2026年10月
日 月 火 水 木 金 土
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
フォト
無料ブログはココログ

お知らせ

  • 当ブログはAmazonのアソシエイトとして、適格販売により収入を得ています。

カテゴリー「ライブ」の記事

2026年10月15日 (木)

椎名豊 Inspired Swing Special Quartet Featuring Max Ionata@赤坂B-flat参戦記。

Photo_20261014072701

Max Ionataが椎名豊のバンドに客演するライブがあるという「夜の部活」メイトからのお誘いに乗って,赤坂のB-flatに行ってきた。ここに行くのは超久しぶりで,Steve Kuhnのトリオが先だったか,Tom Harrellがひっそり来た時のライブが先だったかの記憶は定かではない。よくよく見返すとTom Harrellは2008年のことだったようだが,記事には某所としか書いていない。ではSteve Kuhnはいつだったのか?まぁそれはさておきだ。

Max Ionataを生で観るのはイタリア文化会館でのDado Moroniとのデュオ以来だが,それからもう12年も経っているとは我ながら驚きだ。昨今はMax Ionataのレコーディングも停滞しているようなので,こうして改めてライブが見られるのはよいことだ。私が知らなかっただけで,スカンジナビアのミュージシャンたちと"Tivoli"というアルバムをリリースしていたようなので,それは改めてストリーミングで聞いてみることにしよう。

現地に到着すると会場はフルハウス。椎名豊のトリオにMax Ionataを加えたクァルテットに,上の写真には写っていないが,アルトの中島朱葉がゲストで加わったクインテットでの演奏は,オリジナル,Kenny Dorham,Lee Morgan,Mulgrew Millerらのジャズマン・オリジナルにスタンダード交えた2セットで,いい意味でコンベンショナルな響きのジャズを味わうことができた。Max Ionataをフィーチャーした"Stardust"では,ステージから外れたところもを歩きながらのソロを聞かせたが,やはりイタリア人の歌心というものを改めて感じたのであった。B-flatぐらいの箱なら,PA不要とすら感じたのであった。

椎名豊のトリオはレギュラーだと思うので,さすがに安定感のあるトリオだと思ったが,どのようなテンポでも対応できる万能型であった。ドラムスの広瀬潤次はライブでは初めて聞いたと思うが,この人のバスドラ使いはなかなかのものだと思いながら聞いていた。バスドラでドライブ感を生み出すってのは大したものである。

更にゲストの中島朱葉だが,小柄な体格から生み出すフレージングは切れ味鋭く,日本の女性プレイヤーの実力には改めて驚いた私であった。バークリーに行っていたのも伊達ではない。特に速いパッセージでは,この人はJackie McLean好きかなぁなんて思っていたが,まだまだバラッドよりもミディアム以上のテンポの曲の方がこの人には合っていると感じた。まぁそれでも音は結構でかいし,大したもんだと思っていたのも事実である。

Max-ionata-and-us_mosaic1 終演後はMax Ionataはサインだ,撮影だと聴衆に大人気であったが,結構隅の席に座っていた「夜の部活メイト」を目ざとく見つけて寄ってきたMax Ionataである。彼女はイタリア語もこなすイタリア・ジャズ通として,Max Ionataとも長年の知り合い(日本のファン第1号ならぬ第0号と言っていたような...)であるから,私も便乗して,ちょっと話をしたり,自分のスマホでの3ショットを撮影したりであった。Max Ionataは酒や炭水化物の制限で14kg減量したと言っていたから,随分ほっそりしたのは見ての通りで,写真もなかなかいい具合になったが,ここではMax Ionata以外にはモザイクを掛けておく。

余談ではあるが,この赤坂B-flatの料理はなかなか美味くて,Jazz Diningを称するだけのことはある。Body & Soulなき今,プログラム次第で,この店がBody & Soulに代わるヴェニューになるかもなぁなんて思っていた私である。ってこともあり,そんなこんなで気持ちよく家路についた私であった。

