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カテゴリー「ソウル/R&B」の記事

2020年10月30日 (金)

久々にStevie Wonderのベスト盤を聞く。

_20201029-6 "Song Review: A Greatest Hits Collection" Stevie Wonder(Motown)

このベスト盤がリリースされたのが1996年だからもはや四半世紀前のことである。光陰矢の如し。Stevie Wonderがその天才を発揮していたのは1970年代ってことになるだろうが,その時代のアルバムを聞くのもよし,あるいはこういうベスト盤で気楽に聞くのもよしであるが,それはリスナーが選べばよい話である。

私が保有しているのは2枚組のヴァージョンだが,1枚ものもあったと記憶している。しかし,Stevie Wonderの天才はどうやったって1枚で収まる訳はないと当時は考えていたはずの私である。これを買ったのは確か町田のTower Recordだったはずだが,なぜか買ったアルバムについてTV番組でインタビューされてしまったのも懐かしい。その時もこれは2枚組を買わなきゃいかんとか言ったと思うが,今にして思えば結構恥ずかしい。しかも家人と一緒にである(爆)。

それはさておきである。久々にこのアルバムを取り出した私だが,まぁ,どこから聞いてもいい曲揃いだと改めて思わされる。選ばれた曲には時代の違いがあるから,サウンドは随分違うなぁと思わされても,曲のよさがあればそんなことは気にならない。こういう曲を聞かされると,ついついカラオケでチャレンジしたくなってしまうのが私の性癖であるが,昔は結構歌ったなぁってのが"Overjoyed"とか"Lately"である。我ながら人の迷惑顧みずって感じだが,だって歌いたいと思っちゃうんだもんなぁ(爆)。

Stevie Wonderの素晴らしいところはそういうバラッドもよければ,ミディアムでもアップテンポでも素晴らしい曲を書くってことだが,ここには入っていないが"Anotehr Star"とか好きなんだよなぁ。ってことで,稀代のソングライターとしてのStevie Wonderを楽しむにはこれほどよいコンピレーションはない。こういうところから入って,アルバムに行くのも私はありだと思うな。星★★★★★。

2020年10月15日 (木)

Michael Landau参加のBlue Hornのアルバム:まじでカッコいいギターである。

_20201011 "Nose for Neighbors" Blue Horn (Sun Soul)

私が初めてMichael Landauに注目したのは,彼がBoz Scaggsと来日した1983年の代々木体育館のことだったと思う。アルバムであればSteve Lukatherが弾いていたパートを見事にこなし,実にソリッドな感覚を覚えさせてくれて,あいつは何者だ?と思ったのも懐かしい。その後,いろいろなアルバムでMichael Landauのプレイに接する機会は増え,更には彼のリーダー・アルバムも何枚か買うことにはなったのだが,その中で印象に残っているのが,Joni Mitchellのライブ・ビデオ,"Refuge of the Road"であった。それについてはこのブログを初めてすぐぐらいに記事にしている(記事はこちら)。そこでも,Michael Landauのプレイぶりには目が点になった私であった。

そんなMichael Landauであるが,これもブログには書いているが,彼は自身のリーダー作よりもほかのミュージシャンのバックの方が光るように感じているのも事実である。そうは言いながら,このアルバムもやっぱりMichael Landauが聞きたくて買ったようなものだが,結果的にはどうだったか?

私の感覚では,このアルバムはBlue Hornというバンド名義ながら,そのメインは曲のほとんどを書いているリード・ヴォーカル兼キーボードのJeff Youngなのであって,Michael Landauは本質的に助演である。そういう意味では,私にとってはMichael Landauの魅力が炸裂する環境である。そしてその通りになっているから,ファンとしてはこれは嬉しいアルバムである。

だが,このアルバム,R&B的と言えばその通りだし,ロック的だと言えばその通りだが,Michael Landauのギターだけで成立するものではない。だからもう少しMichael Landauの更なる露出を求めたくなってもそれは不思議ではない。しかし,ミュージシャンとしてのMichael Landauは,彼には悪いが,主役よりも脇で光る人なのだ。それを考えれば,これぐらいが適切って感じのプレイぶりに喜ぶ人は喜んでいればいいってところである。

ってことで,別に歴史に残るアルバムでも何でもないのだが,その筋の人は知っていてよいアルバムである。Michael Landauゆえの星★★★★(絶対甘いけど...)。

