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カテゴリー「ポップス」の記事

2025年1月31日 (金)

笠井紀美子の"TOKYO SPECIAL":昨今ならシティ・ポップって言われるのか...。

_20250128_0001 "TOKYO SPECIAL" 笠井紀美子(CBS Sony)

私が保有している笠井紀美子の2枚のうちの1枚。もう1枚はHerbie Hancockと作った"Butterfly"だが,この違いの大きさに戸惑うと言ってもよいかもしれない。

このアルバムを廉価盤で確か中古で購入したのは,冒頭の「バイブレーション」が印象に残っていたから。何かのCMに使われていたと記憶していたが,今回よくよく見たら山下達郎が書いた曲だったのねぇ。基本的にはこのアルバムの書き下ろし曲は少なくて,多くがカヴァー曲だってのも知らなかった。そこに安井かずみが詞を乗せた訳だが,元々が英語詞で書かれていた曲に日本語詞を乗せているところもあって,どうも違和感がある曲があるのも事実。特に矢野顕子が元々リンダ・キャリエールに書いた"Laid Back Mad or Mellow”に日本語詞を当てた「待ってて」が特に居心地が悪い。

それはさておき,基本的に当時のコルゲン・バンドをバックに歌う笠井紀美子の歌は,ポップでありながらジャズ的なセンスが微妙に残っていると言っても,ポップさの方が勝っていて,これが笠井紀美子にフィットしていたかと言うとそこは疑問だ。そうした中でフュージョン・ライクなノリを示すタイトル・トラックが一番の聞きものって気がする。ヒノテルのソロもカッコいいこの曲を書いた森士郎って,中村照夫のライジング・サンにいたなんてことも今更知る私であった。

本作をリリースしたのが本人の意思だったかどうかはわからないが,私は圧倒的に"Butterfly"の方を支持してしまうタイプだ。それはこのアルバムと"Butterfly"のプレイバック回数の違いを考えなくても明らか。むしろ鈴木宏昌のアレンジによるバッキングの方に耳が行ってしまうのであった。笠井紀美子が何でも歌えてしまうことは評価しつつも星★★★が精一杯。

面白かったのは「バイブレーション」のサビの歌いっぷりが矢野顕子みたいだったことだ。キャリア的には笠井紀美子の方が先輩だろうから,矢野顕子が影響されているのかとも感じたが,矢野顕子のことだから多分そんなことはあるまい。

Personnel: 笠井紀美子(vo), 鈴木宏昌(key), 松木恒秀(g),岡沢章(b),市原康(ds),山口真文(ts,ss),穴井忠臣(perc),日野皓正(tp),鈴木勲(b),村岡建(ts,ss),羽鳥幸次(tp, fl-h),数原晋(tp),新井英治(tb),福井恵子(harp),大野忠昭グループ(strings),伊集加代子(vo),尾形道子(vo),和田夏代子(vo)

本作へのリンクはこちら

2025年1月25日 (土)

今年最初のライブはCatpack@Blue Note東京。

Catpack-at-blue-note 今年最初のライブとなったのがCatpackであった。このバンド,Moonchlidにも参加するAmber Navranの新プロジェクトである。私はMoonchildのメロウ・グルーブがかなり好きなのだが,ライブに参戦する機会を逃していたこともあって,今回の来日情報を入手して,即参戦を決意したのであった。

アルバムは出したと言っても,ミニ・アルバムのEPみたいなものであり,メンツ的にも客入りはどうなんだろうと正直なところ思っていたが,行ってみれば,ほとんどフルハウスではないか。こんな人気があったのかと思いつつ,Amber Navranがライブの途中で「日本大好き~」と日本語で叫びたくなるのも納得できるノリのよさを聴衆も示していた。

このバンドはAmber Navranの新プロジェクトと言うよりも,メンバーの三者が対等な関係性のもとに演奏をしていたように感じるライブであったが,コントロール役を担っていたのは間違いなく数々のキーボードを操ったJacob Mannだったはずである。

