspiration" Barry Mann(Atlantic)

数々の名曲を書いてきたBarry Mannがその名曲をセルフ・カヴァーで歌う企画アルバムだが,必要最小限のバックのメンバーを従えた演奏により,曲のよさが更に際立つというところだろう。そして,それを支えるコーラスやハーモニーをつける歌手が実に錚々たる歌手が揃っている。この辺りにBarry Mannというミュージシャンへのリスペクトが感じられるのが心地よい。

もちろん,オリジナルで歌われたヴァージョンに比べると,って話もあるかもしれない。しかし,Barry Mann自身の歌も結構洒脱な感じでいいのである。とにかく曲の持つパワーを感じるだけで幸せになれる。星★★★★☆。

Personnel: Barry Mann(vo, p, el-p), Paul Shaffer(org), Matthew McCauley(org), Dean Parks(g, sitar, mandolin), Fred Mollin(g, banjo, hca, vib, celeste, perc), David Piltch(b), Lenny Castro(perc), Oliver Schroer(perc), Pat Perez(ts, ss), Norton Buffalo(hca), Carole King(vo), Marc Jordan(vo), Brenda Russell(vo), Richard Marx(vo), Bryan Adams(vo), Daryl Hall(vo), Deana Carter(vo), J.D. Souther(vo), Peabo Bryson(vo), Leah Kunkel(vo)

2019年12月 6日 (金)

超懐かしい!Quincy Jonesの「愛のコリーダ」。

_20191204-2"The Dude" Quincy Jones(A&M)

実に懐かしい。冒頭の「愛のコリーダ」という曲名だけで日本では売れてしまったような気もするが,このアルバム,実にいい曲が揃っている。中でも私としては"Just Once","Razzamatazz",そして"Velas"の3曲が飛び抜けて好きである。

James Ingramが歌う"Just Once"はBarry MannとSynthia Weillの名コンビが書いた本当の名曲である。私は大胆にもカラオケでこれを歌うことがあるが,そう簡単にはいかない(当たり前だ!)。曲よし,歌よし,演奏よしの三拍子とはこれのことだ。"Razzamatazz"はPatti Austinがすばらしいノリで歌い,身体が勝手に動いてしまうこと必定。そして"Velas"である。Ivan Linsのこの曲をToots Thielemansのギター,口笛,ハーモニカでまるで歌うかのように演じている。このアルバムにおける唯一のインスト曲であるが,ここには歌はいらんと思わせるに十分。イントロからメイン・メロの流れはいつ聞いても感動してしまう。

と,ちょっと熱くなってしまったが,それ以外の曲も捨て曲はないと言ってもよい。もう1曲と言われれば"One Hundred Ways"を挙げるが,これに限らず,ナイスな曲揃いである。ただ,「愛のコリーダ」というアルバムの邦題がこのアルバムから私を若いころは遠ざけていたが,もっと早く聞いていれば,もっといい大人になっていたかもなぁ(爆)。結局,Quincy Jonesのアルバムにはやられてしまうということで,星★★★★☆。

それにしても,物凄いメンツが揃っている。パーソネルを眺めているだけで目がくらくらしてくる。あぁ,それって老眼のせい?ほっといてくれ!(爆)

Personnel:Quincy Jones(prod, arr, vo), Charles May(vo), James Ingram(vo), Patti Austin(vo), Jean "Toots" Thielemans(g, hca, whistle), Steve Lukather(g), Louis Johnson(b, clap), Abraham Laboriel(b), John Robinson(ds, clap), Paulinho DaCosta(perc), Herbie Hancock(el-p), Stevie Wonder(synth), David Foster(p, el-p), David 'Hawk' Wolinski(clavinet, synth, prog), Ian Underwood(synth, prog), Greg Phillinganes(synth, el-p, clap), Robbie Buchanan(synth), Lenny Castro(clap), Tom Bahler(vo), Jim Gilstrap(vo), Michael Jackson(vo), Syretta Wright(vo), LaLomie Washburn(vo), Yvonne Lewis(vo), Casey Cysick(vo), Jerry Hey(tp), Chuck Findley(tp), Bill Reichenbach(tb), Kim Hutchcroft(sax, fl), Ernie Watts(sax, fl), Larry Williams(sax, fl)

2019年11月 8日 (金)

Alabama Shakesのという注釈不要と思わせるBrittany Howardのソロ・アルバム。これが実に素晴らしい。

_20191105 "Jamie" Brittany Howard(ATO)

