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カテゴリー「Joni Mitchell」の記事

2025年2月17日 (月)

デンマーク発正調Joni Mitchellトリビュート。

_20250213_0002 "Takes You to Unknown and Famous Songs of Joni Mitchell" Big Yellow Taxi(自主制作盤)

私はJoni Mitchellのコアなファンと言ってもよいと思う。だからこそ,ブログ記事のカテゴリーに個別のミュージシャンとして設定されているのはJoni MitchellとBrad Mehldauだけなのだ。それはさておき,世の中にはJoni Mitchellの信奉者が多数いて,Joni Mitchellのサイトを見ていても,しょっちゅうトリビュート・コンサートが開催されている。このブログでも開設した年にスウェーデン発のトリビュート・アルバムを取り上げたことがある(記事はこちら)が,このアルバムはデンマーク発である。

Big Yellow Taxiというバンド名からしてもわかるのだが,この人たちもJoni Mitchellフォロワーだが,元々はカフェでデュオで歌っていたらしい二人が吹き込んだアルバム。"Unknown"とタイトルにあるように,Joni Mitchell本人の公式レコーディングはない曲が3曲含まれており,そのほかはお馴染みのJoni Mitchellナンバーである。これが主題の通り,正調と言うか,実にストレートなトリビュート・アルバムで,ヴォーカルのChristina Friisの声が若い頃のJoni Mitchellを髣髴とさせるのだ。これは結構似ているなぁと思いつつ聞いていたが,完コピに近い感じもありながらも,オリジナリティを若干ながらも打ち出しているところはある。そういうものだと思えば腹も立たない。

しかし,むしろそこはJoni Mitchellの書く曲の素晴らしさもあって,何の苦もなく聞き通せてしまうのは凄いことだ。この人たち,何枚かアルバムを残していて,私が保有しているこのCDには彼らの1stアルバムであるその名も"A Tribute to Joni Mitchell"がオマケで付いているし,Chrisitina Friisはソロ名義でもJoni Mitchellへのトリビュートを続けるという徹底した姿勢。2018年にはソロ名義で"The Quiet of Knowing: Joni Mitchell Unknown"というアルバムもリリースしていて,こちらはストリーミングでも聞けるのでご関心のある方はどうぞ。本作の方は自主制作ってこともあり,なかなか見つかりそうにないかもだが。

Personnel: Big Yellow Taxi<Christina Friis(vo), Henning Olsen(g, b, perc)> with Frede Ewerl(p, org, synth), Dinn Fustafsson(g), T. Skovgaard(sitar-g, g), Michael Klinke(mouth org), Rune Olsen(perc)

2024年10月23日 (水)

ようやく到着:Joni MitchellのArchive Boxシリーズ第4弾。最高だ!

Jm-archives-4 "Archives Volume 4: The Asylum Years (1976-1980)" Joni Mitchell (Rhino)

<ボックスの収録内容をチェックし,一部記事を改訂しました。>

輸入盤は少し前にリリースされていながら,私が発注していたのが国内仕様だったので,少々到着が遅れたがようやくデリバリーされた。丁度Joni MitchellがHollywood Bowlで再度Joni Jamをやった時期と合致してしまうのも何かの縁か。

私にとってはJoni Mitchellの最高傑作は"Hejira"だと思っている(決して"Blue"を否定しているのではない)ので,このボックスに収められたAsylumレーベルの時代のアーカイブはまさに待望だったと言ってもよい。だが,本当の意味でのこのアーカイブへの期待は何だったかと言うと,"Mingus"のリハーサル的に行われていたリリース版とは異なるジャズ・ミュージシャンたちとの共演だったと言ってもよい。それに加えて,ライブ盤"Shadows And Light"のメンツによる別ヴァージョンの音源も期待値が高かった。そして届いた音源はその期待には十分応えるものだったと言ってよい。

