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カテゴリー「ソウル/R&B」の記事

2023年9月28日 (木)

Dan Penn~Spooner Oldhamをビルボードライブ東京で観た。

Dan-penn 数々の名曲を生み出したこのコンビも,Dan Pennが81歳,Spooner Oldhamが80歳の後期高齢者となっては,次があるかどうかはわからないということで,ビルボードライブ東京における彼らのライブを観に行ってきた。彼らの現在の雰囲気に近い写真をアップしておくが,実際は更によいよい感が増していると思ってもらえばよいだろう(爆)。

コロナ禍もあって,私がこのヴェニューを訪れるのは何と5年半ぶりで,前回はVictor Wootenのバンドを観に行って以来となる。その時から全然店の雰囲気は変わらないが,変化があったのは,予約情報がQRコードとしてメールで送られてきて,それを受付で提示するという仕組みになったことぐらいだろう。それによってチェックインのプロセスが効率的になったのは間違いないところだ。

Spooner-oldham それはさておきDan PennとSpooner Oldhamである。Dan Pennは杖を使わないと足元もおぼつかないし,Spooner Oldhamは演奏の途中でミスるという高齢者らしい姿を見ると,時の流れを感じざるをえないが,それでもDan Pennは年齢の割には声はよく出ていたし,Spooner Oldhamはミスったものの,それ以外はご両人の楽器のプレイぶりもいい音が出ていたし,しっかりしたものだった。だからこそ,見た目とのギャップが大きいのだが,聞いていて思ったのが,つくづく彼らの曲がよくできているってことで,かつあのコード進行とメロディ・ラインは日本人には書けないだろうなぁなんて思っていた。

Dan PennとSpooner Oldhamの二人にこのこじゃれたヴェニューが最適だったかと言えば,ちょっと違うかなとも思う。しかしある意味,その姿を見られただけで満足しなければならないのだろうが,音楽としてちゃんと成立しているところを見て,安心したのであった。最後は案の定"Dark End of the Street"で締めたが,ついついしまったままのギターを取り出したくなってしまった私である。

因みに私はカジュアル・シートから見ていたのだが,ステージの前の最前列で妙に盛り上がる女性が二人いて,遠目だけに年齢はいくつぐらいかまではわからないが,世の中には渋い趣味の人もいるのだなとある意味感心していた私であった。

Live at ビルボードライブ東京 on September 26, 2023, 2ndセット

Personnel: Dan Penn(vo, g), Spooner Oldham(el-p, vo)

2023年9月22日 (金)

驚きのCorinne Bailey Raeの7年ぶりの新作。

_20230919_0001_20230920175501 "Black Rainbow" Corinne Bailey Rae (Thirty Tigers)

主題に書いた「驚きの」というのは決して大げさではない。本作に収められた"Erasure"ようなパンク的にさえ響く曲を聞いて,これまでのCorinne Bailey Raeのイメージからの大きな変化を聞けば,一体彼女に何があったのかと思いたくなっても仕方がない。この変化を受け入れられるか否かによって,このアルバムの評価は変わるだろう。ジャケからしてこれまでと雰囲気違うしなぁ。

しかし,元々,Corinne Bailey Raeはガールズ・バンドでパンクをやっていたこともあるとの話もあって,これまでの活動の方がそこから乖離していたものだったと言えなくもない。だが,原点回帰というよりも,このアルバムはシカゴにあるStony Island Arts Bankのオブジェやアート作品にインスパイアを受けたというものらしい。ここまで変わるということは強烈なインスピレーションを与えたということだよなぁなんて思ってしまう。

そして"New York Transit Queen"のなんだかチア・リーディングのための曲のように響く曲が異色。聞いていてTony Basilの"Micky"を思い出してしまった。やっぱりこれには面食らうってところだろうが,以前の彼女の音楽にあったソフトさが減少しているのは明らかだ。私のようなリスナーにとってはこの変化にはやはり戸惑ったというところ。音楽的にはよくできているとは思うが,これは私がCorinne Bailey Raeに求める音ではないなぁ。星★★★☆ぐらいってところか。

尚,彼女のアルバムのクレジットは文字が小さ過ぎて老眼には解読不能なので,Personnelは省略。因みに本人はギターやキーボードも演奏している。

2023年7月20日 (木)

Bettye LaVetteの新作が届く。これまたいいねぇ。

_20230717"LaVette!" Bettye LaVette (Jay-Vee)