本作をリリースしたBrittany Howardは,Alabama Shakesのヴォーカリストである。Alabama Shakesというバンドは,この時代においても私のような年代のリスナーにさえ強烈にロックを感じさせてくれる稀有なバンドであり,私は彼らのアルバムに賞賛を惜しまなかった(記事はこちら)。Alabama Shakesのアルバムはその"Sound & Color"からリリースされないままだが,そこへBrittany Howardのアルバムが出るからには聞かない訳にはいかない。とか何とか言いながら,ストリーミングでやり過ごしていたのだが,やっぱりこれは保有に値するということで,現物を発注したものである。

ここでの音楽を聞いていて,私が何となく想起したのがMe'shell N'degeocelloであったが,ロックとソウルの中間をうまく行き来する感じって言うのが最初の感覚であった。だが,繰り返し聞けば聞けるほど展開される音楽は実に濃密な魅力に溢れる感じがしてくるのである。端的に言えばチャラチャラとしたところ皆無。音楽に真剣に対峙したいリスナーにこそ勧めたい深みのあるアルバムに仕上がっている。

Alabama Shakesのバンド・メイトのZac Cockrellに加えて,Robert GlasperやNate Smithが参加していることから,このBrittany Howardという人の立ち位置が見えるような気がする。GlasperもNate Smithも,軽々とジャンルを越境してしまう人たちだが,ここでの演奏,歌唱もジャンル超越型であることは前述の通りである。それが単にジャンルという枠だけで捉えてはもったいない音楽になっているのが強烈なのである。

一聴ローファイなサウンドから聞き取れる音楽のディープな魅力は私の筆力,表現力の及ばないところではあるが,それでも実にレベルの高い音楽であることは明らかなのだ。実に素晴らしい。Brittany Howard,31歳にしてこの成熟度は末恐ろしいとさえ感じさせる。いずれにしても,今年聞いた中でも屈指のロック・アルバムの一枚と思いつつ,響きは完全にソウルだ。星★★★★★。

Personnel: Brittany Howard(vo, g, key, b, ds, perc), Zac Cockrell(b), Robert Glasper(key, celeste), Paul Horton(key), Nate Smith(ds, perc, vib), Lloyd Buchanan(org), Larry Goldings(key), Lavinia Meuer(harp), Rob Moose(strings)

2019年10月24日 (木)

突如現れたLeon Wareのアナログ盤2枚組。今更とは言え,この人がこの世にいないことの喪失感が強まる。

Leon-ware-rainbow-deux "Rainbow Deux" Leon Ware(Kitchen / Be With)

メロウ大王ことLeon Wareがこの世を去ったのは2017年2月のことであった。彼の遺作は日本だけで媒体リリースされたらしい"Sigh"(同作に関する記事はこちら)だと思っていた私だが,某誌を読んでいたらこのアルバムのことが紹介されているではないか。しかもアナログ2枚組限定らしい。となるとこれは聞きたい!ということで,早速発注した私である。因みにストリーミングでも聞けるので念のため。

早速届いたこのアルバムであるが,2枚組全12曲のうち,半数は"Sigh"と被っている。しかし,残り6曲は"Sigh"以降のものらしいから,まぁよかろう。そして,このどこから聞いても,おぉっ,Leon Ware!って響きに,私は甘酸っぱい気持ちと,Leon Wareのいないこの世界の喪失感が混じり合った不思議な感覚を覚えていた。

まさにここで聞かれる音楽はメロウ・グルーブそのものである。私は完全に遅れてLeon Wareの魅力にはまった人間であるが,この素晴らしさの前では,Moonchildのようなバンドもぶっ飛んでしまうと言わざるをえない。まさにメロウ大王の名に恥じないグルーブに,私は身をよじる思いをしたのであった。

正直言って,曲の出来には若干差もあると感じさせる部分もあるが,もうこれにはもろ手を挙げて星★★★★★である。リリースされたことを感謝したくなるのはきっと私だけではないはずだ。尚,アルバム・カヴァーは全然Leon Wareらしくないが,何と彼の自作の"Deux Hearts"。人は見かけによらない(爆)。

そしてつくづく,彼の2012年の来日ライブに行きそこなったことは痛恨事だったと思う私だが,後悔先に立たず。せいぜいアルバムを聞いて彼を偲ぼう。アルバムのスリーブにある"Cherish Where We Come From." The Sensual Minister aka Leon Wareという表記には死して尚エロいLeon Wareと思ってしまったが...。

