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2026年4月12日 (日)

リリースからひと月半を経て,ようやく現物が到着したPat Methenyの新作。

_20260410_0001 "Side-Eye III+" Pat Metheny(Green Hill)

本作がリリースされたのが2月末だったはずだが,現物が待てど暮らせど届かない。そのためストリーミングで聞いていた私だが,ようやく今頃になって現物が到着である。最近はこういうことが多くて結構イライラさせられることも多い某ショップだが,まぁ届いたからよしとしよう。Side-Eyeの第1作からおよそ5年弱の年月を経ての第2作である。

Side-Eyeのプロジェクトはギター~キーボード~ドラムスの編成を基本としていることは本作でも変わりはないのだが,ゲストも迎えた拡大版であるから単純なIIIではなく,III+ということだろう。

冒頭の"In on It"からしておぉっ,Pat Metheny Group的サウンドと思ってしまうが,久しぶりにこういう感じを聞いたなぁという感慨をおぼえる。しかし,2曲目以降はいつものPat Metheny的な感じに戻るが,控えめながらも仰々しいのコーラス隊が入ったり,"Urban And Western"ではゴスペル風味を感じさせたりと,これまでのPat Metheny的なものとは異なる感覚も持ち合わせている。ヴォーカルのアレンジはMetheny本人と本作にも参加のTake 6のMark Kibbleというのは意外な組み合わせ。

トリオに加えて明確にアコースティック・ベースの音も聞こえてくるが,てっきりDarryl Jonesが弾いているのかと思っていたら,Daryl Johnsという人で,とんだ勘違いであった(笑)。本作リリース後のライブにもベースは帯同しているようなので,このサウンドにはベースを必要としているということだろう。

アルバム中最も興奮を呼ぶのが5曲目の"SE-O"でのChris Fishmanによるオルガン・プレイ。これを聞いていると,ライブではこの人の活躍の場面が増えるかもと思わせるような出来。もっとソロを聞いてみたくなること必定。

まぁアルバム全体を聞いた場合,Pat Methenyのやることなので,レベルは十分に高く,私としても不満のない出来ではあるが,あの超大作"From This Place"のような感動までは至らないというのが正直なところ。あとはJoe Dysonのドラムスが少々うるさく感じるのは私だけだろうか?それでも星★★★★☆にはしてしまうのだが...。いずれにしてもPat Methenyの現在形として楽しめばよいアルバム。

Personnel: Pat Metheny(g, g-synth, sounds), Joe Dyson(ds), Chris Fishman(key, p, org) with Daryl Johns(b), Brandy Younger(harp), Luis Conte(perc), Vincent Peirani(accor), Mark Kibble(vo), Natalie Litza(vo), Kim Fleming(vo), Kim Mont(vo), Sam Franklin(vo), Stephanie Hall(vo), Joel Kibble(vo), Terry White(vo), Armand Hutton(vo), Leonard Putton(vo), James Francies(org)

本作へのリンクはこちら。 

2026年4月11日 (土)

オリジナル"Somewhere in England"の内容を収めたアナログ盤はブートレッグらしい。

Somewhere-in-england "Somewhere in England" George Harrison(Bootleg?)

私がこのLPを入手したのは随分前のことだ。George Harrisonの"Somewhere in England"は元々の音源があったのだが,販売元のWarner Brothersから却下されて,曲を差し替えたバージョンが正規盤ということになっている。しかし,George Harrisonのファンたるもの,差し替え前のバージョンも聞きたいに決まっているということで,これを入手した時は嬉しかった。

ジャケを見る限り正規のプロモ盤のようにも見えるぐらいしっかり作ってあるのだが,実はこれはブートレッグだったらしい。しかし,これぐらい真っ当な作りなら,本物だと思ってしまっても仕方がない。違いがあるとすれば,レーベルが偽物臭いこと,裏ジャケの曲順が無茶苦茶なこと,クレジットがないという3点ぐらいだが,ファンとしてはお蔵入りした4曲,即ち"Flying Hour","Lay His Head","Sat Singing","Tears of the World"が聞けるだけで価値があると言い切ってしまおう。