私が初めてBettye LaVetteの音楽に接したのが"Interpretations: British Rock Songbook"で,それが2010年のことであった。それ以来,Bettye LaVetteのアルバムについては結構このブログにも取り上げてきた(と言っても前作"Blackbird"については書いていない...)が,伴奏がロック的な部分もあって,私のツボにはまる音楽であり続けている人である。そのBettye LaVetteの新作だが,今回のテーマはRandall Bramblettというのが渋い。

Randall Bramblettは南部のミュージシャンとの親交が深いので,そうしたサウンドはソウル・ミュージックとも相性がよいというのは想像もつくところだが,これがまた想像以上のよさで,Bettye LaVetteの選曲に対する審美眼は本当に外れがないと思ってしまう。この企画を考えたのがBettye LaVette本人なのか,プロデューサーを兼ねたSteve Jordanなのかはわからないが,今回のアルバムも私を痺れさせるのに十分なものであった。

Bettye LaVette本人の歌唱あってのアルバムなのはもちろんなのだが,このアルバムが私に訴求してくるのは,そのバックを固めるミュージシャンたちの演奏である。Steve WinwoodやJohn Mayerをゲストに迎えているのに加え,James Carterがバリサク,テナーを吹いていたり,Pino PaladinoとSteve Jordanの鉄壁のリズムが支えているのを考えれば,悪くなりようがないではないか。以前ここでも取り上げた,あの素晴らしかったBob Dylan集のメンツにChris Bruceまで加わってしまえば,これが最高なのは間違いないのだ。素晴らしい。星★★★★★。

Personnel: Bettye LaVette(vo), Steve Jordan(ds, perc), Larry Campbell(g, lap-steel, pedal-steel, cittern), Chris Bruce(g), Leon Pendarvis(el-p, p), Pino Palladino(b), Cliffton Anderson(tb), Kevin Batchelor(tp), James Carter(bs, ts), Tawatha Agee(vo), Cindy Mizelle(vo), Anthony Hamilton(vo), Ray Parker Jr.(g), Rev. Charles Hodges(org), Jon Batiste(p), John Mayer(g), Steve Winwood(org), Pedrito Martinez(perc), Monte Croft(vib)

2023年6月23日 (金)

Meshell Ndegeocelloの新作がBlue Noteからリリース。

_20230621 "The Omnichord Real Book" Meshell Ndegeocello (Blue Note)

Meshell Ndegeocelloの前作,"Ventriloquism"は実に素晴らしいカヴァー・アルバムだったが,それから4年以上のインターバルを経て,彼女の新作がリリースされた。それもBlue Noteレーベルからというのにはびっくりした。

私は"Peace Beyond Passion"で痺れて以来のMeshell Ndegeocelloのファンだが,総じてレベルの高い音楽を届けてくれて,私としては信頼度の高いミュージシャンなので,新作が出れば,迷わず現物を買うことにしているし,今回も例外ではない。そしてここで奏でられるのはもはやジャンルを超越した音楽だと言ってよい。ファンク,ソウル,ジャズ,そしてアフリカ的な要素が混然一体となったアルバムはやはり痺れる出来であった。裏切らないねぇ。

本作をプロデュースをするJosh Johnsonについてはよく知らないが,この人もジャンルを超越した音楽をやる人らしいから,こういう音楽になるのかもなぁと思ったが,それにしてもゲストに迎えるジャズ界の面々も多士済々であるが,基本的に尖った人が揃っていて,さもありなんってところである。

私好みの彼女らしいヘヴィーなファンクという感じではないが,より幅広く多様な音楽を実現したアルバムは称賛に値するものと思う。70分を越す大作にもかかわらず,全くダレることのない,このトータルな素晴らしさに対して星★★★★★としてしまおう。やっぱり凄いわ。YouTubeにアップされている"Clear Water"の映像を貼り付けておこう。カッコいいねぇ。

Personnel: Meshell Ndegeocello(vo, b, key, omnichord), Josh Johnson(sax, vo), Jebin Bruni(p, key, org, vo), Chris Bruce(g, b, vo, prog), Abe Rounds(ds, perc, vo) with Jeff Parker(g), Julius Rodriguez(key, org), Cory Henry(p), Jason Moran(p), Daniel Mintseris(key), Jake Sherman(key, b, vocoder), Joel Ross(vib), Ambrose Akimusire(tp), Brandee Younger(harp), Burnis Travis II(b), Deantoni Parks(ds), Andrya Ambro(ds), Mark Giuliana(ds), Justin Hicks(vo, key, prog), Kenita Miller(vo), Jade Hicks(vo), Sanford Bigger(vo), Joan as Police Woman(vo), Thandiswa Mazwai(vo, spoken words), Marsha DeBoe(vo), Hanna Benn(cho) 

