Netflixで「極悪女王」を見た。
監督:白石和彌
出演:ゆりあんレトリィバァ,唐田えりか,剛力彩芽,村上淳,斎藤工,音尾琢真,仙道敦子,鴨志田媛夢,水野絵梨奈
巷で話題の「極悪女王」である。先日の「地面師たち」に続いてNetflixで本作を見たが,「地面師たち」がストーリーで見せた感じに対し,こちらは役者陣の頑張りが目立つ。ダンプ松本に扮したゆりあんレトリィバァに加えて,クラッシュギャルズを演じる唐田えりかも剛力彩芽も,その他女子プロレスラーを演じた役者陣には頭が下がるって感じだ。根性あるわ~。主人公,松本香がヒールとしてのダンプ松本と化す展開には明らかに性急な部分があったり,シナリオには多々穴があるとは思えるが,役者陣の頑張りがそうした瑕疵を上回るってところだ。
私はプロレスそのものは結構好きな方だが,クラッシュギャルズや極悪同盟が活躍した頃とは時代がずれているし,女子プロレスに関心を持ったこともないが,あの時代にはこんなことになっていたのかぁと思ってしまった。ベビーフェイスとヒールの抗争はWWFの時代から明確になってきたが,芝居がかったマイク・パフォーマンスとか裏切り/遺恨/転向のようなリング上でのストーリーや役割変更は,純粋プロレス好きからすれば邪道という感じがしていたとは言え,エンタテインメントとして見る分にはそれもありだったろうとは思う。
しかしここでゆりあんが演じるダンプ松本の暴走がリアルな世界に近かったとすれば,まるでテリー・ファンクにフォークを突き刺すアブドーラ・ザ・ブッチャーではないか。えぐさもここまで行っていたのか~なんて妙な感心の仕方をしてしまった。その一方で家族の描き方はどうにもステレオタイプなところがあるのは,シナリオを書いた鈴木おさむの限界だろうな。まぁそれなりには楽しんだとは言え,「地面師たち」のキリキリする感じには勝てていないってところだ。
そうは言っても,東出昌大との不倫でキャリアにケチのついた唐田えりかは,これで芸能界に完全復活すると思えた。頭まで丸めてまで頑張れるのだから,過去の一件はあくまでも肥やしとして今後頑張ればいいだろう。
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