Somewhere-in-england-2nd このアルバムは,元々の正規盤のジャケは別のもの(→)に差し替えられているが,現在流通しているものは上の写真に近いものに変えられるという紆余曲折を辿っている。ジャケはさておき,音楽としてはどっちがいいのかって話もあるが,差し替え前のバージョンでのA面冒頭の"Hong Kong Blues"の銅鑼からのスタートはどうなのよ?って感じがしてしまうのは仕方ないな。あとは差し替え後はPaulとRingoも参加した"All Those Years Ago"の存在意義が大きいので,まぁどっちも保有すべきってところ(笑)。

2026年4月10日 (金)

いかにもECM的な音:Marilyn CrispellとAnders Jorminのデュオ作。

Memento_ecm "Memento" Marilyn Crispell & Anders Jormin(ECM)

静謐にして内省的と言ってよいアルバム。ECMと言えば「沈黙の次に美しい音」という惹句が出てくるが,まさにそれを体現するかのようなアルバムである。

Marilyn Crispellは結構な数のアルバムをECMに残しており,私もそこそこの数は保有しているのだが,正直言ってプレイバック頻度は高くない。それは彼女のアルバムに関するこのブログの扱いにも表れていて,私がこれまで取り上げたアルバムは"Storyteller"の一枚だけ(その時の記事はこちら)だ。そこにも似たいようなことを書いていて,私の印象が変わっていないことが笑える。

本作はこちらもECMにリーダー・アルバムを残すAnders Jorminとのデュオ作だが,Anders JorminについてもBobo Stensonのアルバムは取り上げても,リーダー作は"Ad Lucem"しか保有していないし,記事化もしていない。そんな二人のアルバムなので,積極的には聞こうと思っていなかった。しかし,ブログのお知り合いであるSuzuckさんが「まさにECM的美学の一枚」,風呂井戸さんは「ECM的な世界の極み」とおっしゃっているので,これは聞かねばということになってストリーミングで聞いたのであった。

主題の通り,いかにもECM的なデュオ演奏であるが,全編を通じてこの筋の音楽が好みであれば一発で気に入るであろう演奏だ。私も例外ではないが,冒頭の"For the Children"の美的なサウンドからこれにははまる。そしてアルバムの中で私に最も訴求してきたのが,Marilyn Crispellが複数の共演盤を残している今は亡きGary Peacockに捧げ,アルバムの最後に収めた"Dragonfly"であった。この曲のリリカルなメロディ・ラインと美しさがこのアルバムの白眉と言ってもよいが,最後にこの曲を置くことで私の印象は更によくなったと言ってもよい。

ここにはアブストラクトな展開はほぼ皆無と言ってよく,ピアノとベースの静かな対話が続くが,Anders Jorminのベースもピチカートとアルコの双方でこの音楽を支えているが,リアルに響く音がストリーミングで聞いても優秀な録音と感じさせるのも素晴らしい。多少なりとも好みは分かれる音楽とは思うが,ECM好きには何の問題もなしである。星★★★★☆。

Recorded in July 2025

Personnel: Marilyn Crispell(p), Anders Jormin(b)

本作へのリンクはこちら

2026年4月 9日 (木)

John Taylorの未発表音源をストリーミングで聞いた。美しいソロ・ピアノだ。

John-taylor-bauer-session "The Bauer Session" John Taylor(CAM Jazz)

早いものでJohn Taylorがこの世を去ってもう11年近くになる。John Taylorの死後,ECMからもアルバムがリリースされたが,ストリーミングでもそちらはずっと未聴のままだ。しかし,今回,2014年のソロ・レコーディングがストリーミングで公開されたので,早速聞いてみた。

私はJohn Taylorのアルバムは結構保有しているのだが,このブログで記事化したものは比較的少ない。だが,自身のアルバムに加えて,Peter Erskineの欧州トリオやAzimuthも含めたアルバム群は魅力的なものが多い。ソロ作も暫く聞いていないが"Phases"のようなアルバムもあった。そこにこの音源が加わったということだが,主題の通り,実に美しい響きに満ちている。

元々はかなりハードな演奏も聞かせたJohn Taylorであったが,私が意識して聞くようになったJohn Taylorは抒情的な響きを聞かせる人という印象が強かった。晩年の演奏と言ってよいこのアルバムも後者の路線である。冒頭の"Sophie"から実に静謐で美しい演奏が続き,あっという間に37分間が経過する。ある意味枯れた味わいすら感じさせる演奏だが,こういう音源が発掘されることは誠にめでたいと言いたくなる演奏であった。星★★★★☆。

