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カテゴリー「映画」の記事

2020年11月 1日 (日)

追悼,Sean Connery

Sean-connery

Sean Conneryが亡くなった。私は007シリーズの映画が好きで,劇場,DVD,ストリーミング等で何だかんだで全て見ているのだが,James Bondを演じた役者はそれぞれ個性があって,それぞれの魅力があるとは思いつつ,やはりJames BondのイメージはSean Conneryによって作られているというのが実感である。

本人はJames Bondのイメージが強くなり過ぎることをよしとしなかったようだが,役者としてはそれもわからない訳ではないし,映画としてもSean Conneryが演じていても,当初ほどの魅力が感じられなくなっていったのは仕方がないことであった。

しかし,その後は出る映画は玉石混交ながら,渋さを感じさせる役者への転身を見事に成功させ,007だけではないというところを示し,映画「アンタッチャブル」ではオスカーの助演男優賞も獲り,そのキャリアに華を添えたのはよかった。

既に俳優としては引退をしていて,90歳という年齢を考えれば,大往生ということになるのかもしれないが,また一人,私たちは時代のアイコンを失ったということになるだろう。私は「ロシアより愛をこめて」を見て,彼を追悼することとしたい。

R.I.P.

2020年10月12日 (月)

週末に見た「テネット」。いやぁ,これは難しい。しかし,後になって考えさせてくれるという意味で実に面白い。

Tenet 「テネット("Tenet")」('20,米,Warner Brothers)

監督:Christopher Nolan

出演:John David Washington, Robert Pattinson, Elizabeth Debicki, Kenneth Branaugh, Aaron Taylor-Johnson, Michael Caine

映画館に行く機会も減っている中,この映画はどうしても見たいと思っていたもの。Christopher Nolanの撮る映画は,映画的な面白さの一方で,実に「あのシーンの意味は何だったのか?」って考えさせられて,ついつい何度も見てしまうというもので,完全に私なんかはNolanの術中にはまっているって感じである。そして「時間」の概念はいつもChristopher Nolanの映画の重要なテーマになっているが,それが行きつくところまで行きついたって感じである。これに比べれば,「ダンケルク」なんて超わかりやすい(笑)。

この映画,とにかくわかりにくいのは,時系列で整理をしないと何が何だかわからないということが大きな要因だろう。だが,映画的なビジュアルに気を取られていると,そうした時系列での整理までつかない状態で見ることになるから,理解不足のまま,映画が終わってしまうという問題が発生してしまうように思う。

今回,映画を見た後,ストーリーの流れを自分なりに再構築してみると,腑に落ちる部分も出てくるのだが,それでもまだまだ咀嚼できていない部分がかなり残っている。こういう状態なので,もう一度劇場に足を運ぶか,あるいはDVDやBlu-rayが出た段階で購入みたいな感じにならざるをえないのだ。

そういうことで,この映画を評価するには私はまだまだ消化不良ではあるが,ストーリーは抜きにしてもその映像の強烈さだけで評価してもよいと思わせるものであった。今度はiMAXで見てみるかなぁ。

それにしても,Kenneth Branaughの演技には今回も感心させられた。上映前の予告で「ナイル殺人事件」でのエルキュール・ポワロを演じるのもKenneth Branaughだが,喋っているセリフの「訛り」の違いが凄まじい。やっぱこの人凄いわ。

2020年9月22日 (火)

Amazon Primeで「HOUSE(ハウス)」を見た。

House 「HOUSE(ハウス)」(’77,東宝)

監督:大林宣彦

出演:池上季実子,大場久美子,神保美喜,南田洋子,鰐淵晴子,尾崎紀世彦,小林亜星,三浦友和,檀ふみ

今年亡くなった大林宣彦監督のデビュー作がAmazon Primeで見られるということで,ホラーは嫌いな私(信じてもらえないだろうが,本当に嫌いなのだ)だが,見てみた。一言で言えば,ファンタジック・ホラーであり,全然怖くはない。

私は大林監督と言えば,「時をかける少女」だなぁって人間なので,ほかの映画はほとんど見ていないと言っても過言ではないし,この映画を見るのも今回が初めてであった。この映画を見て,大林宣彦という人は,ファンタジーが通奏低音のように流れている人だと思ってしまったが,この時代を感じさせるVFXなんて,やはり時代を感じさせるものであった