Live at 赤坂B-flat on October 13, 2026

Personnel: 椎名豊(p), Max Ionata(ts), 中島朱葉(as), Pat Glynn(b), 広瀬潤次(ds) 

2026年10月 3日 (土)

Yellowjackets@Blue Note東京参戦記。

Yellowjackets-on-bnt-stage

Yellowjacketsももう結成45年だそうだ。Bob Mintzerは47年と言っていたので,そちらが正しいのかもしれないが真偽は不明だ。

Yellowjackets-at-bnt それはさておき,結成当初はRobben Fordのバンドだと思われていた節もある彼らだが,Robben Fordが抜けて以降は一貫してワンホーンの編成のはずだ。今回来日するメンバーと同じ編成で7年前に来た時も私はライブを見ているが,苦手のBob Mintzerがいる割には結構いい評価であった(その時の記事はこちら)。実は長年私はBob Mintzerを苦手としていて,どうも彼のリーダー作にしても,参加作にしても響いてこないというのが実感だったのだが,前回ライブではその評価に変化が生じた。

しかし,その後,彼らのアルバムを買う訳でもなかったのだが,今回はBlue Note東京の7回行けばもらえる招待券をゲットしての参戦となり,相変わらずタイトな演奏ぶりで,大いに楽しめた。プログラムも,長いキャリアの中での曲をセレクトしていたように思えるが,ベースのDane Andersonを除けば,メンバーは結構なお年にもかかわらず,そんなことを感じさせない演奏だったと言える。

前回聞いた時はBob MintzerはEWIがよかったと感じたが,今回のライブでは圧倒的にテナーの方がよく,EWIの演奏が平板に聞こえるぐらいであった。テナーのフレーズを聞いていると,なぜ私がBob Mintzerを苦手としていたのかよくわからん!と思ってしまったが,それぐらい切れが良かった。演奏の切れのよさはメンバー全員に言えるが,Russell Feranteはシンセの利用は限定的な範囲に抑え,ピアノでこれまたいいソロを連発していた。Dane Andersonはスラップは使わないが,ベースはこう弾くんだぜって感じのソロを聞かせ,Will Kennedyはやはりこのバンドにはこのドラマーだという感じのタイトな叩きっぷりで楽しませたのであった。

感覚的に言えば,彼らはフュージョンと言うより,エレクトリックなジャズ・バンドとしての立ち位置を明確にさせたライブで,招待だからということで行ったにしては満足度の高いライブであった。

尚,トップの写真はBlue Note東京から拝借。

Live at Blue Note東京 on October 1, 2026

Personnel: Bob Mintzer(ts, EWI), Russell Ferrante(p, key), Dane Alderson(b), Will Kennedy(ds)

2026年9月29日 (火)

Toninho Hortaを武蔵野市民文化会館で聞いた。

Toninho-horta-guitars

来日中のToninho Hortaはいくつかのライブを行うことになっているが,完全ソロは今回の三鷹と静岡だけのはずだ。王子や大阪でも一部ソロはあるだろうが,私としては完全ソロを聞きたいということで,武蔵野からのメールでチケット発売情報を知り,速攻で申し込んでの,真正面ではないが,ステージに向かってやや左の最前列であった。まぁほぼかぶりつきだ(笑)。上の写真は開演前に私の席から撮ったToninho Hortaのギター3本。

Toninho-horta-poster 今回,私にとっては初の生Toninho Hortaとなったが,彼も既に77歳ということで,次があるかはわからない。そこへ未聴ながらスタンダードを演奏した新譜も出しているので,どういう演奏をするのかという期待値も高まる。場所は三鷹なので,我が家から少々遠く,椎間板ヘルニアの術後が経過が芳しくなく,電車で座れないとしびれが出てこける不安を抱える私である。12月には再手術を決意している状態での移動には不安を抱えつつも,行かぬ訳にはいかないのである(きっぱり)。ということで,時間は多少掛かっても,足に影響の出ない移動ルートを取って,現地に向かった。