CD6枚組というヴォリュームの中でディスク1の途中までと,ディスク3の一部はRolling Thunder Revueの音源から構成されている。これらの音源はBob DylanのRolling Thunderボックスにも含まれていないものばかりなので超貴重だ。ディスク1後半~ディスク2が76年の米国ツアーのライブ音源,ディスク3が"Hejira"のデモ音源が中心,ディスク4以降が上述の"Mingus"+"Shadows And Light"関係の音源となる。"Don Juan's Reckless Daughter"関連の音源が2曲のみなのはちょいと不思議。ライブ音源に関してはブートレッグで公開済みのものもあるが,大したことはないとは言え,当然音はこっちの方がいい。"Shadows And Light"の別テイク版はForest Hills Tennis Stadiumの音源が24曲に渡って収録されているから,これはほぼフル・コンサート音源だろう。

そもそもこのForest Hillsという響きが私の郷愁を刺激する。実は私がNYCに在住していた頃に住んでいたのが,まさにこのForest Hillsなのだ。このスタジアムには直接行ったことはないが,近所はチャリンコで何度も通過しているはずだ。そんなノスタルジーを刺激する音源に加えて,やはり気になるのが"Mingus"のデモ音源だ。特に"Early Alternate Version"は"Mingus"のジャケットにも記されていたメンツによるセッションの模様であり,これが実に刺激的なメンツなのだ。だってクレジットされているのはEddie Gomez, Phil Woods, Gerry Mulligan, John McLaughlin, Jan Hammer, Stanley Clarke, John Guerin, Tony Williams, Don Alias, そしてEmil Richardsなのだ。どんな演奏がされているかワクワクしてしまうのも無理ないのだ(きっぱり)。

ということで,音を聞かずともこれほど興奮させてくれる音源はそうそうない。ここ暫くはこれだけ聞いていれば十分だって気もしてくる最高のボックス・セットだ。もうこれは無条件に星★★★★★。私はディスク4から聞いているが,もはや興奮状態だ。

本作へのリンクはこちら

2023年12月29日 (金)

2023年の回顧:音楽編(その1:ジャズ以外)

2023-cds_1

今年もいよいよ押し詰まってきたので,今年の音楽に関して回顧しよう。まずは恒例に従い,ジャズ以外の音楽から。

ここ数年,ストリーミングへの依存度が高まり,CDの購入枚数が減少していることはこれまでに何度も書いてきた。それは必ず買うだろうミュージシャンを除けば,新譜もストリーミングで聞いて出来を判断した上で買うようにしているから,当然購入枚数も減るのだ。そうした中で最も印象に残っているのが上掲の4枚。我ながらちょっと変わったチョイスになったようにも思えるなぁ。

まずはMeshell Ndegeocelloの"The Omnichord Real Book"だが,最初に聞いた瞬間からこのアルバムは今年のNo.1アルバムだと思っていたし,その後もこれを上回るアルバムはなかったと言ってよい。実に優れた作品であり,来年の来日が本当に楽しみだ。

Everything But the Girlの24年ぶり(!)の新作"Fuse"も全く期待を裏切らない出来で,彼らが活動のインターバルがあろうと,極めて優れたミュージシャンであることを改めて実証したアルバムだと思う。

Arooj Aftab / Vijay Iyer / Shahzad Ismailyによる"Love in Exile"はカテゴライズ不能と言ってもよいが,このアンビエントな響きが実に面白かった。Vijay Iyerもいろいろやるもんだと思いつつ,こうした本流からはずれた活動を経て,来年ECMからリリースされる予定の新作への期待も高まる。

そして今年最後の新譜として取り上げたIsabelle Faustの"Solo"の味わい深さは,記憶が新鮮なこともあるにはあるが,ここに挙げるに十分な魅力を持ったアルバムだったと思う。

これ以外ではJoni Mitchellの復活を記録した"At Newport Featuring the Joni Jam"は涙なくして聞けないものだったし,アーカイブの第3弾も素晴らしかった。また,Rolling StonesやIggy Popの新作は,音楽に年齢は関係ないと思わせてくれたのが嬉しかった。

