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カテゴリー「ライブ」の記事

2023年1月21日 (土)

改めて生オケを聴きたくなり,今回は「アルプス交響曲」ほか。

Suntory-hall

昨年,Nelsons/ボストン響でショスタコの5番を聞いて以来,オーケストラの生演奏の魅力を再確認してしまった私である。その後,Slatkin/N響でコープランドを聞いて,今度は山田和樹が振る読響で,リヒャルト・シュトラウスの「アルプス交響曲」を聞くべく,久々にサントリー・ホールに行ってきた。私がサントリー・ホールに行ったのは,Brad Mehldauのトリオを聞きに行って以来だと思うが,このホールでオーケストラを聞くのは,はるか昔のSinopoli/フィルハーモニアのマーラーの「復活」以来ではないか?あれは私が地方勤務をしている頃だったので,1987年のはずである。何とまぁって感じだが,それだけオーケストラのライブとは縁遠い生活を送っていたってことだ。考えてみれば,なんてこった!ってところだ(爆)。まぁ,一時期はクラシックだけでなく,ライブそのものからも離れていたから,仕方ないと言えば仕方ないのだが...。

それでもって,ショスタコで目覚めたというのはやはり「大編成」オケの魅力である。「アルプス交響曲」はその編成の大きさもあって,これは聞きに行ってもいいなと思って,急遽参戦したのであった。実のところ,チケットを買ったのは3日前という実に気まぐれだったのだが,今回もオーケストラのサウンドを十分に楽しんだと言える。

今回の演奏会では第一部で矢代秋雄の交響曲を演奏したのだが,これが予想以上に面白かった。現代音楽的な響きと言うよりも,私には和風の旋律も交えた映画音楽のように感じられる瞬間もあった訳だが,吹奏陣,打楽器陣の活躍の場も多く,山田和樹が飛びながら(本当にジャンプしていたのだ:笑)指揮しているのには思わず笑ってしまった。しかし,この曲も編成は非常に大きなもので,オケのダイナミズムを感じさせるに十分であった。

そしてメインの「アルプス交響曲」であるが,正直言ってしまえば,私はオケのレパートリーとしては人気のあるリヒャルト・シュトラウスの交響詩を好んで聞いてきたとは言えないし,「アルプス交響曲」とて,その音楽の物語性は劇的だとは思いつつ,まぁそれはそれでいいじゃんぐらいの思い入れの無さである。まぁ,それでも今回の演奏では客席に別動隊のバンダも配して,大編成オケならではの演奏であった。ただ,この曲が夜に始まり,夜に終わるという構成ゆえ,聴衆の熱狂は誘いにくいところもあるような気がする。実に安直な言い方をすれば,フィナーレは「ぐうゎ~っ」(笑)と終わって欲しいというのが私の感覚である。それはこの曲の本質を理解しておらん!とお叱りを受けそうだが,ライブは熱量を上げたいと思ってしまうのだ。この曲自体は中盤にその「ぐうゎ~っ」が来てしまうから,そこで上がった熱量を維持できればそれはそれでいいのだが,それが難しいのも事実のように思える。

いずれにしても,やはり生演奏はいいよねぇと改めて感じさせてもらった一夜ではあったが,私は矢代の交響曲の方がリヒャルト・シュトラウスよりも楽しんでしまったかもしれないな。さて,次は何に行こうかな(笑)。

Live at サントリー・ホール on January 19. 2023

Personnel: 山田和樹(cond),読売日本交響楽団

2022年12月28日 (水)

2022年の回顧:ライブ編

Chris-potter-at-blue-note

コロナ禍でライブ通いもなかなかできない日々が続いたが,ようやく復活への道筋が見えてきた年だったと言えるのではないだろうか。だからと言って,私が今年通ったライブは両手にも満たないが,それでも行けるようになっただけ喜ばなければならないだろう。だって,Blue Note東京に行ったのは3年ぶりとか,とんでもないインターバルだったのだ。

