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2019年おすすめ作

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カテゴリー「新譜」の記事

2021年4月14日 (水)

Iggy Popの参加が意外なDr. Lonnie Smithの新作が楽しい。

_20210411-2"Breathe" Dr. Lonnie Smith(Blue Note)

私がDr. Lonnie SmithのライブをBlue Note東京で観たのももう3年近く前のことであるが,リーダーよりのギターのJonathan Kreisbergへの注目度を更に高めたものと言ってもよかったが,自体は相応に楽しめるものだった。そんなDr. Lonnie Smithの新作がリリースされたのだが,こちらもJonatahn Kreisberg入りなので,それも大きな要素となっての購入となった。

前作"All in My Mind"もJazz Standardでのライブであったが,今回も8曲中6曲はJazz Standardでのライブ。そして,冒頭と最後の2曲がスタジオ録音であるが,何とその2曲におけるゲストがIggy Popである。Iggy Popは結構あっさり歌うというか,典型的なIggy Popの歌を期待して聞くとびっくりしてしまう感じの枯れたと言ってもよい歌いっぷりである。しかも,最後にやっているのはDonnovanの"Sunshine Superman"だしねぇ。また,それがDr. Lonnie Smithのトリオの演奏とフィットしているところに更にびっくりである。

そしてライブ音源の方にはトリオでの演奏が2曲に,トランペット,トロンボーン,テナー,バリトンの4管が加わった演奏が4 曲という構成になっているが,この4管入りの演奏が,スモール・バンド的なアンサンブルとソロ回しを聞かせてなかなか楽しい。オルガン・ジャズってこういう感じがいいねぇと思わせるものなのだ。こうした構成にはプロデューサーを務めるDon Wasの趣味が表れているようにも思えるが,ジャズ・ファンの心がわかっているねぇと言いたくなるような演奏である。

4管入りの曲においては,私の目当てと言ってよいJonathan Kreisbergの出番は控えめで,"Pilgrimage"を除けば伴奏に徹している感が強いが,トリオ演奏においてその分スポットライトを当てるってところか。そして,そこで聞かせるJonathan Kreisbergのフレージングにはやっぱり痺れる。まぁ,本作ではJonathan,Jonathanと言わずに,リーダーのオルガン・プレイを楽しむのが筋として,これは聞いていてかなり楽しいアルバムであり,この気持ちよくゆるめのグルーブに満ちた演奏をライブの場で観たら,絶対身体が揺れてしまっていただろうって演奏である。そういうところも評価して,ちょっと甘いと思いつつ,星★★★★☆。そして,前作に続いて1曲に客演するAlicia Olatujaの歌のうまさは相変わらず。彼女がCotton ClubにBilly Childsと来た時も実にうまいと思ったが,その感覚は不変。このゴスペル的感覚がたまらん。

それにしても,ここでのライブ演奏が収録されたNYCのJazz Standardの閉店は惜しいと思わせる。Dr. Lonnie SmithがライナーにJazz Standardへの謝辞を掲げているのもよくわかる。今やお店は閉店したが,配信ライブを行っているJazz Standardなので,いつの日か復活してくれるのではないかと考えたいが,そもそも私が次にNYCを訪れるチャンスはいつ来るのかってところなのが辛いところ。

Personnel: Dr. Lonnie Smith(org), Jonathan Kreisberg(g),Johnathan Blake(ds), Iggy Pop(vo), Alicia Olatuja(vo), Sean Jones(tp), Robin Eubanks(tb), John Ellis(ts), Jason Marshall(bs), Richard Bravo(perc)

2021年4月11日 (日)

才人,Vijay Iyerの新作がまたまた素晴らしい。

_20210410-2 "Uneasy" Vijay Iyer(ECM)

ACTレーベル時代から優れた作品をリリースしていたVijay Iyerだが,ECMに移籍してからの作品群はどれも文句のつけようのないものばかりで,私としても極めて高い評価を続けてきた。とにかく,どのような作品を取っても,失望させられることがないというのは実に見事。しかも弦楽クァルテットとの共演だろうが,Wadada Leo Smithとのデュオだろうが,Craig Tabornとのデュオだろうが,クォリティを維持しているのが凄いのだ。

