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カテゴリー「ワールド・ミュージック」の記事

2023年6月23日 (金)

Meshell Ndegeocelloの新作がBlue Noteからリリース。

_20230621 "The Omnichord Real Book" Meshell Ndegeocello (Blue Note)

Meshell Ndegeocelloの前作,"Ventriloquism"は実に素晴らしいカヴァー・アルバムだったが,それから4年以上のインターバルを経て,彼女の新作がリリースされた。それもBlue Noteレーベルからというのにはびっくりした。

私は"Peace Beyond Passion"で痺れて以来のMeshell Ndegeocelloのファンだが,総じてレベルの高い音楽を届けてくれて,私としては信頼度の高いミュージシャンなので,新作が出れば,迷わず現物を買うことにしているし,今回も例外ではない。そしてここで奏でられるのはもはやジャンルを超越した音楽だと言ってよい。ファンク,ソウル,ジャズ,そしてアフリカ的な要素が混然一体となったアルバムはやはり痺れる出来であった。裏切らないねぇ。

本作をプロデュースをするJosh Johnsonについてはよく知らないが,この人もジャンルを超越した音楽をやる人らしいから,こういう音楽になるのかもなぁと思ったが,それにしてもゲストに迎えるジャズ界の面々も多士済々であるが,基本的に尖った人が揃っていて,さもありなんってところである。

私好みの彼女らしいヘヴィーなファンクという感じではないが,より幅広く多様な音楽を実現したアルバムは称賛に値するものと思う。70分を越す大作にもかかわらず,全くダレることのない,このトータルな素晴らしさに対して星★★★★★としてしまおう。やっぱり凄いわ。YouTubeにアップされている"Clear Water"の映像を貼り付けておこう。カッコいいねぇ。

Personnel: Meshell Ndegeocello(vo, b, key, omnichord), Josh Johnson(sax, vo), Jebin Bruni(p, key, org, vo), Chris Bruce(g, b, vo, prog), Abe Rounds(ds, perc, vo) with Jeff Parker(g), Julius Rodriguez(key, org), Cory Henry(p), Jason Moran(p), Daniel Mintseris(key), Jake Sherman(key, b, vocoder), Joel Ross(vib), Ambrose Akimusire(tp), Brandee Younger(harp), Burnis Travis II(b), Deantoni Parks(ds), Andrya Ambro(ds), Mark Giuliana(ds), Justin Hicks(vo, key, prog), Kenita Miller(vo), Jade Hicks(vo), Sanford Bigger(vo), Joan as Police Woman(vo), Thandiswa Mazwai(vo, spoken words), Marsha DeBoe(vo), Hanna Benn(cho) 

2023年6月11日 (日)

こんなのもありました(笑):Rubén Bladesのライブ・アルバム。

_20230609 "Live!" Rubén Blades y Son Del Solar (Elektra)

私はサルサの真っ当な聞き手ではないが,ほんのわずかながらCDは保有している。これはそんな一枚。Rubén Bladesは今や政治家となって,音楽界からは引退しているとのことだが,80年代から90年代にかけて非常に人気のあった人である。本作はそのRubén Bladesが自己のバンド,Son Del Solaと吹き込んだものだが,収録されたのがNYCのLone Star Roadhouseである。私の記憶が確かなら,このヴェニューはミッドタウンにあって,様々なジャンルのミュージシャンが出演していたはずで,私にとっての初めてのTribal Techのライブはここで観たと思う。そんな場所だから,Rubén Bladesのようなサルサのミュージシャンが出ても不思議ではない。

そんな演奏の中で,典型的サルサって感じの音が続くが,例えば2曲目の"Cuentas del Alma"や7曲目の"Ojos de Perro Azul"なんかは,よりコンテンポラリーな感覚が強いもので,新しい基軸も取り入れていることがわかると言ってよいと思う。それは4曲目の"Pedro Navaja"のベース・ライン等にも感じられる。いずれにしても楽しい音楽であるが,私としてはサルサを聞くならもっとオーセンティックでもいいかなぁってのが正直なところなので,半星引いて★★★★としよう。まぁ,たまにはサルサも楽しいね。

因みにここでドラムスを叩いているのがRobert Ameenであるが,この人はDave ValentinのBlue Noteでのライブ盤に参加していたり,自身のリーダー作にはWayne Krantzが参加していたりと,なかなか面白い人である。振り返ってみれば,そのリーダー作をこのブログでも取り上げていたのであった(笑:記事はこちら)。