そんな私にとって珍しかったのは,クラシックのコンサートに3回通ったことだろうか。私が最後にクラシックのライブに行ったのは2017年8月のPeter Serkinのリサイタルにまで遡る。そして,今回はオケの演奏が2回入っているが,オケを聞きに行ったなんていつ以来かも覚えていない。しかし,大編成のショスタコの5番とかに尋常ならざる高揚感を覚えた私であった。ということで,突然の今年後半のクラシックのコンサート通いだったのも,ライブへの渇望感の表れだったのかもしれない。

そうした中で,私にとっての今年のベスト・ライブは,エリック・ミヤシロ率いるBlue Note Tokyo All-Star Jazz OrchestraがChris Potterを迎えた演奏であった。とにかく私の眼前でクリポタがテナーを吹きまくる姿に,不覚にも感涙を流してしまったのである。こういう音を聞きたかった,こういう演奏を聞きたかったという私の感情が爆発したのかもしれない。上の写真はBlue Note東京のWebサイトから拝借したもの。

来年の2月には延期となっていたBrad Mehldauの来日が控えているが,来年はより楽しいライブ生活が送れることを切に願いたい。

そのほかのライブも総じて楽しませてもらったが,今年本当に残念だったのは,NYCでのライブと言えばここと思っていた55 Barの閉店である。長年に渡って,行くたびに訪れていた場所がなくなることの寂しさを痛切に感じた私であった。思えばNYC在住時によく通ったBradley'sも今はなく,Jazz Standardも閉店,そしてついには55 Barもである。もはや私がNYCに出張をする機会などないだろうが,もし次にNYCをプライベートでも訪れる機会があったとすれば,私はどこへ行けばいいのか...と途方に暮れてしまうのである。あまりに悲しいので,55 Barの閉店を悲しむ記事を再掲しておこう(記事はこちら)。

2022年12月24日 (土)

今年最後のライブを締めくくったBanksia Trioの見事な演奏@武蔵野市民文化会館

Photo_20221223091401

まだまだ沈静化とは言わないが,コロナ禍もだいぶ落ち着いてきて,ライブ通いも徐々に復活してきた私であるが,今年のライブの締めくくりとして行ったのが,武蔵野市民文化会館小ホールにおける須川崇志率いるBanksia Trioのライブである。相変わらず(自分も含めて)高齢者比率の高いこのヴェニューであるが,8分の入りってところか。私は市民ではないので,一般の入場料であるが,それでも2,800円でこのトリオを聞けるのはありがたい。

彼らのこれまでの2枚のアルバムは,北欧系にも通じる日本のピアノ・トリオとは思えない響きを持っていて,素晴らしい美的な緊張感を醸し出していた。彼らの2ndアルバムを聞いた時,ライブはどうなってしまうのか?なんて書いているが,ライブでもそうした感覚を変わりなく生み出すところが凄い。

こうした音楽をやっているだけに,さぞや深刻,あるいは自己陶酔的な顔でやっているのかと思っていたら,リーダー須川崇志はさておき,ピアノの林正樹のにこやかな表情にはある意味驚いてしまった。やっている音楽と表情の落差が大きいのだ(笑)。

出てくる音はまさに美的で,極めて細かいニュアンスを生み出してしまうだけでなく,3者のヴィヴィッドな反応ぶりが素晴らしい。1曲目に演奏していたのは"I Should Care"だと言っていたと思うが,原曲を「破壊」するのではなく,「解体」して「再構築」するという感じか。そういう意味では普通の,あるいはコンベンショナルなピアノ・トリオでは決してない訳だが,このレベルの高さは半端ではない。

このトリオ,3者が全て素晴らしい実力者であるが,私はドラムスの石若駿のプレイぶりにびっくりしてしまった。スティック,ブラシ,マレットのどの使いっぷりも実に的を得たものであり,こういうドラマーがバックにいれば,演奏も楽しかろうと思ってしまった。そして林正樹のピアノのフレージングは見事だし,リーダー須川崇志のベースも実にうまく,ずっと唸りっぱなしの私であった。

休憩をはさんで約2時間,彼らの演奏を堪能した私であった。須川崇志がMCで3rdアルバムをレコーディング済みと言っていたので,おそらくは来年のリリースを首を長くして待ちたいと思わせるに十分な演奏ぶりであった。Banksia Trio,恐るべし。

