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カテゴリー「ロック」の記事

2020年2月22日 (土)

Bryan Ferryには悪いが,"Boys and Girls"でお口直し(爆)。

_20200220 "Boys and Girls" Bryan Ferry(Virgin)

昨日取り上げたRoyal Albert Hallのライブ音源がどうにも納得いっていない私である。なので,私の中でRoxy Musicを除いて,一番Bryan Ferryを想起しやすいアルバムを取り出してしまった。本作はBryan Ferryにとっても,唯一全英チャートのトップに輝いたものだ。やっぱりそうだよねぇって思ってしまう。

このアルバムを初めて聞いた時の記憶は今でもはっきりしている。それは今でも同じことを感じるのだが,Roxy Musicの最高傑作"Avalon"との同質性である。ここで聞かれるムードはまさしくまんま"Avalon"だと思ったのも懐かしい。ムードは"Avalon"だが,バックのミュージシャンが違うので,サウンドはよりタイトな感じだが,正直言って,このアルバムには相当痺れた私であった。その後のBryan Ferryのアルバムを私が基本的に買うようになったのは,やはり本作と"Avalon"によるところが大きい。そして,このアルバムのクレジットを見ていると,その参加ミュージシャンに目がクラクラすると思ってしまうのはBryan Ferryのその後のアルバム同様である。そうした中で,Marcus Millerのベースはすぐ彼とわかるなぁと思ったのも今から約35年前のことである。

改めて今回このアルバムを聞いてみて,LP時代,私が聞いていたのはA面ばかりだったのだなぁと思うぐらい,前半の曲が印象的。それでもこのムードがいいのよねぇと思いながら,久々にこのアルバムを聞いた私であった。やっぱり,Bryan Ferryはこの方が絶対にいいですわ。星★★★★。

Personnel: Bryan Ferry(vo, key), David Gilmour(g), Neil Hubbard(g), Chester Kamen(g), Mark Knopfler(g), Nile Rodgers(g), Keith Scott(g), Guy Fletcher(key), Jon Carin(key), Tony Levin(b), Neil Jason(b), Marcus Miller(b), Alan Spenner(b), Omar Hakim(ds), Andy Newmark(ds), Jimmy Maelen(perc), David Sanborn(as), Martin McCarrick(cell), Anne Stephenson(vln), Virginia Hewes(vo), Ednah Holt(vo), Fonzi Thornton(vo), Ruby Turner(vo), Alfa Anderson(vo), Michelle Cobbs(vo), Yanick Etienne(vo), Colleen Fitz-Charles(vo), Lisa Fitz-Charles(vo), Simone Fitz-Charles(vo)

2020年2月21日 (金)

突如登場したBryan Ferryの1974年のライブ・アルバム。

Bryan-ferry-live "Live at the Royal Albert Hall 1974" Bryan Ferry(BMG)

このアルバムのリリースが告知された時は驚いた。なぜ今頃になって1974年のライブ音源がリリースされるのか?と思っていた私である。しかし,昨年見たBryan Ferryのライブは実にスタイリッシュであったし,楽しめるものだったこともあり,そもそもBryan Ferryのアルバムを結構買っている私としては,今回も購入である。

いきなり"Symapathy for the Devil"で幕を開けるが,当たり前のことだが,Bryan Ferryの声が若々しい。ただ,ここで歌っている曲はロックンロールやらポップス系の曲が多いため,Bryan Ferryの声がどうも私には濃厚に過ぎるような気がしてしまう。ここに収められた曲,例えば"Baby I Don't Care"や"Don't Worry Baby",更には"Smoke Gets in Your Eyes"を歌うには強烈なクセを感じてしまうのだ。まぁ,このツアーはBryan Ferryにとって初のソロ・ツアーってこともあって,やりたいこともあったのだろうと思うのだが,どうも私がBryan Ferryに求める音とはちょっと違う気がする。

そういう感覚は,ここでバックを務めているメンバーにはPhil Manzaneraもいれば,Eddie JobsonやらJohn Wettonもいるし,更にはPaul Thompsonもいるのだから,違うサウンドも出せたのではないかと思ってしまう。Roxy Musicとは違うんだぜという感覚を打ち出したかったのだろうが,それを聞き手がどう受け止めるかってところだろう。ライブの場ではBryan Ferryもバンド・メンバーもブラック・タイで演奏していたようだから,そういうショーだったというのはわかる。でもやっぱり私が求めているBryan Ferryの音ではなかった。

