2026年10月
日 月 火 水 木 金 土
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
フォト
無料ブログはココログ

お知らせ

  • 当ブログはAmazonのアソシエイトとして、適格販売により収入を得ています。

カテゴリー「ブラジル」の記事

2026年10月 6日 (火)

先日のライブを受けて購入したToninho Hortaの新譜はアメリカン・スタンダード集だが...。

"Standards & Stories" Toninho Horta(Minas)

_20261004_0001_20261005071201 先日のToninho Hortaのソロ・ライブに関しては既にレポート済みだが,それは素晴らしいギターの技であった。それにン感銘を受けて購入を決めたのがこの新作であった。ただ,これが聞いてびっくりである。ライブがシンプリシティの極致だとすれば,こちらはコーラスやオーケストレーションまで施されて,ある意味真逆の世界である。聞いていて思い出したのがAntonio Carlos Jobimの"Terra Brasillis"。私にはオーバー・プロデュース,更には出来の悪いイージー・リスニングにすら聞こえてしまった。

聞いていて最も困ったのがコーラスやらバッキング・ヴォーカルやらである。Toninho HortaのヴォーカルはJobim同様ヘタウマの世界であるが,そこにあまりに仰々しいコーラスをつければどうなるかなんて火を見るよりも明らかだ。

録音は2018年~2026年に渡ってNYCで行われたものに,ブラジルでのレコーディングをオーヴァーダビングしたもののようで,ジャケにはNY Works Vol1と書いてあるから,続編も出てくるということなのかもしれない。しかし,私が聞きたかったのはToninho Hortaのギターの響きとそれに乗った彼の歌であって,こんな路線なら私にはもはや無用の長物だ。音源がストリーミングされていないので,試聴しないで買った私が悪いのだが,先日のライブのよき記憶と印象を台無しにされた思いだ。

この趣味の悪さは完全にプロデュースを務めたSandro Albertの責任であり,私は絶対にこれは評価しない(きっぱり)。せめて本作の中では,先日のライブでも披露した"My One And Only Love"ぐらいのレベルになぜ留めておけなかったのかと言いたい。これを聞くぐらいなら先日のライブの印象を再現可能な"Solo Au Vivo"を聞く。仰々しいアレンジメントとあほらしいコーラス隊ゆえに星をつける気にもならないのは全く残念。

二度と聞く気がしないと言ってはToninho Hortaに失礼だが,正直なところアルバムとしてはその程度のものだ。

2026年9月29日 (火)

Toninho Hortaを武蔵野市民文化会館で聞いた。

Toninho-horta-guitars

来日中のToninho Hortaはいくつかのライブを行うことになっているが,完全ソロは今回の三鷹と静岡だけのはずだ。王子や大阪でも一部ソロはあるだろうが,私としては完全ソロを聞きたいということで,武蔵野からのメールでチケット発売情報を知り,速攻で申し込んでの,真正面ではないが,ステージに向かってやや左の最前列であった。まぁほぼかぶりつきだ(笑)。上の写真は開演前に私の席から撮ったToninho Hortaのギター3本。

Toninho-horta-poster 今回,私にとっては初の生Toninho Hortaとなったが,彼も既に77歳ということで,次があるかはわからない。そこへ未聴ながらスタンダードを演奏した新譜も出しているので,どういう演奏をするのかという期待値も高まる。場所は三鷹なので,我が家から少々遠く,椎間板ヘルニアの術後が経過が芳しくなく,電車で座れないとしびれが出てこける不安を抱える私である。12月には再手術を決意している状態での移動には不安を抱えつつも,行かぬ訳にはいかないのである(きっぱり)。ということで,時間は多少掛かっても,足に影響の出ない移動ルートを取って,現地に向かった。

右のポスターにもあるが,今回の公演はほぼソールド・アウトという人気ぶりであるが,Toninho Hortaのこれまでのキャリアを踏まえれば当然という気がする。そうした人気ぶりもあって,Toninho Hortaは終始ご機嫌な様子であった。演奏は2部構成であったが,第2部では新作"Standards & Stories"から"My One And Only Love"と"S'Wonderful"を聞かせた。この美しいプレイぶりは絶品だったと言え,私はCDの発注をその場で決意したのであった。そのほかにも"Bicycle Ride”やら聴衆のリクエストに応じた"Liana"等サンバ,ボサノヴァ,MPBでも何でもござれのようなプレイぶりであった。 

