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カテゴリー「ロック」の記事

2021年4月17日 (土)

これも久しぶりの「呪われた夜」。

One-of-these-nights"One of These Nights" Eagles(Asylum)

私はEaglesのアルバムは最近出たライブ盤は別にして,全て保有している(と言っても,ライブ盤も入れた当時のフル・ボックス・セットがその殆ど)ぐらいのファンと言ってもよいが,これまでこのブログで記事にしたのは"Long Road Out of Eden"を酷評したものぐらいである。Beatlesのことを書きにくいのと同様の「今更感」があるのは仕方がないところなのだ。しかし,今日は気まぐれで「呪われた夜」である。

このアルバムは次作にして最高傑作"Hotel California"への助走と言ってもよい作品だと思う。確実にそれまでのアルバムとは異なる雰囲気を冒頭のタイトル・トラックが醸し出しているからだが,このアルバムは私にとってはこの1曲が最も印象的であった。それまでのカントリー・ロック的なるものとは完全に一線を画したロック・フレイヴァーの強さが記憶に残っているし,この曲は本当にカッコいいと思った。

しかし,”Hotel California"に比べると,従来路線の感じも残っているのが特徴で,曲ごとの魅力には溢れるものの,ちょっとしたごった煮感も覚えるというのが正直なところなのが,このアルバムだろう。本作はBernie Leadonの最終作となったが,Leadonのバンジョーを活かした"Journey of the Sorcerer"なんて,全然雰囲気が違ってしまっていて,Bernie Leadonのやりたいことと,バンドの方向性が乖離していったことを明らかにしてしまっているとだって言えるのだ。"Lyin’ Eyes"も実にいい曲だと思うが,これだってタイトル・トラックとは異なる路線で,まだまだ一貫した方向性とはなっていなかったのである。

なので,今にして思えば,いいアルバムではあるのだが,言い換えればヴァラエティに富むとも言えるが,一方では何とも言えない中途半端さを感じる部分がある。もちろん,Eaglesにとって,本作がスタジアム級のバンドへの飛躍の原点になったことを思えば,重要なアルバムではあると思うが,"Hotel California"の完成度の高さに比べると,微妙な感じは残る。しかし,繰り返しになるが,曲は粒ぞろいであることは間違いない。Randy Meisnerにとっても,"Take It to the Limit"を生んだということで,意義はあったということで,半星オマケで星★★★★☆。

Personnel: Glenn Frey(vo, g, p. el-p, harmonium), Bernie Leadon(vo, g, banjo, mandolin), Don Felder(vo, g), Randy Meisner(vo, b), Don Henley(vo, ds, perc)

2021年4月15日 (木)

Robbie Dupree:懐かしいねぇ。

_20210411-3 "Robbie Dupree" Robbie Dupree(Elektra)

「ふたりだけの夜」である(笑)。完全に気まぐれで取り出したアルバムだが,まだ私のCDラックでは一軍半ぐらいの位置づけには留まっているのだ。このアルバムが出たのが1980年,"Steal Away"と”Hot Rod Hearts"が結構ヒットして,前者はそのリズム・フィギュアがDoobie Brothersの"What a Fool Believes"みたいだと思わせたのももう40年以上前。時の流れを感じさせずにいられない。

その後もRobbie Dupreeはアルバムをリリースしているようだが,言ってしまえば「一発屋」である。このアルバムこそがRobbie Dupreeのイメージであり,彼の音楽と言えばこれになってしまうというのが一般人の捉え方だろう。だが,この典型的なAOR的な響きは,同時代を過ごした人間としては実に懐かしい。今でもこのアルバムの魅力というのは,私たちの年代の人間にとっては色褪せないってことだと思う。

バックを支えるメンツにはそれほどメジャーな人の名前は見当たらない。敢えて言えばこれまた「一発屋」と言ってもよいBill LaBountyが参加しているのが面白い。まぁそれでも,結構よく出来たアルバムだったなぁと思えるぐらいの曲のクォリティを確保しているところは,Robbie Dupreeの名誉のために言っておきたい。当時はこういう感じのアルバムがそれこそ雨後の筍のごとく結構あったなぁと思いつつ,本作が今でもカタログにちゃんと残っているところは,このアルバムのよさの裏返しだろう。星★★★★。

