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カテゴリー「クラシック」の記事

2026年9月27日 (日)

佐渡裕/新日本フィルのブルックナーを聞く。

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6月にこのコンビでマーラーの3番を聞いたが,今度はブルックナーだ。今回は交響曲5番である。先日の日フィルによるショスタコーヴィチの時にも書いたが,私がオーケストラを聞きに行くのは,大体派手派手しい曲が多くて,私の常套句を用いれば,「ぐわぁ~っとくる曲」専門(笑)で,今回も例外ではない。

私は熱心なブルックナーのリスナーではなかったのだが,Nelsonsの全集を買って以降,Thielemann,そしてJochumと全集が3組になってしまったのは完全な気まぐれと言ってもよいのだが,正直言って自分でもびっくりである。また,私の音楽的な嗜好を知る人から見ても,これは驚きだろうなぁなんて思っているが,まぁそれはよかろう。

サントリーホールの座席につくと,私が近年行ったコンサートの中では最も客入りが悪い感じであった。感覚的には7割程度の入りだったが,日本のオケの定期なんてこんなものなのかなぁと思う一方,大概の場合,私が行ったものはほぼフルハウスに近いものだったから,不思議に思ったのであった。私は今回がブルックナーの生は初だったのでよくわからないが,ブルックナーの人気がないとも思えず,なんでだろうと思いつつ聞いていた。まぁでも最近はブルックナーの演奏機会が多いから,敢えてという感じでもなくなっているのかもしれないが。

肝腎の演奏は,私が座っていた座席にもよるのかもしれないが,いつもより音が大きく感じられ,弦も管も鳴りがよく,この曲から感じられるダイナミズムを表現するには十分だったと思えるし,破綻は感じられなかった。前回のショスタコとの違いはパーカッションがティンパニーだけなので,当然ティンパニーの演奏は目立つ訳で,こなして当然とは思いつつ,カーテンコールでも一番の喝采を受けて当然と思える目立ちっぷりであった。独奏パートのあるクラリネット,フルートがそれに続くという感じだが,その他の管楽器部隊も大きな拍手を受けるのは,曲が曲だし,上述の通り実際によく鳴っていたので納得であった。弦も弱音も綺麗に響かせ,フォルテッシモにおける音量も全く問題なし。

ということで,人生初の生ブルックナーとしては悪くなかった演奏で,もう少し客入りがよくてもよかったと感じた次第。

Live at サントリーホール on September 25, 2026

Personnel: 佐渡裕(cond),新日本フィルハーモニー交響楽団

2026年9月17日 (木)

半年ぶりのイタリア文化会館。今回はクラリネット~ピアノのデュオ。いや~楽しかった。

イタリア文化会館の無料コンサートには常々世話になっているが,ここのところ日程が合わないことが多く,前回のフルート×2+ピアノのコンサートから半年ぶりの訪問となった。今回はクラリネットとピアノのデュオということで,なかなか聞けないリサイタル・モードである

Carbonare_kuroda_per_sito クラリネットのAlessandoro Carbonareはイタリア文化会館のWebサイトによれば,フランス国立管弦楽団,サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団で首席奏者を務め,ルツェルン祝祭管弦楽団とモーツァルト管弦楽団で第一奏者を務めるというからその筋では相当の実力者である。Claudio Abbadoとモーツァルトのクラリネット・コンチェルトも吹き込んでいるしなぁ。一方の黒田亜樹はタンゴやEL&P,更にはファイナル・ファンタジーまでやってしまうという幅広なレパートリーを持つミラノ在住のピアニスト。

イタリア文化会館でのコンサートは毎度毎度珍しいレパートリーも含んでおり,通常聞けないような音楽が聞けることも楽しみの一つだが,今回も例外ではない。今回のプログラムは下記(イタリア文化会館のWebサイトから拝借):