Live at 武蔵野市民文化会館小ホール on December 22, 2022

Personnel: 須川崇志(b, perc),林正樹(p),石若駿(ds, perc)

2022年11月26日 (土)

クリポタ+Blue Note Tokyo All-star Jazz Orchestra参戦記。あまりのカッコよさに落涙。

Chris-potter-with-bn-all-starsクリポタことChris Potterが来日するとあっては,これは行かない訳にはいかないということで,Blue Note東京に行ってきた。今回は昨今Blue Noteにマメに出演しているビッグバンドとの共演である。24日はComtemporary,25日はAcousticと題されており,異なるプログラムが演じられることになるだろうが,私としては当然のように"Contemporary"をチョイスしたのであった。おそらくはDR Big Bandとの"Transatlantic"やJim McNeelyとの"Rituals"におけるコンテンポラリーな演奏がひな形になるであろうと想定して,それらを予習として聞いての参戦となった。特に後者における"The Wheel"のノリを期待してのことである。

冒頭はクリポタ抜きの"Blue Horizon"で軽快にスタートし,ビッグバンドのサウンドにまずは浸る。2曲目からクリポタが登場し,最初にやったのがJaco Pastoriusの"Domingo"。ここからして私はもはや興奮の坩堝。クリポタの超カッコいいフレージングにぞくぞくしてしまった。3曲目は"Transatlantic"から"Quick"の選曲は想定どおりで,クリポタのソロはアルバム同様の力感。4曲目はまたもJaco Pastoriusの"Three Views of a Secret"。これはクリポタとのフィット感はどうかなぁと感じていたのも事実だが,無難にクリア。そして5曲目がMike Mainieriの,と言うかSteps Aheadの"Beirut"で,これがまた強烈で,私はその素晴らしいグルーブに身体の揺れが止まらなかったのであった(笑)。ここで一旦クリポタは引っ込み,"Spain"をはさんで,アンコールは何とSnarky Puppyの"Lingus"。Snarky Puppyにクリポタが客演したこの曲の演奏がYouTubeにも上がっているが,クリポタがもの凄いソロを聞かせたこの曲を選ぶとはびっくり。エリック・ミヤシロ曰く,クリポタはSnarky Puppyとの共演した時の記憶がないと言っているらしいが,マジですか?というレベルの演奏だっただけに,この演奏もまた強烈至極。私の1メートル先でテナーを吹きまくるクリポタの姿と音に,私は思わず落涙してしまったのであった。まさに感涙とはこれのこと。

私としてはクリポタのテナーの真髄に触れられ,実に満足。それをドライブしたBlue Note Tokyo All-star Jazz Orchestraの面々も立派。特に川口千里のドラムスは想像以上人強烈であった。さすが手数王の弟子だけはある。

Live at Blue Note東京 on November 24, 2022 1stセット

Personnel: Chris Potter(ts),エリック・ミヤシロ(tp, fl-h, cond), 本田雅人(as, fl), 渡邉瑠菜(as, fl), 真野崚磨(ts,cl),  米澤美玖(ts), 高尾あゆ(bs), 川上鉄平(tp), 山崎千裕(tp), 小松悠人(tp), 吉澤達彦(tp), 中川英二郎(tb), 半田信英(tb), 高井天音(tb), 小椋瑞季(tb), 宮本貴奈(p), 川村竜(b), 川口千里(ds)

2022年11月22日 (火)

Viktoria Mullovaのヴァイオリン・リサイタル:面白いプログラムであった。

Mullova-beatson

私には実に珍しいことだが,今月に入って3度目のクラシックのコンサートである。クラシックに関しては,こんな頻度でコンサート・ホールに通うのは多分NYCに住んでいた頃以来のことである。あの頃は結構Carnegie Hallとか複数の定期会員になっていたから,そこそこの頻度では行っていたと思うが,それでもジャズやロックを聴くのも忙しかったので,クラシックだけで月3回は行ってないかもなぁ。まさに気まぐれと言われてしまえばその通りだが,今回の主役であるViktoria Mullovaは亡き父のお気に入りだったようで,遺品として彼女のCDが結構残っていたのだ。そんなこともあって,父は彼女の生は聞いていないと思うので,父に代わってというつもりで聞きにいった。

