Pino Palladino & Blake Mills@Blue Note東京参戦記

ベースのPino PalladinoがBlake Millsと組んだアルバムは世の中でも高く評価されたが,その二人が来日するというのはなかなかないだろうということで,Blue Note東京に行ってきた。実のねらいはドラムスのChris Daveというのも私らしいが,予約しようにもネットがつながりにくいという久しぶりの状態の中での参戦は,完全フルハウスであった。
Pino PalladinoとBlake Mills名義の2枚のアルバムで予習して,一体どういうライブになるのかという思いも抱えながらの参戦となった。正直言って彼らのアルバムはハードにドライブするという感じではないので,ライブ向きの音楽とは思えないのだが,こういうのを聞いてみるのも修行である(笑)。まぁ2枚目の"That Wasn't a Dream"にはビートのきいた曲もない訳ではないから,そういう感じでやるのかなぁなんて想像しながらの参戦となったが,そこでChris Daveがどのようなドラミングを聞かせるのか。彼らの1stアルバム"Notes with Attachements"にはそれこそ"Chris Dave"なんて曲もあるしねぇ。
そしてこのライブ,面白かったのはメンバー4人が全員着座のままの演奏で,ライブらしい動きはゼロ,しかもMCもゼロというのが実に珍しかった。まぁ音楽だけ聞いてろや!ってところなのかもしれないが,聴衆に媚びたところがないのは逆に面白いという感じでもあった。まぁちょっと極端かなと思ったのも事実だが...。
演奏自体はアルバムに即した感じもあったものの,ライブではアルバム以上にダイナミズムを感じさせる演奏だったのはよかった。それでもミニマル的とも言うべき演奏もあったのだが,ミニマルな曲調であろうと,ヴィヴィッドな曲調であろうと,スティック,マレット,ブラシを使い分けながら繰り出されるChris Daveの小技の数々に魅了されていたと言うべきだろう。
そして言っておきたいのは,ステージ右側に鎮座していたこのバンドのリーダー2人だけならば,極めて地味な演奏になるところを,左側の2人であるChris DaveとSam Gendelによって色彩感を増していたところに,バンドとしてのバランス感をおぼえていたのであった。私としてはChris Daveはもちろんとして,Sam GendelのEWIとソプラノがなければ,このライブは全然面白くなかったのではないかとさえ思っていたのである。
そういう意味では,プロデューサーとしてのBlake Millsはわかった上でこういう演奏にしたんだろうと思いながら見ていた私であった。いずれにしても,聴衆は想像以上に老若男女(特におっさんが多かったのは意外だった)が集い,演奏も昨今のBlue Noteには珍しく久々に90分越えという大盤振る舞い的なライブで,終演後の聴衆の引けの遅さも印象的なライブであった。正直言って,これよりずっと高揚感を得られるライブはいくらでもあるとは思うが,これはこれで面白かった。そしてこれからライブに行かれる方には2ndの方をお勧めしたいが,既に公演は完全フルハウスのようだから,2ndを予約している人の方がラッキーだと思った方がいいだろう。
上の写真はBlue Note東京のサイトから拝借。
Live at Blue Note東京 on March 6, 2026, 2ndセット
Personnel: Pino Palladino(b, g), Blake Mills(g), Sam Gendel(ss, EWI), Chris Dave(ds)
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