2023年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フォト

2021年のおすすめ作

無料ブログはココログ

カテゴリー「映画」の記事

2023年9月25日 (月)

休日の昼下がりに見た「椿三十郎」。

Photo_20230923083801「椿三十郎」(’62,東宝)

監督:黒澤明

出演:三船敏郎,仲代達矢,加山雄三,入江たか子,団令子,小林桂樹,伊藤雄之介

なんとこの映画,このブログに登場するのは3度目だ。直近では,新たにリージョン・フリーDVDプレイヤーをゲットしたときにこの映画を見たのが昨年の8月。それをまた見ているんだから,私もつくづくこの映画が好きだってことがバレバレになってしまうが,見ていて痛快そのもの,実に面白い時代劇である。会社の休日の昼下がり,酒をちびちびやりながらこういう映画を見る至福。劇場で見られればなおよしだが,DVDだっていいのだ。

「用心棒」では桑畑三十郎だったが,今度は屋敷の庭を見て名乗った名前が椿三十郎である。悪い奴は悪い奴として描かれていて,あの志村喬でさえ本当に悪く,そして最後は情けなく見える(笑)。そして入江たか子や伊藤雄之介,そして小林桂樹の使い方も最高だ。

そんなに三十郎の打つ手がうまくはまるのかと言われれば,確かにケチのつけようもあるが,そこはエンタテインメントと割り切って見ればいいのだ。いずれにしても心地よく時間が過ぎていくのを楽しんだ私であった。休日の正しい過ごし方の一つだ(笑)。

2023年9月21日 (木)

Netflixで「ブルー・サンダー」を観た。

Blue-thunder 「ブルー・サンダー("Blue Thunder")」(’83,米,Columbia)

監督:John Badham

出演:Roy Sheider, Warren Oates, Malcolm McDowell, Candy Clark, Daniel Stern

私は80年代はあまり劇場で映画を観ていない。前半は浪人中から大学生で学生時代はほぼ音楽を聴くことに集中,後半は社会人になって仕事も結構忙しかったこともあって,映画はもっぱら当時はレーザー・ディスク(死語)で観ていた。この映画もその後ビデオで観ることもなく,今回初めて観たと思う。ただ,このポスターは印象に残っている。

主演のRoy Sheiderは70年代は作品に恵まれていたが,80年代以降の作品では印象に残るものが少ない中くなっていたように思うが,主演としては本作あるいは「2010」辺りを境に完全に失速したと言ってもいいかもしれない。まぁ,美男でもなんでもないから,作品に恵まれないとどうしようもないところもある。

それはさておき,これは空撮が全てと言ってもよい映画だと思う。シナリオはかなり無茶苦茶で,LAの市街地でF16がミサイルをぶっ放すこと自体ありえない。ストーリーもヴェトナム後遺症とかありがちで想定通りのものだ。それでも,ヘリ対ヘリ,ヘリ対F16にカーチェイスも交えて,アクション映画としてはそれなりに見られるとしても,評価としては星★★★で十分だろう。

Malcolm McDowellは相変わらずファナティックな感じで,この人はいつもこうなっちゃうのは「時計じかけのオレンジ」のせいだろうなぁと思いながら見ていた。

また,Roy Sheiderのボスを演じるWarren Oatesは,映画としてはこれが遺作だと思うが,映画のエンディング・ロールでもWarren Oatesへの献辞が出てくる。Warren Oatesがパイオニアのカー・ステレオのTVコマーシャルに出ていたのも懐かしいが,その当時はどういう人選やねんと思っていた。「渋い」ということで選ばれていたんだろうが,しかも音楽はRy Cooder,ナレーションは確か片岡義男だったはずだ。趣味出過ぎである(笑)。こっちも懐かしいので,映像を貼り付けておこう。Warren Oatesも「デリンジャー」や「ガルシアの首」で主役を張ったが,どちらかと言えば,主役を食う脇役の方がしっくりくる。この映画では存在感はあるものの,活躍の場が限定的ってのはストーリー上,仕方がないとは思うが,いずれにしてもいい役者であった。

尚,脚本にDan O'Bannonの名前を見つけて,へぇ~と思っていたことも追記しておく。やっぱりこの人は「エイリアン」が最高だったな。

2023年9月17日 (日)

「第三の男」:これを本当の傑作と言う。完璧だ。

Third-man 「第三の男("The Third Man")」(’49,英)