場所は三鷹の武蔵野市民文化会館小ホール。キャパ429人というナイスなホールだ。私が前にここを訪れたのはDanny Grissettのライブまで遡る。ブログでチェックしたらもう10年近く前のことである(記事はこちら)。それはさておき,Viktoria Mullovaというヴァイオリニストはもう少しメジャーな存在だと思っていたが,このホールでもフルハウスにならないというのはちょっと不思議なことであった。いつものことながら,武蔵野市民文化会館でのコンサートは聴衆の平均年齢が無茶苦茶高いのだが,武蔵野市民にはViktoria Mullovaの知名度はそれほどでもなかったのか?って気がしてしまう。

だが,今回のリサイタルは面白いプログラムであった。第一部はピリオド楽器(ガット弦)によるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ4/7番,第二部がモダン楽器に持ち替えて,武満徹の「妖精の距離」~Arvo Pärtの"Fratres"の連続演奏+シューベルトのロンド ロ短調D895というもの。しかも前半は伴奏はフォルテピアノ,後半はモダン・ピアノという徹底ぶりであった。この構成でのヴァイオリンの音色の違いを味わうのも一興であったが,現代音楽にはまっている昨今の私にとっては,武満~Pärtが面白かった。武満の「妖精の距離」はアブストラクトでありながら,そこはかとないロマンティシズムを感じられる一方,Pärtの"Fratres"はダイナミズムもありながら,個性的な響きを生み出していて,聴きながら,おぉっ,いいねぇなんて思っていたのであった。その後にシューベルトを持ってきて,多分アンコールはベートーヴェンのソナタ5番からだったと思うが,ピリオド楽器とモダン楽器の聞き比べみたいなかたちで演奏が聞けるってのは初めての体験であったし,大いに楽しんだ私であった。

全く余談ながら,Viktoria Mullovaのポートレートを見て,彼女も随分老けたなぁと思ったら,私より年長者だったのねぇ。しかし,ヴァイオリンの腕には全く問題はなかったし,ピアノのAlasdair Beatsonは堅実かつ適切な伴奏ぶりであった。さて,クラシックは次は何を狙うかねぇ...(笑)。

Live at 武蔵野市民文化会館小ホール on November 21, 2022

Personnel: Viktoria Mullova(vln), Alasdair Beatson(fortepiano, p)

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2022年11月19日 (土)

私には珍しく,N響定期でコープランドを聴いた。

Slatkin-with-nhk-symphony

先日のNelsons/ボストン響で聞いたショスタコの5番の興奮も冷めやらぬ中,私としては実に珍しいことなのだが,極めて短いインターヴァルで,またオケを聴きに行った。今回はLeonard Slatkinが振るNHK交響楽団なのだが,プログラムはコープランドの「アパラチアの春」と「ロデオ」のフル・ヴァージョンというプログラム。

NHKホールに行くのはいつ以来か記憶が曖昧だが,昔,全く似合わないと言われても仕方がないが,バレエの切符のもぎりのバイトしたことがあったなぁ。最後に演奏を聞きに行ったのはMetheny~Mehldauだったか。

それはさておき,コープランドの音楽については,これまでオーケストラの演奏はほとんど聞いたことはなかった私だが,ロック・ファン,ジャズ・ファンなら,前者はEL&Pが,後者はOliver Nelsonが「ブルースの真実」で,それぞれコープランドが書いた"Hoe-Down"を演奏しているという点で馴染みはあるはずだ。EL&Pはそれだけでなく,「庶民へのファンファーレ」もやっているしねぇ。

ということで,完全に気まぐれではあるが,今回はオーケストラでコープランドの曲を聞いてみたくなってしまった私であった。曲としては編成も大きいし,"Hoe-Down"も入っている「ロデオ」の方に期待をしていたたのだが,今回のコンサートは「アパラチアの春」も含めて,全編を通じて実に楽しかった。でもやっぱり「ロデオ」の方が盛り上がったのは間違いないところ。

コープランドの書く曲はいかにもアメリカ的な響きを持つものだと思うが,聞いていて,昔の西部劇の音楽はコープランドの影響を受けているかもなぁなんて漠然と思っていた私である。例えば,Jerome Morossが書いた 「大いなる西部」や,Elmer Bernsteinが書いた 「荒野の七人」なんかが,演奏中も私の頭の中でぐるぐるしていた(笑)。