そこにAmber NavranとPhil Beaudreauのヴォーカルと楽器が加わるのだが,Amber Navranのウイスパー・ヴォイスはここでも期待通りながら,私が感心したのがPhil Beaudreauの歌のうまさであった。しかもこの人,声が魅力的だし,トランペットの技量も大したものであった。ギターの音はあまりよく聞こえなかったのだが,それがPAのせいなのか,私の難聴のせいなのかはわからない。しかしラッパの音はミュートでもオープンであっても魅力的な音を出していた。Amber Navranは歌う以外はフルートに徹していたと思うが,シンセ・ベースにはちょこっと触った程度のように見えた。この人のフルートも技量は十分というところで,多才な人たちだと思った次第だ。

_20250124_0001

Moonchildに比べると,メロウ度は低く,よりビートが効いていたのは,サポート・メンバーであるEfajemue Etoroma, Jr.のタイトなドラミングゆえというところもあるかもしれないが,Jacob Mannのキーボード・ワークがより強いグルーブ感を打ち出していたからだと思えた。プログラムはミニ・アルバムの内容を拡大したかたちというところで,アンコール含めて約75分の演奏は十分に楽しめた。

Catpack-and-i-mosaic 演奏後にはサイン会をやっていたものだから,ついつい気分の良さも加わって,ミニ・アルバムも購入し,サインをゲットしたが,彼らの写真撮影にも気楽に応じるところにはこの人たちのファンを大切にする姿勢が感じられて,非常に好感が持てるものであった。メンバー3人ともちらっと話したのだが,Amber Navranによれば,Moonchildの新作に取り掛かっているらしいから,そちらも楽しみにしておこう。ということで,当日の戦利品と彼らとの写真(いつも通りモザイク付き)もアップしておこう。見て頂けばわかるが,笑顔が素敵な面々であった。

Live at Blue Note東京 on January 23, 2025 2ndセット

Personnel: Amber Navran(vo, fl, synth b), Jacob Mann(key), Phil Beaudreau(tp, g, vo), Efajemue Etoroma, Jr.(ds)

2025年1月23日 (木)

これも久しぶりに聞いたAmericaのベスト盤。

_20250121_0001 "The Complete Greatest Hits" America(Warner Brothers/Rhino)

久しぶりにこのアルバムを聞いた。私はAmericaというバンドに思い入れはないのでベスト盤で十分なのだが,私が彼らの音楽に惹かれた契機は"Ventura Highway"だったように思う。あるいは"Sister Golden Hair"だったか。いや,やっぱり"Ventura Highway"だ。子供心にこの曲のメロディ・ラインが魅力的だったのだ。このベスト盤を買ったのも"Ventura Highway"が聞きたかったからと言っても過言ではない。

それでもって改めて聞いてみると,端からわかっていることではあるが,曲にしてもコーラス・ワークにしても,明らかにCSN&Y的であった。ただ,Americaの場合はより西海岸的な軽快さと言うか,爽やかさが強い感じがあって,そちらのサウンド指向がより明確であるから,おそらくはこの調子では飽きられるのも早かったのではないかと思える。デビュー・シングルとアルバムが売れて,2枚目もそこそこ売れたものの,3枚目が大して売れずってのも納得なのだ。

4枚目のアルバムでGeorge Martinをプロデューサーに迎えて起死回生を図り,5枚目の"Hearts"所収の”Sister Golden Hair"で盛り返したものの,その辺りまでがAmericaというバンドの人気が維持されていたことになるだろう。それが82年になって,いきなり"You Can Do Magic"がヒットしてカムバックみたいな感じになるのだが,この頃になると完全にAOR化したって感じだろう。これは長年のファンに響いたってより,新たなファン層を開拓したってことになるだろうが,その後はアルバム・ジャケも完全AORじゃんって感じになっていくのも面白い。

まぁ本作はベスト・アルバムだから,それなりの曲が揃っているとは言え,クォリティにはばらつきがあると感じさせるのが否定できない。それでも一時代を築いたバンドの軌跡を手軽に知るには丁度いいって感じだろう。星★★★☆。

Personnel: America<Gerry Buckley(vo, key, g, b, hca), Dewey Bunnel(vo, g), Dan Peek(vo, g, b, key, hca)>

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2025年1月 6日 (月)

