2024年3月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
フォト

2022年のおすすめ作

無料ブログはココログ

カテゴリー「Joni Mitchell」の記事

2023年12月29日 (金)

2023年の回顧:音楽編(その1:ジャズ以外)

2023-cds_1

今年もいよいよ押し詰まってきたので,今年の音楽に関して回顧しよう。まずは恒例に従い,ジャズ以外の音楽から。

ここ数年,ストリーミングへの依存度が高まり,CDの購入枚数が減少していることはこれまでに何度も書いてきた。それは必ず買うだろうミュージシャンを除けば,新譜もストリーミングで聞いて出来を判断した上で買うようにしているから,当然購入枚数も減るのだ。そうした中で最も印象に残っているのが上掲の4枚。我ながらちょっと変わったチョイスになったようにも思えるなぁ。

まずはMeshell Ndegeocelloの"The Omnichord Real Book"だが,最初に聞いた瞬間からこのアルバムは今年のNo.1アルバムだと思っていたし,その後もこれを上回るアルバムはなかったと言ってよい。実に優れた作品であり,来年の来日が本当に楽しみだ。

Everything But the Girlの24年ぶり(!)の新作"Fuse"も全く期待を裏切らない出来で,彼らが活動のインターバルがあろうと,極めて優れたミュージシャンであることを改めて実証したアルバムだと思う。

Arooj Aftab / Vijay Iyer / Shahzad Ismailyによる"Love in Exile"はカテゴライズ不能と言ってもよいが,このアンビエントな響きが実に面白かった。Vijay Iyerもいろいろやるもんだと思いつつ,こうした本流からはずれた活動を経て,来年ECMからリリースされる予定の新作への期待も高まる。

そして今年最後の新譜として取り上げたIsabelle Faustの"Solo"の味わい深さは,記憶が新鮮なこともあるにはあるが,ここに挙げるに十分な魅力を持ったアルバムだったと思う。

これ以外ではJoni Mitchellの復活を記録した"At Newport Featuring the Joni Jam"は涙なくして聞けないものだったし,アーカイブの第3弾も素晴らしかった。また,Rolling StonesやIggy Popの新作は,音楽に年齢は関係ないと思わせてくれたのが嬉しかった。

今年の特別賞はBob Dylanの"The Complete Budokan 1978"ということになるだろう。発掘されたこと自体が素晴らしいし,Bob Dylanの若々しい歌いっぷりは感慨深かった。ただ,正直に言ってしまえば,音楽としてはRolling Thunder Revueのボックスの方が私としては好みなのも事実。"Shadow Kingdom"もよかったしねぇ。だが,これはリリースされたことを評価の対象にすべきと思うので特別賞なのだ。

ということで,私の全方位的な音楽の聴き方が反映された選盤になった気がするなぁ。明日はジャズ編をお届けする。

2023-cds_2

2023年10月13日 (金)

瑞々しいとしか言いようがないDan Fogelbergの”The Innocent Age”。

_20231012_0001"The Innocent Age" Dan Fogelberg (Full Moon/Epic)

このアルバムはDan Fogelbergが1981年にリリースした2枚組だが,どこから聞いても瑞々しいとしか言いようがない名曲揃いの傑作だと思う。フォーク,ロック,ポップスを絶妙にブレンドした名曲群は,リリースから40年以上経って,初めて聞いた時が20歳前後だった私が還暦を過ぎた今でも,当時を思い起こさせてくれる。こんな私にも「無垢な時代」があったのだなぁなんて感慨に耽ってしまう(爆)。

シングルも何枚もチャート・インしたことでもわかるが,Dan Fogelbergとしては人気もピークと言っていい時期だったかもしれないが,何よりもここに収められた曲が時代を越えてアピール度が高い。イントロから引き込まれてしまう冒頭の"Nexus"にJoni Mitchellがゲスト参加していることも,私の印象を強める理由の一つかもしれないが,Dan Fogelbergの多重録音をベースとしながら,Joni Mitchellのみならず,迎えたゲストがまた適材適所なのだ。