Recorded Live at Lonestar Roadhouse, NYC on October 29 & 30, 1989

Personnel: Rubén Blades(vo), Oscar Hernández(p), Mike Viñas(b), Ralph Irizarry(timbales), Edwin "Eddy" Montalvo(congas), Arturo Ortiz(synth), Robert Ameen(ds), Roger Páiz(bongos), Marc Quiñones(congas), Angel "Papo" Vázquez(tb), Reinaldo Jorge(tb), Leopoldo Pineda(tb)

2023年6月 7日 (水)

コレクターはつらいよ(28):ラジオ番組出演時の記録。

_20230605"Morning Becomes Eclectic" Various Artists (Mammoth)

本来ならIan Bostridgeとの共演盤についてさっさと書くべきだが,横道に逸れて久しぶりのこのシリーズである。実はこのアルバムについては既にちらっと記事に書いたことがある(記事はこちら)。その時の記事はBrad Mehldauのプロモ盤に関する記事だったが,そこでこのアルバムに触れている。これは米国西海岸のFMステーション,KCRWの人気番組"Morning Becomes Eclectic"に出演時の音源が収められたものなのだが,Brad Mehldauの音源は"Exit Music"のみである。この1曲のために本作を購入するのだから,「コレクターはつらいよ」なのだが,辛いことばかりとは言えない。

このアルバムが出たのは今から四半世紀前に遡るが,この番組は今も続いている大長寿番組であり,音楽界においては相当有名な番組であろうことは,このコンピレーションのみならず,何枚か出ているこのシリーズに参加しているミュージシャンを見ればわかる。ここには入っていないが,別のアルバムにはJoni Mitchell,James Taylor,更にはPatti Smithの音源も入っている。本作も一見脈絡のない組合せではあるが,実力を備えたミュージシャンが収録されていることから,番組の審美眼がわかるというものだ。

Brad MehldauはLarry Grenadier,Jorge Rossy時代のトリオでの出演で,ここでも痺れるような演奏を聞かせてくれるが,それ以外にも私を刺激する音源が入っている。例えばJohn Martyn。John and Beverley Martynの夫婦デュオによる"Stormbringer!"というアルバムを本ブログでも取り上げた(記事はこちら)ことがあるが,ここでの歌唱の渋いこと,渋いこと。これが本当によい。そのほかには現在はPaul McCartneyのライブ・バンドでギターを弾くRusty Andersonが参加していたEdnaswapなんて,今まで聞いたこともなかったが,実に魅力的なバンドだったって今更のように気づいているのだから,私もいい加減な聞き方をしているのがバレバレだ。そのほかにBeth Ortonとか,PJ Harveyとかもいいねぇ。

しかし,改めて聞いてみて,そういう気づきを与えてくれるのだから,それはそれでよかったと思っている。コレクターはつらいが,それでも未知の音楽との出会いを与えてくれるチャンスがこういうコンピレーションにはあるってことで。

2022年9月17日 (土)

前々から気になっていた”Spirit of the Forest”を入手。

_20220909-4 ”Spirit of the Forest” Various Artists(Virgin)

熱帯雨林保護を目的としたチャリティ・ソングである。まぁ,"We Are the World"の環境保護版ってことになるのだが,以前からこれが気になっていたのは,偏にJoni Mitchellの参加ゆえである。こういうのって,同じくJoni Mitchellが参加したNorthern Lightsによる"Tears Not Enough"1曲を聞くために"We Are the World"を入手するのと同じようなものだが,ファンってのはそういうものだ(苦笑)。

Spirt-of-the-forest-vocal-chart ジャケのイメージからだけではわかりにくだろうから,参加したメンツがわかるイメージがDiscogsにあったので貼り付けておくが,まぁ凄いメンツである。チャリティについては,各々のミュージシャンが意思を以て参加しているので,それについてはそれを尊重すべきであるし,曲のよしあしとかについてどうこう言うつもりもない。それにしても,LA,NY,ロンドンの3か所でのレコーディングによくぞこれだけミュージシャンが集結したものだ。

私としてはこの7インチ・シングルをゲットしたことで満足である。オーストラリアのセラーから,送料込みにするとそこそこのコスト(と言っても大した金額ではない)は掛かったが,Joni Mitchellの一瞬のソロ・フレーズははっきりしているし,まぁいいやってことにしておこう。一般的には,完全にオタクの世界と言っても過言ではないが(爆)。

尚,このシングル,A面とAA面から成るが,両面でソロを取るミュージシャンには違いがあるのは写真の通りである。

YouTubeにはこの曲の映像もあったので,ついでに貼り付けておこう。因みに映像はA面のメンツ。普通の人はこれで十分でしょう(笑)。ところで,映像に出てくるブラジルのミュージシャンはどこで録ったのか?また,映像にはStingらしき人物も映っているように見えるのは気のせい?

