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カテゴリー「ロック」の記事

2025年1月21日 (火)

"Thrak":リリースからもう30年か...。

Thrak "Thrak" King Crimson(Virgin)

主題の通り,早いもので本作がリリースされてからもう30年だ。その30年の間にこのアルバムを何度プレイバックしたかは疑問で,結構体力的に充実していないと聞く気が起こらない。このアルバムと前段となった"Vroom"も同じようなものだ(苦笑)。本作では「ヌーヴォー・メタル」と言われたりもするヘヴィなサウンドが続くので,いくらロックが好きだと言っても,決して聞き易い音源だとは思わないが,この路線がこの後のKing Crimsonの音楽の端緒となったと思えば,相応の価値を認めないといけないアルバムではある。いずれにしても,これだけのヘヴィな音を生むためには,ツイン・トリオという6人編成が必要だったと思える。

振り返ってみれば,私は相応にKing Crimsonのアルバムをフォローしてきたつもりではいても,結局プレイバックという観点では"Larks' Tongues in Aspic"~"Red"期のアルバムに集中してしまうというのが実態だ。John Wettonの声が好きだったということもあるが,聞いていて一番私にはフィットする。もちろんライブも観に行った"Decipline"期のバンドだって悪くないし,このアルバム以降でもクォリティは高いと思ってはいても,正直あまり手が伸びない。それでも「最後の日本公演」には行ったし,相応のファンであるのだが,それなりに好き嫌いが出てきてしまうのは当然だ。

そんなKing Crimsonの音源は今でも次から次へと発掘,リリースされ続けているが,それらをすべて追うほどの熱烈さは私にはないとしても,Robert Frippが重ねてきた音楽的な変遷の一幕として本作は捉えたい。シンパシーを感じるところまではいかないが,アルバムとしての評価は星★★★★ぐらいでいいだろう。この後,クァルテット編成やProjeKt活動でいろいろな編成も試しつつ,最終的には3ドラムス編成としたRobert Frippが求める音楽の響きはこの辺りからだったのかもしれない。

Recorded between October and December 1994

Personnel: Robert Fripp(g, soundscape, melotron), Adrian Brew(g, vo), Tony Levin(b, vo), Trey Gunn(stick ,vo), Bill Bruford(ds, perc), Pat Mastelotto(ds,, perc)

本作へのリンクはこちら

2025年1月13日 (月)

年末年始に見た映画(6):久しぶりにDVDで"Stop Making Sense"を見た

Stop-making-sense 「ストップ・メイキング・センス("Stop Making Sense")」(’84,米) 

監督:Jonathan Demme

出演:Talking Heads (David Byrne, Jerry Harrison, Tina Waymouth, Chris Frantz),Alex Weir, Berney Worrell, Steve Scales, Lynn Mabry, Ednah Holt

年末年始に見た映画はほぼストリーミング頼みだったが,この映画はDVDで見た。音は聞いていても,映像は久しぶりであったが,光と影をうまく使ったJonathan Demmeの演出もよいが,そもそもこのステージングを考えたDavid Byrneの勝利だと思った。「アメリカン・ユートピア」と言い,本作と言い,David Byrneのセンスには恐れ入るしかない。いずれにしてもロック史に残る素晴らしい映画なので,作品の評価としては文句なしの星★★★★★である。

それでもってこれをDVDで見た後,ストリーミングでもデジタル・リマスター版が見られるということで,冒頭の"Psycho Killer"だけ見てみたのだが,画質の違いがあまりにも歴然としていて,これは絶対デジタル・リマスター版で見るべきだと確信した。 DVD版だって,昔の映画館で見るような感じの画質は保たれているとは思いつつ,このテクノロジーを利用したデジタル・リマスターのパワーを感じざるをえなかった。この映像により,Jonathan Demmeの光と影を強調した演出が更に際立つと言ってよい。本来ならBlu-rayを買いたくなるところだが,ストリーミングでも十分な画質が担保されているから,それでもOKだと思う。いい時代になったものだ。

当面はデジタル・リマスター版をAmazon Primeで見られると思うので,そちらへのリンク貼り付けておこう(こちら)。

2024年12月28日 (土)

2024年の回顧:音楽編(その1:ジャズ以外)

