"Night Reign" Arooj Aftab (Verve)
Arooj AftabがVijay Iyer,Shahzad Ismailyと組んで作り上げた"Love in Exile"はそのアンビエントな雰囲気が素晴らしいアルバムで,私は昨年のベスト作の一枚にも選んでいる。そこでも魅力的な声を聞かせたArooj Aftabの新作がリリースされたとあっては,これは聞きたいと思うのも私にとっては当然であった。ということで,発注していたCDがデリバリーされたのだが,このムーディな雰囲気の中で,聞かれるArooj Aftabの歌唱のこれまた魅力的なことよ。
一部の曲においてはSadeを想起させるようなところもあるが,寡作なSadeの不在を補って余りあると言ってもよい存在だと思えた。ウルドゥー語と英語が混ざった歌詞なので,その内容の全面的な理解はできないが,歌詞にとらわれる必要がない音楽であることは間違いなく,ここは比較的静謐な中に展開されるこの音楽に身を委ねればいいという感じだ。そして「静謐」と言っても,バックを支えるメンバーの演奏は技術力も高く,そして音が生々しい。ここで聞かれるベースの音なんかは,これこそベースだって感じの音でとらえられていて,先日取り上げたV.S.O.P.のアルバムにおけるRon Carterのベースとは雲泥の差だ。
そして比較的小編成と言ってよいバックから浮かび上がるArooj Aftabの声こそが本作の最大の魅力だが,彼女を支えるバックも素晴らしい。何とElvis Costelloの名前すら見つかる多彩なゲスト陣も適材適所であり,本作が生み出すアンビエンスに身を委ねていると,心地よいことこの上ない。それこそ何度でもプレイバックしたくなる傑作と思った。喜んで星★★★★★としよう。
Personnel: Arooj Aftab(vo, key, sequencing), Maeve Gilchrist(harp), James Francies(key, p), Vijay Iyer(p), Elvis Costello(el-p), TimaLikesMusic(p, key), Marc Anthony Thompson c/o Chocolate Genious Incorporated(p, synth, b, strings), Kaki King(g), Gyan Riley(g), Petros Klampanis(b, p), Linda May Han Oh(b), Shahzad Ismaily(b, key, synth), Jamey Haddad(perc), 小川慶太(perc), Joel Ross(vib), Darian Donovan Thomas(vln), Nadje Noordhuis(fl-h), Cautious Clay(fl), Heather Ewer(tuba), Huda Asfour(oud), Camae Ayewa(vo)
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