Recorded in September 2014

Personnel: John Taylor(p)

本作へのリンクはこちら

2026年4月 8日 (水)

Sakata Orchestraのライブ盤を改めて聞く。

Berlin-28 "Berlin 28" Sakata Orchestra(Better Days)

このレコードもリリースされた当時保有していたが,手放したのが随分前のことながら,坂田明のアナログ盤マイブームの頃に再度入手したもの。今にしてみれば和楽器も交えながらフリーとファンクを同居させたような面白い音楽であった。

1980年代の前半にこういう音楽をベルリンでライブでやっていたということは結構凄い事実だと思うが,編成も相当ユニークである。何てたってホーン2人にツイン・キーボード,ツイン・ベース,ツイン・ドラムス,そしてパーカッションが3人である。しかも錚々たるメンツが揃っているのだ。

坂田明によれば,これはライブ音源でありながらリミックスされたアルバムだということだが,ライブ感は維持されていて,そうなのかなぁなんて思ってしまう。1980年代の前半というタイミングにおいて,この音楽がどう捉えられていたかは私の記憶からは飛んでしまっているが,上述の通り,その面白さが変わらないというのは立派だと思う。特にB面後半で盛り上がりを示すグルーブには,思わず身体が揺れてしまった(笑)。星★★★★。

そして今や傘寿を過ぎた坂田明が,まだ現役でフリーをやっていることも考えてみれば凄いことである。

Recorded Live at Berlin Philharmonic on November 6, 1981

Personnel: 坂田明(as),向井滋春(tb),橋本一子(p, vo),千野秀一(org, synth),川端民生(b),吉野弘志(b),村上"ポンタ"秀一(ds),藤井信雄(ds),仙波清彦(perc, vo),堅田啓輝(perc, vo),仙波元章(perc, vo)

2026年4月 7日 (火)

Keith Jarrett入りCharles Lloyd Quartetによる欧州楽旅のライブ。

Charles-lloyd-in-europe "In Europe" Charles Lloyd (Atlantic)

今年で88歳となったCharles Lloydのレコーディング歴は1960年代から始まるが,結構な数のリーダー作を残している。現在でも素晴らしいアルバムを連発しているCharles Lloydではあるが,やはり名声を高めたのはKeith JarrettやJack DeJohnetteを擁したアルバムをリリースしてからだろう。このアルバムもそのメンツによるノルウェーでのライブ音源である。

私がCharles LloydにはまったのはECM時代であって,Atlanticレーベル時代の音源はほぼ後付けで聞いたものだが,本作は今はなき高田馬場のMilestoneでレコードや本の販売を始めた際にゲットしたもの。私の場合,Charles LloydのアルバムはBlue Noteに移籍してからのアルバムを聞くことが多いので,本作をプレイバックしたのも実に久しぶりであった。これも廉価盤CDでリリースされたことがあるので,入手は全然難しくないと思うが,往時のCharles Lloydを振り返るには丁度いい感じの演奏と言ってもよい。

アルバムA面の3曲中2曲ではフルートを吹いているので,かなり軽い感じの演奏と言ってもよいが,本作での一番の聞きものはB面トップの"Manhattan Carousel"のスリリングな響きだと思う。Jack DeJohnetteらしいドラミングはこういう曲にこそフィットするし,Keith Jarrettのピアノ・ソロもいいと思う。アルバム全体ではところどころにフリー的なアプローチを示しつつも,ややおとなしめの演奏と言ってよいが,それでも十分楽しめるとは思う。まぁ,最後の"Hej Da!"はオマケ的な不思議な曲だが。星★★★★。いい機会だから,久しぶりに"Forest Flower"でも聞いてみるかねぇ(笑)。ECMのアルバムも久しく聞いていないので,一度それらを振り返るのも一興かもしれない。

Recorded Live at Aulaen Hall,Oslo on October 29, 1966

Personnel: Charles Lloyd(ts, fl), Keith Jarrett(p), Cevil McBee(b), Jack DeJohnette(ds)

本作へのリンクはこちら

2026年4月 6日 (月)

暇つぶしに見た「豹/ジャガー」。本当に暇つぶしにしかならなかったが...(笑)。

Il-mercenario 「豹/ジャガー("Il Mercenario")」(’68,伊/西/米)