更に,今回観ていて思ったのは,オケのメンバーも演奏を楽しんでいたのではないかと思ってしまう。クラシックのコンサートであれほどオケの奏者たちが楽しそうに演奏しているのは初めて見たって感じなのだ。カーテン・コールで撮った上の写真でのLeonard Slatkinや,オケのメンバーの表情を見ればわかってもらえるのではないかと思うが,こういう難しさを感じさせない音楽ってたまにはいいよねぇと思ってしまったのであった。

とにもかくにも,あぁ~楽しかったと思える演奏であったが,次に行くのがなんとViktoria Mullovaのリサイタルって,なんか私もはじけてるなぁ(笑)。Viktoria Mullovaは亡き父が結構好きだったので,その名代ってことにしておこう。

Live at NHKホール on November 18, 2022

Personnel: Leonard Slatkin(cond), NHK交響楽団

2022年11月13日 (日)

ショスタコに燃えた夜(笑)

Nelsons_bso

久しぶりにクラシックのコンサートに行ってきた。Andris Nelsonsが振るボストン交響楽団に,ソリストに内田光子を迎えてベートーヴェンの「皇帝」に,ショスタコの5番というそそられるプログラムであった。

こういうプログラムゆえ,東京のチケットは早々に売り切れてしまったが,諦めきれない私は大阪のチケットをゲットし,フェスティバル・ホールに出向いたのであった。結論からすれば,「皇帝」については,ソリストの内田光子がよかったのは,彼女の実力からすれば当然と思うが,第1楽章はオケが慣らし運転みたいな感じで,どうも高揚感を得られないように感じていた。この曲にはもう少しドライブ感が欲しいのだ。それは第3楽章では解消したので,文句は言うまい。

それよりも何よりも今回はショスタコである。先日,Leonard Bernstein/NPOの東京でのライブ盤を聞いて,生でこの曲を聴きたいと思ってしまったのが,今回このチケットを入手した要因ではあったが,大編成オーケストラの魅力をつくづく感じさせてくれた。とにかく弦も管も素晴らしい鳴りで,内心私は「くぅ〜っ」となっていたのであった。

曲が曲だけに興奮するのは当然としても,私は音場に身を委ねる至福を覚えていたと言っては大袈裟か。PP〜FFのメリハリもよく,実に素晴らしい演奏であった。こういうのを聴いてしまうと,たまにはオケも聴きに行こうってモチベーションが高まった私である。ってこともあって,次はLeonard Slatkin/N響のコープランドだ!(笑)。いずれにしても,財布には痛かったが,いいものを聞かせてもらった。

Live at フェスティバル・ホール on November 11, 2022

Personnel: Andris Nelsons(cond), 内田光子(p),ボストン交響楽団

2022年10月22日 (土)

Aubrey Johnson~Randy Ingramライブ参戦記@武蔵野スイングホール #AubreyJohnson #RandyIngram

Aubrey-johnson-randy-ingram久しぶりに武蔵野スイングホールに行ってきた。ブログを紐解いてみると,私が最後にこのヴェニューを訪れたのは,Benny Greenのライブで,2018年11月まで遡る(その時の記事はこちら)。その後のコロナ禍があったので,間があくのは仕方ないが,ほぼ4年ぶりとは...って感じであった。

それでもって,今回聴きに行ったのがAubrey JohnsonとRandy Ingramのデュオである。ヴォーカルとピアノのデュオを聴くには,キャパ180席の武蔵野スイングホールは丁度いいって感じだろう。しかし,今回のライブ,告知期間が短く,危うく見逃すところであったが,私がチケットを買った時にはまだまだ空席があって,今回も2列目のほぼ中央というナイスな席で彼らのライブを観てきたのであった。それでもまだ空席があったのはやはり告知期間の短さゆえか。ちょっともったいない。

