"Thrak":リリースからもう30年か...。
主題の通り,早いもので本作がリリースされてからもう30年だ。その30年の間にこのアルバムを何度プレイバックしたかは疑問で,結構体力的に充実していないと聞く気が起こらない。このアルバムと前段となった"Vroom"も同じようなものだ(苦笑)。本作では「ヌーヴォー・メタル」と言われたりもするヘヴィなサウンドが続くので,いくらロックが好きだと言っても,決して聞き易い音源だとは思わないが,この路線がこの後のKing Crimsonの音楽の端緒となったと思えば,相応の価値を認めないといけないアルバムではある。いずれにしても,これだけのヘヴィな音を生むためには,ツイン・トリオという6人編成が必要だったと思える。
振り返ってみれば,私は相応にKing Crimsonのアルバムをフォローしてきたつもりではいても,結局プレイバックという観点では"Larks' Tongues in Aspic"~"Red"期のアルバムに集中してしまうというのが実態だ。John Wettonの声が好きだったということもあるが,聞いていて一番私にはフィットする。もちろんライブも観に行った"Decipline"期のバンドだって悪くないし,このアルバム以降でもクォリティは高いと思ってはいても,正直あまり手が伸びない。それでも「最後の日本公演」には行ったし,相応のファンであるのだが,それなりに好き嫌いが出てきてしまうのは当然だ。
そんなKing Crimsonの音源は今でも次から次へと発掘,リリースされ続けているが,それらをすべて追うほどの熱烈さは私にはないとしても,Robert Frippが重ねてきた音楽的な変遷の一幕として本作は捉えたい。シンパシーを感じるところまではいかないが,アルバムとしての評価は星★★★★ぐらいでいいだろう。この後,クァルテット編成やProjeKt活動でいろいろな編成も試しつつ,最終的には3ドラムス編成としたRobert Frippが求める音楽の響きはこの辺りからだったのかもしれない。
Recorded between October and December 1994
Personnel: Robert Fripp(g, soundscape, melotron), Adrian Brew(g, vo), Tony Levin(b, vo), Trey Gunn(stick ,vo), Bill Bruford(ds, perc), Pat Mastelotto(ds,, perc)
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