ネット・サーフィンをしていたら,上述の1983年のライブの映像があったので,貼り付けておこう。主役はあくまでBoz Scaggsなので,映像にはMichael Landauは大して出てこないが,どうして私がこの人のことが気になったかは分かってもらえるような音ではある。

Personnel: Jeff Young(vo, org, key), Michael Landau(g, vo), Anastasios Panos(ds, perc)

2020年9月12日 (土)

James Ingram:つくづくいい歌い手であった。

_20200907-2"The Power of Great Music" James Ingram(Warner Brothers)

昨年,惜しくも脳腫瘍で亡くなったJames Ingramのベスト盤を改めて聞いてみた。私にとってJames Ingramは,桑田佳祐もカヴァーした"Just Once"が最も印象に残る。桑田がカヴァーしたのは変名でレコーディングした嘉門雄三&Victor Wheelsのライブ盤であったが,もとはQuincy Jonesのアルバム,「愛のコリーダ(”The Dude")」中の1曲である。これをいち早くライブで取り上げる桑田のセンスに感心しつつ,この曲のよさをつくづく感じていたあの頃が懐かしい。後々になって,やはりBarry Mannの書く曲は素晴らしいと思っていたが,何を血迷ったか,カラオケでこの曲を歌ってしまうという暴挙に出る私なのであった(爆)。それぐらいいい曲なのだ(きっぱり)。

それはさておき,Quincy Jonesのアルバムでの歌いっぷりが素晴らしかったことから,ソロ・アルバムも出し,ビッグネームとのデュエット曲もヒットしたJames Ingramのキャリアを総括するにはこれほど適したアルバムはない。もう肝心なところは全部入っているって感じである。全12曲中4曲がデュエットってのもこの人らしい。

また,このアルバムにはBarry Mannの曲が4曲含まれているが,Barry MannとJames Ingramの関係は,Burt BacharachとDionne Warwickの関係みたいなものだったのかもなぁなんて考えてしまった。まさに相性ぴったりなのである。

そして,改めてこのアルバムのタイトルを見て,今更のようにそうだったのかと思う私も私だが,まさに「音楽の力は偉大だ!」と思わされる堂々たる歌唱の数々を聞いて,つくづく惜しい人を亡くしたと思った私であった。James Ingramは亡くなったが,これこそエヴァーグリーンと呼ぶべき歌唱の数々。これがオリジナル・アルバムならそうもいかなかっただろうが,これほどの名曲,佳曲揃いなら文句も出ない。このアルバムを聞きながら,James Ingramという歌手を偲びたいと思う。星★★★★★。ベスト盤ではあるが,クレジットも手抜きをしないライナーも丁寧に作られているおり,実に好感度が高い。人柄だな。

2020年8月22日 (土)

John Legendの新譜:さすがの曲のクォリティなのだが,このサウンド・プロダクションは...。

_20200817-2 "Bigger Love" John Legend(Columbia)

John Legendは素晴らしい歌手である。私は彼のアルバムをほぼ好意的に捉えてきた。例外は"Evolver"ぐらいか。この人の声,歌は実に魅力的であり,その魅力は幅広い層に訴求するものと思うが,今回はジャケも含めて,こういう時代における「ポジティブな感覚」や「愛」の重要性を打ち出している感じがして,相変わらずなかなかの佳曲揃いなのだが,私がどうも気に入らないのはそのサウンド・プロダクションである。

かなりの曲で打ち込みが使われていて,そこが私のような年寄りのリスナーにはそもそも向かないし,過剰な低音強調も気持ち悪い。そして,John Legendの声はもっと装飾を排しても魅力的なはずなのだが,このミキシングはどうにも馴染めない。聞いていて,どうしても違和感がぬぐえないし,もったいないと思ってしまうってのが正直なところなのだ。

これが今の時代の音だと言われてしまえば,私がそれについていけないだけなのだが,私はこれならJohn Legendの初期のアルバムを聞くと言いたくなる。音楽の質とサウンドの質が少なくとも私にとってはアンマッチなのが減点材料となり,星★★★★が精一杯。後半なんて曲が実にいい(最後の"Never Break"なんてたまらん)ので,やっぱりもったいないと思う私である。尚,登場ミュージシャン多数なので,Personnelは省略。

2020年8月11日 (火)

やはりDonny Hathawayのライブは最高なのだ。

_20200810"In Performance" Donny Hathaway(Atlantic)

