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カテゴリー「ソウル/R&B」の記事

2022年5月12日 (木)

久しぶりに聞いたR&B/ソウル・シンガーによるEW&Fトリビュート。 #EarthWind&Fire

_20220507 "Interpretations: Celebrating the Music of Earth, Wind & Fire" Various Artists (Stax)

2007年にリリースされたこのコンピレーションを,今までどの程度プレイバックしたか全然記憶にない(爆)が,気まぐれで取り出してみた。本作の制作には今は亡きMaurice Whiteも関わっているが,今にして思えば,なかなかの歌手陣が揃っている。

冒頭のChaka Khanの"Shining Star"から余裕のブチかましモードであるが,これぐらいの歌手が揃って,EW&Fの曲を歌えば,それなりのクォリティになるのが当たり前だなって感じの出来である。

私としては,Chaka Khanはもとより,Angie Stone,Ledisi,Lalah Hathaway,更にはMeshell Ndegeocello等の女性シンガーに馴染みがあるので,どうしてもそっち中心の聞き方になってしまうが,私は昔のソウル・アルバムはさておき,近年のこの手の音楽には女性指向が強いのが明らかになる。ここでの歌唱についても,女性陣の歌いっぷりの方がしっくりくるのだ。まぁ,ここに参加の男性陣のアルバムは聞いたことがないのだから,まぁそれは当然と言えば当然だが,結局このアルバムを買ったのも女性陣に惹かれてのことであったということになる。それにしてもMeshell Ndegeocelloの"Fantasy"は彼女なりのやり方が出ていて,やっぱりこの人は違うわと思わせる。

一方の男性陣の方では,一番つまらないと思えるのがKirk Franklinの"September"か。曲が曲だけにやりにくいところもあったろうが,Meshell Ndegeocelloと比べてしまうと,これが何とも凡庸な出来に聞こえてしまう。コンピレーションゆえに,曲ごとに出来,不出来があるのは仕方ないとしても,この曲についてはもう少しやりようがあったのではないかって感じである。これに比べれば,Dweleの"That’s the Way of the World"なんて,オリジナルへのリスペクトを感じさせつつ,バックのリズムの強化具合で個性を出している気がする。Mint Conditionの"After the Love Is Gone"なんてオリジナルにかなり近い感じながら,歌唱力で勝負みたいなこういう感じはむしろ私には受け入れやすい。

まぁ,いろいろ文句をつけようと思えばいくらでも言えるが,EW&Fにはいい曲が揃っていたなってことは認識できる。星★★★☆。私はEW&Fのアルバムは"All 'n' All"しか持っていないが,そのほかに3枚組ボックスの"The Eternal Dance"があるので,それを聞いて彼らの音楽に改めて触れてみることとしよう。

尚,コンピレーションゆえ,演奏者多数につき,詳細のPersonnelは省略。

Personnel: Chaka Khan, Angie Stone, Kirk Franklin, Ledisi, The Randy Watson Experience Featuring Bilal, Lalah Hatherway, Dwele, Mint Condition, Musiq Soulchild, Meshell Ndegeocello

2022年3月25日 (金)

よどんだ時代にはアゲアゲのChaka Khanが必要だ(笑)。

_20220324 "Dance Classics" Chaka Khan(Warner Brothers)

世の中,コロナ禍の長期化だけでなく,ロシアによるウクライナ侵攻という許しがたい事態が発生していて,気持ちも上がっていかない今日この頃であるが,そうしたよどんだ気持ちを少しでも解放していくためには,アゲアゲの音楽が必要だってことで,今日はChaka Khanである。

このアルバム,日本で制作されたコンピレーションなのだが,それこそ踊れると言わずとも,還暦過ぎの私でも身体が反応してしまうような曲が並んでいる。これだけの曲が並べば,もはやメリハリもへったくれもなく,踊らにゃ損っていう気持ちになってしまうよねぇ(笑)。

まぁ編集方針として"Tearin’ It Up"がロング・ヴォーカル・ミックスとインスト版,"I’m Every Woman"がオリジナルとリミックス版と各々2回ずつ収められているのはどうなのよ?って気もする。両方人気曲だとは言え,ほかに入れられる曲もあっただろうし,これはちょっとやり過ぎかなぁという感じなのはご愛敬だが,それでもChaka Khanかくあるべしってところだろう。