  • ルイージ・バッシ(1833-1871):《リゴレット》の主題による演奏会用幻想曲
  • フランシス・プーランク (1899-1963):クラリネットとピアノのためのソナタ FP 184
  • エンニオ・モリコーネ(1928-2020):ニュー・シネマ・パラダイス
  • ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン (1770-1827):クラリネットとファゴットのための3つの二重奏曲 WoO 27 より 第3番 変ロ長調(ファゴット:Davide Carbonare)
  • ジョアキーノ・ロッシーニ (1792-1868):「老年の過ち」第6巻「如才のない子供たちのためのアルバム」より 「小さな機関車の愉快な旅」
  • イーゴリ・ストラヴィンスキー(1882-1971):クラリネット・ソロのための3つの小品 K033
  • ベーラ・コヴァーチ(1937-2021):ショーレム・アレイヘム、ロヴ・ファイドマン!

Alessandoro Carbonareは技も確かなら,ラテン系ならではの明るさも発揮し,それは楽しいコンサートとなった。写真,ビデオ撮影OKというのも凄いが,どちらかと言うと私は音楽に集中したいので,周りのスマホが気になって仕方なかったが(苦笑)。それはさておき,ストラヴィンスキーの最後のパートではサーキュラー・ブリージングを駆使しながら,客席を回ってしまうし,ロッシーニでは「演劇を勉強中」と言って,クラリネットではなく,ピアノ伴奏にセリフ回しを乗せるものであった。更には「たまたま(?)」名古屋の演奏会のために来日中の息子のDavide Calbonareのファゴットとのデュオも聞かせるなど,プログラムも極めて多彩。

何よりも私が感慨を覚えたのはクラリネットという楽器の響きの美しさであった。基本的にオケの中のクラリネットしか聞く機会がない中で,クラリネットとはこれほど美しい響きを生み出すのかというところに,今更ながら感心していた高齢者の私である。

加えて,ピアノだけでなく,通訳もこなした黒田亜樹の貢献度も高く,この人もミラノ在住らしいラテン系日本人的なノリが楽しさを増幅させた。

こういうのが無料で聞けてしまうのだから,イタリア文化会館には感謝するしかないと改めて思ったのであった。ついでに言っておけば,最近少ないジャズ系もよろしくってことで。

Live at イタリア文化会館 on September 15, 2026

Personnel: Alessandro Carbonare(cl, vo), 黒田亜樹(p), Davide Carbonare(fagot)

2026年9月14日 (月)

日フィルでショスタコーヴィチを聞く。しかも「レニングラード」だ!

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私が昨今クラシックのコンサートに行く場合,大規模なオーケストラ音楽が多くなっている。今回はショスタコだが,それも7番「レニングラード」で,友人が行けなくなた代打としての参戦である。日フィルを聞くのは初めてだし,指揮するKahChun Wongも初めてだから丁度いいやってことでサントリーホールに向かった。

本来,今回の指揮はAlexander Lazarevが行う予定だったようだが,早くから来日不能がアナウンスされており,主席指揮者のKahChun Wongが代打で指揮を行うことになったとしても,準備はきっちりできていたと思われる。

まぁそもそもが大編成オケが魅力みたいなこの曲だから,相応に盛り上がることはわかっているのだが,第一楽章の冒頭の弦の響きがイマイチで,どうなることかと思ったが,それは徐々に解決して,こちらが期待するレベルに上がっていった。第一楽章中盤に小太鼓の連打を聞いているとついつい「やっちゃいな,やっちゃいな,やりたくなったらやっちゃいな」と心の中でつぶやく私であった(爆)。まぁこの曲におけるパーカッション部隊は体力もいるところであっただろうが,やはり一番受けていたのはパーカッションだったと思っていた。また,高音の続くフルートのフレーズを吹ききった主席の真鍋恵子もプレッシャーのかかるところを難なくこなして,やんやの喝采を浴びていた。

いずれにしても,オケの鳴らしどころ多数の曲なので,大いに盛り上がった訳だが,KahChun Wongの曲の解釈はさておき,この人は淡々と指揮をする感じがあって,ギミックではない程度によりパッションを感じさせる振りっぷりを見せると更に盛り上がるんじゃないかなぁと思っていた私である。