そのVijay Iyerにとって,"Break Stuff"以来の久しぶりのピアノ・トリオによるアルバムであるが,長年のトリオからメンツを変えての第1作となる本作がこれまた素晴らしい出来である。基本的にVijay Iyerのオリジナルが中心であるが,そこに"Night And Day"が何の違和感もなく入り込んでくる。今は亡きGeri Allenの”Drummer’s Song"もミニマルな導入部から,反復フレーズは継続しながらも徐々に熱を帯びる展開も実に魅力的。とにかくどこを切っても実にレベルが高いのだ。

昨今のレコーディングにしては,ミキシング・レベルが抑制気味のような気がするが,音のバランスは取れていると思うので,気にすることはない。これが意図的なものかどうかはわからないが,このピアノ・トリオを聞くにはこれぐらいがいいのではないかと感じる。特にLinda May Han Ohのベースの音はベースってのはこういう感じで鳴るのが丁度いいと思わせるものだ。やたらに低音を強調しなくても,魅力的に響くベース音である。

相変わらずというか,このトリオの演奏はちょっとECMっぽくないようにも感じられるが,決してコンベンショナルなピアノ・トリオではなく,あくまでも現代のピアノ・トリオではある。しかし,以前にも書いたように,Manfred Eicherがこういう音楽をプロデュースしているのは,Vijay Iyerへの信頼の裏返しということになるのではないか。そして,その信頼を裏切ることのないVijay Iyer,さすがである。

まぁちょっとTyshawn Soreyは叩き過ぎって気がしないでもないが,実に優れたピアノ・トリオ・アルバムであることは間違いない。今回も実にいい作品であり,Vijay Iyer,本当に信頼に値するミュージシャンである。星★★★★☆。

Recorded in December, 2019

Personnel: Vijay Iyer(p), Linda May Han Oh(b), Tyshawn Sorey(ds)

2021年4月 7日 (水)

Gal Costaの新作が心地よいことこの上ない。

Gal-costa-nenhuma-dor"Nenhuma Dor" Gal Costa(Biscoito Fino)

Gal Costa,もう75歳だそうである。デビューから55年以上経過しているのだから,年齢を重ねるのは当然である。私は彼女のアルバムを全部追い掛けている訳ではないのだが,近年出たアルバムはピンと来ないなぁって感じだったのも事実なのだが,このアルバムはストリーミング,で聞いた瞬間,ストリングスを交えたそのサウンドのその心地よさに完全にまいってしまったアルバムである。これは買わざるをえないと即決した次第である。

過去の名曲を改めて取り上げるというのは人生の後期においてありがちな企画ではあるが,それをここでは息子と言ってよいようなミュージシャンたちとの共演で作り上げるというのが素晴らしい。私は自分自身の若さを保つためにはある意味チャラチャラした部分を残存させたいと思っているクチ(爆)だが,Gal Costaの場合は,「若いツバメ」の力も借りたってところだろうか。それが大成功だったと思えるアルバムである。

私はブラジル音楽への造詣が深い訳ではないが,ブラジル音楽に求めたくなるような要素,あるいは私が気持ちよいと感じるブラジル音楽の要素がこのアルバムには詰まっていると感じられるのである。ここに感じられる感覚こそが「サウダージ」だろうとさえ言いたくなってしまうのだ。こういう音楽をやられてしまっては文句のつけようもないし,当分このアルバムのプレイバック頻度は上がることは確実といいたくなる一品。たまりませんな。35分足らずのアルバムだが,これぐらいが丁度いいとも言えるし,何度でもリピートできるのが嬉しい。星★★★★★。北島康介ではないが,「気持ちいい,チョー気持ちいい」アルバム。

Personnel: Gal Costa(vo), Rodrigo Amarante(vo, g, b, mandolin, perc), Criolo(vo), Ze Ibarra(vo, p), Antonio Zumbujo(vo), Seu Jorge(vo, g), Tim Bernardez(vo, g), Rubel(vo, g), Jorge Drexler(vo, g), Zeca Veloso(vo, g), Felipe Pacheco Vnetura(g, b, vln, vla, sample), Marcus Ribeiro(cello), Pedro Coelbo(b), Gabriel Vaz(ds, perc), 