Personnel: Leon Ware(vo), Rob Bacon(g), Ronald Bruner(ds), Stephen Bruner(b), Theo Croker(g), David Foreman(g), Taylor Graves(key), Wayne Linsey(key), Carl Smith(perc), Dwayne "Smitty" Smith(b), Freddie Washington(b), Kamasi Washington(sax), Codany Holiday(vo), Nikki Grier(vo), Taura Stinton(vo), Kimbra(vo)

2019年10月22日 (火)

気持ちよさは継続中のMoonchild。

_20191019-2 ”Little Ghost" Moonchild(Tru Thoughts)

彼らの前作"Voyager"がリリースされた時には「理屈抜きで心地よくもゆるいグルーブ」と評した私だが,Moonchildと言うグループが生み出すメロウなグルーブ感は実に気持ちよいものだ。マルチ・インストゥルメンタリストとしての彼らが,ほぼ最小ユニットで作り上げる音は前作同様,一本調子と言ってしまえば見も蓋もないのだが,それでもこの心地よさには今回も抗い難い魅力がある。

サウンド的には更にメロウ・ソウル的な味わいが増していると言ってもよいだろうが,前作"Voyger"から受けた印象が強い私にとっては,ややエレピのサウンドが減少したように感じられるところがちょっと残念というところか。しかし,Amber Navranのウィスパー・ヴォイスと呼びたくなるような歌声はこのサウンドのメロウな感覚を増幅させる感覚があって,今回もやはり魅力的。

今回もストリングスが一部加わっているが,あくまでもサウンドの核はMoonchildの3人によって作り出されているので,それはあくまでも付随的。このゆったりしたサウンドに身を任せておけば,時間は経過していく。刺激は少ないが,やっぱりこういう音楽は好きだなぁ。星★★★★。

Personnel: Amber Navran(vo, el-p, synth, ts, fl, prog), Andris Mattson(p, el-p, synth, g, ukulele, fl-h, prog), Max Bryk(p, el-p, kalimba, synth, as, prog) with Quartet 405: Eliza James(vln), Rebecca Schlapicci(vln), Lila Crosswhite(vla), Danica Pinner(cello)

2019年9月18日 (水)

ずっと放置していたMarvin Gayeの「幻のアルバム」。

_20190916-2"You're the Man" Marvin Gaye(Tamla Motown)

新譜と呼ぶにはリリースされてから既に5カ月近く経過してしまったが,まぁよかろう。これはMarvin Gayeが”What's Going on"と"Let's Get it on"の間にリリースするつもりで吹き込んだ音源を,アルバムの形態として改めてリリースした「新作」である。とは言え,ほとんどが既発音源らしいので,純粋に「新作」と言い切ってしまうのは若干抵抗があるものの,こうしてリリースされることが重要ということにしておこう。

早いもので,Marvin Gayeが亡くなってから今年でもう35年である。正直言って,私が同時代でMarvin Gayeを意識して聞いていたのは"Midnight Love"ぐらいなので,彼の音楽に関しては完全に後追いである。だが,その後,(私の場合,決して多くはないが,)彼の音源に接すると,その音楽的な魅力,特に彼の書く曲,そしてその声の素晴らしさは理解していたつもりである。

そんなMarvin Gayeの「幻のアルバム」と聞いてはついつい手が出てしまう訳だが,遅ればせながら,改めてこの拾遺的なアルバムを聞いてみると,これが実に素晴らしい。正式なアルバム化が為されてこなかったとしても,この曲のクォリティである。正当ソウル,ファンク,スイート,更にはゴスペル的なところも感じさせたり,なんでもござれのようなアルバムであるが,駄曲がないってのが凄い。逆に言えば,このアルバムに収録された音源を録音している時期のMarvin Gayeの凄さというのを改めて感じさせられる。陳腐な言い方をすれば,「創造力のピーク」ってことになるのかもしれないが,それにしてもまぁ...って感じである。

これが本人の意図したかたちのアルバム形態だったのかはもはやわからないとしても,こういうアルバムがこの時代に「新作」として聞けることの幸せを覚えるのは私だけではあるまい。彼のオリジナル・アルバムに比べた評価ではなく,この時代にもMarvin Gayeの音楽が十分な訴求力を有することに感謝して星★★★★★としてしまおう。まじでいいですわ。

尚,パーソネルは多数かつ不明な部分もあるので割愛。

2019年1月 3日 (木)