監督:Sergio Corbucci

出演:Franco Nero, Tony Musante, Jack Palance, Giovanna Ralli, Eduardo Fajardo

これは少し前にストリーミングでの見放題が終了間近ということで見たマカロニ・ウェスタン。原題は「傭兵」の意味だが,この邦題は全く意味不明。Franco Nero演じる主人公の名前はSergei Kowalskiだが,ほとんど"Polack"(ポーランド人という意味らしい)というニックネームで呼ばれている。ポーランド人という意味が分かっていれば,突然Franco Neroがショパンの曲を歌い出すというのもわかるのだが,それを後付けで知った私であるから,見ている時には唐突感があった。

まぁこの映画,メキシコの革命を舞台にしているのだが,もう一人の主役と言ってよいTony Musante演じるPacoとPolackとの関係性がよくわからないまま進んでいく。いずれにしても派手なドンパチはあるし,爆破シーンやセットにも結構予算は掛かっていそうなのに,見ていても間延びした感じしかしない。

先日取り上げた「西部悪人伝」では結構重要な悪役で出ていたFranco Ressellが,序盤であっさり殺される端役のような感じなのはご愛嬌だが,本当の悪役はJack Palance。こういう役はやっぱり似合うねぇと改めて思うものの,映画があまりにしょうもないものだったので,正直もったいない気もする。まぁ暇つぶしにはなったが,西部劇好きが高じて,こういう映画までついついチョイスしてしまうのも私の悪い癖だな(爆)。星★★☆。

だが,Quentin Turrantinoが選ぶ「スパゲッティ・ウェスタン トップ20」において本作が第4位ってどういうこと?としか思えないレベルの映画。人それぞれってことだな。

本作のBlu-rayへのリンクはこちら。しかしこの程度の作品をBlu-rayにする意味あるのかねぇ(笑)。

2026年4月 5日 (日)

George HarrisonがプロデュースしたSplinterのアルバム。

Splinter "The Place I Love" Splinter(Dark Horse)

何ともいなたいジャケットである。このアルバムはGeorge Harrisonが主宰したDark Horseレーベルからリリースされた最初のアルバムというだけでなく,プロデュースもGeorge Harrison自身が務め,演奏にもHari Georgeson及びJai Raj Harisein, 更にはP. Roducerという変名で参加ということで,George Harrison好きとしては保有必須のアルバムである。

今やCDでもアナログでも再発されて,入手は容易になったが,私がこのアルバムを中古で購入した頃は入手が結構難しかったものだ。私はオークション・サイトで購入したように記憶しているが,ジャケットはそこそこ傷んだ感じはあるし,盤の状態も決して綺麗なものではなかった。しかし,再生してみると全くノイズが出ないという不思議な現物であった。

それはさておき,このアルバム,ジャケの見た目だけだと,フォーク・デュオみたいな感じもするが,実際はよりロック的,あるいはソフト・ロック的と言ってもよいサウンド。音楽的に聞けば,まぁそれなりって感じだが,George Harrisonのアルバムにも通じるサウンド・プロダクションって感じがする。バックを固めるメンツもGeorge Harrison人脈と言ってよい人たちが揃っているからそうなるのも当然だ。

曲は基本的にBob Purvisが書いているが,George Harrisonがプロデュースしていなかったらだいぶ違う感じになっていたかもしれないなぁと改めて聞いて思った私であった。それぐらいいかにもGeorge Harrisonって感じの音なのだ。それがSplinterにとってよかったかどうかはわからないが,一般的な認知度を高めたのはやはりGeorge Harrisonゆえってところだろう。それでもこのアルバムが売れたって話は聞いたことがないが...(爆)。星★★★★。

Personnel: Bob Purvis(vo), Bill Elliot(vo), George Harrison(g, b, mandolin, harmonium, synth, perc, jew's harp, vo), Alvin Lee(g), Gary Wright(p, el-p), Billy Preston(org, p), Klaus Voorman(b),Graham Maitland(accor), Willie Weeks(b), Mark Kelly(ds), Jim Keltner(ds), Mel Collins(horn arr)

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2026年4月 4日 (土)

Al Di Meolaの初リーダー作を今更ながら。

Land-of-the-midnight-sun "Land of Midnight Sun" Al Di Meola (Columbia)