今年の特別賞はBob Dylanの"The Complete Budokan 1978"ということになるだろう。発掘されたこと自体が素晴らしいし,Bob Dylanの若々しい歌いっぷりは感慨深かった。ただ,正直に言ってしまえば,音楽としてはRolling Thunder Revueのボックスの方が私としては好みなのも事実。"Shadow Kingdom"もよかったしねぇ。だが,これはリリースされたことを評価の対象にすべきと思うので特別賞なのだ。

ということで,私の全方位的な音楽の聴き方が反映された選盤になった気がするなぁ。明日はジャズ編をお届けする。

2023-cds_2

2023年10月13日 (金)

瑞々しいとしか言いようがないDan Fogelbergの”The Innocent Age”。

_20231012_0001"The Innocent Age" Dan Fogelberg (Full Moon/Epic)

このアルバムはDan Fogelbergが1981年にリリースした2枚組だが,どこから聞いても瑞々しいとしか言いようがない名曲揃いの傑作だと思う。フォーク,ロック,ポップスを絶妙にブレンドした名曲群は,リリースから40年以上経って,初めて聞いた時が20歳前後だった私が還暦を過ぎた今でも,当時を思い起こさせてくれる。こんな私にも「無垢な時代」があったのだなぁなんて感慨に耽ってしまう(爆)。

シングルも何枚もチャート・インしたことでもわかるが,Dan Fogelbergとしては人気もピークと言っていい時期だったかもしれないが,何よりもここに収められた曲が時代を越えてアピール度が高い。イントロから引き込まれてしまう冒頭の"Nexus"にJoni Mitchellがゲスト参加していることも,私の印象を強める理由の一つかもしれないが,Dan Fogelbergの多重録音をベースとしながら,Joni Mitchellのみならず,迎えたゲストがまた適材適所なのだ。

私がDan Fogelbergの音楽に初めて触れたのは高校時代に聞いたTim Weisbergとの"Twin Sons of Different Mothers"であった。あれはあれで懐かしいとは言え,企画アルバムだと思うので,私が本当にDan Fogelbergの本質的な魅力を感じたのはこのアルバムなのだ。私の中でDan Forgelbergのアルバムと言えば,本作を置いてほかにはないと言い切ってしまおう。今聞いてもすこぶる魅力的な作品。星★★★★★。

Personnel: Dan Fogelberg(vo, g, p, el-p, synth, dulcimer, sitar, b, perc), Mike Finnigan(org), Mike Utley(p, el-p), Al Perkins(pedal steel), Kenny Passarelli(b), Norbert Putnam(b), Russ Kunkel(ds), Don Alias(perc), Motor City Marty(perc), Joe Lala(perc), Marty Lewis(tambourine), Michael Brecker(ts, ss), Tom Scott(ts), David Duck(fr-h), Jerry Hey(piccolo, tp), Jimmie Fadden(hca), Gail Levant(harp), Sid Sharpe(vln), Jesse Erlich(cello), UCLA Band(brass), Joni Mitchell(vo), Richie Furay(vo), Mike Brewer(vo), Don Henley(vo), Emmylou Harris(vo), Glenn Frey(vo), Chris Hillman(vo), Heart of Darkness Chorale(chants), Sid's Raiders(cho)

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2023年10月11日 (水)

Joni Mitchellのアーカイブ・ボックス第3弾が届く!素晴らし過ぎてまじで感動。

Joni-mitchell-archive-3 "Archives Volume 3: The Asylum Years 1972-75)" Joni Mitchell (Rhino)

奇跡の復活を遂げたJoni Mitchellである。そのJoni Mitchellのアーカイブ・ボックスはこれまでの2作も素晴らしいものであったが,その第3弾がリリースされた。今回はCD5枚組という強烈なボリュームである。デモ音源,アーリー・テイクにライブ音源を加えているが,これがまた輪を掛けて感動的。