Meshell Ndegeocelloのカヴァー・アルバムを改めて聞く。超カッコいいねぇ。

"Ventriloquism" Meshell Ndegeocello(Naive)

_20190102これは昨年アップし損なっていたアルバムだが,そもそも最初はストリーミングで聞いていて,いいねぇと思っていたものを年末にフィジカル媒体をゲットして改めて聞いた。

正直言って,ストリーミングで聞いてもよかったが,リアルな媒体で聞くと更にこれがよく聞こえる。端的に言えば,ストリーミングは通勤途上の「ながら聞き」だが,リアルな媒体は,家でのCDのプレイバックゆえに,音楽に対峙する姿勢がそもそも違うということもあるが,実のところ,感覚的な違いは非常に大きかった。とにかく冒頭の"I Wonder If I Take You Home"からしてこのカッコよさは何よと思わせ,マジでしびれる。

正直言って,カヴァー・アルバムって企画が安易だって話はあるのだが,やはりMeshell Nedegeocelloはカヴァーはカヴァーでも,実に強烈である。これを契機にオリジナルも聞いてみたくなるような音楽的な魅力を発露していて,実に素晴らしい。"I Wonder If I Take You Home"に顕著なハードな部分と,スイート(と言っても,彼女の場合はビター・スイートだが...)な部分を共存させ,これは楽しめる。そして,例えば,Tina Turnerの"Private Dancer"やSadeの"Smooth Operator"を歌っても,これはもはや完全にMeshell Nedegeocello色に染まってしまっているのも凄い。

曲は80年代中盤から後半の曲が中心であるが,これほどの曲が揃っていた時代だったのだということを再度確認できるというだけでも,このアルバムは価値がある。こういうアルバムをタイムリーにブログにアップできていない私はアホだとさえ思えてしまった。これを真面目に記事にしていれば,間違いなく昨年のベスト盤に挙げていたと反省してしまった。そうした反省の意味も込めて星★★★★★である。

やはりこの人,何をやっても奥が深い。凄いミュージシャンだと言わざるをえない。ゲスト・ミュージシャンもいることはいるものの,基本はコアとなるバンドの4人で仕上げているところのポイントも極めて高い。こういうアルバムに「腹話術」ってタイトルを付けるセンスも凄いよねぇ。

ってことで,昨年のおすすめ盤リストに今更載せるのは反則だと思いつつ,載せずにいられないってことで

Personnel; Meshell Nedegeocello(vo, b), Chris Bruce(g), Jebin Bruni(key), Abraham Rounds(ds). with Adam Levy(g), Jeff Parker(g), Doyle Bramhall II(g), Kaveh Rastegar(b), Levon Henry(woodwinds), Chris Pierce(hca), Kat Khaleel(vo), Justin Hicks(vo), Jonathan Hoard(vo), Anne Schermerhorn(vo), Eric Shermerhorn(vo)

2018年12月29日 (土)

2018年の回顧:音楽編(その1:ジャズ以外)

2018_albums_1

今年を回顧する記事の3回目はジャズ以外の音楽にしよう。昨今はよほどのことがないと,新譜を買う場合でも,ストリーミングで試聴して購入するのが常となっているので,以前に比べると,購入枚数は劇的に減っているし,以前なら中古で買ったであろうアルバムも,そんなに回数も聞かないことを考えると,そっちもストリーミングで済ませるようになってしまった。

そんなことなので,先日発売されたミュージック・マガジン誌において,今年のベスト・アルバムに選ばれているような作品もほとんど聞けていないような状態で,何が回顧やねん?と言われればその通りである。そんな中で,今年聞いてよかったなぁと思う作品は次のようなものであった。

<ロック/ポップス>Tracy Thorn:"Record"

<ソウル>Bettye Lavette:"Things Have Changed"

<ブルーズ>Buddy Guy:"Blues Is Live & Well"

<ブラジル>Maria Rita: "Amor E Musica"

そのほかにもNeil YoungやRy Cooder,Ray Lamontagneもよかったが,聞いた時の私への訴求度が高かったのは上記の4枚だろうか。その中でも最も驚かされたのがBuddy Guy。録音時に80歳を越えていたとは思えないエネルギーには心底ぶっ飛んだ。また,Bettye Lavetteはカヴァー・アルバムが非常に素晴らしいのは前からわかっていたのだが,今回のBob Dylan集も痺れる出来であった。しかし,印象の強さという点で,今年の私にとってのナンバー1アルバムはBuddy Guyである。しかし,買いそびれているアルバムもあってMe'Shell Ndegéocelloのカヴァー・アルバムもいいなぁと思いつつ,ついついタイミングを逃してしまった。これを機に買うことにするか,あるいはストリーミングで済ませるか悩ましい。