なので,まずはストリーミングで聞いた時には,強烈に違和感があり,CDで聞いて多少は印象は改善したとしても,これは違うのだ。私が求めてしまうのはスタイリッシュ,あるいはもっとロックなサウンドであったということで,ちょっと残念なアルバムとなってしまった。星★★★。ストリーミングで確認する前に発注してしまった私のミスだな。これなら絶対"Viva! Roxy Music"の方が楽しめると言っておこう。

Recorded Live at the Royal Albert Hall on December 19, 1974

Personnel: Bryan Ferry(vo), John Porter(g), Phil Manzanera(g), Paul Thompson(ds), Vicki Brown(vo), Doreen Chanter(vo), Helen Chappell(vo), Jobson(p, vln), John Wetton(b), Paul Thompson(ds), Vicki Brown(vo), Doreen Chanter(vo), Helen Chappell(vo), Paul Thompson(ds), Vicki Brown(vo), Doreen Chanter(vo), Helen Chappell(vo), Peter Robinson(key), Mike Moran(key), Morris Pert(perc), Chris Mercer(ts), Jeff Daley(as), Ronnie Ross(bs), Paul Cosh(tp), Martin Drover(tp), Malcom Griffith(tb), Geoff Perkins(tb), Martyn Ford(orchestra direction)

2020年2月20日 (木)

リリースされて40年も経って,初めて聞いた”London Calling"。

London-calling "London Calling" The Clash(Columbia)

主題の通りである。ジャケットはロック史上最もカッコいいものの一つではないかと思いながら,私のパンク・ロック嫌いが災いして(笑),このアルバムをリリースされてから40年の間,一度も聞いたことがなかった。しかし,世の中では非常に高く評価されているアルバムで,いつか聞かねばとずっと思っていたが,40周年記念盤がリリースされたのを受けて,輸入盤は結構手頃な値段だったので,買ってきたものだ。

なんで私がパンクが嫌いだったかと言えば,私が好む音楽とは明らかに違うテイストについていけなかったからだと言ってもよい。私はパンク・ロックのアルバムはほとんど保有していないと思っているが,Patti Smithもパンクではないのか?と言われればそうかもしれない。しかし,私はPatti Smith教の信者ではあるものの,彼女の音楽をパンクと思ったことは実は一度もない。結局,いあゆるパンク・バンドが発する過剰なアナーキズムみたいなメッセージや,いかにもパンク的なサウンドが私の趣味ではないのだ(きっぱり)。そもそも日頃はジャズやら,渋いSSWを好んで聞いている人間にとってはパンクはある意味縁遠かったのだ。しかし,本作がリリースされた40年前と言えば,私もまだティーンエイジャーだったのだから,パンクの世界に引き込まれても不思議はなかったのだが,そうなることはなかった。

だが,改めてこのアルバムを初めて聞いてみると,今の私には普通のロックに聞こえる。そして,多様な音楽性を吸収した実に出来のいいロック・アルバムではないか。Clashも出自はパンクってことだったのかもしれないが,その懐はずっと深かったのだろうということを感じさせた。時代が彼らの普遍性を増幅させたって気がしないでもないが,それでもこれは実によくできたロック・アルバムだと思えた。そして繰り返しになるが,カッコいいジャケットである。リリースされて40年も経って,この魅力を理解する私もいい加減なものだが,これはほとんどエヴァーグリーンと言ってもよい。星★★★★★。今更ながらお見それ致しました。

Personnel: Mick Jones(vo, g), Joe Strummer(vo, g), Paul Simonon(b, vo), Topper Headon(ds, perc)

2020年2月15日 (土)

Jesse Frederick: こういうのまで再発される日本って凄いねぇ。

_20200211-2”Jesse Frederick" Jesse Frederick (Bearsville)

主題の通りである。こういうあまり知られていない作品がCDとして再発される日本って凄いなぁってつくづく思うが,実は私は本作がリリースされていたことも全然知らなかった。しかし,ある本を読んでいて,本作に触れた記事があって,よくよく調べたら日本でも出てんじゃん!ってことではあったのだが,もはや結構入手困難化していたようだ。まぁ,相当マイナーな作品であるから,プレスの枚数も少なかったのではないかと想像する。ってことで,中古で入手したものである。大したことはなかったが,それでも定価を上回る価格での購入となった。

