ピアノ以外の現代音楽もってことで,今日はKremerによるWeinbergの無伴奏ヴァイオリン・ソロ。
"Mieczysław Weinberg: Sonata for Vilolin Solo" Gidon Kremer(ECM New Series)
私は現代音楽と言えば,ほぼピアノ独奏のものを好んで聴いているのはこのブログの読者にはバレバレだと思うが,たまには違うのもってことで,今日は無伴奏ヴァイオリンである。無伴奏ヴァイオリンと言えば,私の場合,バッハかバルトークに決まっているってところだが,このMieczysław Weinbergという人は全く聞いたことがない。しかし,近年,この人の音楽をGidon Kremerが取り上げることが多いのはなんでやねん?という興味もあって聞いてみた。
結論から言えば,60~70年代に書かれた曲にしては,いかにも現代音楽みたいな小難しいところはなく,まぁバルトークを聞いているような雰囲気で接することができるって感じではないか。と言いつつ,最近,私もバルトークの無伴奏なんて久しく全然聞いていないから,印象でしか言えないのだが,現代性は感じさせつつもリスナーを拒絶する感じはない。なので,鑑賞音楽としても成立すれば,小音量で流していれば,アンビエントにもなりうる感じと言っては怒られるかもしれないが,そういう感覚なのだ。でも優しい曲ではないのは確かだ(きっぱり)。
このアルバムには3曲の無伴奏ソナタが収録されているが,これを聞いて,バッハよりも久しく聞いていないバルトークの無伴奏ソナタを聴きたくなったというのも事実で,音楽を聴くという視点からは,いずれにしても結構いい影響を与えてくれたと思う。
Gidon Kremerは近年,このMieczysław Weinbergの音楽にご執心のようであるが,75歳記念盤で出してくるところにも相応のこだわりがあるってことだろうし,演奏には相当の集中力を要しながら,敢えて出してくるところが凄いねぇと思ってしまう。そうした点も評価して星★★★★☆。
正直言ってしまえば,本作については音楽として評価できるほどちゃんと聞き込めていないが,私も現代音楽として聞くのはピアノだけでなく,もう少し幅を広げてもいいかなと思ってしまうところに,Manfred Eicherの術中にまんまとはまっている自分を感じざるをえない。いずれにしても,このアルバムも然りであるが,Eicherのセレクションは特殊にもかかわらず,どうしてはまってしまうのか?と言いたくなってしまった。
でもまずは父も好きだったバルトークを聞き直すことにしよう(笑)。
Recorded in July, 2013 and December, 2019
Personnel: Gidon Kremer(vln)
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