2024-best-albums1

いよいよ年の瀬も押し詰まってきたので,今年の回顧も音楽編に突入である。今回はジャズ以外でよかったと思うアルバムを取り上げたいが,正直言って,新譜の購入枚数は減る一方なので,ストリーミングも利用しながら聞いた今年の新譜で私がよかったと思うものを挙げたい。最近はジャンルも越境している場合が多いので,どこまでをジャズ以外とするかは難しい。また,今年は発掘盤にいいものが多く,それを新譜として捉えていいのかは議論があるのを承知で,純粋新譜に発掘盤を交えて挙げることにしよう。

今年の前半で最も興奮させられたのがBrittany Howardの"What Now"であった。この人の作り出すサウンドは私の嗜好にばっちり合ってしまっており,今回も文句のつけようがないと思わされたナイスなアルバムであった。

そして,Brittany Howardとは全然音楽のタイプが異なるのに,私がずっぽしはまってしまったのが Arooj Aftabの"Night Reign"であった。彼女がVijay Iyer,Shahzad Ismailyと組んで作り上げた"Love in Exile"も昨年のベスト作の一枚に挙げた私だが,それを凌駕したと言ってもよい本作の魅力は,Arooj Aftabの声そのものだったと言いたい。

2月の来日公演も素晴らしかったMeshell Ndegeocelloの"No More Water: The Gospel of James Baldwin"も印象に残るアルバムであった。まぁ今回はコンセプト・アルバムと言ってよいものなので,彼女らしいファンク度は控えめではあるが,やはりこの人の作り出す音楽の質の高さが素晴らしい。ライブと併せて高く評価したい。

Laura Marlingも確実に期待に応えてくれる人だが,"Patterns in Repeat"にも裏切られることはなかった。パーソナルな響きの中で紡ぎ出されるメロディ・ラインが素晴らしい。ライブで観てみたい人だが,日本に来る様子がないのは残念だ。本作を聞きながらLaura Nyroの"Mother’s Spiritual"を思い出していた私であった。

発掘音源では何と言ってもJoni Mitchellである。Asylum後期の貴重な音源を集めた"Archives Volume 4: The Asylum Years (1976-1980)"こそ,今年最も私が興奮させられた音源だったと言っても過言ではない。マジでたまらない音源ばかりが収められたまさにお宝ボックスであった。

最後に現代音楽畑から,高橋アキの「佐藤聰明:橋」を挙げたい。リリースは23年なので,今年のベスト作と言うには遅きに失したのだが,昨年後半のリリースだったから,敢えてここにも挙げさせてもらう。

ということで,聞いたアルバムの枚数なんて知れたものなのだが,今年もいいアルバムに出会うことができたと思う。

2024年12月17日 (火)

2024年の回顧:ライブ編

Mw-trio-at-cotton-club_20241213185101

年の瀬も押し詰まってきたし,年内はもうライブに行く予定もないので,今年の回顧はライブから。私が今年行ったライブが全部で31本で,これは私の中ではこれまでの最高記録だと思う。月2本を超えるペースで通っていたのだから,結構行ってるねぇ。ジャズを中心にロック,クラシックと満遍なくライブに通ったという気がするが,どのライブもそれぞれに楽しめた記憶が残っていて,これは決定的な失敗だったというのがなかったのは実に嬉しい。

そんな中で今年のライブで最も感動したのはMarcin Wasilewski Trioであった。これで1stと2ndで曲を変えてくれていたら尚よかったが,私はCotton Clubで身じろぎもせずに彼らの演奏を聞き,そして感動していた。

正直言って2月にMeshell Ndegeocelloのライブを観た時には,もはや今年最高のライブはこれだろうと思っていたのを覆したMarcin Wasilewskiではあったが,だからと言ってMeshell Ndegeocelloのライブの素晴らしさも改めて強調しておかなければならない。実に素晴らしいメンツを揃えて,Meshell Ndegeocelloの創造力は尽きることがないと思わせた。

更にジャズ界の長老,Charles Lloydも年齢を感じさせない素晴らしい演奏を聞かせ,相変わらずの不老不死モードであったのが凄い。

クラシック界では何と言ってもBlomstedt/N響のシューベルトだった。特に「グレイト」が素晴らしかった。97歳のBlomstedtは一体いつまで振るのか?思ってしまいつつ,あれだけの素晴らしい演奏を引き出す力は,こちらも不老不死だ(笑)。

そのほかで印象に残るのがNik Bärtsch’s Ronin。音楽だけでなく,照明とも一体化したライブの雰囲気そのものが実に魅力的であった。そのほかにもMarisa Monteを観られたのも嬉しかったし,Daniil Trifonovの現代音楽づくしも面白かった。