私が初めてAl Di Meolaの音楽に触れたのは"Elegant Gypsy"で,まだ多少はギターも弾く高校生の私にはショッキングなギター・アルバムであったが,それ以前のアルバムはReturn to Forever(RTF)にしろ本作にしろ全て後付けで聞いたのであった。

「白夜の大地」ってそのまんまの邦題がついた本作はAl Di Meolaの記念すべき1stリーダー・アルバムだが,"Elegant Gypsy"で聞かせた技術は,既にここでも披露されていた。メンツも"Elegant Gypsy"に近いところもあるが,RTFのメンバー全員が個別でゲストとして加わりつつも,Jan Hammerはまだ不在だし,Paco De Luciaもいない。その代わりと言っては何だが,Jaco Pastoriusの参加が目を引くってところだ。

結局やっている音楽は変わらないし,プロダクションについても"Elegant Gypsy"との同質性が感じられるアルバムである。スリリングさという意味では"Elegant Gypsy"こそAl Di Meolaの最高傑作だと思っている私には少々物足りない部分があるのも事実で,リズム・セクションも少々もっさりした感覚を覚える。そうは言っても,Al Di MeolaはどうやってもAl Di Meolaだと思わせるし,レコーディング当時21歳になるかならないかぐらいだったことを考えれば,やはり恐るべきギタリストであったなぁというのが実感。初リーダー作としては十分星★★★★は与えられる佳作。

Recorded in July and August, 1975

Personnel: Al Di Meola(g), Barry Miles(key), Chick Corea(p, marimba), Anthony Jackson(b), Stanley Clarke(b, vo), Jaco Pastorius(b), Steve Gadd(ds), Lenny White(ds), Alphonse Mouzon(ds), Mingo Lewis(perc), Patty Buyukas(vo)

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2026年4月 3日 (金)

思えばThe Band関連の記事はほとんど書いていないところで,今日はRick Dankoのアルバム。

Rick-danko "Rick Danko"(Arista)

長年ブログを運営していても,そしていかにアメリカン・ロックが好きだと言っても,私がThe Band関連の記事を書く回数は何とも限定的なものになっている。The Bandについては"Big Pink"と"The Last Waltz"の映像版について記事にしただけだし,メンバーのソロにしてもLevon Helm関係しか記事にしていない。結局何を今更という感じがしてしまって,非常に記事化しにくいというのが本音なのだ。

しかし,そこは気まぐれな私なので,今日はAristaから出たRick Dankoのソロ名義による唯一のスタジオ・アルバムを取り上げることにした。このアルバムは"The Last Waltz"の翌年に出たものだが,やはりThe Bandのメンバー全員がゲストで揃っていることもあり,The Band的なサウンドが濃厚である。またゲストにはEric ClaptonやRonnie Woodも加わっており,Rick Dankoのソロ・キャリアのスタートを賑々しく彩ったってところだ。自らもド渋いアルバムをリリースしたKen Lauberの名前も見られる。

曲はロック風味もファンク風味もSSW風味もあって,ヴァラエティに富んでいる。名曲"Small Town Talk"はBobby CharlesとRick Dankoの共作だったのねぇなんてことに今更気づくのだが,私にとってはBobby Charles盤の方が圧倒的にいいと思える。いずれにしても,本作もリリースから半世紀近く経って,こういう音楽が現代の人々にどのように捉えられるのかが興味深い半ば高齢者の私である(笑)。私にとっては端的にGood Old Musicと感じればいいじゃないかと思えるアルバムではあるが,まぁそれは私の年相応の感じ方だな。まぁこのメンツであれば,これぐらいは行けるって感じで,甘めの星★★★★ってところ。

Personnel: Rick Danko(vo, b, g), Michael De Temple(g), Doug Sahm(g), Jim Atkinson(g), Ronnie Wood(g), Blondie Chaplin(g, vo), Eric Clapton(g), Robbie Robertson(g), Gerry Beckley(g, vo), Walt Richmond(p), Ken Lauber(p), Richard Manuel(el-p), Garth Hudson(accor), David Paich(synth), Jim Gordon(org, horn), George Weber(org), Tim Drummond(b), Denny Sewell(ds), Terry Danko(ds), Joe Lala(perc), Rob Fraboni(vibraslap, tamborine, vo), Levon Helm(vo), Wayne Neuendorf(vo)

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2026年4月 2日 (木)