いつ聞いても最高にカッコいい"I Feel for You"も入っているし,人気曲”What Cha' Gonna Do for Me?"も入っているが,後者は「空耳アワー」での「あっちから突っ込んで,こっちから突っ込んで」という空耳が頭から離れなくなってしまっていて,ついついそのフレーズで歌ってしまった私...(爆)。我ながらアホであるが,この曲がHamish StewartとNed Dohenyの共作曲だと知ってへぇ~となってしまった。Hamish Stewartはわからないでもないが,Ned Dohenyは実に意外。

2022年3月 1日 (火)

ほぼ9年ぶりに登場した"Brack Radio"の第3作。 #RobertGlasper

_20220227 "Black Radio III" Robert Glasper(Loma Vista)

"Black Radio"シリーズはこれまで2作がリリースされているが,2枚目が出たのが2013年,それから9年弱の時を経て,第3作が出た。このシリーズは現代のソウル,R&B,ヒップホップをいいところどりのようなところがあって,実に楽しめるものであった。特に私は第1作を高く評価していて,2012年の最高作の一枚にも選んでいる。前2作はRobert Glasper Experiment名義であったが,今回はRobert Glasper単独名義となっている。

それでもって,今回もその筋のミュージシャンを集めてきて,ナイスなアルバムに仕立てるところは,もはやプロデューサーとしての立ち位置の方が強烈に感じられる。これだけのメンツを集める力がRobert Glasperにはあるということにほかならないが,プロデュースだけでなく,作編曲,そしてキーボードの演奏をこなし,明確なリーダーシップを発揮しているところが凄い。

とにかく,このミュージシャンの適材適所の配置ぶりを見て,聴いているだけで,本当にセンスがいいとしか言いようがない。決して尖った音ではないので,これならどのような年代のリスナーにも受け入れられてしまうだろうと感じさせるものであり,やはりこの人の才能は半端ではない。もはやQuincy Jonesの世界である。唯一のカヴァー曲であるTears for Fearsの”Everybody Wants to Rule the World"をLalah Hathawayに歌わせて,Commonがラップを被せるってのもたまりませんな。しかし,それ以外のオリジナル曲のよくできていることも特筆に値する。Ant Clemonsをフィーチャーした"Heaven's Here"のメロウなグルーブにはマジで痺れてしまった。

Robert Glasper,恐るべしと改めて感じさせられたアルバム。星★★★★★としてしまおう。

Personnel: Robert Glasper(key), Isiah Sharkey(g), Marlon Williams(g), Derrick Hodge(b, strings), Berniss Travis II(b), Pino Paladino(b), ThadeChris Dave(ds), Justin Tyson(ds, key), Kenyon Harold(tp), Marcus Strickland(b-cl), Terrace Martin(sax), Jahi Sundance(turntable), DJ Jazzy Jeff(turntable) with Amir Sulaiman(spoken words), Christian Scott aTunde Adjuah(spoken words), BJ the Chicago Kid(vo), Big K.R.I.T.(vo), D Smoke(vo), Tiffany Gouche(vo), Esperanza Spalding(vo), Q-Tip(vo), Yebba(vo), H.E.R.(vo), Meshel Ndegeocello(spoken word), Lalah Hathaway(vo), Common(vo), Musiq Soulchild(vo), Posdnuos(vo), Ledisi(vo), Gregory Porter(vo), Ant Clemons(vo), Jennifer Hudson(vo), PJ Morton(key, vo), India.Arie(vo) & Others

2022年2月28日 (月)

Moonchildのニュー・アルバム。変わらぬメロウ・グルーブ。 #Moonchild

_20220226 "Starfruit" Moonchild(Tru Thoughts)

Moonchildの新譜がリリースされたので,早速聴いた。このバンドの生み出すメロウなグルーブは本当に心地よく,BGMとして機能するのはもちろん,きっちり鑑賞しても問題ないと思わせるものである。私としてはゆるゆると身体を揺らしていればいいって感じがする,そういう音楽である。