右のポスターにもあるが,今回の公演はほぼソールド・アウトという人気ぶりであるが,Toninho Hortaのこれまでのキャリアを踏まえれば当然という気がする。そうした人気ぶりもあって,Toninho Hortaは終始ご機嫌な様子であった。演奏は2部構成であったが,第2部では新作"Standards & Stories"から"My One And Only Love"と"S'Wonderful"を聞かせた。この美しいプレイぶりは絶品だったと言え,私はCDの発注をその場で決意したのであった。そのほかにも"Bicycle Ride”やら聴衆のリクエストに応じた"Liana"等サンバ,ボサノヴァ,MPBでも何でもござれのようなプレイぶりであった。 

Toninho Hortaの歌そのものは加齢もあって,もはやヘタウマの世界だと思うが,そのギターの技は見事なもので,私はその指先を見ていて圧倒されていたという感じだ。それはアコースティックでもエレクトリックでも同じ。まぁシャイな日本人の聴衆,しかも三鷹界隈の聴衆に歌わせるのには少々無理があったと感じるが,ビルボードライブ大阪の聴衆ならノリノリで対応するかもなぁと思っていた。いずれにしても大いに楽しめる約90分のライブであった。

残念だったのは終演後サイン会がありながら,物販は早々と終了してしまったようで,私は物販期待でCDを持参しなかったことだ。せっかくのチャンスを逃したのは痛かった。

しかし,Toninho Horta本人にとっても,聴衆にとっても幸せな瞬間を共有できたことには感謝したい。

Live at 武蔵野市民会館小ホール on September 27, 2026

Personnel: Toninho Horta(g,vo)

2026年9月27日 (日)

佐渡裕/新日本フィルのブルックナーを聞く。

At_20260926041901

6月にこのコンビでマーラーの3番を聞いたが,今度はブルックナーだ。今回は交響曲5番である。先日の日フィルによるショスタコーヴィチの時にも書いたが,私がオーケストラを聞きに行くのは,大体派手派手しい曲が多くて,私の常套句を用いれば,「ぐわぁ~っとくる曲」専門(笑)で,今回も例外ではない。

私は熱心なブルックナーのリスナーではなかったのだが,Nelsonsの全集を買って以降,Thielemann,そしてJochumと全集が3組になってしまったのは完全な気まぐれと言ってもよいのだが,正直言って自分でもびっくりである。また,私の音楽的な嗜好を知る人から見ても,これは驚きだろうなぁなんて思っているが,まぁそれはよかろう。

サントリーホールの座席につくと,私が近年行ったコンサートの中では最も客入りが悪い感じであった。感覚的には7割程度の入りだったが,日本のオケの定期なんてこんなものなのかなぁと思う一方,大概の場合,私が行ったものはほぼフルハウスに近いものだったから,不思議に思ったのであった。私は今回がブルックナーの生は初だったのでよくわからないが,ブルックナーの人気がないとも思えず,なんでだろうと思いつつ聞いていた。まぁでも最近はブルックナーの演奏機会が多いから,敢えてという感じでもなくなっているのかもしれないが。

肝腎の演奏は,私が座っていた座席にもよるのかもしれないが,いつもより音が大きく感じられ,弦も管も鳴りがよく,この曲から感じられるダイナミズムを表現するには十分だったと思えるし,破綻は感じられなかった。前回のショスタコとの違いはパーカッションがティンパニーだけなので,当然ティンパニーの演奏は目立つ訳で,こなして当然とは思いつつ,カーテンコールでも一番の喝采を受けて当然と思える目立ちっぷりであった。独奏パートのあるクラリネット,フルートがそれに続くという感じだが,その他の管楽器部隊も大きな拍手を受けるのは,曲が曲だし,上述の通り実際によく鳴っていたので納得であった。弦も弱音も綺麗に響かせ,フォルテッシモにおける音量も全く問題なし。