私が長年愛聴しているのがDonny Hathawayの”Live"である。あれを最高と言わず,何を最高と言うのかというぐらいしびれるアルバムであるが,本作は”Live"と同じ時の音源を中心に,Donny Hathawayの死後にリリースされたライブ・アルバムである。残りテイクと言ってしまえばその通りなのだが,これまた実にしびれるアルバムなのだ。特に冒頭の”To Be Young, Gifted and Black"なんて鳥肌もの。もはやこれはゴスペルの世界とさえ言いたくなる歌だが,聴衆が大騒ぎするのも当然である。それぐらい強烈なのだ。それに続く"A Song for You"も絶唱である。この歌のうまさは尋常ではない。本当のソウルを感じる。

私はこの2曲だけでもこのアルバムは買う価値があると思っているが,全編に渡って素晴らしい演奏,歌唱の数々である。3曲目の"Nu-Po"はインストとなっているが,Donny Hathawayのエレピの響きというのがこれまた心地よいのだ。この曲だけCarnegie Hallでの演奏で,ほかのクラブでの演奏とは雰囲気が違うのだが,エレピのグルーブも楽しめることは言うまでもない。

4曲目だけがNYCのBitter Endでの演奏だが,これがまたソウルを感じさせる名唱。それに続く”We Need You Right Now"も"Sack Full of Dreams"も残りテイクと言うにはあまりにももったいないもので,"Live"と同様に聞かれるべきものである。

もちろん,スタジオ音源だって十分に魅力的なものと思いつつ,それでもやはりDonny Hathawayはライブが素晴らしいのだと改めて思ってしまった。星★★★★★。まじで惚れ惚れしてしまった。これを聞いて,Donny Hathawayのビター・スウィートとでも言うべき魅力を語り合えない人とは,私は友人にはなれないな(きっぱり)。

こうなったら次は既発音源と未発表音源を組み合わせた”These Songs for You, Live!"も久々に聞かない訳にはいかなくなって(笑)。

Recorded Live at the Troubador. the Bitter End(track 4) and the Carnegie Hall(track 3)

Personnel: Donny Hathaway(vo, el-p, p), Phil Upchurch(g), Mike Howard(g), Cornell Dupree(g), Gil Silva(g), Willie Weeks(b), Bassie Saunders(b), Fred White(ds), John Susswell(ds), Earl Derouen(conga), Leslie Carter(conga), Richard Tee(org)

2020年3月 1日 (日)

Barry Mannが名曲の数々をセルフ・カヴァーで歌う。いいねぇ。

_20200229 "Soul & Inspiration" Barry Mann(Atlantic)

数々の名曲を書いてきたBarry Mannがその名曲をセルフ・カヴァーで歌う企画アルバムだが,必要最小限のバックのメンバーを従えた演奏により,曲のよさが更に際立つというところだろう。そして,それを支えるコーラスやハーモニーをつける歌手が実に錚々たる歌手が揃っている。この辺りにBarry Mannというミュージシャンへのリスペクトが感じられるのが心地よい。

もちろん,オリジナルで歌われたヴァージョンに比べると,って話もあるかもしれない。しかし,Barry Mann自身の歌も結構洒脱な感じでいいのである。とにかく曲の持つパワーを感じるだけで幸せになれる。星★★★★☆。

Personnel: Barry Mann(vo, p, el-p), Paul Shaffer(org), Matthew McCauley(org), Dean Parks(g, sitar, mandolin), Fred Mollin(g, banjo, hca, vib, celeste, perc), David Piltch(b), Lenny Castro(perc), Oliver Schroer(perc), Pat Perez(ts, ss), Norton Buffalo(hca), Carole King(vo), Marc Jordan(vo), Brenda Russell(vo), Richard Marx(vo), Bryan Adams(vo), Daryl Hall(vo), Deana Carter(vo), J.D. Souther(vo), Peabo Bryson(vo), Leah Kunkel(vo)

2019年12月 6日 (金)

超懐かしい!Quincy Jonesの「愛のコリーダ」。

_20191204-2"The Dude" Quincy Jones(A&M)

実に懐かしい。冒頭の「愛のコリーダ」という曲名だけで日本では売れてしまったような気もするが,このアルバム,実にいい曲が揃っている。中でも私としては"Just Once","Razzamatazz",そして"Velas"の3曲が飛び抜けて好きである。