監督: Carol Reed

出演: Joseph Cotton, Valli, Orson Welles, Trevor Howard, Bernard Lee

先日「サムライ」の後に見たのがこの映画である。何も言うことのない不朽の名作であり,私の亡くなった父が度々この映画について話していたのを思い出す。

原作者Graham Greeneが書いたシナリオも素晴らしければ,サスペンスフルなCarol Reedの演出,オスカー受賞も当然と思わせるRobert Kraskerの光と影を駆使した撮影,そしてAnton Karasのチターによる音楽と,全てが素晴らしい。まさに私にとっては完全無欠の映画と言ってよい。

私はこの映画を何度も見ているが,見るたびに感心させられてしまう作品。オープニングからエンディングまでいくつもの印象的なシーンにも満ちた真の傑作。この映画を見ればウィーンという街への憧れも強くなる。星はいくつあっても足りない。

2023年9月13日 (水)

Amazon Primeで見た「サムライ」。定冠詞付きのフィルム・ノワール。

Samourai 「サムライ(Le Samouraï)」(’67, 仏/伊)

監督:Jean-Pierre Melville

出演:Alain Delon, François Périer, Nathalie Delon, Cathy Rosier

初めてこの映画を見たのだが,何とも言えない雰囲気を持つ「ザ・フィルム・ノワール」と言ってもよい映画である。とにかくAlain Delonがカッコいいねぇ。当時の奥方,Nathalie Delonの映画デビュー作というオマケつき。

この映画,一匹狼の殺し屋を演じるAlain Delonは劇中,寡黙と言ってよい演技で通し, とにもかくにもAlain Delonをカッコよく見せることに成功している。そしてこの映画を非常に印象深いものとしているのがlain Delonが着用する帽子とコートの着こなし。これを見たらマネしたくなること必定だが,Alain Delonだからきまるのであって,私がやっても絶対に似合わない(当たり前だ!)。

とにもかくにも,非常に雰囲気のある映画であり,またそれを高めるのに貢献したのがピアニストを演じたCathy Rosierだろう。フランスのジャズ・クラブの雰囲気を醸し出しながら,Nathalie Delonよりも印象に残るのは彼女の方だと思ってしまった。

いずれにしてもAlain Delonのカッコよさを余すところなく捉えた快作。星★★★★☆。

2023年9月 5日 (火)

「007/ムーンレイカー」:Amazon Primeで「ノスタルジア」の次に見たのがこれかよ?と言われそうだ...(笑)

Moonraker 「007/ムーンレイカー ("Moonraker")」(’79,英/仏/米,MGM/UA)

監督:Lewis Gilbert

出演:Roger Moore, Lois Chiles, Michael Lonsdale, Richard Kiel, Corinne Cléry, Bernard Lee

先日,Amazon Primeで「ノスタルジア」を見たという記事をアップしたが,Tarkovskyらしい難しい映画を見て疲れた頭をほぐすには,単純明快な映画がよかろうと思い選んだのが本作。2作のギャップがでか過ぎだろうという声が飛んできそうだが,我ながら無茶苦茶なチョイスだと思うが,まぁいいのだと開き直る。

私は007シリーズは好きだが,その中ではRoger Mooreの作品群は評価が低いことはこれまでにも書いた通りである。そしてこの「ムーンレイカー」は荒唐無稽もここまで行くかという感じであり,この映画も評価は決して高まらない。そもそも本来は前作「私を愛したスパイ」で次作は「ユア・アイズ・オンリー」だと告知されていたにもかかわらず,「スター・ウォーズ」や「未知との遭遇」等のなど大ヒットを受けて,急遽本作が製作されたというところも,付け焼刃感があるのは当然である。

しかし,SFライクな展開ということもあり,視覚効果は「サンダーバード」や「謎の円盤UFO」にも対応したDerek Meddingsが当たっている。英国側としてはこうした人材に当然力を借りたくなるところであったと思われる。まっぁそれはそれでよいとしても,やはり無理がある展開のシナリオで,いくら視覚効果で頑張っても,厳しいものは厳しいと言わざるをえない。

Richard Kiel演じるジョーズももはやお笑いという世界になっているが,終盤でキャラ変してしまうので,シリーズへの登場は本作で終了ということになった。

とにかく何でもかんでも詰め込みましたっていう感覚を与えるこの映画で,唯一ほめられたものと思うのは,冒頭の飛行機からの落下のシーンだろう。このシークエンスはどうやって撮ったのかと思わせるものだが,それだけじゃねぇ...ってことで,星★★☆。