2022年6月29日 (水)

懐かしのPedro Aznarのアルバム。ハイライトは誰が何と言おうが,Pat Metheny,Lyle Mays参加の”23”。 #PedroAznar

_20220628"Contemplacion" Pedro Aznar(Tabriz Music)

これは懐かしいアルバムである。そもそもPedro AznarはECMの"First Circle"でPat Metheny Groupに参加して,一躍その名を知られることになった訳だが,参加の契機となったのがこのアルバムでのPat Methenyとの共演であったと考えられる。とは言いつつ,このアルバムのリリースは"First Circle"より後のはずだが,結構多くのリスナーが,ここでのPat Methenyとの共演につられてこのアルバムを入手したことは間違いないだろう。私が入手したのも随分後になってからのことではあるが,本作のオリジナル・リリースから40年近いというのも恐ろしい。

正直言って,出だしの"La Noche Suena el Dia"は打ち込みがきつくて,何じゃこれはと思ってしまう。Pedro Aznarの声にも合っていると思えなくてがっくりきてしまう。だが,それで諦めてはいけない。3曲目の"Verano en Nueva Inglaterra"でのいかにもPat Metheny的なソロ,そしてそれに続く"Para Acunar a Leila"におけるもろにPat Methenyの影響が顕著なPedro Aznarのギター・シンセのソロが出てきてかくあるべしと思えるまで我慢する必要がある(笑)。しかし,本作の本当のハイライトは主題の通り,5曲目の"23"である。冒頭のPedro Aznarの歌声も素晴らしいが,それに続くLyle Maysのソロが何とも素晴らしく,更にそれに続くPat Methenyのソロを聞くと,もはやこれはPat Metheny Groupの曲と言っても過言ではない響きを持っている。はっきり言ってしまえば,このアルバムの存在意義は"23"にこそあって,そのほかの曲についてはどうでもいいとさえ感じている私である。

その後のPedro AnzarのPat Metheny Groupへの貢献は大きかったし,後のソロ・アルバムについても私は結構評価したつもりだが,このアルバムはまだまだ青いと言うか,特に打ち込み系の曲については魅力を感じられないというのが正直なところ。やっぱりこのアルバムは"23"に尽きるのだ。星★★★☆(半星は"23"に免じてのもの)。

Recorded on December 20, 1982, between December 1983 and January, 1984 and between May and June, 1984

Personnel: Pedro Aznar(vo, b, g, g-synth, p, synth, ds), Pat Metheny(g), Lyle Mays(p), Danny Gottlieb(ds), Osvaldo Fattorsumo(perc), Pomo(perc)

2019年12月15日 (日)

Tinariwenの新譜が出た。相変わらずである。

_20191209 "Amadjar" Tinariwen(Wedge/Anti)

忘年会やら,仕事やらでここのところ,後進の頻度がかなり落ちてしまっているが,まぁ仕方ない。

「砂漠のブルーズ」と呼ばれて久しいTinariwenであるが,彼らの新作を入手するのには結構手間取ってしまった。もともとの発注先は延々入荷待ち状態になっており,それなら海外から飛ばした方が早いではないかということで,注文をキャンセルして米国から飛ばしたものがようやくデリバリーされた。もう最初の発注からは2か月以上経過してしまった。

まぁ,それはさておきである。「砂漠のブルーズ・バンド」としての彼らの音楽は全くブレがないというか,いつも通りの相変わらずの音である。彼らの音楽の持つグルーブは,私にとって実に心地よいものである訳だが,欧米のミュージシャンにも魅力的に響くようで,本作でもゲストとしてフィーチャーされているのはNick Cave and the Bad SeesのWarren Ellis,John Caleとの共演もあるCass McCombs,フランスからは映画音楽作曲家らしい(?)Rudolphe Burger,ドローン系ミュージシャンのStephen O'Malley,そしてWillie Nelsonの息子,Micah Nelson等が参加している。

いつも書いていることだが,彼らの音楽は変わりようがないし,正直言ってどれを聞いても同じように聞こえてしまうというところは否定できない事実だが,それでもいいのだと思えるリスナーが聞けばいいと思うし,彼らのグルーブに軽く身を揺らしていれば私は満足である。ということで,甘いとは思いつつ,彼らの音楽の魅力は抗えず,星★★★★☆。