Aubrey Johnsonは何かと言えばLyle Maysの姪ってことになってしまうが,独立したヴォーカリストとしても相応の実力を持った人である。私は彼女のライブも一度目撃していて,それは2017年12月のNYC出張中に観たFred HerschのPocket Orchestraにおけるライブであった(その時の記事はこちら)。そこにも「スキャットを中心とした歌唱で,インプロヴィゼーションも交え,ジャズ的なフレイヴァーを加えていた」なんて書いている。今回のライブにおいても結構な頻度でスキャットを交えていたのはジャズ的な点である。

しかし,Aubrey Johnsonは典型的なジャズ・ヴォーカルと言うよりは,もっと間口の広いヴォーカリストで,かつポルトガル語の歌も結構歌うというところにも彼女の指向が出ているようにも思う。声も華憐な感じだしねぇ。だから,ジャズ・ヴォーカルのライブだと聞いて来場した,このヴェニューらしい平均年齢の高い聴衆のイメージに彼女の歌が合致していたかはわからないが,最後はアンコールも2回で,やんやの喝采を受けていたのは,彼女の人懐っこそうな笑顔に癒される部分もあったのではないか。

Play-favorites 今回のライブは,11月4日にリリースされるご両人による新作"Play Favorites"のプロモーションの意味合いもあったと思うが,2部構成で演じられた曲のほとんどが,今回の新作からであった。私は今回,発売前のCDを多分持ってきているだろうとは思っていたが,案の定であり,現地でCDをゲットした私であった。そこではオリジナル,スタンダードに加えて,Jobim,Joni Mitchell,更にはBillie Eilishまで歌ってしまうのだから,上述の通りの「間口の広さ」である。

どの曲もなかなかに魅力的であったが,特に私に響いたのがJoni Mitchellの"Conversation"であった。曲そのものが魅力的なのは確かだが,非常に素晴らしい歌いっぷり,弾きっぷりであった。更にJobimの"Olha Maria"とJimmy Webbの"Didn’t We"をメドレーで歌ってしまうのはいいセンスだよなぁと思っていた。そして,Lyle Maysの初リーダー作に収められていた"Close to Home"にポルトガル詞を乗せた"Quem é Você"が非常に美しかった。これってMilton Nascimentoも歌ってるんだねぇ...。

Randy Ingramのピアノは,流麗なフレージングって感じだったが,打鍵の強弱がもう少しあってもいいかなと思えたのも事実である。私には打鍵が強いパターンがちょっと多いように感じられたので,"Quem é Você"で聞かせたようなリリカルなトーンをもっと交えてもよかった。そうは言っても,購入したCDを聞くのも楽しみになるような歌唱,演奏であった。スキャットとピアノでユニゾンのフレーズを展開するところなんて,結構スリリングだったし,そういうところは実にジャズ的であった。

いずれにしても,今回のライブは別のコンサートのチケットを買うために,武蔵野市民文化会館のサイトを見ていて,たまたま開催を知ったものだったが,行けてよかったと思えた一夜であった。CDについては改めて記事にしたいと思う。

Live at 武蔵野スイングホール on October 21, 2022

Personnel: Aubrey Johnson(vo), Randy Ingram(p)

2022年10月 1日 (土)

久々のBlue Note東京:何と3年ぶりとは...。

Lee-ritenour-and-dave-grusin

私が海外からのミュージシャンのライブをBlue Note東京で観たのは2019年9月のCamila Mezaまで遡る。コロナ禍もあって,以前のようなライブ通いを停止してしまっていた訳だが,久しぶりにLee RitenourとDave Grusinのライブを観に行ってきた。なんと3年ぶり(!)とは,随分と時間が経過してしまったものだ。以前は「夜の部活」とか言って,年間20本以上ライブに通っていたことからすれば,この3年間の空白は,高齢者となってしまった私にとってはもったいなかったと言わざるをえない。

それはさておき,コロナ禍のせいもあって,Blue Note東京は現在は全席指定にしているようなのだが,今回,速攻で予約したので,かなりいいポジションで観ることができた。そこで,ある意味驚いたのがLee Ritenourの老けっぷりであった。Lee Ritenourってのは「永遠の好青年」みたいな,いつまでも若いイメージがあるが,今年で70歳になっているんだから,見た目が老けるのは当たり前だが,近くで見るとやっぱり年齢相応なんだなと思ってしまった。更にDave Grusinに至っては米寿だ。ミュージシャンは楽器を扱うのに指を使っているからボケないことはわかるが,米寿でまだ現役でライブをやってしまうってのも凄いし,彼らのやっている音楽は,決してヨイヨイのものではなかった。