Toninho Hortaの歌そのものは加齢もあって,もはやヘタウマの世界だと思うが,そのギターの技は見事なもので,私はその指先を見ていて圧倒されていたという感じだ。それはアコースティックでもエレクトリックでも同じ。まぁシャイな日本人の聴衆,しかも三鷹界隈の聴衆に歌わせるのには少々無理があったと感じるが,ビルボードライブ大阪の聴衆ならノリノリで対応するかもなぁと思っていた。いずれにしても大いに楽しめる約90分のライブであった。

残念だったのは終演後サイン会がありながら,物販は早々と終了してしまったようで,私は物販期待でCDを持参しなかったことだ。せっかくのチャンスを逃したのは痛かった。

しかし,Toninho Horta本人にとっても,聴衆にとっても幸せな瞬間を共有できたことには感謝したい。

Live at 武蔵野市民会館小ホール on September 27, 2026

Personnel: Toninho Horta(g,vo)

2026年6月19日 (金)

気持ちよく聞けるEliane Eliasのライブ盤。

Eliane-elias-ao-vivo "Ao Vivo" Eliane Elias(Candid)

主題の通りである。本作がレコーディングされたのは2023年10月らしいから,リリースまでは少々時間が経過しているが,Eliane EliasによるSFJazz Centerでのライブ盤。タイトルからして"Ao Vivo"とすることからもわかるように,ブラジル音楽にフォーカスした演奏である。もともとブラジル出身なのだから,ブラジル音楽はお手のものであるEliane Eliasであるが,これが心地よい演奏である。それは本作に収められた聴衆の反応からも明らかだ。

まぁ典型的なブラジル音楽集と言ってもよいが,ブラジルの土着的な感覚は乏しくても,誰にでも受ける演奏であり,歌唱だと思う。

私がEliane Eliasを名前を初めて意識したのは1983年のSteps Aheadのアルバムに参加した時だから,既にその時から40年以上経過し,その後,歌ものを聞かせるようになったEliane Eliasの声質も年齢とともに少々枯れてきた感じがする。だが,ここでの演奏にはこれぐらいの声がフィットするのではないかというところだ。旦那のMarc Johnsonを含む伴奏陣も出しゃばることなく,まさにこの時のスターたるEliane Eliasを立てる助演ぶりだ。

決して突出したアルバムだとは思わないが,こういうアルバムは嫌いな人はまずいないだろうという万人受け確実なアルバム。そういうのも大事だよねぇ。星★★★★。

Recorded Live at SFJazz Center Miner Auditorium in October, 2023

Personnel: Eliane Elias(p,vo), Leandro Pellegrino(g), Marc Johnson(b), Rafael Barata(ds)

本作へのリンクはこちら。

2026年6月 6日 (土)

ブラジルを歌うElla FitzgeraldとSarah Vaughan。比べてみると...。

Ella-abraca-jobim 先日,ストリーミングでElla FitzgeraldがAntônio Carlos Jobimを歌った"Ella Abraça Jobim"を聞いたのだが,豪華なメンツを揃えつつも,ややフュージョンっぽい軽い響きに違和感を覚えていた。感覚的に言えば,Norman Grantzによるオーバー・プロデュース感が強かったのである。オリジナルではLP2枚組の大作だが,軽さもあれば,Ella Fitzgeraldの声がJobimの曲に合っているかと言えば,そうでもないのではないかと思わせる部分もあった。

Copacabana そして続けてストリーミングで聞いたのがSarah Vaughanの"Copacabana"だったのだが,こちらは全く違和感なしというところで,アルバムとしては圧倒的にSarah Vaughanの勝ちって感じであった。Sarah Vaughanは"I Love Brazil"に始まって,"Copacabana"を経て"Brazilian Romance"まで3枚のブラジル物を残しているから,ブラジル音楽への取り組みもElla Fitzgeraldよりも積極的だったこともあって,フィット感が違うのだ。

二人ともジャズ・ヴォーカル界を代表する名歌手であるが,そこには合うものと合わないものが存在したということを強く感じさせられたのであった。Sarah Vaughanについては"I Love Brazil"のオリジナルとなった"O Som Brasileiro de Sarah Vaughan"というブラジル盤があるので,今回ついでに"I Love Brazil"もストリーミングで聞いてみた。"I Love Brazil"は曲数が追加され,曲順も変わっていて,元来のブラジルに親しんだ私にとっては少々違和感があったことは言っておきたい。私ならブラジル盤を推すな(きっぱり)。だいぶ前に書いた"O Som Brasileiro de Sarah Vaughan"に関する記事はこちら。