ブラックホーク99選に選ばれている日本人の作品を改めて聞く。

99

私をSSWやアメリカン・ロックの世界に誘うガイドとなったのが「ブラックホークの99選」だったということは,何度もこのブログに書いてきたが,その99選に選ばれた日本人の作品4枚については一切触れたことがない。荒井由実の「ひこうき雲」はさておき,選出されているあがた森魚も岡林信康も雪村いづみも,それらのアルバムは聞いたこともなかったからだ。しかしストリーミングで聞けるものは聞けばいいが,岡林信康の「金色のライオン」だけはストリーミングで聞けないということもあり,何を血迷ったか(笑),これらのアルバムをまとめて購入したのであった。

これらのアルバムにはあがた森魚と岡林信康が松本隆プロデュース,荒井由実と雪村いづみがキャラメル・ママが伴奏という共通点があることを今更ながら知った私であった。結局のところははっぴいえんど関係者の関与ってことになる。それぞれのアルバムにはそれぞれの面白さがあるとは思うのだが,私としては私が抱いているブラックホークの99選の,特にアメリカ系のアルバム群とはどうもテイストの違いを感じてしまって,少々戸惑ったというのが正直なところだ。これが当時のブラックホークの客にどう捉えられていたのかは非常に興味深いが,「ひこうき雲」以外の3枚で,私が一番面白いと思ったのはあがた森魚の「噫無常」かもしれないな。

しかし,改めてこれらのアルバムを聞いていると,やはり私の音楽に関するアメリカ指向の強さを改めて感じたというのが正直なところ。これもまぁ勉強だ(笑)。

2024年12月 8日 (日)

EBTGのベスト盤(?)は何組もあって大変だ(笑)。

_20241206_0001 "Like the Deserts Miss the Rain" Everything but the Girl"(Virgin)

私が長年のEverything but the Girl(EBTG)のファンであることは,このブログにも何度も書いているが,彼らのベスト盤もいくつかあって,一番網羅的なのはRhinoから出た3枚組ベスト盤だと思う。だが,このアルバムのようにレア音源も入れられるとついつい買ってしまうというのがファンの哀しい性ってところか。しかし,本作はベスト盤と言うよりも,よくできたコンピレーションと呼ぶ方が正しいように思う。

本作はキャリアを俯瞰しているふりをしつつも,Massive AttackにTracy Thornが客演した"Protection"とか,諸々のレア音源を収録していしまうところがファンにとっては気が利いていると思わせる(笑)。一時期彼らの活動が沈静化している時,Ben WattはDJ仕事に精を出していただけに,EBTGにはリミックス音源集も存在する中,本作にもいくつかリミックス音源は含まれているが,このアルバムのいいところは本質的なEBTGの音楽を崩さないレベルで保たれていることではないか。つまりコンパイラーの趣味の良さだ。本作のクレジットにはプロデューサーの名前も,コンパイラーの名前も見つけることはできないが,おそらくこれはBen Wattの仕事だろうと思いたい。わかってるねぇって感じなのだ。

私がEBTGの音楽に求める感覚が満遍なく得られるということで,これはコンパクトな作りながら,「ベスト盤」とは言いにくいところもあるが,実によくできたコンピレーションである。ここを入口にしてEBTGの音楽に接するのもありだと思わせるのがいいよねぇ。この音楽が嫌いという人はなかなかいないと思うが,そういう人とは私は話が合わないこと必定(きっぱり)。

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2024年12月 2日 (月)

Deacon Blueの新譜は来年3月リリース。

The_great_western_road 私はこのブログでも何度もDeacon Blueのアルバムを取り上げてきて,大概の場合,非常に高く評価してきた。相当好きなバンドと言ってもよい。2020年にリリースされた"City of Love"はイマイチだったという評価だが,基本的には裏切られることのないバンドであり,Ricky Rossの優れたポップ・センスは私の琴線を刺激してやまない。だが,2021年に出た"Riding on the Tide of Love"は記事にすらしていないのだから,私もいい加減なものだが,まぁあれは"City of Love"の続編的な意味合いがあったってことにしておこう。

そんな彼らの新作"The Great Western Road"が来年3月にリリースとのことで,早速事前予約してしまった私である。まだまだリリースは先だが,優れた出来を期待して,首を長くして待ちたい。

2024年11月14日 (木)

Quincy Jonesの業績をA&M時代のベスト盤で振り返る。

_20241112_0001 "Greatest Hits" Quincy Jones (A&M)