この曲を生で聞いたのも今回が初めてであったが,いい経験になった。

Live at サントリーホール on September 11, 2026

Personnel: KahChun Wong(cond), 日本フィルハーモニー交響楽団

2026年8月15日 (土)

全集発売へのプレリュード(笑):Nelsons~VPOのマーラー5番。

Nelsons-mahler"Gustav Mahler Symphony No.5" Andris Nelsons / Wiener Philharmoniker(Deutsche Grammophon)

2018年から2026年にかけてライヴ録音されたマーラーの交響曲全集の発売を控えるAndris Nelsons/VPOコンビだが,その予告編的にリリースされたのがこの5番。しかも現物はアナログだけのリリースだったらしいが,全然知らなかった。ってことで,慌ててそれをストリーミングで聞いてみた。

ネットでもそのテンポの遅さが指摘されているが,確かに第1楽章からして相当遅い。このテンポは日頃のこの聞きなれたこの曲のイメージからすると,若干の気持ち悪さもあるように感じられるので,確実に好き嫌いはわかれると思う。演奏は全体的にテンポが遅めで,第4楽章のアダージェットがこれまた遅い。もはや耽美の世界とも言える遅さと言ってもよいかもしれない。だが,全曲を聞き通してみると,不思議と違和感がなく決着している感じがするのは,Nelsonsの意図にはまったってことかもしれない。

このコンビによる全集のリリースは注目されるが,これを聞いて全集を購入するかどうかは微妙になってきたというのが実感なので,購入の意思決定は値段次第ってところかもなぁ。そもそもこの全集を購入せずとも,保有しているマーラーの全集を聞き直していればそれでいい訳で,ストリーミングで全曲公開されるのを期待するか(笑)。

2026年6月17日 (水)

相変わらずブラームスのよい聞き手ではない私だが,父の遺品から1番を聞く。

_20260611_0001 "Brahms: Symphony No.1" Carlo Maria Giulini / Los Angeles Philharmonic Orchestra(Deutsche Grammophon)

主題の通りである。私がブラームスのよい聞き手ではないことは以前にも書いて,Thielemannがドレスデンを振った全集でようやくその魅力に気がついたって感じであった。それでもその後も積極的にブラームスは聞いてはおらず,何となく気まぐれで取り出したのが本盤であった。これは父の遺品だが,父はGiuliniとロス・フィルでブラームスの交響曲を揃えていたが,父がこの世を去ってほぼ四半世紀の間に,これをプレイバックしたのは一度か二度しかないはずだ。だから本当の気まぐれなのだ。

Carlo Maria Giuliniには後年ウィーン・フィルと残した全集もあるようだが,私は未聴なので比較はできない。だが,ロス・フィルと言うと,私が大して聞いていないだけなので偏見の部分もあるが,この録音当時はイマイチ評価が固まらない部分もあったように思える中で,この演奏はGiuliniの指揮もよく,なかなかよい演奏ではないかと思えた。終楽章の弦の響きなんかもいいし,重厚な演奏で楽しめてしまったのであった。結局私自身が食わず嫌いみたいなところがあったことは否めないので,大いに反省したのであった。改めて父の遺品でブラームスを聞き直すことにしたい。

Recorded in November 1981

Personnel: Carlo Maria Giulini(cond), Los Angeles Philharmonic Orchestra

本作へのリンクはこちら。

2026年6月14日 (日)

佐渡裕/新日本フィルのマーラー3番をサントリーホールで聞く。

__20260611155801クラシックのコンサートには頻繁に通っている訳ではないが,たまに行きたくなるのも事実だ。そんな私だが,先日のJaap van Zweden/フランス放送フィルから短いインターヴァルでの参戦となった。今回のプログラムはかつては世界最長の交響曲としてギネス・ブックに載っていたらしいマーラーの交響曲3番である。第1楽章だけで30分を越え,全曲で100分近いこの曲を生で聞くのは初めてだが,集中力が続くのかと思いつつ,サントリーホールに向かったのであった。