ストーリーはかなり無茶苦茶だなぁなんて思うが,出演者の「ハウスガールズ」のキャピキャピ感(死語!)が楽しい。中でも,私には主役の池上季実子よりも,大場久美子と神保美喜の方が魅力的に映った。そういうところに嗜好が出るなと思いつつ,助監督に小栗康平の名前を見つけたり,ゴダイゴが音楽ばかりかカメオ出演したりと,意外な発見があったのも事実である。色使いが結構ヴィヴィッドなので,多少は影響ありなのかなぁなんて,後の「パコと魔法の絵本」を思い出したりしていた。

だが,映画としては遊びが過ぎるという感じがなきにしもあらずで,そこそこ面白くは見られても,やっぱり「時をかける少女」の方がいいなってのが本音である。星★★★。

それにしても,鰐淵晴子は濃い~美人だったと改めて認識。この映画で一番笑えたのは鰐淵晴子のシーンの演出だったかもなぁ。

2020年9月19日 (土)

Amazon Primeで”Tommy"を観た。45年ぶりぐらいだな。

Tommy 「トミー(”Tommy")」(’75,英/米,Columbia)

監督:Ken Russell

m出演:Oliver Reed,Ann-Margret,Roger Daltrey,Elton John, Eric Clapton, Tina Turner, Jack Nicholson, Pete Townshend,John Entwistle, Keith Moon

この映画,劇場に観に行ったんだよなぁ。日本公開は76年なので,私は中学生であった。今回,約45年ぶりの再見となったが,ストーリーはほとんど覚えていなかったものの,Eric Clapton,Elton John,Tina Turnerらが登場する音楽シーンは覚えていた。正直言って,The Whoにあまり思い入れのない私としては,このロック・オペラが面白いとは全然思えなかったというのが改めて観ての感想である。

監督のKen Russellは鬼才なんて言われることもあるが,この程度の映画を撮っているようでは正直言って大したことない,と言うか過大評価じゃなないのかとさえ言いたくなる。まぁ時代を反映したサイケな映像と言ってもよいかもしれないが,70年代の中盤はもはやサイケではないだろうと思うし,映像の演出も古臭いのだ。

The Whoのオリジナルを聞いていれば,別の感慨もあるかもしれないが,私はあいにく聞いたことがない。だから映画だけで評価させてもらえば,ロック的なところもあるが,全然ロックを感じさせない部分があるのが気に入らない。まぁこの程度じゃ記憶に残らないのは当たり前だが,それでもちゃんと記憶に残っていたミュージシャンたちは立派。そして今回,よくわかったのがKeith Moonってヤバいよねぇってことと,John Entwistleのベーシストとしての凄さだったかもしれない。

まぁ,そのうちオリジナルの"Tommy"をストリーミングで聞いてみることにしよう。だが,映画としては評価できず,星★★ってところ。

2020年9月15日 (火)

Amazon Primeで「終着駅」を見た。

Photo_20200912173801「終着駅("Stazione Termini")」(’53,伊/米,Columbia)

監督:Vittorio De Sica

出演:Jennifer Jones, Montgomery Clift,Gino Cervi,Richard Beymer

Amazon Primeではかなり古い映画ばかり見ている私である。今回見たのが懐かしの「終着駅」である。多分,この映画を見るのは数十年ぶりだと思うが,プロットは大体覚えていても,細かいところまでは覚えていないのもまぁ仕方がない。それでも,初めてローマを訪れた時,この映画の舞台であるテルミニを訪れて,この映画のことを思い出していたはずだ。それが35年ぐらい前ってところか。

端的に言ってしまえば,不倫を扱ったメロドラマなのだが,時代を反映してか,実にテンポがゆるい。そして,主人公のJenniffer JonsもMontgomery Cliftも優柔な感じが,現代の感覚からすると古臭くもあり,逆に言えば佳き時代であったと思わせる。ローマのテルミニの喧騒を背景としながらも,主人公二人のどっちつかずな感じがやはり70年近く前の映画の描き方かなって気がする。