2021年4月 3日 (土)

Nik Bärtschの新作はピアノ・ソロ:ファンク度は低いが,ミニマル感覚は強まる。

_20210327 "Entendre" Nik Bärtsch(ECM)

Nik Bärtschの音楽というのはファンクとミニマリズムをうまく融合させた音楽で,RoninやMobileでやっている音楽は私の嗜好に見事にはまっていると言ってよい。なので,Nik Bärtschの新譜がリリースされれば,無条件に購入している。今回もECMからリリースされたNik Bärtschの新作はピアノ・ソロである。

Nik BärtschにはECMと契約する前にリリースした"Hishiryo"というピアノ・ソロがあるのだが,ファンク度を重視するバンド名義のアルバムは買っていても,ソロについては購入しておらず,本作がピアノ・ソロに触れる初めての機会となった。ピアノ・ソロだとどういう感じなのかってのがやはり注目点となる。

それで以て今回のアルバムを聞いてみたのだが,やはりピアノ・ソロなので,ファンク度は抑制されるのだが,Nik Bärtschらしいミニマルな感覚は十分出ているし,随所にスリリングな感覚も感じさせるアルバムとなっている。彼のアルバムに収録された曲のタイトルは名は"Modul"に番号を付したものなのだが,本作には最後に"Déjà-Vu, Vienna"というタイトルが付いた曲が入っているのが珍しい。

その"Déjà-Vu, Vienna"はスローに展開されるミニマルな曲で,若干のメロディ・ラインも顔を出すが,”Modul XX"と言っても通じてしまうだろうと突っ込みたくなるのも事実。だが,全編を通じて,これが気持ちいいのである。

このミニマルな感覚,聞く人によっては何がいいのかさっぱりわからんという世界かもしれないが,こういうのがいいと思ってしまう私のような人間にとっては非常に心地よい時間が過ぎていく。決して難解ではないし,素直に身を委ねればいいという感じだろう。今回のアルバムも実に気持ちよく聞けてしまった。このグルーブ,特殊だとは思うのだが,好きだなぁ。星★★★★☆。

Recorded in September 2020

Personnel: Nik Bärtsch(p)

2021年3月31日 (水)

Charles Lloyd, 今年で83歳とは思えない衰え知らず。

_20210328 "Tone Poem" Charles Lloyd(Blue Note)

アルバムを出しても,ライブを聞いても,ここのところのCharles Lloydの活動には目を見張らされるものがある。凄い老人だと思ったり,感動させられたりと,80歳を過ぎても全く裏切られることのない活動ぶりは,やはり化け物レベルだと言ってもよいと思う。

そのCharles Lloydの新作はMarvels名義である。Marvelsの第1作である"I Long to See You",Lucinda Williamsを迎えた"Vanished Gardens"も素晴らしかったが,そのMarvelsとしての第3作とあっては,期待するなって方が無理な話である。そして,今回も裏切られることはなかった。

実をいうと,CDがデリバリーされるまでの間はストリーミングで聞いていたのだが,その時は実はピンと来ていない部分があった。しかし,ちゃんと媒体で聞くと,感覚が違うのがはっきりした。やはり音楽に対峙する姿勢の違いは大きいと思う訳だが,ちゃんと聞いてみれば,何の違和感もない。アメリカーナ的なサウンドをゆったりと奏でるCharles Lloydの昨今の音楽はここでも強く感じられる。

Marvelsの音楽はやはりその編成に特性が表れると感じさせるが,今回もBill FrisellのギターとGreg Leiszのスチールが効いている。いきなり冒頭の2曲はOrnette Coleman,そのほかにもLeonard CohenやらGabor Szaboやらと面白い選曲であるが,中でもBola de Nieveの"Ay Amor"のたゆたうような「ゆったり感」は彼らにしか出せないのではないかと思える。日本でもやった”Monk’s Mood"もやっているが,こういう音楽には強烈な魅力を感じる私である。