アルバムとしては"For the Roses","Court And Spark",そして”Hissing of Summer Lawn"の時期になるが,その時期にリリースされたライブ盤,"Miles of Aisles"の別ヴァージョンと言ってよいライブ音源もちゃんと含まれている。”Miles of Aisles"にはここでの音源(1974年3月3日)の前日と翌日の曲も入っていたが,ここでの演奏では,クレジット上はL.A. Expressのピアノ奏者がLarry NashからRoger Kellawayに代わっているが,その日だけのトラだったってことなのか?いずれにしても,ほかのライブ音源同様ファンとしては実に貴重。

このボリュームゆえ,まだすべてを聞いたわけではないが,Neil Young & the Stray Gatorsをバックにした"You Turn Me on I’m a Radio"なんてもろにデモ音源って感じではあるが,いきなりNeil Youngのハーモニカに導かれて歌われるこの曲は何ともユニークで,思わずほぉ~っとなってしまう。

とにかく貴重音源満載,音楽を超越した文化的な宝とさえ言いたくなってしまうような素晴らしいボックス・セット。星★★★★★。早く全部聞かねば!たまらん。

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2023年7月31日 (月)

感動...。それ以外の表現が見つからないJoni Mitchellの復活作。

_20230730 "At Newport Featuring the Joni Jam" Joni Mitchell (Rhino)

病に倒れたJoni Mitchellが,公の場に登場することはあっても,音楽活動を再開する(できる)と思っていた人は,ファンであろうと少なかったのではないか。かく言う私もその一人である。当ブログで個別ミュージシャン単位でカテゴリーを持つのはBrad MehldauとJoni Mitchellだけという扱いをするぐらい,私はJoni Mitchellの音楽を愛しているが,それでもやはり...という感じで,Archiveシリーズでリリースされる過去音源だけでも満足しなければならないと思っていた。

そんなJoni Mitchellが2022年7月24日のNewport Fork Festivalのステージに登場したというニュースは,私も驚きを以て,当ブログでも記事にした(その時の記事はこちら)。本作はその時の音源が約1年の時を経てリリースされた。今年になって,Joni Mitchellは再び"Echoes through the Canyon"と題して2日間ステージに立っているから,この復活劇が一回限りでなかったというのも実に素晴らしい。

そして,私はこのアルバムがデリバリーされて,早速聴いた時に,冒頭のBrandi CarlileのMCだけで,もはやうるうるしてしまったのであった。病気を克服したとは言え,Joni Mitchellの声は更に低いものとなり,音程も完ぺきとは言えないだろう。しかし,音楽的な観点よりも,このイベントが開催され,Joni Mitchellがステージに立ったということの重要性の方が私にとってははるかに重要であった。そして,この場だけでなく,長期に渡ってJoni Mitchellの復活を支えようとしてきたミュージシャンたちの心意気,復活を果たそうとするJoni Mitchellの強さを考えれば,このアルバムには感動以外の感覚はなく,それだけで星★★★★★しかないのだ。

私にとっては,誰が何と言おうと今年一番の「感動作」となること必定のアルバムである。せっかくだから,今年のライブ時の写真もアップしておこう。こんなところで聞いたら,感動度は更に増したことだろう。その場にいた聴衆に猛烈にジェラシーを感じざるをえない。

Recorded Live at the Newport Fork Festival on July 24, 2022

Personnel: Joni Mitchell(vo, g), Brandi Carlile(vo), Phil Hanseroth(b, vo), Tim Hanseroth(g, dulcimer, vo), Lucius<Jess Wolfe, Holly Laessig>(vo), Taylor Goldsmith(g, vo), Celisse(g, vo), Ben Lusher(p), Blake Mills(g, vo), Marcus Mumford(perc, vo), Josh Newmann(cello), Alison Russell(cl, vo), Rick Whitfield(g, vo), Matt Chamberlain(perc), Wynonna Judd(vo), Shooter Jennings(vo), Kyleen King(vo), Sistastrings<Monique Ross, Chauntee Ross>(vo), Jay Carlile(vo), Marcy Gensic(vo), Sauchuen Yu(vo)

本作へのリンクはこちら

Ecoes-through-the-canyon

2023年4月 2日 (日)

Kyle Eastwoodの初リーダー作:こんなアルバムだったっけ?(爆)