ということで,人生初の生ブルックナーとしては悪くなかった演奏で,もう少し客入りがよくてもよかったと感じた次第。

Live at サントリーホール on September 25, 2026

Personnel: 佐渡裕(cond),新日本フィルハーモニー交響楽団

2026年9月19日 (土)

Christian McBride & Ursa Major@Blue Note東京参戦記。

Christian-mcbride-at-bnt

Christian McBrideの新バンド,Ursa Majorを観るためにBlue Note東京に行ってきた。Christian McBrideはトリオ,ビッグバンド,Inside Straight,New Jawn等でバンド活動を行っているが,そこに新たに加わったのが今回のUrsa Majorである。近々アルバムのリリースも予定されているこのバンドは,Christian McBrideのお眼鏡にかなった若手,中堅のメンバーを集めたということだが,そこにNicole Gloverが入っているのがポイントが高いし,映像ではChritian McBrideがエレクトリック・ベースを弾いていて,これも久しぶりということもあって期待が高まる。本来のドラムスであるSavannah Harrisは健康上の理由で来日できないとのことであったが,大きな問題にはなるまい。

Ursa-major ということで始まった演奏であるが,ベースがリーダーだからというのもあろうが,やけにベースの音がでかいのが少々気になる。しかし,根っから聴衆を楽しませる術を知るChristian McBrideのこと,トラで入ったDennis Frehseもなかなかの実力者で,リズム二人でバンドをドライブして演奏を盛り上げたことは,聴衆の反応からも明らかであった。Christian McBrideのソロも強烈だったしねぇ。

しかし,今回の演奏を聞いていて私が100%満足したかと言えば,必ずしもそうとも言えない部分があったことは事実だ。

まず私がこのバンドで最も期待したNicole Gloverだが,フレージングは彼女らしさを感じさせるところもあるにはあったのだが,体調がよくないのか,あるいはPAのバランスが悪いのかイマイチ元気がないように思えた。もう少し彼女にはテナーをブイブイ言わせて欲しかったというのが実感。ギターのEly Perlmanはアーム付きストラトを使っていることからもおそらくロックを出自としていると思われ,ジャズをやろうとしてもついついフレーズがロック的になってしまう感じがしたのは微笑ましいのだが,本人のオリジナルで歌ったのはいただけない。そもそもド緊張なのか,そもそも歌が下手なのかはわからないが,あの程度の歌唱力ではライブの場で歌う(歌わせる)べきではなかろうというのが正直なところ。そしてピアノとキーボードのMike Kingはよく指が動くねぇと思わせるのだが,全くフレージングに驚きがない。技量はあるのはわかるのだが,音数でごまかしている感じがしてプレイヤーとしてはまだまだだ。

とバンド・メンバーには相当辛口な評価をした私だが,上述の通り,Christian McBrideのエンタテインメントとしての取り組みもあって,ライブ全体では悪い印象はない。アコースティック・ベースがよかったのはもちろんだが,フレットレスのエレクトリック・ベースを強烈に鳴らすChristian McBrideの技は楽しめた。だが,バンドとしてはまだまだ発展途上という感覚が強く,どうせならファンク系をもう少しやってもよかったかもと思ったのであった。私にとっては昨年のBody & Soulにおける演奏を知るだけに,Nicole Gloverの元気のなさが残念であった。近々発売されるアルバムを聞いて,このバンドについて改めて評価することを考えようと思う。

尚,トップの写真はBlue Note東京のWebサイトから初日の模様を拝借。

Live at Blue Note東京 on September 17, 2026 2ndセット

Personnel: Christian McBride(b), Nicole Golver(ts), Ely Perlman(g), Mike King(p, key), Dennis Frehse(ds)

2026年9月17日 (木)

半年ぶりのイタリア文化会館。今回はクラリネット~ピアノのデュオ。いや~楽しかった。

イタリア文化会館の無料コンサートには常々世話になっているが,ここのところ日程が合わないことが多く,前回のフルート×2+ピアノのコンサートから半年ぶりの訪問となった。今回はクラリネットとピアノのデュオということで,なかなか聞けないリサイタル・モードである