Tedeschi Trucks Bandの新作”Future Soul”をストリーミングで聞く。

Future-soul "Future Soul" Tedeschi Trucks Band (Fantasy)

私はDerek Trucksのギタリストとしての腕を高く評価しているから,カミさんであるSusan Tedeschiとの双頭バンドであるTedeschi Trucks Bandのアルバムもこれまで全てCDで購入してきた。ただ,以前にも書いた通り,そろそろ私自身がSusan Tedeschiの声に飽きてきた感じもあった上に,今回のジャケを見て,購入を躊躇してしまった。以前なら速攻で買っているはずだが,昨今のCD価格の高騰もあって,購入するものは限定的になっているからそれも仕方がない。

昨年リリースされた"Mad Dogs & Englishmen Revisited Live at Lockin’"は昨年のベスト作の一枚に選んでいるから,彼らへの評価は相変わらずだとは思っているものの,あれは10年以上前の録音だし,Leon Russellあってこそのアルバムだったと言ってもよい。ということで,今回はストリーミングで本作を聞いた。

従来のアルバムと基本線は同じだとしても,このアルバムには今までのTedeschi Trucks Bandには感じられなかったポップさが感じられるのは,幅広いプロデュース歴を持つMike Elizondoが関わっていることの影響が大きいように思える。逆に言えば,Tedeschi Trucks Bandとしても新機軸が必要な時期に来ていると感じていたことの裏返しではないか。今回も決して悪い出来だとは思わないが,これならストリーミングでいいかなというところ。星★★★★。

私はこの人たちのライブ・バンドとしての魅力が強いと思っているし,ライブ盤も多いことからも本人たちもそういう意識のはずだ。なので,私としてはこの人たちの演奏はCDよりもライブで見たいという思いの方が強い。しかし,23年のライブ時にはホーン・セクションをけなしている私なので,全面的に支持とは行かずとも,やっぱりDerek Trucksが見たいという思いが勝って,来日したら行っちゃうんだろうなぁ。

Personnel: Susan Tedschi(vo, g), Derek Trucks(g, el-perc), Mike Mattison(g, vo), Gabe Dixon(p, org, key, vo), Brandon Boone(b), Tyler Greenwell(ds, perc), Isaac Eady(ds, perc), Kebbi Williams(sax, fl), Emmanuel Echem (tp), Elizabeth Lea(tb), Mark Rivers(vo, shaker), Alecia Chakour(vo) with Mike Elizond(key, g, b), Abe Rounds(perc), Austin Hoke(cello) 

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2026年4月 1日 (水)

Human Elementの2ndアルバムをようやくアップ。

_20260326_0001 "You Are in You" Human Element(Kinesthetic Music)

このアルバムについては彼らの1stアルバムの記事をアップした時に触れている(記事はこちら)が,それからもはや2年近くの時間が経過してようやく取り上げることとなった。入手は随分前にしていたのだが,本で言えば積んどくみたいな状態はいかんなぁとまずは反省だ。

Human Elementと言えば,Weather ReportあるいはZawinul Syndicate的なワールド・ミュージック的フレイヴァーも持つタイトなフュージョン・バンドであるが,この2ndアルバムを初めて聞いた時にはいきなりScott Kinseyの静謐なピアノ・ソロ,”Prelude"で始まり,あれ~?と思ったものだが,久しぶりに聞いてもその印象は変わらない。だが,2曲目からはちゃんと彼ららしい演奏に転じるので心配なしである。

管もギターもいない4人編成のバンドにもかかわらず,出てくる音が分厚く感じられるのはScott Kinseyのシンセの効果とも言えるだろうが,前作でも顕著だったArto Tunçboyacıyanのパーカッションとヴォイスによる色付けの貢献度も高く感じる。まぁいずれにしても全員手数が多いのは確かだが(笑)。

この2ndがリリースされたのが2018年で,このバンドのその後の活動状況はわからないが,今聞いても結構刺激的なグループだと思う。星★★★★。ストリーミングでも公開されていないようだし,入手の方法はScott KinseyのWebサイト経由(こちら)のみで,送料も掛かってしまうことを考えると財布にはちょいと厳しいが,好き者の皆さんはどうぞ(笑)。

Personnel: Scott Kinsey(synth, p), Matthew Garrison(b), Gary Novak(ds), Arto Tunçboyacıyan(perc, vo)

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