私の座席はステージ向かって右側の最前列だったので,ステージは俯瞰できないのだが,オケの人数の多さはわかるって感じであった。演奏そのものの前に,最前列ってのは首が疲れていかんなぁなんて思いながら聞き始めたのだが,やっぱり第1楽章から長い。前半から名演って感じではないのだが,そこそこのダイナミズムは感じられたので大きな不満はない。印象が一変したのは藤村実穂子と合唱が入ってきた4楽章以降だろうか。

私はジャズ・ヴォーカルをあまり聞かないのと同じように,クラシックも若干のオペラの例外を除いて,声楽にはほとんど興味を示さない人間だ。だが,今回,藤村実穂子の歌唱を聞いていて,この人の声はなかなかいいねぇなんて思っていた。彼女の声が入って,演奏が締まったって感じか。合唱の面々もいい仕事ぶりだったと思う。もちろんそれを引き出したのは佐渡裕ではあるが,この演奏に限ってはオケはもとより「声」がよく効いていたと思った。

いずれにしてもこれだけ長大な曲なので,やる方も聞く方も大変だが,まぁ演奏前に飲んだ赤ワインも効いて,心地よい疲労感の中で家路についたのであった。

全く余談だが,私の横に座っていたのは高校生っぽい男子だったが,こういうのがクラオタになるんだろうなぁなんて思っていた。既にブラボー野郎化していたのを少々皮肉を込めた横目で見ていた私であった(笑)。

下の写真はネットから拝借。

Live at サントリーホール on June 12, 2026

Personnel: 佐渡裕(cond),新日本フィルハーモニー交響楽団,藤村実穂子(ms),晋友会合唱団,東京少年少女合唱隊

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2026年5月30日 (土)

Jaap van Zweden/フランス放送フィルをサントリーホールで聞いた。

Photo_20260528110101

指揮のJaap van Zwedenも,オケのフランス放送フィルもこれまで私は聞いたことがない。そもそもこのオケは私が愛してやまないJean Martinonが振った「幻想」のオケである「フランス国立放送管弦楽団」とは全く別ものというのも初めて知った(爆)。因みに上の写真はWebから切り貼りしたもの。

そんな私がどうしてこのコンサートを聞きに行く気になったかと言えば,今回のプログラムにラフマニノフのP協3番が含まれていたからだ。ソリストは藤田真央だが,ピアノが誰とかいうのではなく,ラフマニノフが猛烈に聞きたくなったからなのだ(笑)。理由は不明だが,まぁ単なる気まぐれである。しかし,チケットを買った後,藤田真央がAndris Nelsons/ゲヴァントハウスとこの曲をライブ録音したらしいことを知り,相応に期待値は高まる。それ以外はドビュッシーの「牧神」,「海」,ラヴェルの「ラ・ヴァルス」という鉄板のフランス・プログラムの中で,ラフマニノフは浮いているのだが...。同じようなことを考える人が多いのか,あるいは藤田真央人気なのか,チケットはソールド・アウトである。ということで,どうなることかと思いつつ,久しぶりにサントリーホールに行ってきた。現地には確かに女性客が多かったのは藤田真央効果か?

演奏は「牧神」からスタートだったが,まぁ手慣らしには丁度いいって感じの曲だよなと思いつつ,今回注目のラフマニノフへ。初聞きの藤田真央はひょこひょこした足取りで登場して,全くクラシックのピアニストらしくないのには笑ってしまったが,いざピアノに向かえば,大したもんだと思える実力を発揮した。第1楽章の主旋律こそロシアっぽさがありつつも,演奏全体ではロシア云々と言うよりも,強烈なダイナミズムを聞かせていた。ちょっとピアノが走りがちかなとすら思える瞬間もあったが,これぐらいの勢いは若さゆえってところか。それでも大いに楽しめる演奏であった。ソリスト・アンコールは本人編曲のラフマニノフ「ここは素晴らしい場所 op.21-7」をあっさりと演奏。まぁピアノ・コンチェルトの後にはこれぐらいが適切と思えるものであった。

