Booker Ervinの"Texbook Tenor"を遅ればせながらアップ。
"Texbook Tenor" Booker Ervin(Blue Note)
このアルバムはBlue NoteのTone Poetシリーズでアナログで購入したものだ。聞いていなかった訳ではないが,記事化するのを失念していたので,改めてこのアルバムを聞くことにした。
このアルバムはもともと"Back from the Gig"という本作に含まれたセッションと,64年のHorace Parlanをリーダーとするセッションを合体した2枚組でリリースされていたものらしいが,それをこの68年のセッション単体でリリースしたもの。Booker Ervinのリーダー作としてリリースするには正しい姿だと思う。ジャケもいいしねぇ。
そもそもこのアルバム,ベースのJan Arnetは全然知らない人だが,チェコ出身のベーシストらしい。しかし,それ以外はいかにもBlue Noteというメンツが揃っていて,まず安定感は保証されたようなものだ。冒頭のKenny Barronが書いた"Gichi"は当時はやりのリズム・フィギュアって感じで書かれた曲だが,どんなリズムだろうが,Booker ErvinはBooker Ervinである。レコーディング当時37歳というには出てくる音が何とも成熟感に満ちているよなぁと思ってしまう。
一方Booker Ervinとフロントを構成するWoody Shawはまだ20代前半であるが,勢い満点である。後年になってもWoody Shawの主たるレパートリーとなる"In a Capricornian Way"を披露しているが,Woody Shawのソロもいいが,先発で出るBooker Ervinのソロが輪を掛けていいのだ。
B面に移ってのBooker Ervinが娘に捧げて書いた"Lynn's Tune"はリラクゼーション度が高まるが,この曲で顕著なのはソロにおけるBooker Ervinのテナーの音のでかさ。これはミキシングの問題でなく,端的に音がでかかったということを示していると感じる。そして,このアルバムにおける最大の聞きものと言ってよいのが最後に収められた"204"だ。10分を越える演奏の半分近くを占めるBooker Ervinのソロこそリスナーを燃えさせるものだ。フレージングは完璧ではないかもしれないが,ジャズの要素としての「熱さ」を体現していると言ってよい。ついついボリュームを上げたくなる演奏だ。
アルバム全体ではA面もよくできているが,この"204"は,その前の"Lynn's Tune"で緩んだ感覚を改めてビシッと締め直してくれるって感じであった。続くWoody ShawもBooker Ervinに感化されたソロを展開して,リスナーはウハウハしてしまうこと必定。
ということで,このアルバムは見逃すには惜しいアルバムであり,Booker Ervinのテナーの評価を改めて高めるリイシューとなった。星★★★★☆。
Recorded on June 24, 1968
Personnel: Booker Ervin(ts), Woody Shaw(tp), Kenny Barron(p), Jan Arnet(b), Billy Higgins(ds)
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