私がDan Fogelbergの音楽に初めて触れたのは高校時代に聞いたTim Weisbergとの"Twin Sons of Different Mothers"であった。あれはあれで懐かしいとは言え,企画アルバムだと思うので,私が本当にDan Fogelbergの本質的な魅力を感じたのはこのアルバムなのだ。私の中でDan Forgelbergのアルバムと言えば,本作を置いてほかにはないと言い切ってしまおう。今聞いてもすこぶる魅力的な作品。星★★★★★。

Personnel: Dan Fogelberg(vo, g, p, el-p, synth, dulcimer, sitar, b, perc), Mike Finnigan(org), Mike Utley(p, el-p), Al Perkins(pedal steel), Kenny Passarelli(b), Norbert Putnam(b), Russ Kunkel(ds), Don Alias(perc), Motor City Marty(perc), Joe Lala(perc), Marty Lewis(tambourine), Michael Brecker(ts, ss), Tom Scott(ts), David Duck(fr-h), Jerry Hey(piccolo, tp), Jimmie Fadden(hca), Gail Levant(harp), Sid Sharpe(vln), Jesse Erlich(cello), UCLA Band(brass), Joni Mitchell(vo), Richie Furay(vo), Mike Brewer(vo), Don Henley(vo), Emmylou Harris(vo), Glenn Frey(vo), Chris Hillman(vo), Heart of Darkness Chorale(chants), Sid's Raiders(cho)

本作へのリンクはこちら

2023年10月11日 (水)

Joni Mitchellのアーカイブ・ボックス第3弾が届く!素晴らし過ぎてまじで感動。

Joni-mitchell-archive-3 "Archives Volume 3: The Asylum Years 1972-75)" Joni Mitchell (Rhino)

奇跡の復活を遂げたJoni Mitchellである。そのJoni Mitchellのアーカイブ・ボックスはこれまでの2作も素晴らしいものであったが,その第3弾がリリースされた。今回はCD5枚組という強烈なボリュームである。デモ音源,アーリー・テイクにライブ音源を加えているが,これがまた輪を掛けて感動的。

アルバムとしては"For the Roses","Court And Spark",そして”Hissing of Summer Lawn"の時期になるが,その時期にリリースされたライブ盤,"Miles of Aisles"の別ヴァージョンと言ってよいライブ音源もちゃんと含まれている。”Miles of Aisles"にはここでの音源(1974年3月3日)の前日と翌日の曲も入っていたが,ここでの演奏では,クレジット上はL.A. Expressのピアノ奏者がLarry NashからRoger Kellawayに代わっているが,その日だけのトラだったってことなのか?いずれにしても,ほかのライブ音源同様ファンとしては実に貴重。

このボリュームゆえ,まだすべてを聞いたわけではないが,Neil Young & the Stray Gatorsをバックにした"You Turn Me on I’m a Radio"なんてもろにデモ音源って感じではあるが,いきなりNeil Youngのハーモニカに導かれて歌われるこの曲は何ともユニークで,思わずほぉ~っとなってしまう。

とにかく貴重音源満載,音楽を超越した文化的な宝とさえ言いたくなってしまうような素晴らしいボックス・セット。星★★★★★。早く全部聞かねば!たまらん。

本作へのリンクはこちら

2023年7月31日 (月)

感動...。それ以外の表現が見つからないJoni Mitchellの復活作。

_20230730 "At Newport Featuring the Joni Jam" Joni Mitchell (Rhino)

病に倒れたJoni Mitchellが,公の場に登場することはあっても,音楽活動を再開する(できる)と思っていた人は,ファンであろうと少なかったのではないか。かく言う私もその一人である。当ブログで個別ミュージシャン単位でカテゴリーを持つのはBrad MehldauとJoni Mitchellだけという扱いをするぐらい,私はJoni Mitchellの音楽を愛しているが,それでもやはり...という感じで,Archiveシリーズでリリースされる過去音源だけでも満足しなければならないと思っていた。