James Ingramが歌う"Just Once"はBarry MannとSynthia Weillの名コンビが書いた本当の名曲である。私は大胆にもカラオケでこれを歌うことがあるが,そう簡単にはいかない(当たり前だ!)。曲よし,歌よし,演奏よしの三拍子とはこれのことだ。"Razzamatazz"はPatti Austinがすばらしいノリで歌い,身体が勝手に動いてしまうこと必定。そして"Velas"である。Ivan Linsのこの曲をToots Thielemansのギター,口笛,ハーモニカでまるで歌うかのように演じている。このアルバムにおける唯一のインスト曲であるが,ここには歌はいらんと思わせるに十分。イントロからメイン・メロの流れはいつ聞いても感動してしまう。

と,ちょっと熱くなってしまったが,それ以外の曲も捨て曲はないと言ってもよい。もう1曲と言われれば"One Hundred Ways"を挙げるが,これに限らず,ナイスな曲揃いである。ただ,「愛のコリーダ」というアルバムの邦題がこのアルバムから私を若いころは遠ざけていたが,もっと早く聞いていれば,もっといい大人になっていたかもなぁ(爆)。結局,Quincy Jonesのアルバムにはやられてしまうということで,星★★★★☆。

それにしても,物凄いメンツが揃っている。パーソネルを眺めているだけで目がくらくらしてくる。あぁ,それって老眼のせい?ほっといてくれ!(爆)

Personnel:Quincy Jones(prod, arr, vo), Charles May(vo), James Ingram(vo), Patti Austin(vo), Jean "Toots" Thielemans(g, hca, whistle), Steve Lukather(g), Louis Johnson(b, clap), Abraham Laboriel(b), John Robinson(ds, clap), Paulinho DaCosta(perc), Herbie Hancock(el-p), Stevie Wonder(synth), David Foster(p, el-p), David 'Hawk' Wolinski(clavinet, synth, prog), Ian Underwood(synth, prog), Greg Phillinganes(synth, el-p, clap), Robbie Buchanan(synth), Lenny Castro(clap), Tom Bahler(vo), Jim Gilstrap(vo), Michael Jackson(vo), Syretta Wright(vo), LaLomie Washburn(vo), Yvonne Lewis(vo), Casey Cysick(vo), Jerry Hey(tp), Chuck Findley(tp), Bill Reichenbach(tb), Kim Hutchcroft(sax, fl), Ernie Watts(sax, fl), Larry Williams(sax, fl)

2019年11月 8日 (金)

Alabama Shakesのという注釈不要と思わせるBrittany Howardのソロ・アルバム。これが実に素晴らしい。

_20191105 "Jamie" Brittany Howard(ATO)

本作をリリースしたBrittany Howardは,Alabama Shakesのヴォーカリストである。Alabama Shakesというバンドは,この時代においても私のような年代のリスナーにさえ強烈にロックを感じさせてくれる稀有なバンドであり,私は彼らのアルバムに賞賛を惜しまなかった(記事はこちら)。Alabama Shakesのアルバムはその"Sound & Color"からリリースされないままだが,そこへBrittany Howardのアルバムが出るからには聞かない訳にはいかない。とか何とか言いながら,ストリーミングでやり過ごしていたのだが,やっぱりこれは保有に値するということで,現物を発注したものである。

ここでの音楽を聞いていて,私が何となく想起したのがMe'shell N'degeocelloであったが,ロックとソウルの中間をうまく行き来する感じって言うのが最初の感覚であった。だが,繰り返し聞けば聞けるほど展開される音楽は実に濃密な魅力に溢れる感じがしてくるのである。端的に言えばチャラチャラとしたところ皆無。音楽に真剣に対峙したいリスナーにこそ勧めたい深みのあるアルバムに仕上がっている。

Alabama Shakesのバンド・メイトのZac Cockrellに加えて,Robert GlasperやNate Smithが参加していることから,このBrittany Howardという人の立ち位置が見えるような気がする。GlasperもNate Smithも,軽々とジャンルを越境してしまう人たちだが,ここでの演奏,歌唱もジャンル超越型であることは前述の通りである。それが単にジャンルという枠だけで捉えてはもったいない音楽になっているのが強烈なのである。

一聴ローファイなサウンドから聞き取れる音楽のディープな魅力は私の筆力,表現力の及ばないところではあるが,それでも実にレベルの高い音楽であることは明らかなのだ。実に素晴らしい。Brittany Howard,31歳にしてこの成熟度は末恐ろしいとさえ感じさせる。いずれにしても,今年聞いた中でも屈指のロック・アルバムの一枚と思いつつ,響きは完全にソウルだ。星★★★★★。