Personnel: Ibrahim Ag Alhabib (g, vo), Abdallah Ag Alhousseyni (g, vo, clap), Alhassane Ag Touhami (vo, g, clap), Elaga Ag Hamid (g, vo, clap), Eyadou Ag Leche (b, g, vo, clap), Said Ag Ayad(perc, vo, clap), Amar Chaoui(perc), Lala(vo), Aicha(vo), Warren Ellis(vln loop),Cass McCombs(g, vo),Rudolphe Burger(g),Stephen O'Malley(g), Noura Mint Seymali(vo, ardin), Micah Nelson(charango, mandolin), Jeiche Ould Chighaly(g)

2018年4月 3日 (火)

CODONA3部作からまずは1枚目。

"CODONA" Collin Walcott / Don Cherry / Nana Vasconceros (ECM)

Codona_2ある意味,これほどリリース当時のECMレーベル的な組み合わせもないだろうと思わせるのがCODONAである。メンバーの名前の2文字を組み合わせたバンドによるこのアルバムがリリースされたのは1979年だが,その頃はさすがに私もこっちの世界までは入り込んでいなかった(笑)。その後,1枚目は買っていたものの,2nd,3rdは買い損なっていたのだが,Trilogy Boxとしてリリースされたものを遅ればせながら購入したものである。だが,なかなか聞く時間が取れず,今頃になって改めての記事のアップである。

このメンツがやっている音楽をジャズとカテゴライズしていいかどうかについては,間違いなく議論があるところである。私ならどちらかと言えば,ワールド・ミュージックと呼びたい。ジャズ的なビートは全然出てこないし,楽器編成だって到底ジャズ的とは言えない。そもそも,それって何の楽器?みたいなのがクレジットされているし...。

曲目として"Colemanwonder"なんて曲があって,Ornetteの曲2曲とStevie Wonderの"Sir Duke"が組み合わされているのだが,確かに"Sir Duke"は最後の最後に出てきてるねぇ。4曲目"Mumakata"なんて明らかにアフリカ的だしねぇ。やっぱりこれって面白いんだけれども,普通の人が聞いたら「何ですか,これは?」となること必定であろう。このバンドは前述の"Colemanwonder"以外の曲を提供しているCollin Walcottが主導したと考えるのが妥当だろうが,それにしても面白い。彼らがもたらすこのメンツならではの「間」の具合が,疲れた都会人を癒すって感じもあるなぁ。

ということで,一体何が言いたいのかわからなくなってきたが,ECMらしさってのは十分に感じられるアルバムである。星★★★★。

Recorded in September 1978

Personnel: Collin Walcott(sitar, tabla, hammered dulcimer, kalimba, vo), Don Cherry(trumpet, wood flute, doussn' gouni, vo),Nana Vasconceros(percussion, cuica, berimbau, vo)

2018年1月25日 (木)

更にRy Cooder参加のアルバムは続く(笑):今日はAli Farka Toure。

"Talking Timbuktu" Ali Farka Toure with Ry Cooder(Hannibal/World Circuit)

_20180121インド,ハワイと続いたRy Cooderのワールド・ミュージックの3枚目はアフリカである。マリ出身のAli Farka ToureのアルバムのプロデュースもRy Cooderが行って,多くの曲で共演も果たしたアルバムである。なんでもこの二人,ロンドンで出会って,意気投合,アルバムの制作までしてしまったということらしい。

久しぶりに本作も聞いたのだが,1曲目を聞いていて,何となく砂漠のブルーズことTinariwenを思い出してしまった。Tinariwenの活動拠点がマリってこともあるかもしれないが,アフリカ系ブルーズ的な響きを濃厚に感じさせる。その後,ブルーズ的なサウンドだけでなく,多彩な音楽が収められていて,これはいいねぇと思わせる。更に,ゲストとしてClarence "Gatemouth" Brownが登場すると,途端にブルーズ色が濃厚になるのは,当たり前と言えば当たり前だが,さすがなのである。Gatemouthは"Ai Du"ではヴィオラを弾いているのだが,何を弾いても,この人の生み出す雰囲気ってのが絶妙って気がする。

いずれにしても,ここで強調しなければならないと思うのは,所謂セッション・アルバムでありながら,非常に質の高い音楽に仕上がっていることだということである。有能なミュージシャン同士の邂逅と言ってしまえばその通りだが,やはりここはRy Cooderがプロデューサーとして果たした役割が大きいと言うべきだろう。適材適所のゲスト,そしてRy Cooder自身のプレイぶりも含めて,これは実によかった。こういうのはもっと取り出しやすいところに置いとけよ!という反省も込めて星★★★★☆。