休憩後は「海」からスタート。前半から思っていたのが,このオケは弦も管もそれなりの響きを聞かせて,特に弦は繊細さも感じさせるのはフランスっぽいかなぁなんて漠然と感じていた。その一方,「海」でも次の「ラ・ヴァルス」でもやるところはやるって感じで盛り上げどころはわかっているのがJaap van Zwedenの指揮っぷりってところか。「ラ・ヴァルス」でのパーカッション部隊の活躍も楽しかったが,Jaap van Zwedenは高身長の人が多いオランダ出身にしては随分小柄ながら,指揮ぶりはダイナミックな感じで,音楽監督を務めていたニューヨーク・フィルの聴衆には結構受けたのではないかなんて思っていた。オーケストラ・アンコールはエルガーの「エニグマ変奏曲からニムロッド」だったが,アンコールでこの激しさは凄いなぁと思いつつ,ニヤニヤしていた私であった。

まぁ後半に「海」と「ラ・ヴァルス」を持ってくるのはプログラムとしてはどうかなぁと思うところはあったが,強烈なブラボーの連呼や,スタンディング・オベーションには至らずとも,私は十分楽しめる演奏だったと思う。

Live at サントリーホール on May 28, 2026

Personnel: Jaap van Zweden(cond), フランス放送フィルハーモニー管弦楽団, 藤田真央(p)

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2026年4月27日 (月)

追悼,Michael Tilson Thomas。

Michael-tilson-thomas

またも訃報である。Michael Tilson Thomasが亡くなった。長きに渡ったサンフランシスコ交響楽団との付き合いにより,多数のレコーディングを残し,数多くのグラミーも受賞しているが,私の場合,クラシック畑の音楽は全然聞いていないというのが実態なのは告白しておかねばなるまい。私にとってMichael Tilson Thomasと言えばSarah Vaughan/ロス・フィルとの"Gershwin Live!"ってことになるのだが,そのほかにもMahavishnu Orchestraの"Apocalypse"のバックでロンドン響を振ったりと,クラシックに留まらない活動を示した人だった。因みにJohn McLaughlinとは"Mediterranean Concerto"ってのもやっている。

レコーディングのほか,若手音楽家の育成にも力を注いだ人だったが,今回亡くなった原因が膠芽腫と知り,母を同じ病気で亡くした私としては別の感慨があった。この膠芽腫という病気は超悪性の脳腫瘍で,罹患してしまうと生存確率が極めて低いことで知られる。Michael Tilson Thomasは一度脳腫瘍の手術を受けているが,それが最悪のかたちで再発したということになる。この病気,高齢だからと言って進行が遅い訳ではないという厄介な病気だけに,ご家族も大変だったのではないかと想像する。

いずれにしても,膨大なレコーディングを行っているので,改めて追悼を込めてMichael Tilson Thomasの残した音楽に触れてみることしよう。

R.I.P.

2026年3月29日 (日)

András Schiff@住友生命いずみホール。素晴らしい演奏を堪能し,感動した!

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András Schiffは私がCDで保有する枚数が最も多いピアニストだ。それはECMのベートーヴェンのソナタのボックスや,Deccaのバッハのボックスがあるからということもあるが,それ以外にも結構保有している。そのAndrás Schiffの生演奏は聞いたことがなく,一度は...と思っていたので,今回は訳あって大阪でのリサイタルに赴いたのであった。当日の演奏曲目は事前には発表されておらず,1曲毎にAndrás Schiffが日本語で曲目を述べるというスタイル。そして演奏された曲目が次の通りである(KajimotoのWebサイトより拝借)。

J.S.バッハ:カプリッチョ「最愛の兄の旅立ちに寄せて」BWV992
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第17(16)番 変ロ長調 K.570
ハイドン:アンダンテと変奏曲 へ短調 Hob.XVII: 6
ベートーヴェン:6つのバガテル op.126
        ***
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第13番 変ホ長調 op.27-1
シューベルト:ピアノ・ソナタ第18番 ト長調 D894 「幻想」
【アンコール】
ブラームス:インテルメッツォ 変ホ長調 op.117-1
シューベルト:即興曲 変イ長調 D935-2
シューマン:アラベスク op.18
メンデルスゾーン:無言歌集第6巻 op.67から 「紡ぎ歌」
J.S.バッハ:イタリア協奏曲 へ長調 BWV971から 第2、3楽章
ショパン:ノクターン 嬰へ長調 op.15-2

