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カテゴリー「ソウル/R&B」の記事

2021年9月15日 (水)

感涙。これまた凄い音楽映画:「サマー・オブ・ソウル」

Summer-of-soul 「サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)<Summer of Soul (...Or, When The Revolution Could Not Be Televised) >」(’21,米,Searchlight)

監督:Ahmir "Questlove" Thompson

出演:Sly Stone, Mahalia Jackson, The Staple Singers, Nina Simone, Gradys Knight, Stevie Wonder,The 5th Dimension

先日,「プロミシング・ヤング・ウーマン」と梯子して観たのがこの映画であった。これが凄い。

今年はライブに行っていないせいもあって,音楽映画を結構観ていて,「アメイジング・グレイス」,「アメリカン・ユートピア」もよかった。どれも当たりという中で,この映画も実に素晴らしいものってのは,音楽への渇望感を埋めるという意味で実に貴重な作品であった。

1969年,ほぼウッドストックと同じようなタイミングで開催されていたHarlem Cultural Festivalは,ソウルに留まらず,ブルーズ,ゴスペル,ジャズもカバーしていたという素晴らしいイベントであった訳だが,その記録映像が残っていたということだけでも素晴らしい。そしてここに収められた演奏の数々を見て,興奮しなければ嘘だろうと言いたくなってしまうようなものばかりだ。

冒頭からしてStevie Wonderの素晴らしいドラミングに度肝を抜かれるが,そこから出てくるキラ星のごときミュージシャンを見て,私はひたすら感動していた。その中でも特に,Mahalia JacksonがMavis Staplesと歌う"Take My Hand, Precious Lord"のシーンでは感動のあまり落涙した。これを見て感動しない人とは私は友人になれないと思うほどの素晴らしさであるが,それだけではない。

興奮度という意味ではSly Stoneに勝るものはないし,メッセージ性という意味での感動という点ではNina Simoneも素晴らしい。それだけに留まらず,ここに登場するどのミュージシャンもとにかく凄いのだ。ジャズ界からはMax RoachやAbbey Lincolnまで出てくるしねぇ。

この映画が公開されたことを,BLM運動と結びつけて考えることもできようが,難しいことを考えなくても,黒人たちの作り出す音楽の素晴らしさを堪能すればよいと思って私はこの映画を観ていた。とにかくこの作品を世に出したQuestloveに感謝したくなった私である。この映像には星★★★★★しかない。この映画も全音楽ファン必見だと言っておこう。最高だ。

2021年8月25日 (水)

今更ながらのMichael Jackson。

Bad "Bad" Michael Jackson(Epic)

Michael Jacksonほど毀誉褒貶相半ばする人はいないのではないかと思ってしまうが,正直言って,私はMichael Jacksonの音楽にそれほど入れ込んできた訳ではない。もちろん,リアルタイムで"Thiriller"は聞いていたし,"Off the Wall"こそが傑作の名に相応しいとかは思ってきたが,それ以外の音楽については,はっきり言って「斜に構えて」見てきたというのが正直なところである。それはこの"Bad"以降顕著になったと言ってもよいかもしれない。そんな訳で,"Bad"はリアルタイムで聞いた訳でもないのだが,25周年記念盤が出た時に,まぁここまではQuincy Jonesがプロデュースしているし,聞いておくかってことでDVDもついたボックスを購入したのであった。そのボックスが出たのが2012年なので,10年近い時間が経過している。そうした時間の経過の中で,このアルバムを何回聞いたかと問われると,多分1回か2回しか聞いているまい。同梱されているライブ音源CDなんて,DVDは見た記憶があるが,多分1回も聞いていない(爆)。

そんなアルバムを今回気まぐれで聞いてみたのだが,アルバムとして聞いた回数は少ないのに,耳馴染みのある曲が多いのにはびっくりしてしまった。それだけFM等でエアプレイされていたってことになるだろうが,今更ながら,なかなかの佳曲揃いである。私はこの後の"Dangerous"以降については全く知らない状態ではあるが,まだまだ本作では十分な魅力を発揮していたってことにはなる。"Bad"以降の作品での唯一例外として馴染みがあるのは,私が在米中にやたらにMVが放送されていた"Black or White"ぐらいだが,あのプロモーションは凄かったなぁなんて記憶の方が勝っている感じだ。