正直言ってしまえば,彼らの音楽はどれを聞いても同じに聞こえてしまうところがあるのは仕方ないと思う。テンポもほぼ同一,そこに乗っかってくるAmber Navranもほぼ一定のトーンであるから,そう感じるのは当然であり,それをよしとするか,否とするかが評価の分かれ目であるが,こういう音が好きな人間にとっては,どうしてもはまっていってしまうタイプの音楽としか言いようがない。

グループ結成10周年を祝ってかどうかはわからないが,今回はゲストも迎えてのアルバムとなっており,ヒップホップ的な感覚を加味している部分もあるものの,それでも大きな変化は感じない。この変わらなさこそが,私への最大の訴求ポイントなのだ。ということで,甘いの承知で星★★★★☆。だって気持ちいいんだもん(笑)。

Personnel: Amber Navran(vo, p, el-p, synth, ts, fl, prog), Andris Mattson(p, el-p, synth, g, b, ukulele, tp, fl-h, prog), Max Bryk(p, el-p, synth, as, cl, prog) with Lalah Hathaway(vo), Alex Isley(vo), Ill Camille(vo), Tarriona 'Tank' Ball(vo), Albert Allenback(vo), Rapsody(vo), Mumu Fresh(vo), Chantae Cann(vo), Josh Johnson(as)

2022年2月 5日 (土)

映画の感動が甦る「サマー・オブ・ソウル」のサントラ盤。

_20220202 ”Summer of Soul (...or, When the Revolution Could Not Be Televised): Original Motion Picture Soundtrack" Various Artists (Sony Legacy)

映画「サマー・オブ・ソウル(あるいは,革命がテレビ放映されなかった時)」は実に素晴らしい映画だった。映画を観た時も興奮気味に記事をアップした(記事はこちら)私だが,そのサントラ盤がリリースされると知っては,買わぬわけには行かぬ(きっぱり)。

このサントラ盤には約80分に渡って,映画に収められたおいしいところがかなり入っているのだが,どうせならデラックス・エディションとかで,映画に入っていた曲の全部入りで出して欲しいと思ってしまうのは私だけではないだろう。特にSly StoneとNina Simoneは映画のハイライトと言ってよかっただけに,ほかを削っても全部入れてもよかったと思ってしまう。映画の冒頭のStevie Wonderもないぞとか,Mahalia Jacksonの"Lord Search My Heart"もないぞとか,文句を言いだしたらきりがないのだが,それでもこれだけの音源を聞けることの幸福感の方が私にとっては大きい。まぁ,Mahalia Jacksonに関しては,Mavis Staplesも一緒の"Precious Lord, Take My Hand"があるだけでもよしとしなければならんのだが。

まぁ,古い音源なので,音としては大したことがないし,映像付きで観る方が感動は増すかもしれないが,何度も書いている通り,私は家では映像付きはあまり見ない方なので,こういうCD版の方が絶対何回も聞くと思っている。それで感動を新たにするって方が私には向いているのだ。

今回改めて音源として聴いてみて,やっぱりSlyとNina Simoneがいいのは当たり前として,実に面白かったのがHerbie Mannのバックで,完全にぶっ飛んでいるSonny Sharrockのギターであった。この突き抜け感には改めて驚かされた私である。

本作はライブ音源ってこともあって,収められた演奏には粗いものもあるが,それでもこれを聴けるということだけで,感謝したくなるというのが正直なところである。映画を観ていても,観ていなくても楽しめること間違いなし。素晴らしい。星★★★★★以外ありえない。でもやっぱりSlyの"Higher"は入れて欲しかったなぁ...。尚,ストリーミング版ではMax RoachとAbbey Lincolnの"Africa"が追加で聞けるので,念のため。

Personnel: The Chambers Brothers, B.B. King, The 5th Dimension, David Ruffin, The Edwin Hawkins Singers, The Staple Singers, Mahalia Jackson, Mavis Staples, Gladys Knight & the Pips, Mongo Santamaria, Ray Barretto, Herbie Mann, Sly & the Family Stone, Nina Simone

2022年1月16日 (日)

Phoebe Snowは好きだが,これはイマイチだと思えた"Against the Grain"

Phoebe-snow-against-the-grain "Against the Grain" Phoebe Snow(Columbia)

