Steven Soderberghの新作「プレゼンス 存在」を見に行った。
「プレゼンス 存在 ("Presence")」('24,米)
監督:Steven Soderbergh
出演:Lucy Liu, Chris Sullivan, Calina Liang, Eddy Maday, West Mulholland, Julia Fox
カテゴリーとしてはホラーに分類される映画である。私は見た目に似合わず,肝っ玉が小さいせいでホラー映画が嫌いなのだが,ホラー嫌いの私がなんでこれを見に行く気になったかと言えばSteven Soderberghが監督だからという一点に尽きる。新作"Black Bag"も評価が高いようで,日本での公開が待たれるが,その前にこの作品である。
そもそも私の中ではSteven Soderberghの評価はもともと高かったが,「オーシャンズ」シリーズはちっとも見ていないから,ほんまか?と言われても仕方がない。しかし,「イギリスから来た男」,「トラフィック」,「コンテイジョン」,「サイド・エフェクト」等優れた作品を残しているのは間違いないところ。一時引退を表明しながら復帰したのはよかったものの,その後の作品は「ローガン・ラッキー」を機内エンタテインメントで見ただけで,私にとってはお久しぶりということになってしまった。
それでもって,この作品は舞台となる家に棲みついた「霊」の視点から描かれるというのがまずユニークである。定点的なカメラではなく,スマホでも撮影できてしまいそうにも思えるが,ストーリーとしては結構謎な部分が残る作品で,その辺りが評価の分かれ目になるのではないかと思った。私としてはホラーと言うよりサスペンスという感じがしたので,全く問題なく見られたのはよかったが,動的な部分はかなり少ないので睡魔に襲われる瞬間があったことは告白しておかねばなるまい。
正直言ってしまうと,結局この視点を提供する「霊」は何だったのかというのがわかったようでわからないというのが実感だが,むしろこれは「家庭崩壊」の話だと思った方がわかりやすいと思ったのも事実。実験的な映画ではあるが,成功したかと言えばそうでもないってところで,星★★★ってのが妥当な評価だろう。私としては父親を演じたChris Sullivanの方に肩入れしたくなったということだけは言っておく(笑)。父親は結局娘の味方なのだ(きっぱり)。
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