いずれにしても,曲のクォリティは高いし,演奏は更にビートを効かせた感じになっている部分があるが,私がクレジットを見ていて驚いてしまったのが,タイトル・トラックのオルガン・ソロがJimmy Smithだったってことである。"Dirty Diana"のSteve Stevensのギター・ソロと言い,こういったキャスティングには非常に強いこだわりを感じてしまった。また,打ち込みの多用により,ベーシストはNathan Eastが”I Just Can’t Stop Loving You"に参加するのみってのもある意味では凄いねぇと思ってしまう。クレジットを眺めていて,へぇ~と思うことも多かったアルバム。十分星★★★★☆には値するとは思う。ただ,25周年記念盤のディスク2の未収録曲やリミックス版は大したことはないので,オリジナルを持っていれば十分。尚,参加ミュージシャン多数なので,Personnelは省略。

2021年6月20日 (日)

やって来ました,「アメイジング・グレース」のブルーレイ。

Amazing-grace-bluray

先日,この映画について当ブログで取り上げた際には、全音楽ファン必見と書いた(記事はこちら)。それぐらい感動的な映画だったが,日本では公開が遅れたせいもあって,本国ではとうにソフト化されているので,発注していたものが予定より早く到着した。

本質的に映画は劇場で見るのが一番だが,何度も見たくなると思えるようなArethaの歌唱の素晴らしさもあって,ソフトを発注した私である。CDで音楽を聞くだけでも感動できるが,これでいつでもこの素晴らしいライブの模様を楽しむことができるようになったのは実に嬉しい。

メニューはあまり充実していないし,字幕はOn/Offだけのシンプルなクローズド・キャプション仕様だが,全然問題なしである。早速見て,またもや"Wholy Holy"から落涙してしまった私であった。一家に一枚と言いたくなるような素晴らしい歌唱。

2021年6月 6日 (日)

感涙。「アメイジング・グレース」は全音楽ファン必見と言いたい。

Amazing-grace 「アメイジング・グレース("Amazing Grace")」(18,米)

Aretha Franklinがゴスペルにストレートに挑んだ"Amazing Grace"が素晴らしいアルバムであることは,聞いたことがある人間ならば誰でもわかる。私はその拡大版を長年CDで聞いてきたのだが,その時の映像版である映画が公開となったからには行かないわけに訳にはいかぬ。コロナ禍による緊急事態宣言で,GW中は映画館も休業していたが,6月になって緊急事態宣言は継続しているものの,条件付きで営業できるようになったとあってはこれは観に行くのが当たり前なのだ。

そして,私はArethaが最初に歌う"Wholy Holy"から涙腺が緩んでしまった。上映中,Arethaの歌に何度も涙してしまったというのが全てを表していると思う。歌の力とはこういうものだったのだということを改めて感じさせてくれる映像に,私は上映中心底感動していたのであった。

映画関係のサイトを見ていると,この映画に対する評価は必ずしも高くないところもあるようだが,そうした評価はこの音楽に対する評価を反映していないとしか言えない。確かに編集が完璧だとは言えない。しかし,私から言わせれば,音楽のことを無視してこの映画を評価してはならないのだ。純粋に映画として評価することは,この映画にはまさに不適切であって,音楽ともども,動く映像を通して,Aretha Franklinという歌手の芸術,そして信仰を感じられなければほとんど意味がないのだ。

ちらっと映るMick JaggarやCharlie Wattsは刺身のツマのようなものであって,それを取り立ててどうこう言うこと自体無意味。ゴスペルとは何か,信仰とは何か,ソウルとは何かを音と映像で感じることにこそこの映画の意義がある。本国では2018年に公開されて,とっくにBDもDVDも出ていたことは全然知らなかったとは言え,この映画を劇場で観られたことに私は大きな喜びを覚える。Aretha Franklin,まさに人間国宝であった。

全ソウル・ファンはもとより,全音楽ファン必見だと言いたい。星★★★★★。映画を観た帰り道に,音源版"Amazing Grace"を聴きながら家路についたことは言うまでもない。最高だ。

2021年5月12日 (水)

これがLizz Wrightの初リーダー作。最初から素晴らしかった。

_20210505"Salt" Lizz Wright(Verve)

GW中からGW明けにかけて,映画の記事ばかりになってもいかんので,音楽も取り上げよう。これはLizz Wrightの初リーダー作であるが,彼女への期待値の大きさはプロデュースがTommy LiPuma,Jon Cowherd,そしてBrian Bladeが務めていて,メジャーのVerveからのリリースということでもわかろうというものだが,その期待にちゃんと応えていることが素晴らしい。