なので,同時代でこの映画を見るのと,時代を経てこの映画を見るのでは相当感覚に違いがあるはずだ。私がこの映画を初めて見た頃は,まだうぶな中学生(笑) ぐらいであったので,主人公の優柔さに何も感じていなかったと思うが,今見るとねぇ...ってところに,私も年を取ったとつくづく感じてしまう。ただ,ストーリーの進みのゆったりさ加減(換言すれば余計な描写の多さ)には,さすがにもう少し描き方があったのではないかと思う。ってことで,典型的なメロドラマで懐かしく見たものの,星★★★ってところだろう。

余談ながら,後に「ウエストサイド物語」に出るRichard BeymerがJennifer Jonesの甥っ子みたいな感じの役で出てくるが,昔からカッコよかったのねぇと感心してしまった。

2020年8月25日 (火)

夏休み中に家で見た映画:涼を求めて見た「アイガー・サンクション」なのだが...。

Eiger-sanction_20200823000501 「アイガー・サンクション(”The Eiger Sanction")」(’75,米,Universal)

監督:Clint Eastwood

出演:Clint Eastwood,George Kennedy,Jack Cassidy,Vonetta McGee,Reiner Schone

猛暑が続くと,多少は涼しくなるような映像の映画を見たくなるのが当然の欲求ということで,DVDで見たのがこの映画である。今や巨匠のポジションにあるClint Eastwoodだが,この人がこのような立場になるとはこの映画が公開された当時は全く想像していなかった私である。

以前にも書いたと思うが,私が中学生~高校生の頃の私の部屋にはClint Eastwoodのポスターが貼ってあった。「ダーティ・ハリー」と「ダーティ・ハリー2」を当時の大毎地下で2本立てで見て,その魅力にマジで痺れてしまっていたというのが当時の私であった。特に「ダーティ・ハリー」の第1作こそそう思わせたものだったのは間違いない。そういうこともあって,Eastwoodの映画が公開されれば劇場に見に行くって感じの中学生~高校1年ぐらいであった。「サンダーボルト」,本作,「アウトロー」,「ダーティ・ハリー3」がおそらくその時期に当たるはずだ。だが,高校に入ってからは映画よりも音楽に関心が移行してしまい,その後Eastwoodの映画を劇場で見るのは「ペイル・ライダー」まで間が空くことになってしまうのだが...。

それはさておきである。この映画は,Clint Eastwoodをカッコよく見せるためのための映画みたいになっているのはまぁいいとして,この当時の演出はまだまだ発展途上だなぁと思わせるものと言っていいと思う。これはEastwoodの演出というよりも,間延びした脚本に問題があるように感じられる。本来,この映画は,アイガー北壁に挑む部分が主軸となるべきであるところが,そこに至るまでがとにかく長い。なので,こっちが求める涼しげな映像はなかなか出てこない(爆)。しかもアイガーに登り始めて,そうなるか?って展開もなぁって気がするし,肝心の結末も...なのだ。

ということで,当時はEastwoodに痺れていた中学生にとっては,カッコいい~って言っていればよかったようなものだが,制作から45年を経た今となっては,まだまだだったねぇと言いたくなってしまうような映画。そこそこ面白く見られるのは間違いないのだが,やっぱりまだまだだったってことで星★★★。

それにしても大毎地下とか,戎橋劇場とか,三宮の阪急文化とかの劇場には大いに世話になった中学生時代を思い出している私である。その後,東京に出てきてからは早稲田松竹,高田馬場パール座,飯田橋佳作座,飯田橋ギンレイ等に世話になっていたのももはや35年以上前か...。そういう経験があって,DVDやネットで映画を見られる時代になっても,やはり映画は闇の中で見たいという思いは今でも変わらない。映画は劇場で見るのが一番いいのだが,今や,そうした二本立て文化もなくなりつつあるのは寂しい限りだ。

2020年8月23日 (日)

夏休み中に家で見た映画:「頭上の敵機」

Photo_20200822115601 「頭上の敵機(”Twelve O’Clock High")」(’49,米,Fox)