ということで,来年はどれぐらいのライブに行けるかはわからないが,今年以上に楽しませてくれるライブを期待しつつ,本年を代表するライブとしてMarcin Wasilewskiのライブの模様を改めてアップしておく。

2024年12月11日 (水)

今でも現役のJourneyの真のブレイク作。

_20241207_0001 "Escape" Journey (Columbia)

今でも現役で活動を続けるJourneyである。私はJourneyのファンってほどではないのだが,ベスト盤やらライブ盤でその音楽には接してきた。だが,スタジオ・アルバム単体として購入したことがあるのは本作と"Frontiers"だけだから,その程度の聞き方だと思って頂ければよい。

元々JourneyはSantanaの残党と言ってよいNeal SchonとGreg Rolieが結成したバンドとして,初期はプログレ的なサウンドを聞かせていたのが,Steve Perryがヴォーカルとして加入したことによって,ポップでありながら,ハードなサウンドも聞かせるインダストリアル・ロック的なバンドに変貌を遂げた。そんなJourneyがチャート・アクション的に急速に伸びたのは前作"Departure"辺りだっただろうが,ついに本作で全米No.1を獲得し,真のブレイクを果たしたと言ってよい。この辺りの成功なくして,現在も続く活動はなかっただろう。

既に本作がリリースされてから40年以上の時間が経過しているが,私などの世代はほぼ同時代のバンドとして,懐かしいと思うのは当然だが,耳に馴染みがあるから,古臭いという気がしない。メロディアスな曲が多いのもこのアルバムの特徴だろう。アルバム最後に収められた"Open Arms"はMariah Careyまでカヴァーしちゃったしねぇ。こういう曲とハードなサウンドをうまくミックスしたものだと思えるが,このアルバムのプロモーション・ツアーでも来日して各地で演奏していたから,この当時には日本での人気も確立していたということになるだろう。

この頃のドラムスはSteve Smithだが,Journey脱退後はフュージョン畑に活動の軸足を移したことは衆知の通り。Steps Aheadで来日したのにも驚いたが,Vital Informationでのライブはカッコよかったし,更にはScott Henderson,Victor WootenとのVital Tech Toneでのハードなフュージョンなど,私はJourney時代より,そっちの活動との接点が多いというのが実態になっているが,ジャズ系のバックグラウンドを持つSteve SmithがどうしてJourneyに参加したのかはよくわからないが,何でも叩けてしまうということの裏返しで,実に多才な人だと思わせる。

あくまでも好みの問題にはなるが,正直言って私は,歌は無茶苦茶うまいが,Steve Perryの声にそれほど魅力を感じない部分もあって,Journeyにはまることはなかった。それでもこれは売れて当然という感じのアルバムだったと久しぶりに聞いて思った私である。星★★★★。

Personnel: Steve Perry(vo), N, Neal Schon(g, vo), Jonathan Cain(key, vo), Ross Valory(b, vo), Steve Smith(ds, perc)

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2024年12月 8日 (日)

EBTGのベスト盤(?)は何組もあって大変だ(笑)。

_20241206_0001 "Like the Deserts Miss the Rain" Everything but the Girl"(Virgin)

私が長年のEverything but the Girl(EBTG)のファンであることは,このブログにも何度も書いているが,彼らのベスト盤もいくつかあって,一番網羅的なのはRhinoから出た3枚組ベスト盤だと思う。だが,このアルバムのようにレア音源も入れられるとついつい買ってしまうというのがファンの哀しい性ってところか。しかし,本作はベスト盤と言うよりも,よくできたコンピレーションと呼ぶ方が正しいように思う。

本作はキャリアを俯瞰しているふりをしつつも,Massive AttackにTracy Thornが客演した"Protection"とか,諸々のレア音源を収録していしまうところがファンにとっては気が利いていると思わせる(笑)。一時期彼らの活動が沈静化している時,Ben WattはDJ仕事に精を出していただけに,EBTGにはリミックス音源集も存在する中,本作にもいくつかリミックス音源は含まれているが,このアルバムのいいところは本質的なEBTGの音楽を崩さないレベルで保たれていることではないか。つまりコンパイラーの趣味の良さだ。本作のクレジットにはプロデューサーの名前も,コンパイラーの名前も見つけることはできないが,おそらくこれはBen Wattの仕事だろうと思いたい。わかってるねぇって感じなのだ。

私がEBTGの音楽に求める感覚が満遍なく得られるということで,これはコンパクトな作りながら,「ベスト盤」とは言いにくいところもあるが,実によくできたコンピレーションである。ここを入口にしてEBTGの音楽に接するのもありだと思わせるのがいいよねぇ。この音楽が嫌いという人はなかなかいないと思うが,そういう人とは私は話が合わないこと必定(きっぱり)。