私はPhoebe Snowという歌手が結構好きで,アルバムも91年の”The New York Rock & Soul Revue"までのものはほとんど保有している。例外は"Rock Away"のみである。特にデビュー・アルバムや"Never Letting Go"を愛聴してきたと言ってよい。私はこの人の歌を聞いていると,強烈にNYCを感じてしまうのだが,それはいつになっても変わらない。

それでもって,久しぶりにこのアルバムを取り出して聞いてみたのだが,イマイチ印象がよくない。いい曲もあるのだが,全体的に玉石混交な感じがして,Phoebe Snowのアルバムとしては,微妙な出来だと思えてしまった。

冒頭はPaul McCartney"Every Night"で幕を開けるが,これが可もなく不可もなしって感じで,印象が薄いのだが,私が納得いかなかったが2曲目の"Do Right Woman, Do Right Man"である。Dan Pennが書いたこの曲はAretha Franklinの名唱があるだけに,比較対象のハードルが高くなるのだが,ここでのPhoebe Snowの歌いっぷりが全然面白くない。彼女ならもっとうまく歌えるはずだという感覚しか与えてくれないのは全くもって残念だ。この出足でのつまずきがこのアルバムの印象を弱めてしまうというのはもったいない話だが,Phoebe Snowらしいバックの音でありながら,このアルバムがあまり魅力的に響かないのは,Phoebe Snowの書いたオリジナルが面白みに欠けるためと言ってよいだろう。このアルバムのチャート・アクションがよくなかったのも,偏に曲のせいだということになると思える。

"Oh, L.A."なんて,若干ボサノヴァ・タッチを感じさせて,むしろソウルフルに攻めるよりも,こういう路線をもう少し入れてもよかったのではないかとさえ思える。やっぱり彼女のアルバムの中では一段評価を下げざるをえないアルバムというところ。星★★★。尚,David Matthewsアレンジのホーン・セクションはBrecker BrothersをはじめとするNYのセッション・プレイヤー総出演みたいな感じであるが,ちょっともったいないなぁ。

Phoebe Snow(vo, g), Barry Beckett(p, key, synth), Dave Grusin(key), Richard Tee(el-p), Steve Burgh(g), Steve Khan(g), Hugh McCracken(g), Jeff Mironov(g), Warren Nichols(pedal steel), Will Lee(b), Hugh MacDonald(b), Doug Stegmeyer(b), Rick Marotta(ds), Liberty DeVitto(ds), Ralph MacDonald(perc), Michael Brecker(ts), Jon Faddis(fl-h), Corky Hale(harp), Margo Chapman(vo), Michael Gray(vo), Lani Groves(vo), Gwen Guthrie(vo), Linda LaPresti(vo)

2021年12月30日 (木)

2021年の回顧:音楽編

2021-best-albums
いよいよ今年の回顧も最後の音楽編である。このブログにも何度か書いているように,私の新譜購入のペースは,以前に比べると随分落ちた。そんな中で印象に残った新譜音源(星★★★★☆以上)については,ブログ右側の「2021年のおすすめ作」にアップしているので,そこが回顧する上でも基本になる。

しかし,回顧するもへったくれもなく,今年のベスト作はこれになるだろうなぁと思っていたのが2作ある。それが児玉桃の”Hosokawa/Mozart”と菊地雅章の"Hanamichi: The Final Studio Recordings"であった。この2作ともにこのブログに記事をアップしたのは3月であったが,その段階でこれを越えるものはないと思っていた。児玉桃については2006年録音の音源ではあるが,細川俊夫の「月夜の蓮(”Lotus under the Moonlight”)」の演奏があまりにも素晴らしく,私は唸ってしまった。もちろん,モーツァルトのピアノ協奏曲23番もいいのだが,何と言っても「月夜の蓮」である。

そして,菊地雅章だ。これも2013年の録音ではあるが,この作品について記事を書いた時の「命を削って紡ぎだされるフレージング」という表現には,いささかの誇張もないと思っている。それぐらい痺れる音楽であったと言わざるをえない。私にとってはこの2枚の印象があまりにも強かった。

