Wes MontgomeryのCTIに先立ってのイージーリスニング路線。 #WesMontgomery
"California Dreaming" Wes Montgomery(Verve)
Wes Montgomeryのイージーリスニング路線と言えば,CTIの3作ってことになると思うが,それに先立って,Verveレーベルの時代からそういう路線は始まっていた。それをよしとするか否かは人それぞれであるが,私にとってのWes Montgomeryは"Full House"ってことになるので,こういう路線のアルバムはそれほど保有していないし,積極的にプレイバックするという訳でもない。それでもたまに取り出してみたくなるのがWesのWesたる所以である。
冒頭からThe Mamas & the Papasの"California Dreaming"を超ポップな感じで演奏して,ここから「う~む」となってしまうのだが,ほかの曲と比べても,この1曲が飛びぬけて浮いているというのが正直なところである。それでも,やはり"Full House"の世界とは落差はあまりにも大きい。まぁ,そういう音楽だと思って聞けばいいのだが,ジャズの世界から乖離していくWes Montgomeryを当時のリスナーはどう見ていたのだろうと思ってしまう。ジャズ・ファンに留まらないより幅広いオーディエンスに訴求するにはよかっただろうが,やっぱりゆるいよなぁ。同じ"Sunny"でもPat Martinoが弾くのとえらい違いやんけ!と言いたくなるのも事実。しかし,"Sunny"の2ヴァージョンは結構違いが感じられるのは面白かったりするのだが。
Wes Montgomeryのオリジナル,"Sun Down"や"Mr. Walker"ではジャズっぽさが多少は濃くなるが,それでもそれだけでは満足できないのが当たり前だろう。最後の"South of the Border"のイントロでまたずっこけさせてくれるし(笑)。Wesのオクターブ奏法等の技は楽しめるとは言え,星★★★が精一杯ってところだろう。私からすれば,このアルバムにパーカッションが要る?って感じだし,やっぱりタイトル・トラックが浮き過ぎだなぁ。
Recorded on September 14,15 & 16,1966
Personnel: Wes Montgomery(g), Don Sebesky(arr, cond), Mel Davis(tp), Bernie Glow(tp), James Nottingham(tp), Wayne Andre(tb), John Messner(tb), Bill Watrous(tb), Don Butterfield(tuba), Ray Beckenstein(as, fl, piccolo), Stan Webb(as, bs, eng-h, cl), James Buffington(fr-h), Herbie Hancock(p), Richard Davis(b), Grady Tate(ds), Ray Barretto(perc)
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