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2024年12月 2日 (月)

Deacon Blueの新譜は来年3月リリース。

The_great_western_road 私はこのブログでも何度もDeacon Blueのアルバムを取り上げてきて,大概の場合,非常に高く評価してきた。相当好きなバンドと言ってもよい。2020年にリリースされた"City of Love"はイマイチだったという評価だが,基本的には裏切られることのないバンドであり,Ricky Rossの優れたポップ・センスは私の琴線を刺激してやまない。だが,2021年に出た"Riding on the Tide of Love"は記事にすらしていないのだから,私もいい加減なものだが,まぁあれは"City of Love"の続編的な意味合いがあったってことにしておこう。

そんな彼らの新作"The Great Western Road"が来年3月にリリースとのことで,早速事前予約してしまった私である。まだまだリリースは先だが,優れた出来を期待して,首を長くして待ちたい。

2024年11月24日 (日)

Bonnie Raittの2ndアルバム:これもブラックホーク99選だ。

_20241121_0001 "Give It Up" Bonnie Raitt (Warner Brothers)

私はこのアルバムを以前はアナログ・レコードで保有していたのだが,いつの間にやら中古で売り払ってしまったものの,やっぱり聞きたくなって改めてCDで買い直すというアホなパターンを繰り返したもの。

このアルバムはBonnie Raittの最高傑作とも言われるし,主題の通り,ブラックホークの99選の1枚でもある。リリース当時は決して売れた訳ではなく,後のCapitolレーベル移籍後の大ヒットなんて想像もできない時代のアルバムであった。久しぶりにこのアルバムを聞いて,何でこれを中古に出してしまったのかを考えた時,一部で聞かれるデキシーランドあるいはニューオリンズ・スタイルの伴奏が好みじゃないと感じたのではないかと思えた。だが,それは一部に限られていたのであって,私もまだまだ修行がたりなかったなんて思ってしまう。

例えばChris Smitherが書いたシンプルなブルーズである"Love Me Like a Man"なんて痺れるし,Jackson Browneの"Under the Fa,ily Sky"や最後を締める”Love Has No Pride"のようにナイスな選曲に満ちたアルバムであることに改めて気づく。そう言えば本作にも収められた"Too Long at the Fair"を書いたJoel Zossのアルバムも以前は持っていたが,売っちゃったなぁなんてことも思い出してしまうのだ。

プロデュースをしているのがMichael Cuscunaであるが,後にジャズ界で重要なポジションを占めることになるMichael Cuscunaはこの当時,Eric Justin Kazの大傑作"If You’re Lonely"もプロデュースしていたから,ウッドストック系のナイスなプロデューサーだったということになる。それもあって,このアルバムにもウッドストック系のミュージシャンが数多く参加していて,その筋の音楽ファンはクレジットを見ているだけで嬉しくなってしまうのだ。Amos Garrettも1曲だけ参加しているが,トロンボーンってのは...ではあるが。

私としてはやはり好みと好みでない曲が分かれるところはあるものの,やはりこれはよくできたアルバムであったという完全な温故知新モード。星★★★★☆。

Personnel: Bonnie Raitt(vo, g), Jack Viertel(g), John Hall(g, vo), T.J. Tindall(g), Kal David(g), Lou Terriciano(p), Eric Kaz(p, vib), Mark Jordan(p, vib), Merl Saunders(p), Dave Holland(b), Freebo(b, tuba), Chris Parker(ds), Wells Kely(ds, conga, vo), Dennis Whitted(ds), Paul Butterfield(harp), John Payne(ts, ss, cl), Marty Grebb(ts, as), Terry Eaton(ts), Peter Eckland(cor), Amos Garrett(tb), Gene Stashuk(cello), Jackie Lomax(vo), Tim Moore(vo)

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2024年11月15日 (金)

"Batteaux":そう言えばこういうのも保有していた。

_20241112_0002"Batteaux" Batteaux (Columbia)

先日,クロゼットにしまい込んであったCDをアルファベット順に並び替えて,随分整理ができたと思っている。そうすると,今まではクロゼットで全く整理されていなかったアルバムにも手が伸びる機会が増える訳だ。このアルバムも保有していたことは記憶にあっても,いかんせん奥まった場所にしまい込んでいたものだから,プレイバックするのはいつ以来かもわからない。そもそもなんでこのアルバムを購入する気になったのかも記憶が曖昧だが,このジャケだけは印象に残っていた。