私が彼女のアルバムに初めて接したのは"The Orchard"だったので,このアルバムは後追いで聞いた訳だが,この人の魅力はこの第1作から明らかだった。その後,私が彼女のアルバムは全て購入し,高い評価しかしていないというのも当然のような感じだ。私の嗜好にぴったりの音楽と言ってもよいのである。とにかく,歌よし,声よし,演奏よしでは文句のつけようがないのだ。

冒頭からChick Coreaの"Open Your Eyes You Can Fly"って選曲にもびっくりするが,この曲,多分初出はECMでのGary Burton New Quartetだろうが,歌詞付きバージョンはFlora Pulimが最初だろう。ここでのLizz Wrightの歌唱はコンテンポラリーな感覚もあって,つかみは完全にOKってところである。そこに自身のオリジナルやら"Afro Blue"やらを交えて歌われるこのアルバム,実に心地よく,そしてレベルが高い。まさに大人の音楽って感じである。ラフマニノフの"Vocalise"をスキャットでやってしまうのも凄いが,そこからNina Simoneが歌った"End of the Line"へつなぐアプローチもいいねぇ。そして,ラストのBrian BladeとAdam Rogersのギターだけをバックに歌う"Silence"なんて絶妙なクロージングである。

いずれにしても,本作はその後の活躍ぶりを約束するような優れたデビュー・アルバムだったと言ってよいと思う。一部で入る控えめのストリングスは必要だったか?と思わなくもないが,デビュー作のご祝儀みたいなものだったと解釈しよう。そのストリングスはヴァイオリン抜きのヴィオラとチェロってのが控えめに響く理由かもしれない。星★★★★☆。ここのところ,2017年の"Grace"以来,暫くアルバムを出していない彼女だが,これからも必ずフォローしたいと思わせるとともに,もっとメジャーになってよいミュージシャンである。

Recorded in August and December, 2002

Personnel: Lizz Wright(vo), Kenny Banks(p, el-p, org), Jon Cowherd(p, el-p), D, Kenny Banks(p, el-p, org), Jon Cowherd(p, el-p), Danilo Perez(p), Sam Yahel(org), John Hart(g), Adam Rogers(g), Doug Weiss(b), Brian Blade(ds, g), Tereon Gully(ds), Jeff Haynes(perc), Derrick Gardner(tp), Vincent Gardner(tb), Myron Walden(as, b-cl), Chris Potter(ss), Sarah Adams(vla), Ron Carbone(vla), Crystal Garner(vla), Judy Wilmerr(vla), Ellen Wistermann(cello), Joe Kimura(cello), Caryl Paisner(cello), Mark Shuman(cello)

2021年3月 9日 (火)

R+R=Now: ジャズ・クラブでこんな音楽をやられたら痺れちゃうよなあ。

_20210307 "Live" R+R=Now(Blue Note)

Robert Glasperのやる音楽には,"Black Radio"を筆頭に素晴らしい作品が多い。Robert Glasperの生み出すグルーブが何とも心地よく,私のような年代のリスナーにさえ,実に訴求力が高いのだ。しかし,私もRobert Glasperの追っかけをやるところまではいっていないので,この変わった名前のグループの初作は買ってもいないし,聞いてもいなかったのだが,これにはなぜか反応してしまった。

その理由としては,このライブが録音された時期に,私は違うバンドでRobert Glasperの生に接していたことが大きい。その時はDerrick HodgeとChris Daveとのトリオだったのだが,そのグルーブに痺れていたからである。1か月近く,Robert GlasperはBlue Note NYに連続出演していたはずだが,このライブ盤もその時のものであるとすれば,Robert Glasperも相当気合いを入れて臨んでいたはずだからである。そして,ここに収められたコンテンポラリーで,時としてメロウなグルーブに触れてしまえば,これは痺れる。

このバンドにおいては,Robert Glasperに加えて,Taylor McFerrinとTerrace Martinがシンセを弾いており,それによりサウンドはかなり濃密なものになっていると思うが,それは音の分厚さというより,グルーブやアトモスフィアを生み出すためのもののように感じられる。鍵盤奏者としてはあくまでもRobert Glaspmerが主役であり,結構弾きまくっている。そしてこの音楽のムードを高めるのが,Christian Scottのラッパである。エフェクターを通した音が,実にここでの演奏にマッチしていて,このグループのサウンドにおいてChristian Scottが重要な位置づけにあることを強く感じる。私にとっては,これはEast Villageのちょっと尖った音って感じがするが,これは私の嗜好にずっぽしはまってしまった。