やっているレパートリーはある意味お馴染みのものであり,目新しさとかは感じられるものではないとしても,レベルは高いもので,私としては佳きフュージョンを楽しませてもらった。やっぱりライブはいいよねぇと思った次第。でもLee Ritenourがドラムスに息子のWesley Ritenourを連れてくるのは理解できない訳ではないが,正直言って息子は親父ほどのミュージシャンではないので,ドラムス・ソロを聞かせても,う~む,イマイチって感覚があったのは惜しい。私がLee RitenourとDave Grusinのライブを観た時のドラムスはWill Kennedyだったが,レベル的にはWill Kennedy級が望ましいと思ったのも事実。

それでも演奏は十分楽しめたし,チャージは高くても仕方がないと諦めるしかない。私がベースのスラッピングの練習によく使う"Rio Funk"をやってくれたのもよかったしねぇ。さて,次は何に行くか(笑)。

Live at Blue Note東京 on September 29, 1st Set

Personnel: Lee Ritenour(g), Dave Grusin(p, key), Melvin Davis(b, vo), Wesley Ritenour(ds)

<追伸>Blue Noteのサイトに当日のセット・リストがアップされていたので,当日のステージの模様ともどもアップしておこう。
1. THE VILLAGE
2. HARLEQUIN
3. STONE FLOWER
4. CHOVENDO NA ROSEIRA
5. ETUDE
6. LETTING GO
7. STOLEN MOMENTS
8. LAY IT DOWN
9. RIO FUNK
EC. L.A. BY BIKE

Ritnour-and-grusin-at-blue-note

2022年6月18日 (土)

久々のライブはMike Stern Night@Virtuoso Akasaka。でもマイキーはいない(笑)。

Mike-stern-night

サラリーマン界の最強サックス奏者,八木くんのお誘いを受けて久しぶりにライブに行ってきた。場所は赤坂Virtuoso。Mike Stern Nightと言いながら,マイキーがいる訳ではなく,マイキーのトリビュート・バンド。Steely Danには有名トリビュート・バンド,スティーリー初段があるが,そのマイキー版と言っては,このバンドのリーダーであるプロの矢堀孝一氏に失礼に当たるが,マイキーの曲をまさにそれっぽく演奏するというバンドのライブであった。

私はかなりのMike Sternのファンと言っていいだけに,どんな演奏になるのか興味津々で現地にお邪魔してきた。

演奏の具合は貼り付けたYouTubeの画像を見て頂ければわかると思うが,音と言い,フレージングと言い,乗りと言い,ブラインドで聞いてもまさにMike Sternのバンドと思ってしまうような演奏であった。マイキーの演奏と言えば,必ず途中で「踏む」という行為が発生するが,ここでの矢堀氏の演奏もそれは踏襲。ついでに膝の動きも踏襲である(笑)。そしてテナーとEWIを吹くスウェーデン出身のBjörn Arköは,現在札幌在住とのことだが,まだ結構若いのにMichael Breckerばりの演奏,フレージングは見事なもので,実に大したものと言わざるをえない。世の中には隠れた才能と言うか,いろんな人がいるのねぇというのが正直なところだが,Björn Arköの吹くEWIで,1986年,東京五反田でのSteps AheadライブにおけるMichael Breckerの演奏を思い出してしまったのであった。Michael Breckerは晩年はEWIを吹くことはなかったと思うが,マイキーも来ていたSteps Aheadでのライブの頃はバリバリにEWIを吹いていたのも懐かしく,その映像を改めて見たくなってしまったのであった(音源だけでもよいが...)。

いずれにしても,Mike Stern Nightというタイトルに偽りなしのハード・フュージョンを堪能したのであった。調子に乗って飲み過ぎたが(爆)。

Live at Virtuoso Akasaka on June 16,2022

Personnel: 矢堀孝一(g), Björn Arkö(ts, EWI), 横田健斗(b), 北澤ひろき(ds)

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