そのほかでは新録音では,ジャズ界の不老不死,Charles LloydのMarvelsとのアルバムはいつもながらの優れた出来であった。記事にも書いたが突出した部分はないとしても,このクォリティの高さは尋常ではない。メンバーの貢献度も高かった。また,私が高く評価し続けるMarcin Wasilewskiの"En Attendant"はこれまた痺れる出来であった。Joe Lovanoを迎えた前作,"Arctic Riff"も悪くなかったが,私としては多少の違和感もあった。やはりこの人たちはトリオが一番いいと思う。また,Dave Hollandも年齢を感じさせないカッコいい音楽を作り続けていて凄いなぁと思う。音楽性をアルバム毎に変えてくることも立派。本当に幅が広いし,もう一人の主役と言ってよいKevin Eubanksのギターもよかった。

そして,年末になって現れたRobert Plant/Alison Kraussの第2作は滋味溢れる出来に嬉しくなった。Bruno MarsとAnderson PaakのSilk Sonicはソウルの楽しさを完璧なまでに打ち出していて,これまたいいものを最後の最後に聞かせてもらった気がする。全然タイプは違うが,現代音楽ではMichael WendebergとNicolas Hodgesによるブーレーズのピアノ曲全集。私の嗜好にばっちりはまるこの音楽は,決して万人向けではないとしても,この手の音楽好きにはたまらない魅力があると思う。

発掘ものもいいものがあったが,発見という意味ではJohn Coltraneの「至上の愛」ライブははずせないところ。いかんせん音がもう少しよければ...というところはあったが,歴史的音源であることは間違いない。むしろ,私が音楽として楽しんでしまったのがCharles Mingusのカーネギー・ホールでのライブ。その日の演奏をきっちり収めたこともに加え,演奏が何よりも楽しい。Mingusに対する私の勝手な思い込みやイメージを覆したのが本作だったと言ってよい。そして,Joni Mitchellのアーカイブ・シリーズ第2弾が実に素晴らしく,もはや第3弾が楽しみな私である。アナログでリリースされた初期4枚のアルバムのボックスも実によいのだが,ディスクがきつきつで取り出しにくいのが玉に疵(笑)。

ということで,新譜の購入枚数は減ったものの,今年もそれなりに楽しめた1年であったと思う。

2021年12月29日 (水)

今年最後の新譜は最高に楽しいソウル・アルバム。

_20211228 "An Evening with Silk Sonic" Bruno Mars / Anderson Paak(Atlantic)

これが2021年最後の新譜になるが,これが実に素晴らしく,年末年始を楽しく過ごせることを確実にさせるようなソウル・アルバム。なんでそんな風に感じるかと言えば,私ぐらいの年代のリスナーが「ソウル」と聞いた時に想定するような音楽が次から次へと現れるからだ。時にスウィート,時にファンキーって,これぞソウルの王道って感じである。それがまたAtlanticレーベルから出るってのがこれまた郷愁を誘うって感じである。

私はBruno MarsもAnderson Paakもその音楽に触れるのは初めてだと思うが,わずか31分という収録時間ながら,リスナーのニーズを理解し,これだけでもリスナーの心を捉えて離さない音楽なのだ。打ち込みに頼らず,リアルな演奏で対応しているところも私なんかにはぴったりなのだ。実に楽しい。相当なフィーチャ具合のBootsy Collinsだけでなく,ThundercatやBabyfaceも登場し,賑々しくアルバムを盛り上げているのは,この二人の意思に共鳴したところがあるのだろうと思ってしまった。星★★★★★。

暗い世相をぶっ飛ばすとでも言いたいナイスなアルバムである。

Personnel: Bruno Mars(vo, g, sitar, perc), Anderson Paak(vo, ds), Bootsy Collins(vo), Thundercat(vo, b), James King(vo), Krystal Miles(vo), babyface(vo), D'Mile(p, org, key, g, b, perc, vo), Ella Finegold(g), Brody Brown(b), Charles Moniz(perc), Alex Resoagli(perc), Kameron Whalum(tb, vo), Mark Franklin(tp), Kirk Smoothers(as, bs), Lannie McMillan(ts) with strings

2021年12月24日 (金)

ホリデイ・シーズンに取り出したアルバム。

_20211222 "Jazz to the World" Various Artists(Blue Note)

