フィジカルでリリースされないのが惜し過ぎるLizz Wrightのライブ音源。
"Holding Space: Live in Berlin" Lizz Wright (Blues & Greens)
私が最初にLizz Wrightの音楽に接したのは"The Orchard"でのことだったが,そこから遡ってデビュー作含めて,ずっとLizz Wrightの音楽を聞いてきたし,彼女のアルバムが出れば,高く評価してきたつもりだ。彼女のさまざまなタイプの音楽に根差した歌唱,そして声は実に魅力的であり,これまでも,そしてこれからも期待できる歌手だと思っている。
そんなLizz Wrightの最新作は,彼女自身が設立したと思しきBlues & Greensレーベルからのもので,去年の夏場にはリリースされていたはずだ。しかし,このアルバム,フィジカルな媒体では発売されず,ストリーミング/ダウンロード・オンリーというかたちになっていたため,私は聞いてはいたものの,このブログにアップできていなかった。
このライブ音源は,2018年の欧州ツアーの模様を収めたものらしく,録音から少々時間は経過しているが,改めて聞いても,その音楽の魅力は不変である。私が彼女のライブに接したのはもう7年以上前のCotton Clubにおいてであったが,その時の感動が甦るような素晴らしいアルバムだと思う。
バック・バンドもタイトなまとまりを示し,Lizz Wrightの歌唱を適切にサポートしているのも嬉しいが,とにもかくにもLizz Wright本人の歌が魅力的過ぎる。来日時にも歌ったNeil Youngの"Old Man"のカヴァーなんか最高だよなぁと思ってしまう。私がフィジカルな媒体にこだわってさえいなければ,このアルバムは間違いなく昨年のベスト・アルバムの一枚に加えていたと思わざるをえない素晴らしい音源。星★★★★★。
このアルバムとタイミングは違うが,North Sea Jazz Festivalで歌った"Old Man"の映像を貼り付けておこう。MCやらイントロやらに続いて,Lizz Wrightが歌いだした瞬間,くぅ~っとなること必定。また来日してくれないものか...。
Recorded Live in Berlin in 2018
Personnel: Lizz Wright(vo), Chris Bruce(g), Bobby Ray Sparks II(key), Ben Zwerin(b), Ivan Edwards(ds)
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