いずれにしても,こんな音楽がBlue Noteという狭い空間で演奏されていたと想像するだけで,私はオーディエンスに嫉妬してしまう。私にとっては"Black Radio"を凌駕するところまではいかないとしても,やはりRobert Glasperは優秀,そしてバンドのメンバーも優秀である。以前,Robert Glasperが使っていたMark Collenbergというレベルの低いドラマーと違って,ここでドラムスを叩くJustin Tysonは実にナイスなミュージシャンなのもよかった。星★★★★☆。ラストに収められた長尺の"Resting Warrior"で昇天確実。

それにしても,Reflect+Respond=Nowというバンド名はよくわからん(苦笑)。そして,このバンドをジャズにカテゴライズすることは不可能って感じであるが,これって好きだなぁ。

Recorded Live at Blue Note NY

Personnel: Robert Glasper(key), Christian Scott aTunde Adjuah(tp), Terrace Martin(synth, sax, vo, vocoder), Tayler McFerrin(synth), Derrick Hodge(b), Justin Tyson(ds), Omari Hardwick(spoken word)

2020年12月 3日 (木)

超絶豪華キャストの"Back on the Block"。

_20201201 "Back on the Block" Quincy Jones (QWest)

このアルバムが出たのが1989年。第33回のグラミーではなんと7部門も受賞ていたなんて全然知らなかった。いずれにしても懐かしいアルバムだが,正直言ってプレイバック頻度は高くないし,これより"Sounds and ... Stuff Like That!!"とかの方が好きだってのが,私の中では前提としてあるのだ。

このアルバムに収められた楽曲のクォリティは無茶苦茶高いのだが,いかんせんいろいろな曲が入っていて(入り過ぎていてと言ってもよい),てんこ盛りというか,捉えどころがないというかって感じになってしまうことは否めないと思う。ラップありぃの,ソウルありぃの,ジャズありぃのってのはやはり何でもあり感が強い。

そんな思いはありつつも,ここに登場する豪華絢爛なミュージシャンを見ていれば,そっちの方にびっくりさせられるという感覚の方が強いのではないか。Ella FitzgeraldとSarah Vaughanのジャズ界2大ディーヴァが共演してしまう(そして図らずも彼女たちのラスト・スタジオ録音は本作らしい...)のも凄いが,Ray CharlesとChaka Khanは一緒に歌ってしまうし,更には短いながらもMiles Davisさえ登場するってのは豪華絢爛を通り越してやり過ぎではないのかとさえ思ってしまう。下記のメンツはWikipediaから貼り付けて編集したものだが,それだけでも結構大変だったと言いたくなるようなキャスティングである。

まぁ,こういうメンツが集まって,和気あいあいとした雰囲気の中で作り上げられたのだろうと想像したくなるアルバムである。星★★★★。どんだけ金掛かってるねんと言いたくなるのが庶民の庶民たる所以(爆)。