Personnel: Robbie Dupree(vo, hca, perc), Bill Elliott(key), Bill LaBounty(key, vo), Michael Boddicker(synth), Robert Palmer(g), Brian Ray(g), Dennis Herring(g), Bob Bordy(g), Kal David(el-sitar, vo), Rick Chudakoff(b, key), Peter Bunetto(ds, perc), Miguel Rivera(perc), Alan Estes(perc), Jerry Peterson(sax), Leslie Smith(vo), Arno Lucas(vo), Matthew Weiner(vo), Joe Turana(vo)

2021年4月 2日 (金)

L.A. Getaway: 豪華なゲストも魅力の何ともカッコいいロック・アルバムである。

_20210324 "L.A. Getaway" Joel Scott Hill / John Barbata / Chris Ethridge(Atco)

このアルバムを聞いたのも実に久しぶりのことであったのだが,これほどカッコいいアルバムだったのか...と感じざるをえない作品である。私はブリティッシュ・ロックよりもアメリカン・ロックにより強いシンパシーを感じてきたと言ってもよいのだが,そんな私のツボにはまったサウンドと言えばいいだろう。とにかく,メインを張るJoel Scott Hillの声に痺れる。

L.A.と名前が付いているからと言って,ウエスト・コースト・サウンドを期待すると,これが全く違う。どちらかと言えば,スワンプ・ロックという感じのアーシーな感覚が強い。私は所謂ウエスト・コースト・サウンドも好みではあるのだが,ここで展開されるロックを聞いていれば,更に痺れるとしか言いようがないのだ。

Joel Scott Hillという人の消息はCanned Heatにも参加したということぐらいしかわかっていなくて,はっきりしないのだが,この一枚を残しただけで好き者の心はつかんでしまうという感じである。こういうのをちゃんと一軍にしていなかったことも反省して星★★★★★としてしまおう。それにしても凄いメンツだよねぇ。

Personnel: Joel Scott Hill (vo, g), Chris Ethridge(b, p, vo), John Barbata(ds), Clarence White(g), Sneaky Pete(g), Mac Rebennack(p), Spooner Oldham(p), Leon Russell(p), Larry Knetchel(otg), Booker T. Jones(org), John Sebastian(hca), Bobbye Hall Porter(perc), Robert Guseus(perc), Clydie King(vo), The Blackberries(vo)

2021年3月14日 (日)

怒涛のリリース・ラッシュの中でNeil Youngのライブ盤。

Neil-young-way-down "Way Down in the Rust Bucket" Neil Young with Crazy Horse (Reprise)

アーカイブ・シリーズを含め,どれだけアルバムをリリースするのよと言いたくなるような,兄貴ことNeil Youngである。そんなNeil Youngが"Godfather of Grunge"と呼ばれるようになって久しいが,その契機は"Ragged Glory"あたりだったはずである。私の記憶が確かならば,"Ragged Glory"はVillage Voiceで年間ベスト作品に選ばれていたはずだ。その一方で日本での評価って,今は全然違っても,当時はそれほど高くなかったようにも思える。グランジへの影響という観点から,日本では改めて評価が高まったって感じているのは私の誤解か?

span style="font-size: 12pt;">"Ragged Glory"と"Weld"によって爆音響かせるNeil Youngのその筋でのイメージが確立したが,今回リリースされたのは"Ragged Glory"リリース後のライブで,これは気になるということでの購入となったのだが,何を血迷ったか,私はLP+CD+DVDのデラックス・エディションを購入してしまった。何だか最近,こういう無駄遣いが増えているが,まぁいいやってことにしよう。狙いはDVDにしか入っていない"Cowgirl in the Sand"ななのだが,それにしてもやっぱり無駄遣いである(苦笑)。