_20230330-3 "From There to Here" Kyle Eastwood(Columbia)

私はClint Eastwoodのファンだが,このアルバムを保有しているのは,Kyle Eastwoodが彼の息子だからではない(きっぱり)。偏にこのアルバムを保有しているのはJoni Mitchellが参加していることによるものだというのが正直なところだ。だからと言って,ここでJoni Mitchellが参加しているのはMarvin Gayeの"Trouble Man"1曲だけなので,決してプレイバック頻度が上がる訳ではない。しかし,今回は気まぐれで久々に取り出してみたら,主題の通り,こんなアルバムだったか?という印象を持ってしまった。

本作はKyle Eastwoodの初リーダー作のはずだが,レーベルはメジャーのColumbiaだし,ヴォーカリストとしてJoni Mitchellだけでなく,Diana KingやJulia Fordhamも迎えているので,相当期待値が高いデビューだったと思える。Joni Mitchellの参加はプロデューサーが元旦那の Larry Kleinだったことも影響していると思うが,その細かい経緯は不明だ。私が意外だったなと思うのが,全10曲中5曲がラージ・アンサンブル,残りの5曲がおそらくKyle Eastwoodのレギュラー・バンドの演奏という構成であった。特にラージ・アンサンブルでの演奏は,新人としては破格の扱いという気もするし,一方でチャレンジングな取り組みだったと感じたからである。しかも,ラージ・アンサンブルのアレンジャーはVince Mendozaというのだから鉄板である。

こうしたセッティングは,やはりClint Eastwoodの息子という話題性が寄与したことは間違いないと思えるが,ここでのKyle Eastwoodの演奏そのものは,本人の実力も十分と思わせるもので,単なる親の七光りではないところは実証されていると思う。ある意味,ここでの演奏はLarry Kleinプロデュースらしいと言えばそう感じられるものではあるが,共演者にも恵まれて,なかなかの初リーダー作になった。星★★★★。天は二物を与えたな(笑)。

Personnel: Kyle Eastwood(b), Mark Isham(tp), Oscar Brashear(tp), Sal Marquez(tp), David Sanchez(ts), Plas Johnson(ts), Doug Webb(ts), Steve Tavaglione(ss), Matt McGuire(p), Jim Cox(p, org), Billy Childs(p), T. Blade(g), Peter Erskine(ds), Kendall Kay(ds), Michael Fisher(perc), Joni Mitchell(vo), Diana King(vo), Julia Fordham(vo), with Warren Luening, Larry Hall, Wayne Burgeron, George Graham(tp), Andy Martin(tb), George Thatcher(b-tb), Dan Waldrop(tuba), Dan Higgins, Joel Peskin, Steve Kujala, Gary Foster(woodwinds), Mike O'Donovan, John Steinmetz(bassoon), Rick Todd, David Duke, Phillip Yao(fr-h), Gayle Levant(harp) 

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2022年10月 9日 (日)

まだ音は聞けていないが...:Joni MitchellのAsylum Boxが届く。

Joni-mitchell-asylum-box"The Asylum Albums(1972-1975)" Joni Mitchell(Rhino)

先日,発注していたJoni Mitchellが米国から届いた。関税まで取られちまったが,まぁいいや(笑)。

既に初期の4枚が"The Reprise Albums(1968-1971)"として出ているので,第2弾として後続のアルバムが出るのも確実だと思っていたし,こうしてリリースされると,ついついRepriseボックス同様,アナログ盤を入手してしまったのであった。今回は"For the Roses"から"The Hissing of Summer Lawn"までの4種5枚である。

私は既にJoni Mitchellのアルバムは全てCDで揃えてあるのだから,こういう買い物はそれこそ無駄遣いと言われても仕方がない。紙ジャケでエンボスまで再現した国内盤CDの出来はそれはそれで見事だったとしても,やはりアナログ盤の持つ質感,特にアナログで保有したくなる見事なジャケのセンスを考えれば,ついつい購入してしまうのだ。しかも音源はリマスターされているしねぇ。

