「あけてくれ!」は名エピソードであった。

BSで放送していた4Kリストア版の「ウルトラQ」の放送は先日終了したが,その最終回のエピソードが「あけてくれ!」であった。今となってはよく知られているが,そのストーリーの特異性,と言うよりも,全く子供を相手にしていないストーリーゆえに,本放送では結局放送を見送られ,再放送で初めて世に出たというエピソードである。
脚本は小山内美江子,演出は円谷一によるこのエピソード,中年の悲哀みたいなものすら感じさせてしまうなんて,年齢を重ねればわかるだろうが,子供にはわかる訳がない(きっぱり)。子供が喜ぶのはロマンスカーが空を飛び,電車や車が飛び交う地下世界の描写ぐらいのものだろう。だが,大人になって見返すと,ケムール人のエピソード「2020年の挑戦」で刑事を演じた柳谷寛が再登場なんてことにも気づいて嬉しくなってしまうが,「あけれくれ!」は子供番組と言うより,完全に「トワイライト・ゾーン」のノリであった。
「ウルトラQ」という番組は怪獣モノもあれば,ファンタジーもある一方,私を含めて当時の子供を震え上がらせた「悪魔っ子」や,この「あけてくれ!」のようなエピソードが混じりあって,実にユニークな番組だったなぁなんて改めて思ってしまった。4Kにリストアされて,結構画像は綺麗になっていたと思うが,こうなったらブルーレイの「総天然色ウルトラQ」でまた見直すかなんてことも考えた私である。「このあけてくれ!」もブルーレイの着色版はまだ見たことがない(苦笑)。まぁ,好みのエピソードとそうでもないエピソードは確実にわかれるのだが,今回,全エピソードを見直したら,やっぱり面白い番組であった。本放送を見ていた世代ということで懐かしいのもあるが,時代を象徴する番組だったんだなぁと改めて思った次第。「あけてくれ!」は当初予定されていたという番組タイトル,「アンバランス」の名のもとに放送された方がしっくりくるな。
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