監督:Henry King

出演:Gregory Peck,Hugh Marlowe,Gary Merrill,Millard Mitchell,Dean Jagger

夏休みの間は猛暑もあり,出掛ける気力もほとんどなく,仕事の家人のいぬ間に,Amazon PrimeやらDVDやらで映画を見ていた私である。この映画はAmazon Primeで見たものだが,タイトルだけ見ると,「眼下の敵」の逆みたいな感じだが,918爆撃隊の対ドイツ戦を描いたものだが,空中シーンはあるものの,どちらかと言えば,これは人間ドラマの側面が強い。

モラルの低下した918爆撃隊を鍛え上げる准将を演じるのがGregory Peckであるが,今ならば完全パワハラみたいな感じで,こういう映画は現代では成立しないのかなと思ってしまうが,それはそれで仕方あるまい。そうした中で,Gregory Peckが最後には心理的不調から身体が動かなくなってしまう描写でバランスを取っているので,目くじらを立てる意味はない。

ここで描かれている空中戦は実際の交戦時の記録も使っているようなので,画像は荒いが,実際はこういう感じというリアリティは十分。原題となっている”Twelve O'Clock High"も真上から攻撃を仕掛けてくるドイツ軍機のことを指していて,そんな攻撃を仕掛けられたら,反撃も難しいよなぁなんて思っていた私である。だが,この映画は,上述の通り,人間ドラマの要素が強いので,そういう方向で評価すべきだろう。この映画でDean Jaggerはオスカーの助演男優賞を獲ったが,それもうなずける演技であった。もはや70年以上前の映画であるが,こういうので温故知新も大事だなぁと改めて思った。星★★★★。

2020年8月16日 (日)

「妖星ゴラス」に続いて「海底軍艦」って,私も好きだねぇ...。

Photo_20200813223301 「海底軍艦」(’63,東宝)

監督:本多猪四郎

出演:高島忠夫,藤山陽子,藤木悠,上原謙,田崎潤,小泉博

一昨日「妖星ゴラス」について書いたばかりのところで,渡哲也の訃報を挟んで,今日は「海底軍艦」かいっ?って声も聞こえてきそうだが,Amazon Primeもいろいろな映画が見られるのねってことで,今日はこれである。おそらくこれは初めて見たと思うが,ここでも「妖星ゴラス」からのつながりで,造形の話から始めよう。

この映画の海底軍艦,轟天号の発進のシークエンスを見ていて,見た目はだいぶ違うものの,私は 「マイティジャック」を想起し,轟天号のドリルのような先端部分はウルトラセブンに出てくるマグマライザーの原型,そして敵方の潜水艇の形状は同じくウルトラセブンのハイドランジャーの原型に思えて仕方なかった。まぁ円谷プロのTV番組では,結構な使い回し(典型例はウルトラマンにおけるゴジラ→ジラース)を見ているだけに,そういう風に感じるだけかもしれないが,「妖星ゴラス」でも同じようなことがあったから,あながち間違いでもあるまい(しかし,私も好きだねぇ...)。

この映画も相当荒唐無稽なので,ストーリーについてどうこう言うのはあまり意味がないと思うが,私が感じるのは田崎潤という役者が,この当時東宝で重用されていたってことである。田崎潤は私のような年代の者にとっては役者としてより,「連想ゲーム」の回答者としての印象が強い訳だが,「妖星ゴラス」にしろ,この映画にしろ,軍人気質みたいなものを感じさせるには最適な役者だったのだろうと思ってしまったし,実に印象に残ってしまう役柄なのであった。

映画に関しては,やはりここでも円谷英二の特撮への取り組みが興味深い。「妖星ゴラス」が宇宙なら,今度は海が主たる舞台であり,全然違うタイプの特撮が求められるが,ここでもミニチュアを駆使して,よくやるわってレベルまでやってしまうのが凄い。ストーリーは別にしても,この当時の円谷英二の取り組みを見ているだけでも価値があると言ってしまおう。

ストーリーの荒唐無稽さゆえ,映画としては本作も星★★★でいいと思うが,先人の特撮の努力を見て,凄いねぇって感心するだけでも価値があったと思える映画であった。

2020年8月15日 (土)