出てくる音は,まさにこっちの期待するものであるが,完全にロックな兄貴である。こういうのは生で見るのが一番なのだが,あの時期を追体験することが重要ってことにしよう。私がNYCに滞在していた時期にも当たるが,その時のライブはEast RutherfordのMeadowlands Arenaでやっていたはずで,そこまで出掛けていくことはできなかった当時の私であった。だが,こうして当時の演奏を改めて耳にすると,やっぱりライブで見ておきたかったと思わせる。家人のいないときに爆音でプレイバックするのを楽しみにしよう。星★★★★☆。映像もそのうち見てみようと思う。

YouTubeに上がっているこの時の"Mansion on the Hill"の映像を貼り付けておこう。

Recorded Live at the Catalyst in Santa Cruz on November 13, 1990

Personnel: Neil Young(g, vo), Frank "Poncho" Sampedros(g, vo), Billy Talbot(b, vo), Ralph Molina(ds, vo)

2021年3月 3日 (水)

今更ながらなのだが,Beatles。

_20210228 "Please Please Me" The Beatles(Parlophone)

子供のころから洋楽を聞いてきて,Beatlesの曲にはほとんど触れてきているはずである。まだオーディオ・セットを保有していない頃には,FMでBeatlesの番組をやっていると,エア・チェックしまくって,知らない曲はないか?なんて思っていたぐらいだ。彼らの公式に発表された曲はかなりの割合でそうして聞いていたはずだ。どうしても放送されなかったのは"Revolution #9"ぐらいではないか(笑)。

それはそうなのだが,私がBeatlesのアルバムとしてちゃんと聞いてきたのは"Rubber Soul"以降なので,初期のアルバムは保有していても,実はちっとも聞いていないというのが現実なのだ。しかし,子供時代の努力の甲斐もあって,曲は全部知っている(笑)。

今後も私にとってBeatlesは"Rubber Soul"以降中心というのは変わらないとしても,やっぱりちゃんとアルバム単位で聞こうという気持ちもあり,今日は本作である。

とにかく懐かしいというか,初々しいというかって感じである。それでもおぉっ,こういうのもあったねぇなんて懐かしい気持ちになってしまったってのが正直なところである。まだ初期のアルバムなので,カヴァー曲も含まれているが,"Twist And Shout"なんてライブでも重要なレパートリーになっていたのだから,やはりこういうところからちゃんと聞かなきゃダメだよねぇなんて改めて思った私である。

でも,このアルバムでBeatlesというバンドの才能を今の私が感じるとすれば,"P.S. I Love You"のような気がする。こういう曲をものにしていたということが,単なるロック・バンドではないということのそもそもの証だと思えた。

それにしても,ほとんど歌えてしまったところに,私の人生に対する彼らの影響度の大きさを改めて思い知らされたなぁ。このブログではBeatlesの音源についてはほとんど触れていないというのが実態だが,これを機に振り返りモードもあるかもなぁ(笑)。

2021年1月22日 (金)

日本オリジナルのBoz Scaggsのバラッド・アルバム。沁みる。

_20210121"Fade into Light" Boz Scaggs(Virgin)

私は長年のBoz Scaggsのファンである。最初の出会いはやはり"Silk Degrees"な訳だが,その後のアルバムも結構買っているし,ライブにも行った。結局は好きなのだ。

そんな私のBoz Scaggs熱も一時は冷めていたのだが,このアルバムをストリーミングで聞いた時には本当に驚いた。実にいいのだ。これが日本での発売が初出で,米国で出たのはそれから10年近く経ってからだったというところに,当時のBoz Scaggsが置かれていたポジションがわかろうというものだが,日本がオリジナルであるから,米国では結構な高値で取引をされていたこともあるはずである。現在も廃盤のようなので,サイトによってはアホみたいな値段がついている。しかし,このアルバムの良さを確信していた私は,どうしてもこれが欲しいと思っていて,安いのが出ないかなぁと思っていたのだが,何のことはない。状態のいい中古品を送料込みで550円でゲットである。