Quincy Jonesがリーダーとしてリリースしたアルバムで,最もヒットしたのはA&Mレーベル時代だったろうと思う。リーダーとしての彼の業績を振り返るなら,4枚組ボックス・セットのDisc 4の方がその後のアルバムも含んでいるので,本来ならそっちを聞いてもよかったのだが,私としてはこちらの方が馴染み深いということもあってのチョイスとなった。

A&Mにはベスト盤を除いて"Walking in Space"から"The Dude(「愛のコリーダ」)"まで10枚のリーダー作があって,それらのアルバムから満遍なく選曲したのがこのベスト盤である。これが日本編集なら"Ironside"が絶対入っていただろうと思わせるが,その辺に彼我の嗜好もしくは指向の違いがあるように感じられて面白い。

Quincy Jonesはジャズ・ミュージシャンとしてキャリアをスタートしているから,ジャズのイメージが強いかもしれないが,このアルバムを聴いていると,早い時期から様々な音楽の要素を取り入れていて,元祖フュージョンみたいなところを強く感じた。そしてQuincy Jonesのアルバムの特徴としてはヴォーカリストの上手い使い方があると思える。インストに留まらないヴォーカルの付加は,確実に音楽の幅を広げたと思えるし,それがこの人のプロデュースの優れたところであった。Leon WareとかBenard Ighnerなんかを使ってしまうセンスそのものが,Quincy Jonesを偉人たらしめた要因だと思ってしまった。

そして後期のアルバムにおけるJames Ingramの登用によって,ポップ・センスは更に上がって,これは売れるよなぁと感心してしまうのであった。最後を飾る"Just Once"はやはり名曲中の名曲である。

このベスト盤を聞いていると,あれがない,これがないと言いたくなる部分もあるが,それでも十分楽しめるベスト盤であり,A&M時代の業績を振り返るには丁度よかった。面白かったのは初期から中期のアルバムにはRay Brownが共同プロデューサーとしてクレジットされていることであった。本作の冒頭の"Killer Joe"でも野太いベースを聞かせるRay Brownだが,Quincy Jonesとのつながりは相当深かったということを今更知った私である。

2024年10月22日 (火)

さよならツアーでワールド・ツアー中のCyndi Lauperのカヴァー曲集。

_20241016_0001 "At Last" Cyndi Lauper (Epic)

ツアーからの引退を発表し,現在ワールド・ツアー中のCyndi Lauperである。来年の春先には日本にもやって来る予定だが,そんなこともあって,このアルバムを久しぶりに聞いてみた。Cyndi Lauperと言えば,私の年代はどうしても"She's So Unusual"のイメージが強いが,その後もPhil Collinsもカヴァーした"True Colors"のような名曲もものにしているし,Miles Davisが"Time After Time"を取り上げたことも印象深い。しかし,その後の活動やアルバムについては全く関知していなかったところに,このアルバムを購入した理由も全く記憶の彼方だ。多分,彼女によるカヴァー曲集ということもあって関心を抱いたのではなかろうか。

"She’s So Unusual"や"We Are the World"でのCyndi Lauperのイメージからすると,随分落ち着いたなぁというのが改めての感覚である。ライナーにも本人が書いているが,ここで歌っているのはCyndi Lauperが成長の過程で触れてきた音楽であり,カヴァー曲集と言っても,ある意味懐メロ集と言ってもよいものだ。もちろん,歌の上手さには定評のあるCyndi Lauperであるから,何を歌っても上手いものだと思わせる。

選曲はソウル畑の曲が中心ながら,面白いのがシャンソンが2曲含まれていることだ。それも「バラ色の人生(La Vie En Rose")」,「行かないで("If You Go Away"もしくは"Ne Me Quitte Pas")」という鉄板の選曲だ。そういう年代なんだよなぁと感じてしまうが,ほかの曲も含めてのしっとり感は大したものだ。"Makin’ Whoopee"ではTony Bennettとのデュエットを聞かせるが,このTony Bennettの歌いっぷりが素晴らしく,ナイスなコンビネーションであった。