2026年5月28日 (木)

Egberto Gismonti & Daniel Murray@渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール参戦記。

Gismonti-and-murray

練馬文化センター大ホールでEgberto Gismontiのソロを見たのがもう10年前のことになる。その時はNana Vasconcerosとのデュオが予定されていたのだが,Nanaの急逝により,ソロ・コンサートに変更になったのであった。その前が2007年の晴海の第一生命ホールで,私にとっては今回が3回目の生Egberto Gismontiとなった。そして今回はギターのDaniel Murrayとのデュオをさくらホールで聞いた。

Photo_20260527070401 この渋谷区文化総合センター大和田さくらホールというヴェニューは初めて名前も聞いたが,キャパ735人という中規模のホールなので,チケットもあっという間に売り切れてしまい,私は2階の席をギリギリで入手したもの。聴衆はさすがに年齢層が高いって感じで,さすがにティーンエイジャーは皆無ってところであったが,まぁ当たり前か(笑)。

ライブはEgberto Gismontiのピアノ・ソロからスタートしたが,とにかくフレージングも打鍵も強烈。どうしたらあのような目くるめくフレーズや美旋律が出てくるのか,そして右手,左手とも強弱がはっきりした打鍵はとても78歳という後期高齢者の演奏とは思えないと感じていた私である。演奏自体はほぼPAなしの原音に近いものだったように思うが,Egberto GismontiのMCは少々難聴気味の私にとっては聞きづらいものであったが,演奏を聞く分には支障はなかった。

ピアノ・ソロで3曲ぐらいやって,相棒のDaniel Murrayをステージに呼び込んで,ギター・デュオに転じた。ステージが遠かったので,Egberto Gismontiが弾いていたのは10弦か12弦かはっきりしないが,ずっと多弦ギターで通していた。ギターのデュオもこんな難しい曲をユニゾンするか?みたいな感じで,これまた凄いやとずっと思っていた。デュオで3曲ぐらいやってから,Daniel Murrayが1曲ソロでやった後,GismontiのピアノとMurrayのギターのデュオが1曲,そしてギター・デュオに戻ってアンコールはGismontiのソロで木製の笛で1曲とピアノで1曲というプログラムで約1時間45分ってところだったと思う。

演奏中はほぼ身じろぎもせず聞いていた聴衆の,アンコールを求める熱狂的とも言うべき反応ぶりからも明らかな素晴らしい演奏であったが,約10年ぶりのEgberto Gismontiのライブは全く衰えを感じさせないところに,私自身も改めて大きな感銘を受けたライブであった。

FBに当日のアンコールの模様と翌日のギター・ソロの映像が上がっていたので,貼り付けておこう。

Live at 渋谷区文化総合センター大和田さくらホール on May 26, 2026

Personnel: Egberrto Gismonti(p, g, willow-fl), Daniel Murray(g)

2026年4月21日 (火)

鉄板企画? 小野リサのJobim集。

Sue-ann "Sue Ann: Homage to Antonio Carlos Jobim" 小野リサ(Universal)

小野リサが1989年に「カトピリ」をリリースした時には随分驚かされたものだ。日本人でありながら,ブラジル音楽の消化具合が素晴らしいと思ってからもはや37年...。私はその後,彼女の音楽を追い掛けている訳ではないが,今回はJobimへのオマージュとの副題もあるし,ナベサダも3曲で客演ということもあり,ストリーミングで聞いた。

まぁ企画としては鉄板だからはずれはないという思いのあった本作は,ナベサダ参加曲以外は小野リサとBanksia Trioでも知られる林正樹のデュオで演じられるのだが,この林正樹のバッキングぶりが楚々とした感じで心地よい。やはりこの人才人である。そして下手にリズムを入れないことでインティメートな感覚が強いところも成功だったと思える出来であった。超有名曲だけでなく,不勉強にして私があまり知らないような曲まで全編に渡って楽しめると言ってよい。ナベサダの3曲という客演ぶりも丁度いい具合だ。今のナベサダのアルトのトーンはこういうブラジル音楽にフィットするわ。星★★★★。

それにしても小野リサは私と似たような年齢だが,声が全然変わらないねぇ。大したものである。

Recorded in November 2025

Personnel: 小野リサ(vo, g), 林正樹(p, whistle, vo), 渡辺貞夫(as)