渡哲也を偲んで「東京流れ者」を見た。

渡哲也が亡くなった。ここ数年,闘病生活を送っていたようだが,「西部警察」等でのマッチョなイメージだけではなく,渋い演技もできる人だった。78歳というのは現在の感覚で言えば,もう少しいける年齢ではないかと思うが,既に十分な活躍を示したということで,ここは生前の渡哲也を偲ばねばならないと義務のように感じてしまった私である。

Photo_20200814225901 本来なら「西部警察」辺りがよいと思ったのだが,丁度Amazon Primeで渡哲也主演の映画が見られるということで,選んだのが「東京流れ者」である。鈴木清順が撮ったこの映画は典型的なヤクザ映画なのだが,随分挿入される歌の数が多いなぁと思いつつ,昔の松原智恵子はその後よりは丸い感じがしたのねぇとか余計なことを考えていた私である。

いずれにしても役者をカッコよく見せるのが当時の使命とは言え,渡哲也扮する哲がいつもきっちりネクタイを締めていたりとかして,おいおいって感じもあるのだが,これまた後にナイスミドルの代表みたいになった二谷英明が無茶苦茶カッコいいし,佐世保の親分である梅谷を演じる玉川伊佐男が渋いねぇなんて,これまた余計なことを考えてしまった。

しかし,あくまでも主役は渡哲也なので,これでよく生きてるねぇなんてシークエンスを乗り越えてしまう適当さが昔懐かしいという感じであった。いかにも若いと思わせる渡哲也は新鮮で,後の「黒岩団長」の世界とは違うのも興味深かった。

今日は若い頃(1966年)の渡哲也を見て彼を偲んだが,そのうちやっぱり「大都会」とか「西部警察」のような渡哲也のイメージとなっている番組も見ないといかんと思った私である。私のような年代の人間からすれば,同時代を彩った役者がまた一人去ってしまい,実に寂しい。

R.I.P.

2020年8月14日 (金)

Amazon Primeで見た「妖星ゴラス」。ミニチュアで何でも撮ってしまうのが凄い。

2 「妖星ゴラス」(’62,東宝)

監督:本多猪四郎

出演:池辺良,久保明,白川由美,水野久美,上原謙,志村喬,田崎潤

昔,この映画,多分TVで見たなぁと思いつつ(それがいつだったかは全く覚えていないが...),懐かしさもあって改めて見たのだが,ほとんどミニチュアで特撮をしてしまう円谷英二の技に驚かされてしまったってのが,最初の感想である。筋書きとしては地球の重力6,000倍の黒色矮星ゴラスが地球に向かってくるという話なのだが,それはそれでいいとして,地球を救う手立てってのがそんなことありえるんかい?というものではあるが,実写もできそうなありとあらゆるシーンがミニチュアで撮られているのは,CG全盛の現在からすればリアリティに欠けるのは仕方ないが,ミニチュアで撮ろうとしたところに当時の映画人の気概を感じると言うべきか。

この映画,怪獣が出てきてしまうのは,はっきり言って蛇足中の蛇足であり,そんなシナリオにしなければ,もっとよかったと思わせるのは事実である。この怪獣の造形は,後の「ウルトラQ」に出てくるトドラの原型ってところだが,これははっきり言っていらないシークエンスだったと思える。造形という意味では国連VTOLとかいう名称で出てくる飛行物体は,後の「ウルトラマン」における科学特捜隊のジェット・ビートルとほぼ同じだったなぁなんて発見もあった。悪く言えば使いまわしの世界だが,まぁいいのである。

その一方で国を超越して,世界としてゴラスに対峙するのだなんていうメッセージ性も付与しているところが当時の映画らしいところではある。いずれにしても,今この映画を見れば,何とちゃちな特撮と思えないこともないが,それでも物凄い努力のあとが見られることに感慨を覚えるのだ。こういう積み重ねがあってこその現在のCGだということを,この時代の映画を知らない世代にも知って欲しいものである。

そうは言っても映画としては星★★★が精一杯だが(笑)。尚,役者として一番印象に残るのは田崎潤だったかもしれないなぁ。それはまた別の機会に論じることにしよう。

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