Recorded in September 1993

Personnel: Ali Farka Toure(vo, g, banjo), Ry Cooder(g, b, mandolin, marimba, mbira, cumbas, tamboura), Hamma Sankare(calabash, vo), Oumar Toure(bongo, conga, vo), Clarence "Gatemouth" Brown(g, viola), John Patitucci(b), Jim Keltner(ds)

2018年1月24日 (水)

Ry Cooder参加のセッション・アルバム,次はGabby Pahinuiだ。

"The Gabby Pahinui Hawaiian Band" Gabby Pahinui(Panini)

Gabby昨日取り上げたRy CooderとV. A. BhattのアルバムがGabby Pahinuiに捧げられていたこともあって,久しぶりにこのアルバムを取り出してきた。聞くのは何年ぶりだろうか。まぁ,典型的なハワイアン・ミュージックだからねぇ。

Gabby Pahinuiがハワイアンの巨匠だってのはわかっていても,このアルバムを私が購入した動機は,またもRy Cooderになってしまう。ここでのRy Cooderは基本的にマンドリンを演奏しており,時折ティプレも演奏しているようだが,どの曲でってところまでは認識できていない。ティプレという楽器はコロンビアを中心に使われているようだが,3弦4コースの12弦という珍しい楽器だってのは初めて知った。へぇ~って感じである。Gabby Pahunuiは12弦ギターを弾いているが,ギターだってあれだけ特殊な響きがあるのに,3弦張るってのは結構凄いなぁなんて思ってしまう。弦を2-3-3-2の10弦とするティプレもあるそうだが,Ry Cooderはどっちだったのか?

それはさておき,私はハワイアンにはうといので,この音楽がどの程度優れているのかってのはなかなか評価できないのだが,この弦楽器が重なって生み出される音楽の心地よさはわかるつもりである。いずれにしても,聞いていてゆったりした気持ちになれるのがハワイアンのいいところって気がする。何曲かでNick DeCaroがアレンジしたストリングスが入るが,そうした観点でこれは蛇足って気もするなぁ。ってことで,星★★★★。

尚,アメリカでリリースされた盤のジャケットにはGabbyのポートレートが上記のジャケットに付加されているので,念のため。

Recorded in August and September 1974 and April 1995

Personnel: Gabby Pahinui(g, b, vo), Leland "Atta" Issacs(g, vo), Sonny Chillingworth(g, vo), Manuel "Joe Gang" Kupahu(g, vo), Bla Pahinui(g), Cysil Pahinui(g, b), Randy Lorenzo(g, b, vo), Ry Cooder(mandolin, tiple)

2018年1月23日 (火)

こんなのもあったねぇ。Ry Cooder Meets Indiaみたいな”A Meeting by the River"

”A Meeting by the River" Ry Cooder & V. M. Bhatt(Water Lily Acoustics)

_20180120先日,百数十枚のCDを処分して,私もいろいろなCDを保有しているものだと今更ながら思うが,生き残ったアルバムも改めて見直すとへぇ~と思うようなCDがある。これもそんな一枚である。

私は昔から結構なRy Cooderのファンだったが,その流れで購入したことは間違いない。それがこれだが,Ry Cooderのボトルネック・ギターとV. M. Bhattの弾くこれもスライドさせるらしいMohan Veena (アルバムのカヴァーにはVinaと書いてあるがVeenaが一般的のようだ)を中心にタブラとドゥンベクが加わるという構成だが,これは完全にインド音楽を基調としたものなので,まぁ異色と言えば異色である。そこにRy Cooderのギターが織り込まれるというのが何とも聞いていて面白い。あらゆる音楽を吸収してきたRy Cooderだからこそ成り立つ音楽という感じである。

とにかく,私の耳はほとんどRy Cooderのギターに行ってしまうのだが,それは仕方ないってことで(笑)。まぁ,多くの人に勧められるような音楽ではないが,一種のアンビエント・ミュージック的なところも感じてしまった私である。完全なセッション・アルバムにしては実によくできている気がする。ただ,音楽の一般的な訴求力を考えれば星★★★★ぐらいか。こういう音楽がGabby Pahinuiに捧げられているのは不思議な感じだな。

Personnel: V. M. Bhatt(mohan veena), Ry Cooder(g), Sukhvinder Singh Namdhari(tabla), Joachim Cooder(dumbek)

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