このジャケットを見れば,まぁ売れるはずはないかって気もするが(笑),それでもその筋の聞き手にとってはそこそこ魅力的に響くはずだ。このアルバムはシンガー・ソングライターのアルバムとしては,結構ロック色が強い。どちらかと言えば,昨日取り上げたDonnie Frittsのような「ど渋い」シンガー・ソングライターを好む私としては,この人の声やサウンドはやや好みからはずれる部分があるのは事実である。このアルバムがある程度人の記憶に残るのは,Todd Rundgrenがリミックスに関わっていることもあるだろうが,それだけで買うリスナーはそれほど多くはないだろう。

正直言ってしまうと,これなら保有していなくてもいいかなぐらいのレベルのアルバムではあるが,でも聞いてみたかったんだもん(爆)ってことで,それはそれでよしとしよう。ところで,このアルバムのアレンジャーとしてはDavid Darlingの名前があるが,ECMからアルバムもリリースしたDavid Darlingなのか?このアルバムが録音されたのはNashvilleであるが,David DarlingもNashvilleをベースに活動していたはずだから,その可能性は高そうだ。David Darlingが録音された後にECMでリリースするアルバムを考えると,全然違う音楽だが,そうだとしたら実に面白い発見だと思った。星★★★☆。

Personnel: Jesse Frederick(vo, b), Wayne Watson(g), Jim Crawford(ds), Lindsay Lee(p), David Darling(arr) and Others

2019年12月27日 (金)

2019年の回顧:3回目はジャズ以外の音楽編。

ここ数年,ストリーミングを利用して,無条件に購入するミュージシャン以外の新譜は試聴してから買うようになって,新譜購入は激減し,旧譜も基本的にはストリーミングで済ませることにより,中古盤もめっきり購入することが減少した。よって,今年を回顧すると言っても,昔に比べると大した数の音源は買っていないから今年のベスト盤を選ぶというのも結構大変になってきた。しかし,恒例に従い,今年もまずはジャズ以外の音源からよかったものを選んでみたい。

このブログを見て頂いている方の中にはご承知の方もいらっしゃると思うが,ブログの右側に掲げている「おすすめ作」は私が★★★★☆以上を付けたアルバムなので,当然ベスト作もここから選ぶことになる。しかし,ここに挙げられているジャズ以外の音源のいかに少ないことかということで,ストリーミングで済ませて,購入に至っていないアルバムの多さの裏返しって気もする。

_20191105_20191227143101 そんな中で今年最もよいと思ったのがBrittany Howardの”Jamie”である。Alabama Shakesでのアルバムも素晴らしかったが,ソロになってもその魅力は変わらない。まだ結構若いのに実に優れた音楽性を聞かせてくれた。Alabama Shakesでの活動も期待したところではあるが,これならソロでも十分やっていけると思わせるに十分な傑作。実に素晴らしいアルバムであった。

_20190224 次の1枚は結構今年の序盤にリリースされたものなので,記憶が薄れつつあるが,Paula Santoro & Duo Tauficによる"Tudo Sera Como Antes"がブラジル音楽では実によかった。とか言いながら,ブラジル音楽もほとんど聞いていないのだが,Paula Santoroの声はやはり魅力的だし,このアルバムの選曲にはまいってしまった。ライブで見てみたい人である。

_20190324-2 そして,私が結構感動させられたのがJoni Mitchellの生誕75周年を祝うトリビュート・ライブは,出演したミュージシャンのJoni Mitchellへのリスペクト,シンパシーが強く感じられて,実に気持ちのよいアルバムとなった。全部が全部素晴らしいとは言えないのは事実なのだが,トリビュートってのはこういうものだと言いたくなるアルバム。追ってリリースされたDVDも必見。

発掘盤にもいいものが結構あったが,今年の「ザ・発掘」と言ってよいのはウッドストック・ボックスだろう。これは重量,価格ともに今年の一番であった(爆)。とか言いながら,まだTim Hardinしか聞いてないじゃん。しかし,発掘盤で最も楽しんだのはLinda Ronstadtのライブ盤だったかもしれないなぁ。

_20191222_20191229083701 <追補>と,この記事をアップしてから,年末になって聞いたJoe Henryのアルバム"The Gospel According to Water" を入れ忘れたことに気がついた私である。穏やかながら渋い感覚を表出するこのアルバム,地味ではあるが,実に素晴らしい。ここに改めて,今年のベスト作の1枚として追記しておきたい。