最近はホリデイ・シーズンだからと言って,それにフィットする音楽をプレイバックする機会も随分減ったなぁと思う。それは娘が学業のため,家を離れているということもあるが,相応の年齢の夫婦二人では,別にそういう音楽を聞く理由も特にないってのが正直なところである。だが,在宅勤務が続く私は一人で仕事をしながら,音楽を聞く時間も結構あるので,久々に取り出したのがこのアルバムである。これをプレイバックするのは一体何年ぶりか?ってぐらい久しぶりである。

このアルバムが出たのは1995年のことであるから,既にこれも四半世紀以上経過しているのかと思うと愕然としてしまうが,いずれにしても,これはかなり豪華なメンツで構成されたコンピレーションだ。クレジットを見ていると実に面白いこともある。その最たる事例がMichael Franksの"Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!"だろう。Michael Franksがこれを歌うことには全然違和感はない。しかし,そのバックでピアノを弾いているのがCarla Bleyってのは異色な組合せと言わずに何と言うって感じである。ベースがSteve Swallowなのはわかるとしても,ギターがArtie Traumってどういう組み合わせやねん!と思ってしまった。しかもCarla Bleyの何ともまともなプレイぶり(笑)。

また,バンドとしてのホリデイ・アルバム"Snowbound"のあるFourplayが"It Came upon a Midnight Clear"をやっているのだが,"Snowbound"のギターがLarry Carltonなのに対し,こっちはLee Ritenourがやっているのが,私にとっては重要だ。Fourplayに似合うのはLarry CarltonよりLee Ritenourだというのが私の絶対の持論なので,これは実に嬉しいものであった。

このアルバムは"A Very Special Christmas"と同じ趣旨のジャズ/フュージョン版であるだけに,本家同様の豪華さを持っていることが特徴であるが,久々に聞いても,Chick Coreaはいるわ,Herbie Hancockはいるわ,John McLaughlinはいるわ,Diana Krallはいるわ,Brecker Brothersはいるわ,Steps Aheadはいるわ,Anita Bakerはいるわ,更にはDr. Johnまでいるわって感じで,こんなに揃っていたのか~なんて改めて思ってしまった。まぁ,ホリデイ・シーズンならではの企画アルバムだが,冒頭からしてHerb AlpertとJeff Lorberによる"Winter Wonderland"ってだけで掴みはOKであった。いや,マジで豪華ですわ。

2021年11月22日 (月)

Aretha Franklinの伝記映画「リスペクト」を観てきた。

Respect 「リスペクト("Respect")」(’21,米/加,MGM/Universal)

監督:Liesl Tommy

出演:Jennifer Hudson, Forest Whitaker, Marlon Wyans,Audra McDonald, Marc Maron, Kimberly Scott

Queen of Soul, Aretha Frankinの幼少期から,アルバム"Amazin Grace"までを描いた伝記映画である。マッスルショールズも出てきたり,Jerry Wexler等,実在の人物も多数登場するし,数々のArethaのヒット曲が流れる映画は音楽ファンにとっては相応に楽しめるだろう。Jennifer Hudsonも頑張っているのはよくわかる。

しかし,ストーリーとしてはよくある伝記映画であり,もう一歩深掘りしてもよかったようにも思えるところだが,時期を更に絞り込むと訳がわからなくなるだろうし,まぁこの辺りが限界ではないかという感じだ。しかし,このシナリオ,元々映画「アメリカン・グレース」に感動して書き始めたのではないかと思ってしまうような展開で,やはり終盤近くの"Amazing Grace"の歌唱は泣かせる。

そして,エンディング・クレジットで流れるのがAretha本人がKenndy CenterでのCarole King Honorsで歌った"(You Make Me Feel Like)A Natural Woman"ってのは反則だ。また,泣いてまうやないか(爆)。何度観ても感動的なので,映像も貼り付けておこう。やっぱり泣ける名唱だ。但し,Carole Kingの反応は行き過ぎって気もするが(笑)。

本作は映画としては完璧とは言えないが,Aretha Franklinの音楽をまた聴きたくなること必定の映画。でも映画「アメイジング・グレース」には絶対勝てないのは仕方がないところだ。星★★★☆。

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