そしてこのアルバムを改めてプレイバックしたのだが,私のこのアルバムに対して感じるよさは今回も続いていて,続けて3回プレイバックしてしまったのであった。このアルバム自体は企画アルバムであって,よく知られた曲を「アンプラグド」で演じていたりするし,ほぼバラッドで占められていると言ってもよいが,実にこれが心に沁みる。近年のアルバムでは渋さを増しているBoz Scaggsではあるが,この当時は王道のAORと言ってよい感じで,しかもほとんどがバラッドでは,ファンは絶対にしびれてしまうのだ。

再演しているのは"Lowdown","Harbor Lights",”We’re All Alone”に"Simone"であるが,そこに”Some Changes”からの曲や新曲(未発表曲?)が加わるという構成には微妙な部分もあるのは事実である。しかし,この曲の並び,あるいは演奏が一枚のアルバムとして,一貫性が保たれているように感じられるのが実にいいのだ。

もともとのBoz Scaggs好きの心に火をつけるには十分過ぎるアルバムとして,ファンは必聴と言ってよい。とにかくこれは実によかった。星★★★★☆。ファンは中古でもいいのでとにかく買いましょう(笑)。

Personnel: Boz Scaggs(vo, g, key, prog), Randy Kerber(p, key), Kevin Bents(p), Jay Winding(p), William "Smitty" Smith(org), Booker T. Jones(org), Michael Omartian(key), Fred Tackett(g), Robben Ford(g), Dave Carpenter(b), Neil Stubenhaus(b), Roscoe Beck(b), James "Hutch" Hutchinson(b), Nathan East(b), Curt Bisquera(ds, perc), Jim Keltner(ds), Ricky Fataar(ds, perc), Norbbert Stachel(sax), Lisa Frazier(vo), Kathy Merrick(vo), Michael Rodriguez(perc, prog)

2021年1月18日 (月)

Brad Mehldauが媒介となり,私がJoe Henryと出会ったアルバム。傑作。

_20210113 "Scar" Joe Henry(Mammoth)

私はシンガーとしてのJoe Henryのファンであり,プロデューサーとしてのJoe Henryのファンでもある。Joe Henry名義のアルバムには失望させられたことはないし,彼がプロデュースしたアルバムも,優れたものが多い(例外もあるが...)。私にとっては信頼できるミュージシャンの一人なのである。

そんな私がJoe Henryの音楽に初めて触れたのがこのアルバムなのだが,その契機となったのはこのアルバムにBrad Mehldauが参加していることにほかならない。今となってはJoe Henryのかなりのファンといってよい私ではあるが,彼の音楽に触れる機会を作ってくれたのはBrad Mehldauなのだ。

Brad MehldauがSSW系のアルバムにおいてどのような演奏をするかについては,大いに興味をそそられるところではあるが,本作のもう一つの大きなポイントがOrnette Colemanの参加である。全面参加ではないが,出てきた瞬間,おぉ~,Ornette!と叫んでしまいそうなサウンドである。どんな局面でも場をさらっていくOrnette Colemanという人の凄さを感じられるのも,このアルバムの魅力。

そして,このアルバム,プロデュースはJoe HenryとCraig Streetなのだ。このコンビで悪いものができるはずがないという鉄壁のプロデューサー陣という気がするが,OrnetteやBrad Mehldau以外のミュージシャンも凄い。そしてそうしたミュージシャンが自己主張は抑制しつつ,音楽づくりに貢献している姿は実に素晴らしい。

若干くぐもったような音場から出てくるJoe Henryのヴォイスを聞いて,これはBrad Mehldau抜きにしても買いだったなと思ったのが,もう20年前。それから幾星霜を経て,このアルバムも実は久しぶりに聞いたのだが,やっぱり共演者で一番強烈なのはOrnette。Lou Reedの"Raven"にしても,本作にしてもやはりOrnette Colemanの力は偉大だったと再確認させられる緊張感に満ちた傑作。最後に収められたタイトル・トラックの後,隠しトラックとしてOrnetteのアルトがむせぶのを聞き逃してはならない。喜んで星★★★★★。