こういうアルバムは偏にCyndi Lauperの歌の上手さで成り立つもので,たまに聞くにはいいアルバムということで,星★★★☆。

Personnel: Cyndi Lauper(vo), Steve Gaboury(p, key, org, melodica), Rob Mathes(key), Lee Musker(p), Rob Hyman(org), Kat Dyson(g, vo), Gray Sargent(g), Ben Street(b), Bill Wittman(b), Larry Grazener(b), Paul Langosch(b), Sammy Merendino(ds), Clayton Cameron(ds), Steve Jordan(ds), Sheila E(perc), Caalto Soto(perc), Stevie Wonder(hca), John Walsh(tp), Dan Reagan(tb), Mitch Frohman(ts, bs), Ronnie Cuber(b-cl), Aaron Heck(fl), Allison Cornell(vln, vla), Mark Stewart(cello), Carol Emanuel(harp), with Orchestra

本作へのリンクはこちら

2024年9月 8日 (日)

追悼,Sergio Mendes。

Sergio-mendes

Sergio Mendesが亡くなった。オーセンティックなブラジル音楽と言うよりも,よりポピュラーなかたちでブラジル音楽を世に広めたという意味で大きな足跡を残したと言っていい人であった。Sergio Mendes版の"Mas Que Nada"(曲を書いたのはJorge Benだ)は誰もが知っているだろうし,その音楽はレコードやCDでなくても,様々なメディアを通して聞く機会が多かったはずだ。

Sergio-mendes-timeless過去の演奏に加えて,私が驚いたのは2006年に出た"Timeless"であった。will i amをプロデューサーに迎え,ヒップホップ系も含めて,多彩なゲストを迎えて制作され,ブラジル音楽を現代風に再構築したこのアルバムの面白さ,あるいは進取の精神を失わないSergio Mendesに驚かされたのも懐かしい。そして,ここに収められたJohn Legendが歌った"Please Baby Don't"は,私がJohn Legendに痺れるきっかけとなったと言っても過言ではないのだ。そうした意味でも意義深い作品であった。

昨今,彼の音楽をフォローしていなかった私ではあるが,いずれにしても,さまざまな意味でブラジル音楽,ポピュラー音楽への貢献度の大きい人であったと思う。

R.I.P.

2024年8月29日 (木)

Netflixで観た「ポップスが最高に輝いた夜」:懐かしの"We Are the World"の裏側。

The-greatest-night-in-pop 「ポップスが最高に輝いた夜 ("The Greatest Night in Pop")」(’04,米,Netflix)

監督:Bao Nguyen

出演:Lionel Richie, Quincy Jones, Bruce Springsteen, Cyndi Lauper, Huey Lewis, Dionne Warwick And Many More

私たちの年代にとっては,"Do They Know It’s Christmas?"を契機とするチャリティ音楽,イベントはリアルタイムで触れているので実に懐かしい訳だが,英国発の"Do They Know It’s Christmas?"に触発されて,米国側で対応したのが"USA for Africa"であった。そこに参加したミュージシャンはロック,ポップ,ソウルの垣根を越えたまさにキラ星と言ってよい面々が揃っていた。このドキュメンタリーはその裏側を描いたものだが,Lionel RichieとMichael Jacksonがここに描かれているレベルで関わっていたとは露知らなかった。

あの"We Are the World"が一晩で制作されたというのも驚きだが,そこに集ったミュージシャンのキャラが見え隠れするのも面白かった。私にとって一番面白かったのはBob Dylan。Bob Dylanが参加したことも意外だったのだが,あのソロ・パートの制作過程が面白いのだ。あとは結局現場に来なかったPrinceの代役に指名されたHuey Lewisの緊張っぷりや,Princeのだしに使われたと感じて,結局途中で帰ってしまったShiela E.の逸話にもへぇ~となってしまった。

これを以て「ポップスが最高に輝いた夜」とするのはいかがなものかという気もするが,これだけのミュージシャンが無償で集ったという奇跡的なイベントであることは認めよう。そして往時を懐かしみながら,ここに登場するミュージシャンたちの姿を見ているだけで音楽ファンは相応に楽しめるだろう。Dan AykroydやLindsey Bucknghamもいたのか~なんて改めて思った次第。まぁアルバムのジャケをよくよく見れば,彼らの名前もちゃんと書いてあるのだが...(笑)。

以前中古でゲットした"USA for Africa"のアルバムを久しぶりに聞いてみようかな。"We Are the World"には参加しなかったPrinceがアルバムには"4 the Tears in Your Eyes"を寄せているからそういう気持ちはあったんだねぇ。

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