Carbonare_kuroda_per_sito クラリネットのAlessandoro Carbonareはイタリア文化会館のWebサイトによれば,フランス国立管弦楽団,サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団で首席奏者を務め,ルツェルン祝祭管弦楽団とモーツァルト管弦楽団で第一奏者を務めるというからその筋では相当の実力者である。Claudio Abbadoとモーツァルトのクラリネット・コンチェルトも吹き込んでいるしなぁ。一方の黒田亜樹はタンゴやEL&P,更にはファイナル・ファンタジーまでやってしまうという幅広なレパートリーを持つミラノ在住のピアニスト。

イタリア文化会館でのコンサートは毎度毎度珍しいレパートリーも含んでおり,通常聞けないような音楽が聞けることも楽しみの一つだが,今回も例外ではない。今回のプログラムは下記(イタリア文化会館のWebサイトから拝借):

  • ルイージ・バッシ(1833-1871):《リゴレット》の主題による演奏会用幻想曲
  • フランシス・プーランク (1899-1963):クラリネットとピアノのためのソナタ FP 184
  • エンニオ・モリコーネ(1928-2020):ニュー・シネマ・パラダイス
  • ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン (1770-1827):クラリネットとファゴットのための3つの二重奏曲 WoO 27 より 第3番 変ロ長調(ファゴット:Davide Carbonare)
  • ジョアキーノ・ロッシーニ (1792-1868):「老年の過ち」第6巻「如才のない子供たちのためのアルバム」より 「小さな機関車の愉快な旅」
  • イーゴリ・ストラヴィンスキー(1882-1971):クラリネット・ソロのための3つの小品 K033
  • ベーラ・コヴァーチ(1937-2021):ショーレム・アレイヘム、ロヴ・ファイドマン!

Alessandoro Carbonareは技も確かなら,ラテン系ならではの明るさも発揮し,それは楽しいコンサートとなった。写真,ビデオ撮影OKというのも凄いが,どちらかと言うと私は音楽に集中したいので,周りのスマホが気になって仕方なかったが(苦笑)。それはさておき,ストラヴィンスキーの最後のパートではサーキュラー・ブリージングを駆使しながら,客席を回ってしまうし,ロッシーニでは「演劇を勉強中」と言って,クラリネットではなく,ピアノ伴奏にセリフ回しを乗せるものであった。更には「たまたま(?)」名古屋の演奏会のために来日中の息子のDavide Calbonareのファゴットとのデュオも聞かせるなど,プログラムも極めて多彩。

何よりも私が感慨を覚えたのはクラリネットという楽器の響きの美しさであった。基本的にオケの中のクラリネットしか聞く機会がない中で,クラリネットとはこれほど美しい響きを生み出すのかというところに,今更ながら感心していた高齢者の私である。

加えて,ピアノだけでなく,通訳もこなした黒田亜樹の貢献度も高く,この人もミラノ在住らしいラテン系日本人的なノリが楽しさを増幅させた。

こういうのが無料で聞けてしまうのだから,イタリア文化会館には感謝するしかないと改めて思ったのであった。ついでに言っておけば,最近少ないジャズ系もよろしくってことで。

Live at イタリア文化会館 on September 15, 2026

Personnel: Alessandro Carbonare(cl, vo), 黒田亜樹(p), Davide Carbonare(fagot)

2026年9月14日 (月)

日フィルでショスタコーヴィチを聞く。しかも「レニングラード」だ!