Personnel: Brittany Howard(vo, g, key, b, ds, perc), Zac Cockrell(b), Robert Glasper(key, celeste), Paul Horton(key), Nate Smith(ds, perc, vib), Lloyd Buchanan(org), Larry Goldings(key), Lavinia Meuer(harp), Rob Moose(strings)

2019年10月24日 (木)

突如現れたLeon Wareのアナログ盤2枚組。今更とは言え,この人がこの世にいないことの喪失感が強まる。

Leon-ware-rainbow-deux "Rainbow Deux" Leon Ware(Kitchen / Be With)

メロウ大王ことLeon Wareがこの世を去ったのは2017年2月のことであった。彼の遺作は日本だけで媒体リリースされたらしい"Sigh"(同作に関する記事はこちら)だと思っていた私だが,某誌を読んでいたらこのアルバムのことが紹介されているではないか。しかもアナログ2枚組限定らしい。となるとこれは聞きたい!ということで,早速発注した私である。因みにストリーミングでも聞けるので念のため。

早速届いたこのアルバムであるが,2枚組全12曲のうち,半数は"Sigh"と被っている。しかし,残り6曲は"Sigh"以降のものらしいから,まぁよかろう。そして,このどこから聞いても,おぉっ,Leon Ware!って響きに,私は甘酸っぱい気持ちと,Leon Wareのいないこの世界の喪失感が混じり合った不思議な感覚を覚えていた。

まさにここで聞かれる音楽はメロウ・グルーブそのものである。私は完全に遅れてLeon Wareの魅力にはまった人間であるが,この素晴らしさの前では,Moonchildのようなバンドもぶっ飛んでしまうと言わざるをえない。まさにメロウ大王の名に恥じないグルーブに,私は身をよじる思いをしたのであった。

正直言って,曲の出来には若干差もあると感じさせる部分もあるが,もうこれにはもろ手を挙げて星★★★★★である。リリースされたことを感謝したくなるのはきっと私だけではないはずだ。尚,アルバム・カヴァーは全然Leon Wareらしくないが,何と彼の自作の"Deux Hearts"。人は見かけによらない(爆)。

そしてつくづく,彼の2012年の来日ライブに行きそこなったことは痛恨事だったと思う私だが,後悔先に立たず。せいぜいアルバムを聞いて彼を偲ぼう。アルバムのスリーブにある"Cherish Where We Come From." The Sensual Minister aka Leon Wareという表記には死して尚エロいLeon Wareと思ってしまったが...。

Personnel: Leon Ware(vo), Rob Bacon(g), Ronald Bruner(ds), Stephen Bruner(b), Theo Croker(g), David Foreman(g), Taylor Graves(key), Wayne Linsey(key), Carl Smith(perc), Dwayne "Smitty" Smith(b), Freddie Washington(b), Kamasi Washington(sax), Codany Holiday(vo), Nikki Grier(vo), Taura Stinton(vo), Kimbra(vo)

2019年10月22日 (火)

気持ちよさは継続中のMoonchild。

_20191019-2 ”Little Ghost" Moonchild(Tru Thoughts)

彼らの前作"Voyager"がリリースされた時には「理屈抜きで心地よくもゆるいグルーブ」と評した私だが,Moonchildと言うグループが生み出すメロウなグルーブ感は実に気持ちよいものだ。マルチ・インストゥルメンタリストとしての彼らが,ほぼ最小ユニットで作り上げる音は前作同様,一本調子と言ってしまえば見も蓋もないのだが,それでもこの心地よさには今回も抗い難い魅力がある。

サウンド的には更にメロウ・ソウル的な味わいが増していると言ってもよいだろうが,前作"Voyger"から受けた印象が強い私にとっては,ややエレピのサウンドが減少したように感じられるところがちょっと残念というところか。しかし,Amber Navranのウィスパー・ヴォイスと呼びたくなるような歌声はこのサウンドのメロウな感覚を増幅させる感覚があって,今回もやはり魅力的。

今回もストリングスが一部加わっているが,あくまでもサウンドの核はMoonchildの3人によって作り出されているので,それはあくまでも付随的。このゆったりしたサウンドに身を任せておけば,時間は経過していく。刺激は少ないが,やっぱりこういう音楽は好きだなぁ。星★★★★。

Personnel: Amber Navran(vo, el-p, synth, ts, fl, prog), Andris Mattson(p, el-p, synth, g, ukulele, fl-h, prog), Max Bryk(p, el-p, kalimba, synth, as, prog) with Quartet 405: Eliza James(vln), Rebecca Schlapicci(vln), Lila Crosswhite(vla), Danica Pinner(cello)

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