はっきり言ってしまえば,突出した感覚は何もない。しかし,それでも深く音楽に没入させる魅力があるのだ。特にアルバムの後半にはまいってしまった。とにかく凄い人,いややっぱり化け物だと思わざるをえない作品を生み出すエネルギーの源は何なのか。不老不死という言葉はCharles Lloydのためにあるのか...。という訳で,今回も星★★★★★とせざるをえまい。

Personnel: Charles Lloyd(ts, a-fl), Bill Frisell(g), Greg Leisz(Steel-g), Reuben Rogers(b), Eric Harland(ds)

2021年3月24日 (水)

菊地雅章のラスト・レコーディング:背筋が伸びる思いである。

_20210323"Hanamichi: The Final Studio Recordings" 菊地雅章(Red Hook)

菊地雅章が亡くなったのが2015年のことであったが,今,菊地雅章の最後のスタジオ録音が届くとは思いもよらなかった。しかし,これは襟を正して聞き,そして聞いていて背筋が伸びるような演奏であった。

このアルバムをプロデュースしたのは,ECMレーベルにおいて,Manfred Eicherの後継者はこの人ではないかと目されていたSun Chungである。本作は彼が新たに立ち上げたRed Hookレーベルの第1作としてリリースしているので,Sun ChungはECMと袂を分かったということなのかもしれない。それはそれでちょっと惜しいような気もするが,それはさておきである。

本作がレコーディングされたのは2013年12月,既に病魔が菊地雅章を蝕んでいた頃ではないのかと思われるが,そうした健康状態にもかかわらず,絞り出される音楽は深遠な美学に満ちている。晩年の菊地雅章らしいアブストラクトでスローな表現は,現代音楽に通じるものがあるというのはいつもながらの感想にしかならないのだが,これは実に印象深い音楽である。冒頭の1920年代の小唄と言ってもよいような"Ramona"の美しさからして息を呑む。そこから転じて"Summertime"なんて,もはや思索と哲学の世界である。そこから"My Favorite Things"が2テイク,そして即興,最後は"Little Abi"で締めるプログラムは全く弛緩するところがない。全編を通じて,なかなかこんなピアノ・アルバムは聞けないと思えるような作品なのだ。

前述の通り,アブストラクトな感覚が強いので,決して万人にとって聞き易い音楽とは言えない。しかし,命を削って紡ぎだされるフレージングのような感覚すら覚える演奏が並ぶこのアルバムには感動しかない。しかも実に素晴らしい音で捉えられており,こうした音源を菊地雅章が残していたことを我々は喜ぶべきである。東京文化会館でのライブ「黒いオルフェ」も素晴らしかった(記事はこちら)が,私にとってはそれに勝るとも劣らないアルバム。出してくれたことだけでも感謝したくなる。星★★★★★。深い。

Recorded in December 2013

Personnel: 菊地雅章(p)

2021年3月16日 (火)

若かりし頃のWayne Krantzの音源現る。

Wayne-krantz-1985 "Music Room 1985" Wayne Krantz(Abstract Logix)

コロナ禍の中でミュージシャンもいろいろ大変だと思うが,そうした中でへぇ~と思うような動きも出てくるのが面白い。クリポタの宅録もそうだったが,今回はWayne Krantzの若い頃の音源登場である。1985年に録音していた音源が見つかったのでリリースしたってことらしいが,Wayne Krantzのファンを自認する私としてはこれは聞かねばならんということで即発注したが,媒体到着前にデリバリーされたダウンロード音源で早速聞いてみた。

1985年と言えば,Wayne Krantzの初リーダー作"Signals"の5年前ということになるので,当時のKrantzのギターがどういうスタイルだったのかってのが気になる。はっきり言ってしまえば,これはデモ音源みたいなものではあるが,それでも律儀に聞きたくなってしまうのがファンというものである。このブログへのWayne Krantzの登場頻度を考えれば,まぁそれぐらいは当然なのだ(笑)。

結論からすれば,すべての楽器をKrantzがこなしたこのアルバムに収められた音楽は,今のWayne Krantzの音楽からすれば,かなりというか,まだまだ「普通」である。ある意味,典型的なフュージョン・スタイルに近いと言ってもよいので,明らかに現在のスタイルとは異なる,若かりし頃のWayne Krantzの音楽が聴けるということでは実に興味深い。