そんなJoni Mitchellが2022年7月24日のNewport Fork Festivalのステージに登場したというニュースは,私も驚きを以て,当ブログでも記事にした(その時の記事はこちら)。本作はその時の音源が約1年の時を経てリリースされた。今年になって,Joni Mitchellは再び"Echoes through the Canyon"と題して2日間ステージに立っているから,この復活劇が一回限りでなかったというのも実に素晴らしい。

そして,私はこのアルバムがデリバリーされて,早速聴いた時に,冒頭のBrandi CarlileのMCだけで,もはやうるうるしてしまったのであった。病気を克服したとは言え,Joni Mitchellの声は更に低いものとなり,音程も完ぺきとは言えないだろう。しかし,音楽的な観点よりも,このイベントが開催され,Joni Mitchellがステージに立ったということの重要性の方が私にとってははるかに重要であった。そして,この場だけでなく,長期に渡ってJoni Mitchellの復活を支えようとしてきたミュージシャンたちの心意気,復活を果たそうとするJoni Mitchellの強さを考えれば,このアルバムには感動以外の感覚はなく,それだけで星★★★★★しかないのだ。

私にとっては,誰が何と言おうと今年一番の「感動作」となること必定のアルバムである。せっかくだから,今年のライブ時の写真もアップしておこう。こんなところで聞いたら,感動度は更に増したことだろう。その場にいた聴衆に猛烈にジェラシーを感じざるをえない。

Recorded Live at the Newport Fork Festival on July 24, 2022

Personnel: Joni Mitchell(vo, g), Brandi Carlile(vo), Phil Hanseroth(b, vo), Tim Hanseroth(g, dulcimer, vo), Lucius<Jess Wolfe, Holly Laessig>(vo), Taylor Goldsmith(g, vo), Celisse(g, vo), Ben Lusher(p), Blake Mills(g, vo), Marcus Mumford(perc, vo), Josh Newmann(cello), Alison Russell(cl, vo), Rick Whitfield(g, vo), Matt Chamberlain(perc), Wynonna Judd(vo), Shooter Jennings(vo), Kyleen King(vo), Sistastrings<Monique Ross, Chauntee Ross>(vo), Jay Carlile(vo), Marcy Gensic(vo), Sauchuen Yu(vo)

本作へのリンクはこちら

Ecoes-through-the-canyon

2023年4月 2日 (日)

Kyle Eastwoodの初リーダー作:こんなアルバムだったっけ?(爆)

_20230330-3 "From There to Here" Kyle Eastwood(Columbia)

私はClint Eastwoodのファンだが,このアルバムを保有しているのは,Kyle Eastwoodが彼の息子だからではない(きっぱり)。偏にこのアルバムを保有しているのはJoni Mitchellが参加していることによるものだというのが正直なところだ。だからと言って,ここでJoni Mitchellが参加しているのはMarvin Gayeの"Trouble Man"1曲だけなので,決してプレイバック頻度が上がる訳ではない。しかし,今回は気まぐれで久々に取り出してみたら,主題の通り,こんなアルバムだったか?という印象を持ってしまった。

本作はKyle Eastwoodの初リーダー作のはずだが,レーベルはメジャーのColumbiaだし,ヴォーカリストとしてJoni Mitchellだけでなく,Diana KingやJulia Fordhamも迎えているので,相当期待値が高いデビューだったと思える。Joni Mitchellの参加はプロデューサーが元旦那の Larry Kleinだったことも影響していると思うが,その細かい経緯は不明だ。私が意外だったなと思うのが,全10曲中5曲がラージ・アンサンブル,残りの5曲がおそらくKyle Eastwoodのレギュラー・バンドの演奏という構成であった。特にラージ・アンサンブルでの演奏は,新人としては破格の扱いという気もするし,一方でチャレンジングな取り組みだったと感じたからである。しかも,ラージ・アンサンブルのアレンジャーはVince Mendozaというのだから鉄板である。

