Joe LovanoとJulian Lageの双頭作と呼びたい"Parmount Quartet"。
"Paramount Quartet" Joe Lovano(ECM)
「最高四重奏団」とは大きく出たものだ(笑)。しかし,あながちはずれてはいないと思わせるのは大したものだ。主題の通り,このアルバムのキモはJoe LovanoとJulian Lageの共演にほかならない。まさに二人の双頭アルバムと言ってもよさそうな寄り添い具合だ。
冒頭のCharlie Hadenの名曲"First Song"からつかみはOKである。この演奏を聞けば,アルバム全体への期待が一気に高まるものであった。少々フリー的なアプローチを交えながら,演奏は淡々とした感じで進むが,クァルテットによるアンサンブルは滋味溢れるものと言ってよい。"Fanfare for Unity"でリズミカルなアプローチも聞かせるが,ビートそのものは抑制されたもの。
そしてここでドラムスを叩いているのがLiving ColourのWill Calhounというのも面白い。Living Colourのロックの世界からは完全に別ものになっていて,楚々と演奏を支えているのだ。だからこそ,Joe LovanoとJulian Lageの演奏っぷりが際立つという助演ぶりが麗しい。ベースのAsante Santi Debrianoはパナマ出身らしいが,Joe Lovanoと同年代のベースで,このブログはStanley Cowellのアルバムで登場したに過ぎない。しかしここでもベースの音色が素晴らしく,アコースティック・ベースの音はこう録って欲しいと思えるのも素晴らしい。
Joe Lovanoのオリジナルに加えて,"First Song"と並んでカヴァーしているのがWayne Shorterの"Lady Day"というのも渋い。こういう演奏を聞くとオリジナルが収められていた"Soothsayer"が聞きたくなるという効果も絶大だ(笑)。
いずれにしても,ここでのJoe Lovanoのフレージングが実に魅力的で,Julian Lageとの共演も相まって,実に聞き応えのアルバムとなった。星★★★★☆。
Recorded in February 2025
Personnel: Joe Lovano(ts, ss, tarogato), Julian Lage(g), Asante Santi Debriano(b), Will Calhoun(ds)
本作へのリンクはこちら。
« またも見ました白黒映画:今回は「飾り窓の女」。 | トップページ | さすがにNeil Youngも声が出なくなった気が...。 »
「ECM」カテゴリの記事
- 今,ECMに求めうる理想の音と言ってもよい田中鮎美のトリオ作。(2026.09.25)
- 滋味溢れるとでも言うべきSteve Swallowの新作。(2026.07.02)
- 現物はこれからだが,ストリーミングで聞いたMick GoodrickとFred Herschのデュオ。この発掘は素晴らしい。(2026.06.23)
- Joe LovanoとJulian Lageの双頭作と呼びたい"Parmount Quartet"。(2026.06.02)
- Egberto Gismonti & Daniel Murray@渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール参戦記。(2026.05.28)
「新譜」カテゴリの記事
- Dave Hollandの未発表ライブ音源が早くもデリバリーされた。つくづく凄い人だ。(2026.10.11)
- Meshell Ndegeocelloの新作が最高だ。もはや完全にプロデューサーの世界。(2026.10.08)
- JD Allenの濃い~新作はリズム隊のドローン的な響きにテナーが乗ると言えばいいか。(2026.10.09)
- 先日のライブを受けて購入したToninho Hortaの新譜はアメリカン・スタンダード集だが...。(2026.10.06)
- アルバムを聞いて,彼らのライブへの期待値が異常に高まるMessthetics & James Brandon Lewis。(2026.10.05)
「ジャズ(2026年の記事)」カテゴリの記事
- 椎名豊 Inspired Swing Special Quartet Featuring Max Ionata@赤坂B-flat参戦記。(2026.10.15)
- Art Farmerの東京ライブを人生初聞き(笑)。これがCTIから出る不思議。(2026.10.13)
- 今だ現役,ナベサダの旧譜を聞く。(2026.10.12)
- Dave Hollandの未発表ライブ音源が早くもデリバリーされた。つくづく凄い人だ。(2026.10.11)
- JD Allenの濃い~新作はリズム隊のドローン的な響きにテナーが乗ると言えばいいか。(2026.10.09)
« またも見ました白黒映画:今回は「飾り窓の女」。 | トップページ | さすがにNeil Youngも声が出なくなった気が...。 »













































































コメント