Personnel: Joe Henry(vo, g, key, perc), Ornette Coleman(as), Brad Mehldau(p, org), Marc Ribot(g), Me’Shell Ndegéocello(b), David Pilch(b), Brian Blade(ds), Abe Laboriel, Jr.(ds), Bob Malach(reeds), Sandra Park(vln), Sharon Yamada(vln), Robert Rinehart(vla), Elizabeth Dyson(cello), Gene Moye(cello), Stacey Shames(harp), Eric Charleston(vib, perc), Steve Barber(arr)

2021年1月16日 (土)

久々に10CCを聞く。

_20210108 "Deceptive Bends" 10CC(Mercury)

10CCは,私がまだ中学生から高校生だった70年代中盤から後半に,その活動のピークを迎えていたというのが妥当な評価だと思う。本作に収録された"The Things We Do for Love(「愛ゆえに」である)"も結構はやったしなぁ。そんな記憶もあって,私が彼らのライブを見に行ったのが6年前(その時の記事はこちら)だが,曲のよさは変わらず,演奏も現役感たっぷりで,昔の名前で出ていますって感じではなかったのは実によかった。

そんな10CCの5枚目のアルバムである本作が出たのが1977年。私は完全に洋楽志向が固まっている高校1年の頃であった。私は彼らのMercuryレーベル時代のボックス,”Classic Album Selection: Five Albums 1975-78"の1枚として保有しているのだが,日頃はラックの奥に押し込まれており,このボックスを取り出すことも滅多にないが,そこは気まぐれである(笑)。そして久しぶりに聞いたらこれが実によかった。

このアルバムが当時注目された理由としては,バンドの片方のコアであったGodley & Cremeチームが脱退して初のアルバムだったからだろうが,2人が抜けたら5CCか?と揶揄されたとも言われる,残ったGouldman~Stewartチームは実にいい仕事をしたと思える作品である。このポップさと曲のクォリティは見事なもので,Godley &Cremeの脱退の影響は全然感じられないと言ってもよい。私は冒頭の"Good Morning Judge"からワクワクしてしまった。Gouldman~Stewartとしてもミュージシャンのプライドを掛けて制作したとさえ思いたくなるようなナイスなアルバムである。

オリジナルのアルバムの最後には3部構成の11分を越える"Feel the Benefit Part1-3"も収められていて,ポップでありながら,コンセプチュアルな感じも打ち出してしまうところが,バンドとしての質の高さを実証しているのも大したものだと思う。

私が保有しているボックス・セットは紙ジャケ・スタイルなのはいいのだが,ミュージシャンのクレジットとかが全くわからないが,Wikipediaによれば,このアルバムはGouldman~Stewartチームにドラマー,Paul Burgessを加えた3人で制作されているらしいが,実にレベル高く仕上げているのは立派なものである。星★★★★☆。

Personnel: Eric Stewart(vo, g, key, perc), Grahma Gouldman(vo, b, g, org, perc, autoharp), Paul Burgess(ds, perc), Del Newman(arr), Jean Alain Roussel(el-p, org), Tony Spath(p, oboe)

2021年1月15日 (金)

"Roger Tillison's Album":実に渋いねぇ。

Roger-tillison

"Roger Tillison’s Album" Roger Tillison(Atco)

昔から隠れた名盤と言われてきたこのアルバムを久しぶりに聞いた。そもそもLPでも所有しているのに,CDも持っている私である。そういうのはこれに限らず結構あるのだが,特にアメリカン・ロックの渋いところはそんな感じのものが多いのが特徴で,Guy Clark,Guthrie Thomas,Bobby Charles,David Blueとかがその類である。そもそもこれはLP再生環境があまり整っていなかった時期があったからなのだが,まぁ,無駄遣いと言えば無駄遣いである。

それはさておき,CD化の際はリマスタリング等が施されることが多いが,本作に関してはどうもLPから起こしたのではないかと思わせる程度のもので,これならLPで聞いていてもよかったかなって程度のものである。まぁ,中古で買ったはずだからいいのだが。

しかし,改めて聞けば聞くほど渋いアルバムで,こんなものまでCD化してしまうのは凄いと思うが,しかもそれが一度だけでなく,何度か出ているというのがこれまた凄いことである。やはりこの手の音楽には固定ファンが付いているということか。かく言う私もその類だが(爆)。それでも固定ファンがいても不思議ではない独特の魅力ってのがこの手の音楽にはあるのだ。