こうしたセッティングは,やはりClint Eastwoodの息子という話題性が寄与したことは間違いないと思えるが,ここでのKyle Eastwoodの演奏そのものは,本人の実力も十分と思わせるもので,単なる親の七光りではないところは実証されていると思う。ある意味,ここでの演奏はLarry Kleinプロデュースらしいと言えばそう感じられるものではあるが,共演者にも恵まれて,なかなかの初リーダー作になった。星★★★★。天は二物を与えたな(笑)。

Personnel: Kyle Eastwood(b), Mark Isham(tp), Oscar Brashear(tp), Sal Marquez(tp), David Sanchez(ts), Plas Johnson(ts), Doug Webb(ts), Steve Tavaglione(ss), Matt McGuire(p), Jim Cox(p, org), Billy Childs(p), T. Blade(g), Peter Erskine(ds), Kendall Kay(ds), Michael Fisher(perc), Joni Mitchell(vo), Diana King(vo), Julia Fordham(vo), with Warren Luening, Larry Hall, Wayne Burgeron, George Graham(tp), Andy Martin(tb), George Thatcher(b-tb), Dan Waldrop(tuba), Dan Higgins, Joel Peskin, Steve Kujala, Gary Foster(woodwinds), Mike O'Donovan, John Steinmetz(bassoon), Rick Todd, David Duke, Phillip Yao(fr-h), Gayle Levant(harp) 

本作へのリンクはこちら

2022年10月 9日 (日)

まだ音は聞けていないが...:Joni MitchellのAsylum Boxが届く。

Joni-mitchell-asylum-box"The Asylum Albums(1972-1975)" Joni Mitchell(Rhino)

先日,発注していたJoni Mitchellが米国から届いた。関税まで取られちまったが,まぁいいや(笑)。

既に初期の4枚が"The Reprise Albums(1968-1971)"として出ているので,第2弾として後続のアルバムが出るのも確実だと思っていたし,こうしてリリースされると,ついついRepriseボックス同様,アナログ盤を入手してしまったのであった。今回は"For the Roses"から"The Hissing of Summer Lawn"までの4種5枚である。

私は既にJoni Mitchellのアルバムは全てCDで揃えてあるのだから,こういう買い物はそれこそ無駄遣いと言われても仕方がない。紙ジャケでエンボスまで再現した国内盤CDの出来はそれはそれで見事だったとしても,やはりアナログ盤の持つ質感,特にアナログで保有したくなる見事なジャケのセンスを考えれば,ついつい購入してしまうのだ。しかも音源はリマスターされているしねぇ。

こうなってくると,次がまた楽しみになるが,次は"Hejira"から"Shadows and Light"あたりか。それまでにはもう少し円安が収まってくれているといいのだが(苦笑)。

音源はゆっくり楽しませてもらうことにしよう。

本作へのリンクはこちら

2022年9月22日 (木)

これもまたJoni Mitchellってことで,"Big Yellow Taxi"のマキシ・シングル。

Big-yellow-taxi "Big Yellow Taxi" Joni Mitchell(Reprise)

私はJoni Mitchellのかなりのファンであることは,このブログにも何度も書いているし,ミュージシャン単独でカテゴリー登録しているのはBrad MehldauとJoni Mitchellだけである。だから,コンプリートとは言わずとも,結構な数のJoni Mitchellの作品は参加策含めて保有している。そうした中でも,相当異色と言っていいのがこのマキシ・シングルである。