Photo_20260913075001

私が昨今クラシックのコンサートに行く場合,大規模なオーケストラ音楽が多くなっている。今回はショスタコだが,それも7番「レニングラード」で,友人が行けなくなた代打としての参戦である。日フィルを聞くのは初めてだし,指揮するKahChun Wongも初めてだから丁度いいやってことでサントリーホールに向かった。

本来,今回の指揮はAlexander Lazarevが行う予定だったようだが,早くから来日不能がアナウンスされており,主席指揮者のKahChun Wongが代打で指揮を行うことになったとしても,準備はきっちりできていたと思われる。

まぁそもそもが大編成オケが魅力みたいなこの曲だから,相応に盛り上がることはわかっているのだが,第一楽章の冒頭の弦の響きがイマイチで,どうなることかと思ったが,それは徐々に解決して,こちらが期待するレベルに上がっていった。第一楽章中盤に小太鼓の連打を聞いているとついつい「やっちゃいな,やっちゃいな,やりたくなったらやっちゃいな」と心の中でつぶやく私であった(爆)。まぁこの曲におけるパーカッション部隊は体力もいるところであっただろうが,やはり一番受けていたのはパーカッションだったと思っていた。また,高音の続くフルートのフレーズを吹ききった主席の真鍋恵子もプレッシャーのかかるところを難なくこなして,やんやの喝采を浴びていた。

いずれにしても,オケの鳴らしどころ多数の曲なので,大いに盛り上がった訳だが,KahChun Wongの曲の解釈はさておき,この人は淡々と指揮をする感じがあって,ギミックではない程度によりパッションを感じさせる振りっぷりを見せると更に盛り上がるんじゃないかなぁと思っていた私である。

この曲を生で聞いたのも今回が初めてであったが,いい経験になった。

Live at サントリーホール on September 11, 2026

Personnel: KahChun Wong(cond), 日本フィルハーモニー交響楽団

2026年9月10日 (木)

Banksia Trio@Body & Soul参戦記。世界レベルの演奏に感動した。そしてBody & Soulの閉店を惜しむ。

Banksia-trio-at-bands-1

2026年9月いっぱいでの閉店が決まっている渋谷のBody & SoulにBanksia Trioが出演するという情報を,少々出遅れ気味であったが知り,もう予約で一杯かなと思いつつWebサイトを見てみたら,まだ受付中だったので迷わず予約を入れた私である。

Body-and-soul Body & Soulという店は演奏を聞く場所としての雰囲気はいいし,食事もなかなか美味しいという重宝な店なだけに,その閉店は実にもったいないという気がする。私が現在のロケーションの同店に行ったのはLars Janssonが2回,情家みえ,そしてNicole Gloverのたった4回だけだったが,常によい印象を与えてくれる店だった。それでもBody & Soulの最後の月に,新譜"Great Noon"をリリースして間もないBanksia Trioが聞けるというのは実に嬉しいものである。

Photo_20260909140301 某所への出張後,雨の降るインバウンドだらけの渋谷の喧騒を抜けて店に向かったが,今回は20時開店,21時演奏開始,1セットのみという変則的な営業であった。そしてそこで展開されたBanksia Trioの演奏の素晴らしいこと。フリー度が高い部分もあれば,美しいメロディ・ラインを打ち出すスタンダードを演奏したりと,この人たちのスタイルの多様性が実に素晴らしい。

Photo_20260909140701 私はピアノ・トリオの世界では個人的な嗜好からBrad MehldauとMarcin Wasilewskiが2トップだと思っているが,Brad Mehldauのレギュラーのトリオ活動が必ずしも活発と言えない中,Banksia Trioはこの2トップが演奏しないスタイルにも対応できるということで,やはりこの人たちは世界屈指のレベルだと思えたライブであった。林正樹のフレージング,石若駿の打ちだす変幻自在かつ強力なリズムとパルス,そしてリーダー須川崇志の統率力と素晴らしいテクニックが相俟って,このトリオの凄みを堪能した。

Photo_20260909140702 リーダー須川崇志が言っていたように,このトリオ結成のきっかけはBody & Soulの京子ママからの言葉だったそうだ。だからこそ,この店の閉店が近いタイミングで彼らが出演し,そして社歌(笑)"Body and Soul"も演奏するということにつながったのだと思う。

Body & SoulのWebサイトによれば,当日のセットリストは次の通り:

  • All Living Things
  • The Bounce
  • Great Noon
  • This Nearly Was Mine
  • Last Night When We Were Young
  • Blues for Dino
  • Nigella
  • Dance of Rhizobium
  • Elephant Knows
  • Body And Soul
  • (EC) The Last Rose of Summer

いずれにしても2時間近くの演奏はマジで痺れるものであり,そんなトリオにフィットするこのBody & Soulというヴェニューの閉店を心から惜しみたい。私はこの店の南青山の時代は行ったことがなく,現在の渋谷の店しか知らないのだが,ただでさえ渋谷が嫌いな私にとっては,渋谷に行くモチベーションはこれでぐっと低下すること必定である。改めてBody & Soulの閉店は本当に残念だという思いを強くした一夜であった。惜しい。本当に惜しい...。

尚,お店のファサード写真以外はBody & Soulのサイトから拝借。

Live at Body & Soul on September 8, 2026

Personnel: 須川崇志(b),林正樹(p),石若駿(ds)

2026年9月 2日 (水)

Mary Halvorson@Blue Note東京参戦記。

 

Mary-halvorson-on-stage-at-bnt

Mary HalvorsonはDownBeatでの国際批評家投票でギタリスト部門のトップに何年も連続して選出されているが,日本での評価,知名度とは大きな違いがあると言ってもよいだろう。それは彼女がやっている音楽がハイブラウなもので,必ずしもとっつきやすいものではないことが大きく影響していると思う。だが,批評家筋の評価はトータルなミュージシャンとしてのものもあれば,そのクリエイティブな姿勢に対するものと言ってもよいように思う。

Mary-halvorson-at-bnt_20260918095901 そんなMary Halvorsonの自身のグループを率いた日本での初ライブが今回のBlue Note東京での演奏らしい。まぁ彼女の音楽がBlue Note東京というヴェニューにフィットしているかと言えば少々疑問に思いながらも現地に赴いた私である。しかし,着いてみればほぼフルハウスなのには少々驚いた。

今回のバンドはAmaryllis Sextetであるが,これまで参加していた,これまた批評家筋で無茶苦茶高く評価されているPatricia Brennanが抜けてしまったのは少々残念であるが,ラッパのRising Star部門でトップとなったAdam O'Farrillにも注目だ。Adam O'Farrillは上原ひろみのSonicwonderにも参加していて,全然違うスタイルのバンドでどうやるのかには興味津々だ。

ステージ上ではMary Halvorsonは座ってプレイ,私が撮影したステージ写真ではポジションはわからないが,ブラスの二人はステージ右手で演奏である。面白かったのはリーダー,Mary Halvorsonも譜面と首っ引きで演奏していたことだが,それだけ複雑な曲と言ってもよいものだろう。しかし,そんな曲でもTomas Fujiwaraのシャープなドラミングもあって,タイトではあるが,ユニークな演奏を披露したセクステットであった。そもそも最初にソロを取ったのがトロンボーンのJacob Garchikだったのだが,これまたレベルが高く,新加入のYvonne Rogers含めて,ライブ冒頭からメンバー全員が優れたミュージシャンであることを実証したものだった。

演奏ではメンバー全員にソロの機会が与えられたが,リーダー,Mary Halvorsonはエフェクターも駆使しながら,面白いサウンドスケープを作り出していたし,Adam O'Farrillのラッパも期待通り。演奏後のサイン会でAdam O'Farrill本人ともちらっと話したのだが,確かにSonicwonderとは大違いだよなぁなんて言っていた。

いずれにしても,アルバムから受ける印象とは異なり,想像以上にわかりやすくも,スリリングな演奏を聞かせてもらったと思ったのであった。DownBeatで批評家筋からの評価が高いのは,ライブを含めれば,これもさもありなんというところであった。これが現在の最先端のジャズの一つってことになるのだろうと感じた私であった。

尚,トップの写真はBlue Note東京のWebサイトから拝借。

Live at Blue Note東京 on August 31, 2026 2ndセット

Personnel: Mary Halvorson(g), Adam O'Farrill(tp), Jacob Garchik(tb), Yvonne Rogers(p,synth), Nick Dunston(b), Tomas Fujiwara(ds)