2019年12月17日 (火)

2019年の回顧(その1):ライブ編

Marcin-wasilewski

年内はもうライブに行く予定がないので,ちょっと早めだが今年1年を回顧するその第1回目はライブにしよう。

今年行ったライブの本数は20本(22セット)だと思う。昨年が24本だったからちょっと減ってはいるが,ほぼ同じペースだったと言ってよいだろう。9月以降3か月ほど仕事の関係でライブに行けなかったのが,本数減少の原因と言ってもよいが,Scott Hendersonが見られなかったのは返す返すも残念だった。ほとんどがライブ・ハウスでの演奏であったが,それぞれに記憶に残るものである中で,今年何と言っても早い時期に聞いたMarcin Wasilewski Trio(1/25@Cotton Club)の美的な感覚に本当に痺れさせられたと言ってよい。その時の記事に私は「深遠にして繊細,かつダイナミズムも持つ美学」とまで書いているが,あのライブを聞いた段階で,私は今年はこれが最高のライブになると確信していた。それほどの素晴らしいライブであった。彼らが前回来日した時は白寿ホールというヴェニューではあったが,オノセイゲンのしょうもないPAに台無しにされた記憶しかなかったが,その悪しき記憶を完全に払拭した完璧な演奏であった。

Marcin Wasilewski同様に私を感動させてくれたのがCharles Lloydである(9/4@Blue Note東京)。ライブで落涙したのは久しぶりのことであったが,Charles Lloydの衰えることのない創造力,そしてバンド・メンバー選定の審美眼には恐れ入ったと言わざるをえない。Gerald Claytonなんて見事なフィット感であった。

そして,我がアイドル,Brad Mehldauのトリオ(6/1@東京国際フォーラム・ホールC),そしてソロ(6/3@大手町よみうりホール)での2回のライブは,どちらも彼の魅力を十分に感じさせるものであって,本当にいいものを見せてもらったと思えるライブであった。

そのほかにもCamila Meza(9/9@Blue Note東京)やBryan Ferry(3/11@なんばハッチ),Chick Corea Trilogy(4/4@Blue Note東京)等も強く印象に残っているし,そのほかのライブも概ね満足の行くものであった。久しぶりに見た渡辺貞夫(8/7@Blue Note東京)の元気さは先日取り上げたライブ・アルバムの通りである。

但し,一部のライブにおいて明らかなPAの不調が感じられたのは残念だった。特にBlue Note東京はPat Metheny,Donny McCaslin,そしてLee Ritenourの演奏は,PAがよければ,評価も更に上がっていたと思えて仕方がない。今年の後半になってからは改善したのはよかったが,チャージが高いのだから,ちゃんとサウンド・チェックはやるべきだと思えた。

ということで,今年最高のライブの思い出を振り返るべく,ECMでアップしている映像を貼り付けておこう。

2019年12月 2日 (月)

凄いメンツが揃ったMarianne Faithfulのライブ盤。

_20191201-2 "Blazing Away" Marianne Faithful(Island)

私がNYCの在住中に購入したアルバム。本作が出たのが1990年だったが,何と渋くも強烈なアルバムなのかと思った記憶がある。

ライブ・レコーディングされたのはブルックリンにあるSt. Anne's Holy Trinity Churchという教会で,冒頭こそ荘厳な雰囲気さえ感じさせるが,そこから徐々にリズムが強化されていくここでの流れにはぞくぞくさせられた。なかなか個性的なアルバムなので,そんなにしょっちゅう聞くアルバムではないのだが,久しぶりに聞いてみて,キャスティングの妙も含めて,プロデューサーのHal Wilnerの慧眼というものを感じさせる出来であった。

タイトル・トラックのみがスタジオ録音という変則的なライブであるが,ここに集まったミュージシャンが今にしてみれば凄い。The BandのGarth HudsonがMarc Ribotと共演って誰が思いつくだろうか?彼らを含む超優秀なバックに支えられて歌うMarrianne Faithfulの声は,ある意味ダミ声のような感じで好き嫌いはわかれるかもしれないが,これはヴォーカルと演奏が一体となったトータルなアルバムとして聞かれるべきものと思っている。