最初のバッハこそ曲のせいが大きいと思うが,少々面白みに欠けた感覚はあったものの,それ以外の演奏の素晴らしさには完全に脱帽であった。特にベートーヴェンの2曲がよかったのに加え,ハイドンの「アンダンテと変奏曲」は初めて聞いたと思うが,これがまた素晴らしい演奏であった。静と動を完全にコントロールし,名器ベーゼンドルファーで奏でられるAndrás Schiffの音楽を聞いて,感動しない人間はいないと思った。どのような曲でも弾きこなすのはまさに匠の技としか言いようがない。本番の最後をシューベルトというのは集中力が続くのかと思ったが,全く問題にしない,まさに万能のピアニストという思いであった。

そしてアンコールは何と7回(イタリア協奏曲は楽章を2回に分けて演奏),リサイタルがはねたのは開演時間から3時間を超えた21:30過ぎという長丁場であった。会場には辻井伸行の姿もある中,最後は万雷のカーテン・コールとスタンディング・オヴェーションに応えたAndrás Schiff。その集中力と体力には感嘆の声を漏らさずにはおれなかった私である。

甚だ余談だが,終了後,私はタクシーで某所へ移動したのだが,乗せてもらったタクシーの運転手の方の話によれば,たまたま前日も終演後に同じように聴衆を乗せたらしい。前日も同じような時間までやっていて,東京から来ていた聴衆は最終の新幹線に乗りそこなったという話を聞いて,私は最初から宿泊にしておいてよかったと思ったのであった。

いずれにしても,わざわざ大阪に出向いてでも聞く価値は十分あったと思える一夜であった。

Live at 住友生命いずみホール on March 27, 2026

Personnel: András Schiff(p)

2026年3月20日 (金)

またも無駄遣い:Argerichのバッハをアナログで再入手。

Argerich-bach "Johann Sebastian Bach: Toccata, Partita, English Suite" Martha Argerich(Deutsche Grammophon)

主題の通りである。私は元々このアルバムをドイツ盤のアナログLPで保有していて,CDに買い替えた際に売ってしまっていたのだが,やはりドイツ盤のLPで聞きたいという欲求が年々増してきた。だが,オークション・サイトでも結構高値が付いていて,ほとんど諦めモードとなっていたのだが,某オークション・サイトに安値で出ていたのでビッドして入手したもの。しかし,このレコード,写真ではファクトリー・シールはついているものの,盤質についての記述がなかったので,半ばギャンブルのようなかたちでのビッドであった。まぁこれぐらいの値段ならギャンブル失敗でもいいやという価格で落札できたのだが,そのレコードが到着した。値段が吊り上げられたらどうしようとと実はひやひやものであったのだが...(笑)。

まぁ不安的中というか,到着したレコードはジャケの下部の糊付けがはがれ,レコードそのものも相当汚れが激しい。これは失敗だったかと思いながら,再生するとやはり結構ノイズが出る。そこで洗浄してみるかということでやってみたところ,マジで凄い汚れである。どうやったら盤面がこんなに汚れるのかと思えるぐらいの汚れっぷりだったのだが,洗浄後はその汚れはほぼ解消できた。ジャケは補修し,多少の傷みは少々あるものの,まぁ気にしなければOKというレベルだし,再生したところ,洗浄前のプチプチ・チリチリ・ノイズは気にならないぐらいにはなったのはよかった。

CDを保有しているんだからそっちを聞いていればいいだろうという指摘があって当然だが,このArgerichのポートレートはLPサイズの方が素敵に決まっているし,アナログで演奏を聞きたいという欲求に負けたのであった。演奏については何も言うことなし。文句なしの星★★★★★であることは言うまでもない。

Recorded in February 1979

Personnel: Martha Argerich(p)

本作(CD)へのリンクはこちら。

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