こうなってくると,次がまた楽しみになるが,次は"Hejira"から"Shadows and Light"あたりか。それまでにはもう少し円安が収まってくれているといいのだが(苦笑)。

音源はゆっくり楽しませてもらうことにしよう。

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2022年9月22日 (木)

これもまたJoni Mitchellってことで,"Big Yellow Taxi"のマキシ・シングル。

Big-yellow-taxi "Big Yellow Taxi" Joni Mitchell(Reprise)

私はJoni Mitchellのかなりのファンであることは,このブログにも何度も書いているし,ミュージシャン単独でカテゴリー登録しているのはBrad MehldauとJoni Mitchellだけである。だから,コンプリートとは言わずとも,結構な数のJoni Mitchellの作品は参加策含めて保有している。そうした中でも,相当異色と言っていいのがこのマキシ・シングルである。

端的に言えば,Joni Mitchellの人気曲,"Big Yellow Taxi"を複数バージョンにリミックスしたEPなのだが,これが結構面白いのだ。正直言ってしまえば,私はリミックス・アルバムとかにはあまり興味がないタイプのリスナーだが,このEPの場合,"Big Yellow Taxi"がこうなっちゃうの?って感じなのだが,リミックスされたビートに,Joni Mitchellの声が違和感なく溶け込んでしまっていると感じてしまうのだ。贔屓目に言えば,どのようなリミックスを施しても,Joni Mitchellのオリジナルの強さは感じられるというところだろう。

そもそもこのEPの出自は,米国のドラマ,"Friends"に採用されたことから,その拡大盤というかたちでリリースされたものだろうが,そんなことを知らずに購入して,初めて聴いた時はびっくりしたはずだ(もう四半世紀以上前のことなので,記憶の彼方だが...)。これもまたJoni Mitchellの作品として考えれば面白いが,聴く人によっては邪道,あるいは原曲への侮辱と感じるかもしれない。しかし,Joni MitchellがOKしなければ,こういうかたちではリリースされていないはずなので,本人はこれもありって捉えているってことだろう。

最後の最後にオリジナル・ヴァージョンが収められていて,リミックス版,ダブ版との「落差」を楽しむのがいいと思えるユニーク作。ダブ版なんて,ほぼJoni Mitchellの痕跡もなしみたいな感じだしねぇ(笑)。いずれにしても,久しぶりに聴いたらマジで面白かった。

本作へのリンクはこちら

2022年7月26日 (火)

Joni MitchellがNewport Folk Festivalのステージに立った!

Joni-jam-set-list なんと,なんとである。脳動脈瘤を患ってから,もう音楽活動は実質的に無理ではないかと思われていたJoni Mitchellがステージに立ったそうだ。昨今はイベントにも顔を出せるほど回復していたが,まさにこれは嬉しい驚きである。Newport Folk Fesitivalにおける"Brandi Carlile and Friends"と題されたプログラムに,サプライズで登場して,フルでステージをこなしてしまったというのだから,これは驚き以外の何ものでもない。サプライズ・ゲストどころではなく,これは当初から考えられていたものであって,こんなイベントを仕立てたBrandi Carlileには感謝の言葉しかあるまい。

Joni Mitchellが公式のライブのステージに立つのは2000年以来のことだそうである。さすがに往年のような声も出ないし,ギターを弾く手も覚束ない。しかし,まさにレジェンドの復活として捉えらえたこのイベントは,驚きと感動を生んだはずだ。Joniが歌う姿を見られることだけでも奇跡的なのだ。当日の模様についてはNPRの記事からも感動が感じ取れる(記事はこちら)が,私は心底当日の聴衆が羨ましい。少しでもその場に居合わせた気分を味わうべく,当日のセット・リストと"Both Sides Now"の映像を貼り付けておこう。"Both Sides Now"を歌うJoniの後ろで涙ぐむWynonna Juddの気持ちも,コーラスをつけながら泣いてしまうBrandi Carlileの気持ちもよくわかる...。尚,映像はYouTubeにかなりの曲がアップされているので,ご関心のある方は是非。

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