Blazing-awayそれにしても,この教会の美しいステンドグラスの下で繰り広げられる演奏は,視覚的にも素晴らしいものであったであろうと想像させる。このアルバム,映像版もあったのだが,何とマスター・テープを紛失したことにより,DVD化は困難となってしまったという体たらくは,右の写真を見ると惜しいと言わざるをえない。まぁ,Marianne Faithfulも合意の上で,YouTubeにはVHSテープ起こしの映像が上がっているので,見られないことはないのだが,やっぱり惜しい。

私がこれを聞くのも実に久しぶりのことなのだが,曲はMarianne Faithfulの代表的な曲揃いでもあり,実に素晴らしいアルバムであったことを改めて認識させられた傑作。星★★★★★。

Recorded Live at St. Anne's Cathedral on November 25 & 26 and at RPM Studios in September, 1989

Personnel: Marianne Faithful(vo), Douge Bowne(ds), Garth Hudson(key, accor), Mac Rebenack(Dr. John, p, g), Barry Reynolds(g, vo), Marc Ribot(g), Fernando Saunders(b, vo), Lew Soloff(tp, fl-h) with Don Alias(perc), Charlie Dreyton(ds), Kevin Savangar(ds), Gib Wharton(pedal steel)

2019年12月 1日 (日)

何を歌ってもBryan Ferry色に染まってしまうってのが凄い"Taxi"。

_20191201 "Taxi" Bryan Ferry (Virgin)

師走に入って,今年を回顧し始めると,3月に行ったBryan Ferryのライブは楽しかったなぁなんて思っていて,取り出したのがこのアルバムである。Bryan Ferryのオリジナルは1局のみで,基本的にカヴァー・アルバムなのだが,主題の通り,何を歌ってもBryan Ferry色に染まってしまっている。これがミュージシャンの個性ってところであるが,実に心地よく聞けるアルバムである。

レパートリーは多岐に渡っているが,"Will You Still Love Me Tomorrow"や"Amazing Grace"のような曲に混じって,ソウル系の曲も含まれているのだが,ソウルの「黒さ」みたいなのは皆無と言ってよい。それをよしとするか否かがリスナーの趣味ってことになるだろうが,私のようなBryan Ferry好きには全然問題ない(笑)。オリジナルのソウル的な響きを期待するのではなく,Bryan Ferryによる「翻案」を楽しめばいいと思ってしまう。その他の曲もBryan Ferry版のいい意味での「ムード歌謡」みたいなものである。

まさにこの人にしか出せない世界。来年の2月には1974年のRoyal Albert Hallでの初ソロ・ツアーの音源がリリースされる予定だが,また買っちゃうよなぁ(笑)。この人の音楽は新味はなくとも本当に安心して聞いていられる,ってことで星★★★★。

ところで,すっかり失念していたのだが,私はこのアルバムに関して2年前ぐらいに記事を書いていて,ほとんどトーンが変わらないってのが笑える(記事はこちら)。

Personnel: Bryan Ferry(vo, p, synth, org), Carleen Anderson(vo), Robin Trower(g), Neil Hubbard(g), David Williams(g), Michael Brook(g), Greg Phillinganes(vib, synth), Chris Stainton(org), David Sancious(org), Flaco Jimenez(accor), Nathan East(b), Steve Pearce(b), Steve Ferrone(ds), Andy Newmark(ds), Mike Giles(ds), Luis Jardim(perc), Maceo Parker(as), Andy Mackey(as), Mel Collins(ts), Richard T. Norris(prog)

2019年11月 8日 (金)

Alabama Shakesのという注釈不要と思わせるBrittany Howardのソロ・アルバム。これが実に素晴らしい。

_20191105 "Jamie" Brittany Howard(ATO)

本作をリリースしたBrittany Howardは,Alabama Shakesのヴォーカリストである。Alabama Shakesというバンドは,この時代においても私のような年代のリスナーにさえ強烈にロックを感じさせてくれる稀有なバンドであり,私は彼らのアルバムに賞賛を惜しまなかった(記事はこちら)。Alabama Shakesのアルバムはその"Sound & Color"からリリースされないままだが,そこへBrittany Howardのアルバムが出るからには聞かない訳にはいかない。とか何とか言いながら,ストリーミングでやり過ごしていたのだが,やっぱりこれは保有に値するということで,現物を発注したものである。