2026年8月16日 (日)

Peter Erskine Dr. Um@Blue Note東京 参戦記。

Peter-erskine-at-cotton-club

Peter Erskineのエレクトリック・バンド,Dr. Umのライブを観るべく,郷里での墓参りを済ませた後,Blue Note東京に行ってきた。今回はMike Mainieriをゲストに迎えてのライブである。お盆の時期だったので,客入りはどうなのかと思っていたら,会場がフルハウスなのにはびっくりした。

Peter-erskene-at-bnt

このバンドのライブを観たのが今から10年前,Mike Mainieriに関しては2015年のSteps Ahead以来だ。そのSteps AheadにはPeter Erskineと今回も来日したBob Sheppardもいたので,違いはキーボードとベースだけだが,感じは似ているところもあれば,違うところもある。

演奏はMike Mainieri抜きの4人で,Dr. Umの1stからの"Hawaian Bathing Suit"と"Lost Page"からスタート。"Hawaiwan Bathing Suit"はアルバムでは最もWeather Reportっぽい曲だったが,今回はJohn Beasleyのキーボード使いがそれっぽくなかったので,少々印象が違った。私としてはBob Sheppardのフレージングに魅力を感じていたってところ。

この2曲が終わったところで,Mike Mainieriが迎え入れられたが,前回のSteps Aheadでは相当お疲れモードだった記憶があるMainieriが,現在88歳とは思えぬしゃきっとした姿なのには感心してしまった。Mike Mainieriを迎えて,まずは"Pools"でスタート。Mike Mainieriは4本マレットも使いこなして,演奏自体は全く衰えを感じさせないのは立派。

その後"Islands"に続いて,Matthew Garrisonのベース・ソロを挟んで,"Self Portrait","Young And Fine"とSteps/Steps Ahedゆかり(後者はWeather Reportゆかりでもあるが,完全にStepsヴァージョン)の曲が続き,Mike Mainieriを立てた感じがする選曲。そうした中でBob Sheppardは意図的なところもあろうが,Michael Breckerを彷彿とさせるフレージングがカッコよかった。

最後はDr. Umのレパートリー"Northern Cross"で締め,そしてアンコールはまたもSteps Aheadの"Dee Minor"で終了。演奏自体はPeter Erskineのドラミングは古希を過ぎてもなおシャープそのもので,楽しめるものであったとは思うのだが,少々曲のエンディング等に粗さを感じさせたのは「せ~の」で出来てしまう人たちゆえのリハーサル不足を感じさせたのも事実。それでも会場からはスタンディング・オヴェイションが送られていたのを横目で眺めていた私である。

Peter-erskine-set-list それにしてもDr. Umってなんだよ?とずっと思っていたのだが,冒頭にPeter Erskineが続けて読んだらDrumだよと言っていたのを聞いて,今更ながらなるほどなんて思っているのだから,私が何も考えていないというのがバレバレだ(爆)。そんな私のくせに,全曲で曲紹介があった訳でもないのに,やったレパートリーをよく覚えているなと思う方がいても当然だ。実は私が座っていた席の目の前にBob Sheppardの譜面台があって,そこにセットリストが置いてあったのを撮影したからなのだ(笑)。よく知っている曲もあれば,聞いたことはあるが曲名が...ってのが普通な中で,今回は何をやるかを事前に把握して臨んだということで。因みに当日のライブには,Blue Note東京での公演を控えた矢野顕子,Will Lee,Chris Parkerの3人も来ていることがPeter Erskineから紹介されていた。

尚,トップの写真はBlue Note東京のWebサイトに掲載されていたCotton Clubでの演奏の模様。

Live at Blue Note東京 on August 14, 2026 2ndセット

Personnel: Peter Erskine(ds), Bob Sheppard(ts), John Beasley(p, key), Matthew Garrison(b) with Mike Mainieri(vib)

より以前の記事一覧

Amazon マイストア