Jesse Ed Davisがプロデュースし,ギターでも参加した本作は,南部の香りが濃厚な,所謂スワンプ・ロックと言ってよい。冒頭のBob Dylan作"Down in the Flood"で飛び出すJesse Ed Davisのスライドも渋ければ,Roger Tillison自身の声も渋い。だからアメリカン・ロックはやめられれないと思ってしまうのだ。スワンプ風味が強くなるのはDon Nix作の"Yazoo City Jail"ってのも納得だが,B面最後に収められたStevie Wonderが書いた"Loving You Is Sweeter Than Ever"なんかにはポップな感覚すらあって,これもまたよしなのだ。そもそも"Loving You Is Sweeter Than Ever"はFour Topsをオリジナルとして様々なカヴァーがある佳曲である。The Band,Eric Clapton,はてはPhil Collinsも歌っているが,この曲の耳障りはほかの曲と若干違っていても,十分魅力的であった。

さすがにこのジャケでは売れないだろうと思うのは私だけではなかろうが,音楽的には本当によくできたアルバム。星★★★★☆。こんなサウンドのアルバムが西海岸録音ってのも実に面白いねぇ。

Recorded in October 1970

Personnel: Roger Tillison(vo, g), Jess Davis(g, banjo), Bobby Bruce(fiddle), Larry Knechtel(org, hca), Stan Szeleste(p), Billy Rich(b), Jim Keltner(ds), Sandy Konikoff(perc), Don Preston(vo), Joey Cooper(vo)

2021年1月 8日 (金)

ちょっと気分を変えてRick Robertsでも。

Windmills "Windmills" Rick Roberts(A&M)

年が明けてから,ジャズのアルバムばかり取り上げていたので,ちょっと気分転換に取り出したのがこのアルバム。と言っても,多くの人にとってはRick Robertsって誰?ってことになるのだろうが,Flying Britto Brothers~Firefallでヴォーカルと務めた人である。これである一定の年齢層以上の,特定の嗜好を持っている人ならわかるレベルだろうか。いずれにしても,カントリー・ロックというか,ちょっと軽い感じのアメリカン・ロックである。

このアルバムが出たのが1972年なのだが,注目すべきはRick Robertsには悪いがバックを支えるその後のビッグネームのメンツである。デビューして間もないEagles,デビュー前後のJackson Browne,更にはManasasの面々等,アメリカン・ロック好きなら反応してしまうメンツが集まっているのだ。

そこから出てくる音は,こちらが想像するものに極めて近いものであり,この手の音楽好きなら大体がはまるタイプの音が連続する。しかし,この購買意欲を全くと言っていいぐらい刺激しないジャケットのせいもあって,このアルバムが売れたって話は全く聞いたことがない(きっぱり)。しかし,この感じがいいのだ。アメリカン・ロック,あるいはカントリー・ロックってのはこういうものよって感じで,私の嗜好にはまるのだ。Manasasの面々がサポートするのは”Drunk &Dirty"1曲だけだが,明らかにその他の曲とテイストに違いが出るのも面白い。

それにしても,こんなものまでCDでリリースされたことがあるというのだから,日本というのはマジで凄い国だと思う私が保有しているのはジャケが若干傷んだLPだが,こういうのはCDで買い替えるようなものでもないと思うので,私は中古で買ったLPで十分。まぁそれでも結構好きなのだ,こういう音楽が。ジャズに傾斜するのと同じレベルで,アメリカン・ロック,あるいはシンガー・ソングライターにはまっていた私の趣味がバレバレになってしまうようなアルバムである。星★★★★。

Personnel: Rick Roberts(vo, g), Don Henley(ds, vo), Bernie Leadon(g, banjo, vo), Randy Meisner(b, vo), Jackson Browne(vo), Al Perkins(g), Chris Hillman(b), Dallas Taylor(ds), Joe Lala(perc), David Crosby(vo), Jane Getz(p, vo), Byron Birline(fiddle), Lee Sklar(b), Mike Utley(org), Marc Benno(g)

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