2023年5月16日 (火)

Joe Henryが素晴らしいプロデュースを行った”I Believe to My Soul”。

I-believe-to-my-soul "I Believe to My Soul" Various Artists (Rhino/Work Song/Hear Music)

私が保有するCDにはステッカーが貼ってあって,そこには"The New Soul Record Done in a Classic Mode"と書いてある。まさにその通りのアルバムと言ってよい。そして,ここで歌うのがAnn Peebles,Billy Preston,Mavis Staples,Irma Thomas,そしてAllen Toussaintという面々である。このメンツを見るだけでも悪いはずがないが,このアルバムの出来は私の期待値をはるかに上回ったと感じたのも懐かしい。Joe Henryのプロデューサーとして手腕を私が実感したのはこのアルバムが最初だったかもしれない2005年のアルバム。

ソウル好きの皆さんからすれば,言いたいこともあるかもしれないが,私のようにソウルにそれほどのめり込んではいないリスナーにとっては,この「いかにも感」がありながら,聞き易いサウンドが実に心地よい。そしてJoe Henryとともに,本作でAllen Toussaintが果たした役割は大きいはずである。Allen Toussaintは4曲で歌うだけでなく,全曲でピアノを弾いており,ホーン・アレンジも施しているから,音楽監督的な役割を果たしていることは間違いないところ。そして,歌手陣の歌いっぷりが実に素晴らしい。このアルバムがブログ開始後にリリースされていたとしたら,間違いなくその年のベスト盤に選出していたこと確実なアルバムである。星★★★★★。

おそらくはこれが縁となって,Joe Henryは後にAllen Toussaintの"Bright Missisippi"と"American Tunes"をプロデュースすることになったと思われるが,それらも素晴らしいアルバムであることを追記しておきたい。

Recorded between June 4-10, 2005

Personnel: Ann Peebles(vo), Billy Preston(vo, el-p, org), Mavis Staples(vo), Irma Thomas(vo), Allen Toussaint(vo, p, arr), Jay Bellrose(ds), Doyle Bramhall II(g), Paul Bryan(b, vo), David Palmer(el-p, org), Chris Bruce(g), The West End Horns<Willie Murrillo(tp), Ray Herrmann(bs, ts), Mark Visher(bs, fl, b-fl)>, Niki Harris(vo), Jean McClain(vo), Don Bryant(vo)

2023年1月25日 (水)

フィジカルでリリースされないのが惜し過ぎるLizz Wrightのライブ音源。

Holdingspace"Holding Space: Live in Berlin" Lizz Wright (Blues & Greens)

私が最初にLizz Wrightの音楽に接したのは"The Orchard"でのことだったが,そこから遡ってデビュー作含めて,ずっとLizz Wrightの音楽を聞いてきたし,彼女のアルバムが出れば,高く評価してきたつもりだ。彼女のさまざまなタイプの音楽に根差した歌唱,そして声は実に魅力的であり,これまでも,そしてこれからも期待できる歌手だと思っている。

そんなLizz Wrightの最新作は,彼女自身が設立したと思しきBlues & Greensレーベルからのもので,去年の夏場にはリリースされていたはずだ。しかし,このアルバム,フィジカルな媒体では発売されず,ストリーミング/ダウンロード・オンリーというかたちになっていたため,私は聞いてはいたものの,このブログにアップできていなかった。

このライブ音源は,2018年の欧州ツアーの模様を収めたものらしく,録音から少々時間は経過しているが,改めて聞いても,その音楽の魅力は不変である。私が彼女のライブに接したのはもう7年以上前のCotton Clubにおいてであったが,その時の感動が甦るような素晴らしいアルバムだと思う。

バック・バンドもタイトなまとまりを示し,Lizz Wrightの歌唱を適切にサポートしているのも嬉しいが,とにもかくにもLizz Wright本人の歌が魅力的過ぎる。来日時にも歌ったNeil Youngの"Old Man"のカヴァーなんか最高だよなぁと思ってしまう。私がフィジカルな媒体にこだわってさえいなければ,このアルバムは間違いなく昨年のベスト・アルバムの一枚に加えていたと思わざるをえない素晴らしい音源。星★★★★★。

