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2026年9月16日 (水)

Patricia BrennanとSylvie Courvoisierのデュオならば普通のはずはない(笑)。

Talamanti "Talamanti" Patrica Brennan & Sylvie Courvoisier(Antila)

DownBeatで2026年のヴァイブ部門1位,"Of the Near And Far"でAlbum of the Year,そしてライジング・スターのグループ部門で1位の3冠となったPatricia Brennanが,ピアノ部門4位のSylvie Courvoisierと組んだデュオ・アルバムである。 ヴァイブとピアノのデュオと言えば,私たちの世代はGary BurtonとChick Coreaの美しくもジャズ的なセンスに富んだコンビが頭に浮かぶのは当然だ。しかし,同じ楽器の組合せでもミュージシャンが変われば,全く違う音楽が生まれるのはわかるとしても,この二人では間違いなく一筋縄ではいかない演奏になることは容易に想像できた。

私がこのブログで取り上げたPatricia Brennanのアルバム,"Beraking Stretch"と"Of the Near And Far"は現代音楽にも通じる刺激的なものであった。一方のSylvie Courvoisierについてはリーダー作は取り上げていないものの,"Of the Near And Far"には参加していたから,この二人には通じるものがあったということだろう。Patricia BrennanはSylvie Courvoisierの演奏について『私の心を即座にとらえたのは、彼女がピアノという楽器を単なる和声楽器としてではなく、ひとつの完結した「物理的世界」として捉えてアプローチしている姿』と語っており,ピアノと同属の和声楽器であるヴァイブを操るPatricia Brennanにとってはそうしたシンパシーが共演につながったと言えるだろう。

そして出てくる音楽は予想通りと言ってよいだろうが,基本的にアブストラクトなものだ。そこにたまに浮き上がるメロディ・ラインがあるが,それは一瞬にして埋没していく。これは相当ハードルが高いと言わざるをえず,Patricia Brennanのこれまでのアルバムよりもはるかにアブストラクト度は高く,相当難儀な作品であることは間違いない。もはや現代音楽とカテゴライズした方が印象は近いかもしれない。まぁSylvie CourvoisierはEvan Parkerとのアルバムもあるようだから,Patricia Brennanよりもフリー度が高いとすれば,こうなるかもなぁってところか。

ということで,聞いて頂けばわかるが,なかなか難しい音楽であり,爽快感のあるフリー・ジャズとも異なるため,相当覚悟のいる(笑)アルバムである。星★★★☆。

Recorded on May 26 & 27, 2024

Personnel: Patricia Brennan(vib, marimaba), Sylvie Courvoiser(p)

このアルバムのストリーミングへのリンクはこちら 。

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