2023年8月31日 (木)

Amazon Primeで「ノスタルジア」を見た。

Nostalghia 「ノスタルジア("Nostalghia")」('83,伊/ソ)

監督:Andrei Tarkovsky

出演:Oleg Yankovskiy, Erland Josephson, Domiziana Giordano, Patrizia Terreno

Andrei Tarkovskyの映画は難しい。格調も高いが,理解の難度も高いというのが印象である。そんなTarkovskyの映画がAmazon Primeで見られるというのは珍しいと思っていたが,間もなく配信終了ということで,慌ててこの映画を見た。

多分この映画は未見だったと思うが,やっぱり難しい映画であった。そしてTarkovskyの映画では睡魔に襲われるのが常だが,この映画でも同様。これだけ静かに映画が推移していけば,そうなるのは当然だが,劇的かつ刺激的な描写も後半に出てくる。それでも非常に静謐な映画であることには間違いない。水の表現なんていかにもTarkovskyである。

この映画は亡命したTarkovskyの心象を反映した映画と言われるが,長回しで撮られたラスト・シーンをどう解釈するかも難しいところだ。圧倒的な映像美はここでも健在であるが,この難しさを受け入れられるかどうかが評価の分かれ目だろうな。私にとっては星★★★★ってところか。スノビズムを刺激するのは間違いないところだが(笑)。

2023年8月27日 (日)

今見ても無茶苦茶面白かった「サブウェイ・パニック」。

The-taking-of-pelham-one-two-three 「サブウェイ・パニック("The Taking of Pelham One Two Three")」(’74,米,UA)

監督:Joseph Sargent

出演:Walter Matthau, Robert Shaw, Martin Balsam, Hector Elizondo, Earl Hindman, James Broderick, Jerry Stiller, Tony Roberts

この映画を見るのも久しぶりだ。この映画についても実は2009年にこのブログにアップしているが,多分でDVDで見たのもそれ以来になるのではないかと思えるが,何年経っても面白いと確信を持って言える映画である。

今回,私は舞台となった地下鉄に注目して見ていたのだが,私が在米中というより,出張中によく利用していたLexington Lineである。何だか懐かしい駅名ばかりが出てくるだけでも郷愁を誘われてしまった。Pelham 123は6番線という設定だから,Lexington Localであるが,私がNYCに住んでいた頃も,映画にも出てくる51st.でE Lineに乗り換えて家によく帰ったものだなんて思うと懐かしいこの上なかった。

そして地下鉄のシーンと並行して出てくる地上の風景を見ていると,何とも私に馴染みのある風景が多数出てきて,そういう意味で楽しんでしまったのであった。

映画としての面白さは保証できるが,それにしても渋い役者揃いである。それこそいぶし銀のような役者ばかりというのも凄かった。Ben StillerのオヤジのJerry Stillerが出ていたと気づいたのは今回が初めてだったが,本当に適材適所のキャスティングとはこれのことであった。改めてとなるが星★★★★★。後にリメイクされたものもそこそこ見られたが,こっちの方がはるかに優れた作品であることは言うまでもない。未見の方には一見をお勧めしたい。隠れた傑作とはこれのことだ。

2023年8月23日 (水)

「私を愛したスパイ」:Roger Mooreの007シリーズにしてはましな方か...。

The-spy-who-loved-me「私を愛したスパイ("The Spy Who Loved Me")」(’77,英,MGM/UA)

監督:Lewis Gilbert

出演:Roger Moore, Barbara Bach,Curt Jurgens,Richard Kiel, Caroline Munro, George Baker

Roger Mooreの007シリーズは評価しないと言いつつ,またAmazon Primeで見てしまったのがこの映画。シリーズ10作目ということで,気合いを入れて作ったということらしいが,海中シーンは「サンダーボール作戦」の焼き直しのようでもあるものの,英ソが協力して作戦に当たるってのがなかなかユニークなストーリーであった。