このアルバムとタイミングは違うが,North Sea Jazz Festivalで歌った"Old Man"の映像を貼り付けておこう。MCやらイントロやらに続いて,Lizz Wrightが歌いだした瞬間,くぅ~っとなること必定。また来日してくれないものか...。

Recorded Live in Berlin in 2018

Personnel: Lizz Wright(vo), Chris Bruce(g), Bobby Ray Sparks II(key), Ben Zwerin(b), Ivan Edwards(ds)

2022年12月17日 (土)

John Legendのゴージャスで楽しいホリデイ・アルバム。

_20221215 "A Legendary Christmas: Deluxe Edition" John Legend(Columbia)

最近はホリデイ・アルバムを聞くことも少なくなった私だが,先日,John Legendの新作を聞いて,そう言えばこのJohn Legendのホリデイ・アルバムって聞いてなかったなぁと思って,慌てて発注したもの。

本作はそもそも2018年にリリースされたものに,4曲追加したデラックス・エディションが翌年発表されたようで,私がゲットしたのは後者。お馴染みのホリデイ・ソングにオリジナルを加えた構成は実に楽しくも,ゴージャスな作りで,Stevie Wonder,Kelly Clarkson,そしてEsperanza Spaldingがゲストとして華を添える。オリジナルとは曲順も変わっているようだが,Donny Hathawayの"This Christmas"の追加なんかは嬉しいところ。ポップ,ソウル,ブルーズ,何でもござれみたいな感じになっているが,John Legendの歌のうまさがあってこそって感じである。

更に"My Favorite Things"も追加されているが,これは米国内で毎年のように,映画「サウンド・オブ・ミュージック」がホリデイ・シーズンにTV放映されていることを受けたものなのかなぁと思っていた。いずれにしても,ホリデイ・シーズン感たっぷりで,誰しもが楽しめるアルバム。やっぱりJohn Legendは信用できるわ。参加ミュージシャン多数なので,Personnelは省略。

2022年12月14日 (水)

Supremes:今日は懐メロ(笑)なんだが,結構不思議なコンピレーション。

_20221212-2 "Classic Diana Ross and the Supremes" The Supremes(Motown)

懐メロである。私が保有しているSupremesのCDはこれだけなのだが,これが結構曲者なのだ。ベスト盤だけ持ってりゃいいやっていうなら,これから買うか?と言われそうなセレクションなのだ。彼女たちの超有名曲と言うより,裏ベスト,あるいは見逃されがちなカヴァー曲やあまり売れなかった曲を中心に選ばれているって感じなのだ。例外は「恋はあせらず("You Can't Hurry Love")」ぐらいだし,Diana Ross脱退前の大ヒット,「またいつの日か("Someday We'll Be Together")」だってもとはカヴァー曲なのだから,これだけ聞いてSupremesを聞いた気になってはいけないとしても,それでも十分魅力的な歌の数々である。

このアルバム,多分中古でただ同然みたいな値段で購入したと思うが,今でもジャケットを変えて売られているというのが凄い。でもあくまでもこれは「裏ベスト」的な位置づけとして考えるべきなので,購入を考える際には注意が必要だろう。しかし,彼女たちの歌で,"Unchained Melody"とか"(What a) Wonderful World"を聞けるということにはそれなりの価値はあると思っている。アルバムの最後は"With a Song in My Heart"だしなぁ。Rogers/Hartがこの曲を書いたのは1929年だってことを感じさせない実にいい曲だ。

廉価盤ゆえ,全くデータとかはわからないのだが,聞き流していると心地よく時間は経過することは間違いない。和むよねぇ(笑)。星★★★★。

2022年12月 9日 (金)

Roberta FlackがALSで闘病中と聞いて,彼女のアルバムを改めて聴く。

_20221208"Oasis" Roberta Flack(Atlantic)

Roberta FlackがALSで闘病中であることが明らかになったのは1か月ほど前のことだったと思う。難病であるALSの罹患,そして85歳という年齢を考えれば,もはや歌うことがかなわないという広報担当者の弁に間違いはなかろう。彼女の活動のピークは1970年代だと思うが,長きに渡って活躍をした名歌手であることに疑いはない。そんな思いもあって,久しぶりに取り出したのがこのアルバムである。

このアルバムが出たのが1988年のことであるが,私が痺れてしまったのが冒頭のタイトル・トラックであった。Marcus Millerがプロデュースしたこの曲はポップな感覚もあり,なかなかの佳曲だと思うが,私に強い印象を与えたのはDavid Sanbornのアルト・サックスのソロであった。私がこのアルバムをプレイバックするのは,そのSanbornのソロを聞くためのようになってしまっていたのは事実だ。改めてこのアルバムを聞いてみても,その感覚に変わりはない。