本作へのリンクはこちら。

2026年1月 2日 (金)

新年最初の音楽は気楽に聞けるCharlie Byrdのライブ盤。

_20251225_0001 "Brazilville: Recorded Live at Charlie's" Charlie Byrd Trio with Bud Shank(Concord Picante)

新年早々に聞くには何がいいかなぁなんて思いつつ取り出したのがこのライブ盤。ブラジルに根差した音楽,あるいはスタンダードをブラジル・フレイヴァーでCharlie ByrdのトリオとBud Shankが軽快に演じるアルバムとなっていて,気楽に聞くにはなかなかいいアルバムであった。このアルバムも久しく聞いていなかったが,Charlie Byrdのギターもいいが,Bud Shankのソフトな響きのフィット感が魅力的であった。あまり心地よいので,何回もリピートしてしまった私である。

本作がレコーディングされたCharlie'sというのはワシントンD.C.はジョージタウンにあったクラブらしいが,Charlie Byrdはこの店で頻繁にプレイするだけでなく,一時期この店のオーナーでもあったとのことだから,まさにホームグラウンドと言ってもよいヴェニューだったと思われる。ここで感じられるリラクゼーションというのはそうした環境によるところも大きいと思えるが,くつりぎを感じさせる一方,適度なスイング感は正月休みにぴったりであった。選曲もいいし,明らかに評価を見直したアルバム。星★★★★。

Brasilville 尚,上のジャケはCDのものであるが,このアルバムのオリジナルのLPのジャケットは全然違うもので,何で変更したのかはよくわからんなぁ。まぁ,どっちでもいいんだけど(笑)。

Recorded Live at Charlie's in May, 1981

Personnel: Charlie Byrd(g), Bud Shank(as), Joe Byrd(b), Charles Redd(ds)

本作へのリンクはこちら。

2025年10月18日 (土)

完全にノーマークだったが,Paula Santoroのアルバムが2023年にリリースされていたようだ。

Paula-santoro "Sumaúm" Paula Santoro (Pomar)

2012年にリリースした"Mar Do Meu Mundo"があまりに素晴らしく,私のPaula Santoroという人への注目度は一気に上がったのだが,その後Duo Tauficとの"Tudo Sera Como Antes"をこのブログにアップしたのが2019年2月のことであった。その後,彼女の動静をチェックしていた訳ではなかったのだが,気まぐれでストリーミングで検索したら,カラフルで素敵なジャケが目に入った。よくよく調べてみると,2023年にリリースされていたようだが,見る限りは媒体でのリリースはなく,ストリーミングのみのようだ。

そして,早速このアルバムを聞いてみたのだが,冒頭の"Yê Melê"からして気持ちよさの極致だ。これぞMPBってところである。このアルバム,Web上で掘り起こした(笑)クレジットを眺めてみると,Toninho Horta,João Bosco,João Donatoなど結構豪華なゲスト陣を迎えており,全編を通じて心地よいブラジル音楽が楽しめる。驚いたのが2021年6月に亡くなったRaul de Souzaのソロが聞けることだが,存命中にレコーディングしていたということなのだろうが,いずれにしても長期に渡って取り組んだアルバムということなのかもしれない。

正直言って,全部がいいかと言われると"Mar Do Meu Mundo"ほどではないとも思えるが,それでも十分に楽しめるアルバムではある。私にとってPaula Santoroの声そのものに加え,適切なバッキング,特にRhodesの音が魅力的で心地よいのがたまらないのだ。星★★★★☆。とにもかくにも存在に気づいただけでもよかったと思えるアルバム。YouTubeにアルバムの最後に収められた"Coisa mais maior de grande"が公開されているので貼り付けておこう。

Personnel: Paula Santoro(vo, tambourine, clap), João Bosco(vo), João Donato(vo, p), Rafael Vernet(p, key, org, synth), Arthur Verocai(g, vo), Toninho Horta(g), Guto Wirtti(b), Luiz Alves(b), Frederico Heliodoro(b), Ivan Conti "Mamão"(ds), Rafael Barata(ds), Marcelo Costa(ds, perc), Armando Marçal(perc), Marco Lobo(perc), Maurício Tizumba(perc, vo), Felipe Continentino(box), Paulo Guimarães(fl), Ricardo Pontes(fl), José Arimatea(fl-h), Raul de Souza(tb), Cláudia Assunção(vo), Ernani Maletta(vo), Francesca Della Mônica(vo), Gui Hargreaves(vo), Marcinho Sant’Anna(vo), Clóvis Pereira(vln), André Cunha(vln), Ubiratã Rodrigues(vln), William Isaac(vln), Samuel Passos(vla), David Chew(cello), Emilia Valova(cello)