Personnel: Quincy Jones(vo, clap, etc,), Gerald Albright(as), Nadirah Ali(vo), Maxi Anderson(vo), George Benson(g), Peggi Blu(vo), Michael Boddicker(prog, etc.), McKinley Brown(vo), Ollie E. Brown(perc), Jorge Calandrelli (synth), Tevin Campbell(vo), Ray Charles(vo), Paulinho da Costa(perc), Andraé ouch(vo, arr, cond), Sandra Crouch(vo, cond), Miles Davis(tp), El DeBarge(vo), George Duke(key), Chad Durio(vo), Sheila E.(perc), Nathan East(b). Geary Lanier Faggett(vo), Vonciele Faggett(vo), Ella Fitzgerald (vo), Keneth Ford(vo), Jania Foxworth(vo), Siedah Garrett(vo), Tammi Gibson(vo), Dizzy Gillespie(tp), James Gilstrap(vo), J.C.Gomez(perc), Jackie Gouche(vo), Gary Grant(tp), Reginale Green(vo), Herbie Hancock(key), Alex Harris(vo), Howard Hewett(vo), Jerry Hey(tp, key), Jennifer Holliday(vo), Pattie Howard(vo), Ice-T(rap), James Ingram(vo), Jesse Jackson(narration), Paul Jackson Jr.(g), Al Jarreau(vo), George Johnson(g), Louis Johnson(b, synth, vo), Tiffany Johnson(vo), Jean Johnson-McRath(vo), Big Daddy Kane(rap), Randy Kerber(key, synth), Chaka Khan(vo), Michael Landau(g), Rhett Lawrence(b, g), Edie Lehman(vo), Steve Lukather(g), Clif Magness(vo), Harvey Mason Sr.(ds), Donovan McCrary(vo), Howard McCrary(vo), Bobby McFerrin(vo,, perc), Melle Mel(rap), Kool Moe Dee(rap), James Moody(as), Perry Morgan(vo), David Paich(key), Phil Perry (vo), Tyren Perry(vo), Greg Phillinganes(key), Steve Porcaro(synth), Ian Prince(key, vo), Bill Reichenbach Jr.(tb), John Robinson(ds), Derrick Schofield(vo), Caiphus Semenya(vo), Shane Shoaf(vo),Alfie Silas(vo), Neil Stubenhaus(b), Rose Stone(vo, chorus dir), Bill Summers(perc), Al B. Sure!(vo), Bruce Swedien(perc, vo), Take 6(vo), Rod Temperton(drum machine, clap), Ian Underwood(prog, clap), Luther Vandross(vo), Sarah Vaughan(vo), Mervyn Warren(vo), Dionne Warwick(vo), Barry White(vo), Larry Williams(sax, key), Syreeta Wright(vo), Charity Young(vo), Michael C. Young(prog), Joe Zawinul(synth) 

2020年10月30日 (金)

久々にStevie Wonderのベスト盤を聞く。

_20201029-6 "Song Review: A Greatest Hits Collection" Stevie Wonder(Motown)

このベスト盤がリリースされたのが1996年だからもはや四半世紀前のことである。光陰矢の如し。Stevie Wonderがその天才を発揮していたのは1970年代ってことになるだろうが,その時代のアルバムを聞くのもよし,あるいはこういうベスト盤で気楽に聞くのもよしであるが,それはリスナーが選べばよい話である。

私が保有しているのは2枚組のヴァージョンだが,1枚ものもあったと記憶している。しかし,Stevie Wonderの天才はどうやったって1枚で収まる訳はないと当時は考えていたはずの私である。これを買ったのは確か町田のTower Recordだったはずだが,なぜか買ったアルバムについてTV番組でインタビューされてしまったのも懐かしい。その時もこれは2枚組を買わなきゃいかんとか言ったと思うが,今にして思えば結構恥ずかしい。しかも家人と一緒にである(爆)。

それはさておきである。久々にこのアルバムを取り出した私だが,まぁ,どこから聞いてもいい曲揃いだと改めて思わされる。選ばれた曲には時代の違いがあるから,サウンドは随分違うなぁと思わされても,曲のよさがあればそんなことは気にならない。こういう曲を聞かされると,ついついカラオケでチャレンジしたくなってしまうのが私の性癖であるが,昔は結構歌ったなぁってのが"Overjoyed"とか"Lately"である。我ながら人の迷惑顧みずって感じだが,だって歌いたいと思っちゃうんだもんなぁ(爆)。

Stevie Wonderの素晴らしいところはそういうバラッドもよければ,ミディアムでもアップテンポでも素晴らしい曲を書くってことだが,ここには入っていないが"Anotehr Star"とか好きなんだよなぁ。ってことで,稀代のソングライターとしてのStevie Wonderを楽しむにはこれほどよいコンピレーションはない。こういうところから入って,アルバムに行くのも私はありだと思うな。星★★★★★。

2020年10月15日 (木)

Michael Landau参加のBlue Hornのアルバム:まじでカッコいいギターである。

_20201011 "Nose for Neighbors" Blue Horn (Sun Soul)

私が初めてMichael Landauに注目したのは,彼がBoz Scaggsと来日した1983年の代々木体育館のことだったと思う。アルバムであればSteve Lukatherが弾いていたパートを見事にこなし,実にソリッドな感覚を覚えさせてくれて,あいつは何者だ?と思ったのも懐かしい。その後,いろいろなアルバムでMichael Landauのプレイに接する機会は増え,更には彼のリーダー・アルバムも何枚か買うことにはなったのだが,その中で印象に残っているのが,Joni Mitchellのライブ・ビデオ,"Refuge of the Road"であった。それについてはこのブログを初めてすぐぐらいに記事にしている(記事はこちら)。そこでも,Michael Landauのプレイぶりには目が点になった私であった。

そんなMichael Landauであるが,これもブログには書いているが,彼は自身のリーダー作よりもほかのミュージシャンのバックの方が光るように感じているのも事実である。そうは言いながら,このアルバムもやっぱりMichael Landauが聞きたくて買ったようなものだが,結果的にはどうだったか?

