Terje Rypdalの"Blue":プログレ的なるものとアンビエント的なるものの融合。
"Blue" Terje Rypdal and the Chasers(ECM)
Terje Rypdalはロック的なセンスを有するギター・プレイヤーであるが,この典型的トリオ編成でのアルバムは,ロック的な感覚は残しつつも,サウンドは主題の通り,よりプログレ的であり,アンビエント的と呼べるものと思う。ビートが明確な曲もあるが,むしろ多数派はノー・リズムで緩やかな音とが流れる。
本作と同じメンツで吹き込んだ"Chaser"というアルバムがあるので,本作ではChasersというバンド名になっているというのはちょいと安直ではないかと思いつつ,まぁバンド名何てそんなもんか...(笑)。しかし同じメンツにしては"Chaser"の,特にその冒頭の"Ambiguity"のよりロック・フレイヴァーが強いスリリングな響きや,フリーさえ吸収してしまうような音とは随分違うと感じてしまう。
こうなるとどっちが好みかって話になるだろうが,私としてはまぁどちらもTerje Rypdalだよなぁと思う。そうは言いつつ"Chaser"とていろいろな響きが混在しているから,それがTerje Rypdalの個性と考えればよいだろう。
いずれにしても,本作はややエッジは抑え気味のTerje Rypdalってところ。星★★★☆。
Recorded in November 1986
Personnel: Terje Rypdal(g, key), Bjørn Kjellemyr(b), Audun Kleive(ds, perc)
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