悪役を演じるのがCurt Jurgensであるが,この人はやっぱり「眼下の敵」だよなぁと思いつつ,ここでの役柄はさておき,老けてもカッコいい役者であった。この映画はソ連側のトップ・スパイ,トリプルX役を女優Barbara Bachが演じるというところも,まぁ時代の先取り感はあるものの,昨今の役者のように派手なアクションを演じる訳ではないのが70年代映画の限界か。その後,Barbara BachはRingo Starrのカミさんとなる訳だが,ボンド・ガールとしての魅力は,私としてはイマイチな感じがあったというのが正直なところ。

一方,007ものの仕掛けとしては,スキーあり,カーチェイスあり,潜水艦ありと,それはまぁいろいろ出てくる,出てくるってところだし,荒唐無稽さもありありで,まぁこれはちょっとやり過ぎではないかと思えるほどのサービスぶりであった。後の作品にも登場するRichard Kiel演じるJawsが初めて登場したのもこの映画であったしねぇ。砂漠のシーンに「アラビアのロレンス」の音楽をかぶせるのは悪乗りが過ぎるが...。

そうは言っても,まぁこれまでに私が見たRoger Mooreの007の作品よりはまだましというところで,星★★★☆としておこう。

2023年8月19日 (土)

休み中にAmazon Primeで見た「オクトパシー」。

Octopussy「007/オクトパシー("Octopussy")」(’83,英,United Artists/MGM)

監督:John Glen

出演:Roger Moore, Maud Adams, Louis Jourdan, Kristina Wayborn, Kabir Bedi, Steven Berkoff

お盆休み中も酷暑が続いていて,出掛ける気にもなれずということで,家でAmazon Primeで見たのがこの映画。007シリーズは好きでも,Roger Mooreの時代はどうも...と思っている私は,まだ見ていない作品もあって,これもそうした一本。

本作に出演したMaud Adamsは,「黄金銃を持つ男」にも出ていて,役柄は違うが,2回目の登場という珍しいパターン。私は「黄金銃を持つ男」ではBritt EcklandよりMaud Adamsの方がいいように書いているが,どうも役側が重くなったこの作品でのMaud Adamsにはイマイチ感が強かったのはちょっと不思議な気がしたが,この映画ではそんなに別嬪とも思えずってのが正直なところであった。

それはさておき,Roger Mooreが出ているこのシリーズはコミカルな要素が強いのが特徴であるが,本作ではそうした要素は控えめながら,インドにおける追跡シーンのドタバタ感はやはり...って感じで,なんだかなぁってところである。「ターザン」をパロっているのもあまりに無意味だろう。ストーリーもあまり面白みがなく,スパイ映画としてはどうもねぇって感じだったのも残念。気楽に見られるのはいいのだが,やはり私はRoger Mooreの007シリーズの作品は評価できないなぁ。星★★☆。

2023年8月15日 (火)

William Friedkinを偲んで「フレンチ・コネクション」を改めて見た。

French-connection 「フレンチ・コネクション ("The French Connection")」(’71,米,Fox)

監督:William Friedkin

出演:Gene Hackman, Fernando Rey, Roy Scheider, Marcel Bozzuffi, Tony Lo Bianco

先日,この世を去ったWilliam Friedkinを偲んで,改めてこの映画をDVDで見た。何度か見ているので,ストーリーはお馴染みであるが,この映画の凄いところは,ほぼ全編をロケーションで撮影してしまったことだと思う。そうした中で,アクション,特にカーチェイス(と言っても追い掛けるのは地上を走る地下鉄車両だが)は極めてレベルが高く,そうした点でこの映画は実に優れた映画だと思ってしまった。

今から半世紀以上前のNYCの風景は,現在とはだいぶ異なるものではあるが,往時のNYCの街の姿をこれほどヴィヴィッドに捉えた映画はないだろうと思ってしまう。そうした意味での「演出」はWilliam Friedkinの手腕や功績と評価したくなってしまった。もちろん,オスカーも獲ったGene Hackmanはじめ,役者陣も素晴らしいが,やはりここはWilliam Friedkinを立てるべきものだと思ってしまった。

William Friedkinを偲ぶのに最適な傑作映画であった。星★★★★★。

正直言って「エクソシスト」をストリーミングで見てもよかったのだが,私は肝っ玉が小さいこともあって,ホラーが嫌いなので,やっぱりこっちにしたのであった(苦笑)。まぁ,正解だとは思うが。

#WilliamFriedkin #TheFrenchConnection

より以前の記事一覧

Amazon検索ツール

2022年のおすすめ作