まぁ,収録時間は30分にも満たないので,コアなWayne Krantzファン向けの音源とは思うが,ご関心のある方は,下に貼り付けた,YouTubeにアップされている本作からの”Cowboy”でご確認を。

Personnel: Wayne Krantz(g, every instrument)

2021年3月15日 (月)

児玉桃のECM第3作は2006年録音の持ち込み音源だが,これが実に素晴らしい。

_20210313-2 ”Hosokawa/Mozart” 児玉桃,小澤征爾,水戸室内管弦楽団(ECM New Series)

児玉桃のECMにおける2作は大変素晴らしい作品であった。本作は前作"Point and Line"でも取り上げた細川俊夫とモーツァルトというまたECMらしい異色の組み合わせってところなのだが,ここで冒頭に演じられる細川俊夫の「月夜の蓮(”Lotus under the Moonlight”)」は,モーツァルトの生誕250周年を記念して書かれたものであり,「モーツァルトへのオマージュ」という副題まで付いているから,プログラムとしては一貫性があるものなのだ。児玉桃はその初演者であった。

そして,この音源は2006年に録音されたものであり,プロデュースにはManfred Eicherの名前もないので,明らかに持ち込み音源である。そもそもECMで小澤征爾の名前を見つけるとは全く想像していなかったが,そうした音源をリリースするという判断を下したのはManfred Eicherであるはずなので,その審美眼にかなった演奏であることは言うまでもない。

このアルバムにおけるポイントがその細川の「月夜の蓮」であることには疑う余地がない。もちろん,モーツァルトのP協23番なんてのは誰もが知る名曲であり,児玉桃と小澤征爾の組合せによる演奏が悪いはずはない。しかしである。このアルバムがリリースされた要因はやはり「月夜の蓮」ゆえであろう。この細川とモーツァルトの曲間のギャップこそがこの音楽を楽しむためのコアとなるからである。おそらくManfred Eicherもそれを評価したはずだと思う。「月夜の蓮」がクールかつ静謐な感覚を与えるのに対し,モーツァルトの暖かさが「月夜の蓮」で生まれた緊張感を弛緩させてくれることこそがこのアルバムのキモだろう(少なくとも私にとってはそうだ)。

こういう演奏/プログラムには本当に美学を感じるが,水戸の聴衆も生で聞いていた時には同じような感覚を覚えていたと思う。録音から時間が経過した音源であることを全く感じさせない傑作。星★★★★★。

甚だ余談ではあるが,私の亡くなった父はモーツァルトを偏愛していたが,父が最も好きだったP協はこの23番である。本当にしょっちゅうこの曲を聞いていたのを思い出してしまった。父がこのアルバムを聞いたらどういう感想を言うか聞いてみたい気がした私である。

Recorded Live at 水戸芸術館 in December, 2006 

Personnel: 児玉桃(p),小澤征爾(指揮),水戸室内管弦楽団 

2021年3月14日 (日)

怒涛のリリース・ラッシュの中でNeil Youngのライブ盤。

Neil-young-way-down "Way Down in the Rust Bucket" Neil Young with Crazy Horse (Reprise)

アーカイブ・シリーズを含め,どれだけアルバムをリリースするのよと言いたくなるような,兄貴ことNeil Youngである。そんなNeil Youngが"Godfather of Grunge"と呼ばれるようになって久しいが,その契機は"Ragged Glory"あたりだったはずである。私の記憶が確かならば,"Ragged Glory"はVillage Voiceで年間ベスト作品に選ばれていたはずだ。その一方で日本での評価って,今は全然違っても,当時はそれほど高くなかったようにも思える。グランジへの影響という観点から,日本では改めて評価が高まったって感じているのは私の誤解か?