私の感覚では,このアルバムはBlue Hornというバンド名義ながら,そのメインは曲のほとんどを書いているリード・ヴォーカル兼キーボードのJeff Youngなのであって,Michael Landauは本質的に助演である。そういう意味では,私にとってはMichael Landauの魅力が炸裂する環境である。そしてその通りになっているから,ファンとしてはこれは嬉しいアルバムである。

だが,このアルバム,R&B的と言えばその通りだし,ロック的だと言えばその通りだが,Michael Landauのギターだけで成立するものではない。だからもう少しMichael Landauの更なる露出を求めたくなってもそれは不思議ではない。しかし,ミュージシャンとしてのMichael Landauは,彼には悪いが,主役よりも脇で光る人なのだ。それを考えれば,これぐらいが適切って感じのプレイぶりに喜ぶ人は喜んでいればいいってところである。

ってことで,別に歴史に残るアルバムでも何でもないのだが,その筋の人は知っていてよいアルバムである。Michael Landauゆえの星★★★★(絶対甘いけど...)。

ネット・サーフィンをしていたら,上述の1983年のライブの映像があったので,貼り付けておこう。主役はあくまでBoz Scaggsなので,映像にはMichael Landauは大して出てこないが,どうして私がこの人のことが気になったかは分かってもらえるような音ではある。

Personnel: Jeff Young(vo, org, key), Michael Landau(g, vo), Anastasios Panos(ds, perc)

2020年9月12日 (土)

James Ingram:つくづくいい歌い手であった。

_20200907-2"The Power of Great Music" James Ingram(Warner Brothers)

昨年,惜しくも脳腫瘍で亡くなったJames Ingramのベスト盤を改めて聞いてみた。私にとってJames Ingramは,桑田佳祐もカヴァーした"Just Once"が最も印象に残る。桑田がカヴァーしたのは変名でレコーディングした嘉門雄三&Victor Wheelsのライブ盤であったが,もとはQuincy Jonesのアルバム,「愛のコリーダ(”The Dude")」中の1曲である。これをいち早くライブで取り上げる桑田のセンスに感心しつつ,この曲のよさをつくづく感じていたあの頃が懐かしい。後々になって,やはりBarry Mannの書く曲は素晴らしいと思っていたが,何を血迷ったか,カラオケでこの曲を歌ってしまうという暴挙に出る私なのであった(爆)。それぐらいいい曲なのだ(きっぱり)。

それはさておき,Quincy Jonesのアルバムでの歌いっぷりが素晴らしかったことから,ソロ・アルバムも出し,ビッグネームとのデュエット曲もヒットしたJames Ingramのキャリアを総括するにはこれほど適したアルバムはない。もう肝心なところは全部入っているって感じである。全12曲中4曲がデュエットってのもこの人らしい。

また,このアルバムにはBarry Mannの曲が4曲含まれているが,Barry MannとJames Ingramの関係は,Burt BacharachとDionne Warwickの関係みたいなものだったのかもなぁなんて考えてしまった。まさに相性ぴったりなのである。

そして,改めてこのアルバムのタイトルを見て,今更のようにそうだったのかと思う私も私だが,まさに「音楽の力は偉大だ!」と思わされる堂々たる歌唱の数々を聞いて,つくづく惜しい人を亡くしたと思った私であった。James Ingramは亡くなったが,これこそエヴァーグリーンと呼ぶべき歌唱の数々。これがオリジナル・アルバムならそうもいかなかっただろうが,これほどの名曲,佳曲揃いなら文句も出ない。このアルバムを聞きながら,James Ingramという歌手を偲びたいと思う。星★★★★★。ベスト盤ではあるが,クレジットも手抜きをしないライナーも丁寧に作られているおり,実に好感度が高い。人柄だな。

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