これはRobinとDavid Batteauの兄弟バンドによる1973年の唯一のアルバム。フォーク的なサウンドで,CSN&Yのように感じさせる部分もあれば,少々ソウル的に響く曲もあるというアルバムだが,久しぶりに聞いてみると,これがなかなかよかった。メジャーのColumbiaから出ているのだから,それなりに期待も大きかったのではないかと思うが,商業的には成功したという話は聞いたことはない(きっぱり)。兄貴のRobin Batteauが参加したCompton and Batteauの"In California"は昔LPでリリースされたことは知っていても,聞いたことはなかったから,私にはこのアルバムを聞くまでは全く無縁の人たちであった。

だが,このアルバムを聞くとなかなかいい曲を書く人たちだったということはわかる。特に弟のDavid Batteauは職業作曲家として,いろんな人に曲を提供しているからそれも納得って感じだ。近いところではMadeleine Peyrouxにも曲を提供しているらしいから,へぇ~って感じだ。まぁ私が無知なだけだが...。

いずれにしても,このソフト・ロック的なサウンドは,リリースから半世紀を経た現在でも魅力的に響く部分もあり,いい温故知新となった。ちょいと甘めの星★★★★。

Personnel: David Batteau(vo, g, melodica, cello), Robin Batteau(vo, vln, g), Peter Freiberger(b), Doug McClaran(key), Andy Newmark(ds), John Guerin(ds), Milt Holland(perc), Tom Scott(fl, reed), Robin Lane(vo), Jackie Ward(vo), Sally Stevens(vo), Shelby Flint(vo)

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2024年11月 9日 (土)

ストリーミングで聞いたStephen Stillsのライブ盤。

Stephen-stills"Live at Berkeley 1971" Stephen Stills(Omnivore)

ストリーミングで音楽を聞いていると,こんな音源があったのかぁなんてことに気づいて,聞いてみようって気になることは結構ある。先日,CSN&Yの1969のライブ音源がリリースされたこともあって,この音源が推奨されたのかもしれないが,Stephen Stillsの1971年のライブが昨年発掘されていたようだ。

Stephen Stillsにはそのものずばり"Live"というライブ盤が存在する。私は大昔,そのアルバムをLPで保有していたが,どうもピンとこなくて,早々に売り払ってしまった。そのアルバムもアコースティックとエレクトリックのセットを収めたものだったと記憶しているが,圧倒的にアコースティック・セットの方がよかったと当時は感じていたはずだ。これは私がStephen Stillsのアコースティック・ギターの腕が素晴らしいと思っているからにほかならないが,この発掘音源ではバンド紹介を除けば14曲収録されているが,アコースティックが10曲なのが私としては嬉しかった。David Crosbyも2曲でゲスト参加しているのは想定内ではあっても付加価値としては認められる。まぁそうは言っても"Love the One You with"をJoe Lalaのパーカッションとのデュオでやるのはちょっとなぁ...という感じではあったりするが(笑)。

しかし,このアルバムのエレクトリックでの演奏にはMemphis Hornsが加わって,少々ソウルフルな味付けもあってなかなか面白かった。そんなこともあって,ついでに"Live"もストリーミングで聞いてみたのだが,以前ほど印象は悪くなかったのには笑ってしまった。「噂の男」とかを歌っていたことなんて完全に失念していたが,そうした印象の変化は私の加齢による経験値のアップによるものかもしれないし,まだまだ私も若造の頃と趣味も変わってきたということかもしれない。今聞くと,アコースティック・セットはそれほどいいってほどでもないしなぁ。まぁ当時はManasasやStillsのソロ・アルバムも聞いたことがなかったのだから,Stephen Stillsの魅力は"4 Way Street"からしか感じていなかったという状態では仕方あるまいってこともある。それでもStephen Stillsのソロ・アルバムで最も優れているのは1stだということからしても,この人のソロ・キャリアには限界があったとは思う。

こうした発掘音源に今どれほどの人が反応するかはわからないとしても,この手の音楽好きならばそこそこは楽しめるアルバムだと思う。

Recorded Live at the Berkeley Community Theater in Berkeley, CA, on August 20 and 21, 1971

Personnel: Stephen Stills(vo, g, p), Dallas Taylor(ds), Calvin "Fuzzy" Samuels(b), Paul Harris(key), Steve Fromholz(g), Joe Lala(perc) with Memphis Horns and David Crosby(vo)

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