「タイムリミット25時」:さすがにこのストーリーには無理があるかなぁ。タイトルにも疑問が。
「タイムリミット25時("Deadline at Dawn")」(’46,米,RKO)
監督:Harold Clurman
出演:Susan Hayward, Paul Lucas, Bill Williams, Joseph Calleia, Osa Massen
川本三郎の「サスペンス映画ここにあり」にも取り上げられているこの映画は,William Irishによる原作を脚色したもので,大体午後11時から午前6時の7時間が描かれている。原題の通り,タイムリミットは「夜明け」なので,映画のストーリーに照らせば午前6時である。だから邦題の「25時」というのは明らかにおかしいというところから指摘しておかねばなるまい。
それはさておきである。このストーリーはかなり無茶苦茶だ。殺人現場に入り込んで,冷蔵庫は開けるは,手紙は持ち出すわでは現場に指紋がどっさり残ってしまうではないかと思えるし,当てずっぽうで犯人捜しをしたとしても,それが当たるとは限らないという瑕疵はたっぷりである。
しかし,序盤の悪女Ednaを盲目の元旦那のSleepyが訪れるシーンから,サスペンスはある程度盛り上げを図るし,さまざまな登場人物が交錯して,誰が犯人なのかというミステリー仕立てはある程度楽しめる。最後には大どんでん返しが待っているが,なるほどそういうことかと思わせるところで納得である。
いずれにしても,この映画はいたいけなBill Williams演じる気弱な水兵,AlexにほだされるJuneを演じたSusan Haywardがいい感じだ。そしてなんていい人と映画の中でもSusan Haywardに言わしめるタクシー・ドライバー,Gusを演じるPaul Lucasが本当にいい人に思えてしまう。ただ,正直なところ,世の中こんな人いるかねぇなんて思ってしまうのも事実。
まぁ小難しいことを言わず,楽しんでいればいいというレベルの映画であった。星★★★。尚,冒頭のニュース・スタンドでBill Willamsと話している兄ちゃんはJack Palanceに見えて仕方がなかったのだが,IMDbではWilliam Challeeという人らしい。他人の空似だったのかなぁ...。
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