端的に言えば,Joni Mitchellの人気曲,"Big Yellow Taxi"を複数バージョンにリミックスしたEPなのだが,これが結構面白いのだ。正直言ってしまえば,私はリミックス・アルバムとかにはあまり興味がないタイプのリスナーだが,このEPの場合,"Big Yellow Taxi"がこうなっちゃうの?って感じなのだが,リミックスされたビートに,Joni Mitchellの声が違和感なく溶け込んでしまっていると感じてしまうのだ。贔屓目に言えば,どのようなリミックスを施しても,Joni Mitchellのオリジナルの強さは感じられるというところだろう。

そもそもこのEPの出自は,米国のドラマ,"Friends"に採用されたことから,その拡大盤というかたちでリリースされたものだろうが,そんなことを知らずに購入して,初めて聴いた時はびっくりしたはずだ(もう四半世紀以上前のことなので,記憶の彼方だが...)。これもまたJoni Mitchellの作品として考えれば面白いが,聴く人によっては邪道,あるいは原曲への侮辱と感じるかもしれない。しかし,Joni MitchellがOKしなければ,こういうかたちではリリースされていないはずなので,本人はこれもありって捉えているってことだろう。

最後の最後にオリジナル・ヴァージョンが収められていて,リミックス版,ダブ版との「落差」を楽しむのがいいと思えるユニーク作。ダブ版なんて,ほぼJoni Mitchellの痕跡もなしみたいな感じだしねぇ(笑)。いずれにしても,久しぶりに聴いたらマジで面白かった。

本作へのリンクはこちら

2022年7月26日 (火)

Joni MitchellがNewport Folk Festivalのステージに立った!

Joni-jam-set-list なんと,なんとである。脳動脈瘤を患ってから,もう音楽活動は実質的に無理ではないかと思われていたJoni Mitchellがステージに立ったそうだ。昨今はイベントにも顔を出せるほど回復していたが,まさにこれは嬉しい驚きである。Newport Folk Fesitivalにおける"Brandi Carlile and Friends"と題されたプログラムに,サプライズで登場して,フルでステージをこなしてしまったというのだから,これは驚き以外の何ものでもない。サプライズ・ゲストどころではなく,これは当初から考えられていたものであって,こんなイベントを仕立てたBrandi Carlileには感謝の言葉しかあるまい。

Joni Mitchellが公式のライブのステージに立つのは2000年以来のことだそうである。さすがに往年のような声も出ないし,ギターを弾く手も覚束ない。しかし,まさにレジェンドの復活として捉えらえたこのイベントは,驚きと感動を生んだはずだ。Joniが歌う姿を見られることだけでも奇跡的なのだ。当日の模様についてはNPRの記事からも感動が感じ取れる(記事はこちら)が,私は心底当日の聴衆が羨ましい。少しでもその場に居合わせた気分を味わうべく,当日のセット・リストと"Both Sides Now"の映像を貼り付けておこう。"Both Sides Now"を歌うJoniの後ろで涙ぐむWynonna Juddの気持ちも,コーラスをつけながら泣いてしまうBrandi Carlileの気持ちもよくわかる...。尚,映像はYouTubeにかなりの曲がアップされているので,ご関心のある方は是非。

2021年12月30日 (木)

2021年の回顧:音楽編

2021-best-albums
いよいよ今年の回顧も最後の音楽編である。このブログにも何度か書いているように,私の新譜購入のペースは,以前に比べると随分落ちた。そんな中で印象に残った新譜音源(星★★★★☆以上)については,ブログ右側の「2021年のおすすめ作」にアップしているので,そこが回顧する上でも基本になる。

しかし,回顧するもへったくれもなく,今年のベスト作はこれになるだろうなぁと思っていたのが2作ある。それが児玉桃の”Hosokawa/Mozart”と菊地雅章の"Hanamichi: The Final Studio Recordings"であった。この2作ともにこのブログに記事をアップしたのは3月であったが,その段階でこれを越えるものはないと思っていた。児玉桃については2006年録音の音源ではあるが,細川俊夫の「月夜の蓮(”Lotus under the Moonlight”)」の演奏があまりにも素晴らしく,私は唸ってしまった。もちろん,モーツァルトのピアノ協奏曲23番もいいのだが,何と言っても「月夜の蓮」である。

