「ブルー・サンダー("Blue Thunder")」(’83,米,Columbia)
監督:John Badham
出演:Roy Sheider, Warren Oates, Malcolm McDowell, Candy Clark, Daniel Stern
私は80年代はあまり劇場で映画を観ていない。前半は浪人中から大学生で学生時代はほぼ音楽を聴くことに集中,後半は社会人になって仕事も結構忙しかったこともあって,映画はもっぱら当時はレーザー・ディスク(死語)で観ていた。この映画もその後ビデオで観ることもなく,今回初めて観たと思う。ただ,このポスターは印象に残っている。
主演のRoy Sheiderは70年代は作品に恵まれていたが,80年代以降の作品では印象に残るものが少ない中くなっていたように思うが,主演としては本作あるいは「2010」辺りを境に完全に失速したと言ってもいいかもしれない。まぁ,美男でもなんでもないから,作品に恵まれないとどうしようもないところもある。
それはさておき,これは空撮が全てと言ってもよい映画だと思う。シナリオはかなり無茶苦茶で,LAの市街地でF16がミサイルをぶっ放すこと自体ありえない。ストーリーもヴェトナム後遺症とかありがちで想定通りのものだ。それでも,ヘリ対ヘリ,ヘリ対F16にカーチェイスも交えて,アクション映画としてはそれなりに見られるとしても,評価としては星★★★で十分だろう。
Malcolm McDowellは相変わらずファナティックな感じで,この人はいつもこうなっちゃうのは「時計じかけのオレンジ」のせいだろうなぁと思いながら見ていた。
また,Roy Sheiderのボスを演じるWarren Oatesは,映画としてはこれが遺作だと思うが,映画のエンディング・ロールでもWarren Oatesへの献辞が出てくる。Warren Oatesがパイオニアのカー・ステレオのTVコマーシャルに出ていたのも懐かしいが,その当時はどういう人選やねんと思っていた。「渋い」ということで選ばれていたんだろうが,しかも音楽はRy Cooder,ナレーションは確か片岡義男だったはずだ。趣味出過ぎである(笑)。こっちも懐かしいので,映像を貼り付けておこう。Warren Oatesも「デリンジャー」や「ガルシアの首」で主役を張ったが,どちらかと言えば,主役を食う脇役の方がしっくりくる。この映画では存在感はあるものの,活躍の場が限定的ってのはストーリー上,仕方がないとは思うが,いずれにしてもいい役者であった。
尚,脚本にDan O'Bannonの名前を見つけて,へぇ~と思っていたことも追記しておく。やっぱりこの人は「エイリアン」が最高だったな。
VIDEO
最近のコメント