本作のストリーミングへのリンクはこちら。

2025年9月 9日 (火)

"Toninho in Vienna":心地よさ極まれり。

_20250905_0002"Toninho in Vienna" Toninho Horta (PAO)

2007年にリリースされたToninho Hortaのほぼソロ・アルバム。"Summertime"にのみヴァイオリンが加わるが,そのほかはToninho Hortaのギターとスキャット(鼻歌?)で構成されているのだが,これが実に心地よい。いかなる局面においても邪魔にならないから,ながら音楽としても聞ければ,集中してギターの技を聞くことも可能というところだ。そして時間はあっという間に流れていき,気がつけば63分を越えるアルバムが終わっているという感じなのだ。

難しいことをやっているようには感じさせないのだが,しっかりとしたテクニックに裏打ちされていることは間違いなく,ソロでこれだけ聞かせてしまうというのはやはり凄いことだと思ってしまう。

こういうアルバムは難しいことは考えず,身を委ねればよいという感じだ。Toninho Hortaが愛される理由はこういう演奏ができることだと思わされる一枚。星★★★★☆。因みにライブ音源と間違われそうなタイトルだが,スタジオ録音なので念のため。

しかし,本作がレコ―ディングされてもう20年も経っているのか...。またも時の流れを痛感。

Recorded on May 12, 2005

Personnel: Toninho Horta(g, vo)

本作へのリンクはこちら。

2025年8月 5日 (火)

「微熱・ボサノヴァ」とは言い得て妙なArto Lindsayのアルバム。

Arto-lindsay "O Corpo Stil(The Subtle Body)" (Güt)

このアルバムがリリースされたのは1995年のことなので,もう30年にもなるのかと振り返ってみて驚いてしまった私である。Arto Lindsayと言えばノイズ系の音楽の人だというのが一般的な認識であるが,その認識を覆したのが彼がMarisa Monteのアルバムをプロデュースしていたことであり,そして更には本作であった。そもそもArto Lindsayがブラジル育ちであったということは後に知ったことであったが,Marisa Monteのアルバムを聞いていれば,ブラジル音楽にも精通していることが十分にうかがえるのであった。

そして本作であるが,私が保有しているのは国内盤なのだが,その帯には主題の通り,「微熱・ボサノヴァ」と書かれていて,まさにそういう感じのサウンドだ。ジャズ界のミュージシャンや坂本龍一なども招きつつ,Arto Lindsay的なボサ・ノヴァが展開されているが,基本オリジナルの中で1曲だけJobimの"Este Seu Olhar(あなたの瞳)"をやっているが,これが正調ボサ・ノヴァであり,本質をちゃんとわかった上での演奏ということは明らかなのだ。

ここで聞かれるのは都会的なサウンドと言ってもよいし,プロデュース過剰の部分もないとは言えないので,本作に対してオーセンティックなブラジル音楽のファンは抵抗を覚えるところもあるかもしれない。しかし,予断を抜きにして聞けば,これまでブラジル音楽に親しみのなかったノイジーなArto Lindsayのファンをも,ブラジル音楽の世界に引き込むという契機にもなりえたのではないかと思えるのだ。私はこのアルバム以降もこの路線のArto Lindsayのアルバムはそこそこ保有していて,結局こういう音が好きなんだろうなぁと思ってしまう(Ambitious LoversのArto Lindsayも好きなのだが...)。

実を言えば,このアルバムも極めて久しぶりに聞いたのだが,こんなにいいアルバムだったかと改めて思った次第。星★★★★★としてしまおう。

Personnel:Arto Lindsay(vo, g, prog), Amadeo Pace(g), Vinicius Cantuária(g, perc), Bill Frisell(g), Lomero Lubambo(g), 坂本龍一(p, synth), Melvin Gibbs(b), Joey Baron(ds9, Naná Vasconcelos(perc), Cyro Baptista(perc), Brian Eno(sonics), 本田ゆか(sampler), テイトウワ(prog, p-strings)

本作へのリンクはこちら。

より以前の記事一覧

Amazon マイストア