そして,菊地雅章だ。これも2013年の録音ではあるが,この作品について記事を書いた時の「命を削って紡ぎだされるフレージング」という表現には,いささかの誇張もないと思っている。それぐらい痺れる音楽であったと言わざるをえない。私にとってはこの2枚の印象があまりにも強かった。

そのほかでは新録音では,ジャズ界の不老不死,Charles LloydのMarvelsとのアルバムはいつもながらの優れた出来であった。記事にも書いたが突出した部分はないとしても,このクォリティの高さは尋常ではない。メンバーの貢献度も高かった。また,私が高く評価し続けるMarcin Wasilewskiの"En Attendant"はこれまた痺れる出来であった。Joe Lovanoを迎えた前作,"Arctic Riff"も悪くなかったが,私としては多少の違和感もあった。やはりこの人たちはトリオが一番いいと思う。また,Dave Hollandも年齢を感じさせないカッコいい音楽を作り続けていて凄いなぁと思う。音楽性をアルバム毎に変えてくることも立派。本当に幅が広いし,もう一人の主役と言ってよいKevin Eubanksのギターもよかった。

そして,年末になって現れたRobert Plant/Alison Kraussの第2作は滋味溢れる出来に嬉しくなった。Bruno MarsとAnderson PaakのSilk Sonicはソウルの楽しさを完璧なまでに打ち出していて,これまたいいものを最後の最後に聞かせてもらった気がする。全然タイプは違うが,現代音楽ではMichael WendebergとNicolas Hodgesによるブーレーズのピアノ曲全集。私の嗜好にばっちりはまるこの音楽は,決して万人向けではないとしても,この手の音楽好きにはたまらない魅力があると思う。

発掘ものもいいものがあったが,発見という意味ではJohn Coltraneの「至上の愛」ライブははずせないところ。いかんせん音がもう少しよければ...というところはあったが,歴史的音源であることは間違いない。むしろ,私が音楽として楽しんでしまったのがCharles Mingusのカーネギー・ホールでのライブ。その日の演奏をきっちり収めたこともに加え,演奏が何よりも楽しい。Mingusに対する私の勝手な思い込みやイメージを覆したのが本作だったと言ってよい。そして,Joni Mitchellのアーカイブ・シリーズ第2弾が実に素晴らしく,もはや第3弾が楽しみな私である。アナログでリリースされた初期4枚のアルバムのボックスも実によいのだが,ディスクがきつきつで取り出しにくいのが玉に疵(笑)。

ということで,新譜の購入枚数は減ったものの,今年もそれなりに楽しめた1年であったと思う。

2021年12月 5日 (日)

ようやく到着。Joni Mitchellのアーカイブ・ボックス第2弾が最高だ!

Jma2 "Archives Volume 2: The Reprise Years 1968-1971" Joni Mitchell(Rhino)

リリースから若干時間が経過したこのボックスがようやくデリバリーされた。早くから発注していても,輸入盤が発売日に届くことが少ないAmazonにはマジで文句を言いたいところだが,価格差を考えれば仕方ないかもしれない。しかし,遅いものは遅い。本作を待望していた私としては待つのが実に辛かった。

ここに収められた音源はストリーミングでも聴けるんだから,それでも聞いて待っていてもよかったのだが,今回はひたすら待ちに徹していた私である。そのボックスを早速聴いているのだが,まず聞いたのが名門カーネギー・ホール出演時のライブ音源。いやはや実に若々しく瑞々しい。もうこれを聞くだけでも星★★★★★。全部聞き通すのがこれほど楽しみなボックスはない(きっぱり)。最高である。

より以前の記事一覧