だが,今回このアルバムを聞いていて思ったのは,なるほど80年代後半っぽい音だったなぁということだ。時代というか,バッキングの音がかなり分厚い。それは重いという訳でなく,重層的に積み上げられた感じがして,決してシンプルなものではない。Roberta Flackのような歌手にこうしたサウンドがフィットしていたのかと考えれば,やっぱりちょっと違うのではないかなぁと思えてしまった。

それでもそのサウンドをつかさどっているのは相当に豪華な面々で,2曲目の"All Caught up in Love"のエグゼクティブ・プロデューサーはQuincy Jonesである。まぁ,この当時って複数のプロデューサーによってアルバムが制作されるってのはよくあったと思うが,このアルバムもMarcus Millerはじめ,Jerry Hey,Michael Omartian,そして懐かしやAndy Goldmarkがプロデューサーとしてクレジットされている。プロデューサーがそんな感じであるから参加ミュージシャンも多岐に渡るが,やっぱり私にとっては冒頭のDavid Sanbornになってしまうかなぁって感じである。

やはり彼女の歌を聞くなら,もう少しシンプルなバッキングの方がいいかなと思ってしまった次第。星★★★☆。闘病生活に思いを馳せつつ,結構渋い評価になってしまった...。

Personnel: Roberta Flack(vo, p), Michael Omartian(key, ds), Randy Kerber(key, synth), Jason Miles(key, prog), John Barnes(key, prog), Greg Phillinganes(key, prog), Pete Robinson(key, prog), Andy Goldmark(key, prog), Jeff Lorber(key, prog), Mike Boddiker(synth), Barry Miles(el-p, synth), Dan Huff(g), Mike Landau(g), Paul Jackson, Jr.(g), Earl Klugh(g), Chieli Minucci(g), Marcus Miller(b, key, vo), Neil Stubenhaus(b), Nathan East(perc), Buddy Williams(ds), Harvey Mason(ds), Steve Ferrone(ds), Jimmy Bralower(ds), Steve Gadd(ds), Steve Thornton(perc), Paulinho da Costa(perc), Michael Fisher(perc), Don Alias(perc), David Sanborn(as), Larry Williams(sax, key, synth), Dan Higgins(sax), Roger Viam(ts), Jerry Hey(tp), Jeff Bova(prog), Lani Groves(vo), Chude Mondlane(vo), Brenda White-King(vo), Dennis Collins(vo), Mark Stephens(vo), Phil Perry(vo), Simon Climie(vo), Tawatha Agee(vo), Yvonne Lewis(vo), Lori-Ann Velez(vo), Gabrielle Goodman(vo), George Duke(vo), Bob Henley(vo)

2022年11月11日 (金)

Jimmy Scottの歌いっぷりにやられる...。

_20221108-2 "The Source" Jimmy Scott(Atlantic)

波乱の人生を歩んだと言ってよいJimmy Scottである。悪辣なSavoyレーベルとの専属契約を盾にした様々な邪魔によって,活動の空白期間が生じてしまったのは本人にとっても残念だっただろうが,その空白を経て,90年代以降に復活し,アルバムも相応数リリースし,更には何度も来日するまでになったことはせめてもの救いと言えよう。

そんなJimmy Scottのアルバムについては,このブログでは追悼がてら"Heaven"を取り上げただけだが,久しぶりにこのアルバムを聞いてみた。本作も契約を盾にした横槍によって,不幸にして実質30年以上お蔵入りしていたアルバムが,今世紀(2001年)に入ってようやくリリースされたものであった。しかし,このアルバムから聞き取れる「ソウル」は本物だと思う。Jimmy Scottはジャズ・ヴォーカリストとして位置付けるべきだろうが,本作においてはレパートリーもあって,R&B,ソウル的な響きも感じられるが,これが見事なまでに素晴らしいのだ。

"Unchained Melody"や"Day by Day"のような曲にまさに魂を吹き込んだ歌唱はレコーディングから半世紀以上経過しても,リスナーを感動させるものだと思う。かく言う私も心を揺さぶられた。星★★★★★。

Personnel: Jimmy Scott(vo), Junior Mance(p), Eric Gale(g), Billy Butler(g), Ron Carter(b), Bruno Carr(ds), David Newman(ts, fl), Joe Gentle(ts), Cissy Houston(vo)

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