span style="font-size: 12pt;">"Ragged Glory"と"Weld"によって爆音響かせるNeil Youngのその筋でのイメージが確立したが,今回リリースされたのは"Ragged Glory"リリース後のライブで,これは気になるということでの購入となったのだが,何を血迷ったか,私はLP+CD+DVDのデラックス・エディションを購入してしまった。何だか最近,こういう無駄遣いが増えているが,まぁいいやってことにしよう。狙いはDVDにしか入っていない"Cowgirl in the Sand"ななのだが,それにしてもやっぱり無駄遣いである(苦笑)。

出てくる音は,まさにこっちの期待するものであるが,完全にロックな兄貴である。こういうのは生で見るのが一番なのだが,あの時期を追体験することが重要ってことにしよう。私がNYCに滞在していた時期にも当たるが,その時のライブはEast RutherfordのMeadowlands Arenaでやっていたはずで,そこまで出掛けていくことはできなかった当時の私であった。だが,こうして当時の演奏を改めて耳にすると,やっぱりライブで見ておきたかったと思わせる。家人のいないときに爆音でプレイバックするのを楽しみにしよう。星★★★★☆。映像もそのうち見てみようと思う。

YouTubeに上がっているこの時の"Mansion on the Hill"の映像を貼り付けておこう。

Recorded Live at the Catalyst in Santa Cruz on November 13, 1990

Personnel: Neil Young(g, vo), Frank "Poncho" Sampedros(g, vo), Billy Talbot(b, vo), Ralph Molina(ds, vo)

2021年3月13日 (土)

Gretchen Parlato,久々の新譜。実によく出来ている。

Flor "Flor" Gretchen Parlato(Edition)

私が初めてGretchen Parlatoのアルバムを聞いたのが”The Lost & Found"で,それがもう10年前のことで,記事にもしている(記事はこちら)。その後,ライブ盤がリリースされたが,その後は子育てに専念していたらしく,久々のアルバム・リリースとなった。彼女のコンテンポラリーな感覚に痺れてしまった私としては,これは買わずにいられない,聞かずにいられないってところである。

そして何を血迷ったか,英国から飛ばしたのがカラーLPである。昨今のアナログ復権により,アナログでリリースされるものにカラー・ヴァイナルが増えてきたが,今回のこのアルバムは透明オレンジって感じの珍しいもの。アルバムのジャケットのイメージともフィットした感じで綺麗だねぇって言いたくなる。

そんなアルバムの冒頭を飾るのがJoão Gilbertoでもお馴染みの"É Preciso Perdoar"で。もうこれでつかみはOKである。本作はブラジルにインスパイアされての作品ということであるから,そのスタートがこの曲というのもわかるが,彼女の歌は健在であったと嬉しくなる。続く"Sweet Love"はAnita Bakerの曲ってことで,彼女の選曲センスも変わらないってところである。アルバムのB面ではAirto Moreiraのヴォイスを聞いていて,Al Jarreauを思い出していた私である。

Gretchen-parlato-flor そんなこのアルバムにおいて最も印象的なのが,Gretchen Parlatoのオリジナル,"Wonderful"ではないか。非常にポジティブで,多分彼女の娘の声も入っていると思うが,微笑ましくなるような曲で,昨今の淀んだ雰囲気を打破してくれるような曲である。それに続いてバッハの無伴奏チェロ組曲を前半はアカペラでやってしまうのに驚かされ,最後はDavid Bowieの"No Plan"で締める展開というのも素晴らしい。Bowieの"No Plan"にも参加していた旦那であるMark Guilianaがここでも参加しているが,このアルバムの最後を飾るに相応しい曲を選んだものである。

まさに最初から最後まで感心させられてしまったアルバムである。彼女のカムバックに対するご祝儀も含めて星★★★★★としてしまおう。ってことで,ついでにカラー・ヴァイナルの写真もアップしておこう。

Personnel: Gretchen Parlato(vo), Marcel Camargo(g, el-p, cavaco), Artyom Manukyan(cello, vo), Léo Costa(ds, perc, vo,  moog) with Gerald Clayton(p, el-p), Mark Guiliana(ds), Airto Moreira(vo, perc),  Magnus Thompson(vo), Thaddeus Thompson(vo),, Chloe Camargo(vo), Marley Guiliana(vo), Karen Kennedy(vo), Mona Blake(vo), Johna Blake(vo), Charlie Grenadier(vo)

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