そして,今年は新譜ばかりではないが,現代音楽のピアノをよく聞いた年であった。特にECMから出たものが中心であったが,心を落ち着かせる効果のある,ある意味私にとってのヒーリング・ミュージックのような役割を果たしていたと言っていこう。

Joni_mitchell_isle_of_wight最後に映像に関して言えば,何はなくともJoni Mitchellのワイト島ライブ。いろいろと議論を呼んだこの時の演奏であるが,凛としたJoniの姿を見られただけで感動してしまった私である。Joni Mitchellと言えば,今年生誕75周年のトリビュート・コンサートが開催されたが,若々しいJoniの姿,声にはやはりファンでよかったと思ってしまう。Joniと言えば,Norman Seeffとのフォト・セッションの写真集を発注済みなのだが,まだ到着していない。そちらは今年中に来るか,越年するかわからないが,そちらも楽しみに待つことにしよう。

2018年11月22日 (木)

Will Leeのライブを約5年ぶりに見た。楽しかった~。

Will_lee_at_cotton_club_2

出張から帰って,疲労も抜けぬうちのライブである。私もつくづくアホだなと思うが,好きなものはやめられない。ってことで,日本のライブ・ハウスも結構久しぶりである。

Will_lee私がWill Leeのライブを見たのは今から約5年前に遡る。その時はChuck Loeb,Steve Gadd,そして後にPat Metheny Unity Bandに加わるGiulio Carmassiらとのライブだったが,それはそれは楽しいライブであった(記事はこちら)。しかし,Chuck Loebはもはやこの世にいないというのもある意味信じ難い。

それはさておきである。Will Leeは矢野顕子やら,桑原あいやらとの演奏でも来日しているが,私は見に行っていない。あくまでもWill Leeのバンドにこだわっているのである(爆!ほんまか?)。Will Leeという人は,人を楽しませる術を知っているというか,ライブは絶対楽しいに決まっているという自信が私にはあるが,やっぱり今回も楽しかった。

今回はギターにOz Noy,キーボードにJeff Young,そしてドラムスにCharley Draytonというなかなかのメンツである。Jeff Youngだけは誰だっけと思っていたのだが,Cotton ClubにあったCDで思い出した。Michael LandauがベースレスのトリオでやったBlue Hornというバンドがあったが,そのメンバーだったのがJeff Youngではないか。ひやぁ~とCDを眺めていて思ってしまった。正直言ってキーボード・プレイヤーとしてより,ヴォーカリストとしての魅力が大きいかなって感じだったが,ナイスな声を聞かせていたのが印象的。

ドラムスのCharley DraytonはKeith Richardsのソロ活動のバンド,X-pensive Winosのベース(たまにドラマー)だった訳だが,暫く名前を聞かないと思ったら,91年から08年までオーストラリアのバンド,Divinylsで活動していたらしい。 今回,東京においてこうして彼の演奏を見られたのは結構レアな機会だったのかもしれないが,実にタイトなドラミングであった。Oz Noyはいろんなスタイルでギターを弾いていたが,曲によってはClaptonか?みたいな感じになりつつ,多様なスタイルに対応できるのねぇ。ただの変態ではないのだ。

演奏はやはりWill Leeらしいエンタテインメント性溢れる「どファンク」である。Beatles,Beach Boys,ジミヘンからHiram Bullockまで何でもありである。正直言って,彼らのようなバンドにBeach Boysの"God Only Knows"は合ってなかったと思うが,それ以外はファンク,ファンク,どファンクである。聴衆に歌わせるのもうまいしねぇ。私としては懐かしやHiram Bullockの"Da Alley"が聞けたのが嬉しかったが,本当にWill LeeとHiram Bullockは仲が良かったんだねぇと思ってしまった。YouTubeに今回と同じメンツで,NYCのBitter Endに出た時の映像があったので,それをアップしておこう。Hiram Bullockのアルバムが好きだった私はついつい一緒に歌っちゃったんだよねぇ(笑)。上のステージの写真はCotton Clubから拝借。

いずれにしても,今回もWill Leeの芸人魂炸裂の楽しいライブであった。

Live at Cotton Club on November 21,2018, 2ndセット

Personnel: Will Lee(b, vo), Jeff Young(key, vo), Oz Noy(g), Charley Drayton(ds) 

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