ここでの音楽を聞いていて,私が何となく想起したのがMe'shell N'degeocelloであったが,ロックとソウルの中間をうまく行き来する感じって言うのが最初の感覚であった。だが,繰り返し聞けば聞けるほど展開される音楽は実に濃密な魅力に溢れる感じがしてくるのである。端的に言えばチャラチャラとしたところ皆無。音楽に真剣に対峙したいリスナーにこそ勧めたい深みのあるアルバムに仕上がっている。

Alabama Shakesのバンド・メイトのZac Cockrellに加えて,Robert GlasperやNate Smithが参加していることから,このBrittany Howardという人の立ち位置が見えるような気がする。GlasperもNate Smithも,軽々とジャンルを越境してしまう人たちだが,ここでの演奏,歌唱もジャンル超越型であることは前述の通りである。それが単にジャンルという枠だけで捉えてはもったいない音楽になっているのが強烈なのである。

一聴ローファイなサウンドから聞き取れる音楽のディープな魅力は私の筆力,表現力の及ばないところではあるが,それでも実にレベルの高い音楽であることは明らかなのだ。実に素晴らしい。Brittany Howard,31歳にしてこの成熟度は末恐ろしいとさえ感じさせる。いずれにしても,今年聞いた中でも屈指のロック・アルバムの一枚と思いつつ,響きは完全にソウルだ。星★★★★★。

Personnel: Brittany Howard(vo, g, key, b, ds, perc), Zac Cockrell(b), Robert Glasper(key, celeste), Paul Horton(key), Nate Smith(ds, perc, vib), Lloyd Buchanan(org), Larry Goldings(key), Lavinia Meuer(harp), Rob Moose(strings)

2019年10月16日 (水)

これを聞くのも超久しぶり:Peter Gabrielの”So”。

_20191012-3"So" Peter Gabriel (Virgin)

今や私の手許に残っているPeter Gabrielのアルバムは,これとベスト盤,そしてどこにしまい込んだかわからない"Plays Live"ぐらいではないかと思うが,このアルバムを聞くのも実に久しぶりのことになってしまった。私がこのCDを購入したのは国内盤初出の時のことであるから,もはや30年以上前のことである。ジャケに写る型番を見れば,これが3,200円だったことがわかる。まだその頃はそういう時代だったのだ。それから幾星霜,新しいアルバムや音楽を聞くことに時間を取られて,このアルバムを聞く機会も減っていったのだが,久しぶりに聞いてみたが,これが実に味わい深いというか,改めて素晴らしいアルバムであったことを強く認識させられた私である。

まさに曲よし,歌よし,演奏よしの三拍子揃ったアルバムとはこのことであり,文句のつけようがないではないか。それまでのPeter Gabrielのアルバムに比べると,ポップに傾斜したという批判もあるが,私は「ポップで何が悪い」と強く言いたい。そもそもポップと言っても,ここでの音楽に軟弱さは皆無であり,私にとっては王道のロックだと言いたいぐらいだ。

アルバムとしてはハードな側面と,静謐な側面を絶妙にバランスさせたものであり,私はこの辺りに共同プロデュースを務めたDaniel Lanoisのセンスを感じてしまう。やはりLanoisのプロデュースというだけで,一段作品としてのギアが上がるような気がしてしまうが,本当に実に素晴らしいのである。リリースから30年以上経過しても,私はこの音楽に古さを一切感じなかった。まさにこういうのを名盤と言うのだと改めて思わされたアルバム。いやぁ,実によい。文句なしの星★★★★★。

尚,最後に収められたLaurie Anderson参加の”This Is the Picture(Execellent Birds)"は,当時のCD及びカセットのみのボーナス・トラックというのが時代を感じさせる(笑)。

Personnel: Peter Gabriel(vo, key, synth, p, perc), Kate Bush(vo), Laurie Anderson(synth, vo), David Rhodes(g, vo), Daniel Lanois(g, perc), Nile Rodgers(g), Richard Tee(p), Simon Clark(key, org, b, vo), Tony Levin(b, stick), Larry Klein(b), Bill Laswell(b), Jerry Marotta(ds, b),Manu Katché(ds, perc), Chris Hughes(ds, prog), Stewart Copeland(ds), Wayne Jackson(tp, cor), Mark Rivera(ts, as, bs), Don Mikkelsen(tb), P.P.Arnold(vo), Coral Gordon(vo), Dee Lewis(vo), L. Shankar(vln), Youssou N'Dour(vo), Michael Been(vo), Jim Kerr(vo), Ronnie Bright(b-vo),Djalma Correa(perc), Jimmy Bralower(prog-kick)

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