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2026年2月24日 (火)

Kris Davisによる越境型音楽。もはや現代音楽と言った方がよいだろう。

Solastalgia-suite "The Solastalgia Suite" Kris Davis and the Lutosławski Quartet (Pyroclastic)

ジャズ界での注目度も高まるKris Davisが弦楽クァルテットとレコーディングしたアルバム。この編成ならば,上原ひろみにも"Silver Lining Suite"というアルバムがあったが,随分と趣が異なる。そもそも,タイトルにあるSolastalgiaとは「環境破壊や気候変動により、住み慣れた土地が心安らぐ場所から苦痛の源へ変貌した際に生じる、無力感や孤独感、喪失感を伴う精神的な痛み」だそうである。う~む,これはタイトルからして難しそうだが,"Silver Lining Suite"が「希望の光」をテーマにしているのとは真逆と言ってもよいものだから,趣が違って当然だ。

このアルバムはそうしたSolastalgiaにまつわる心象を,8曲から構成される組曲として演奏したものであるが,全編に渡って不安感が表出されたような感覚の曲が多いから,決して気楽に聞ける音楽とは言えない。もはやこの音楽をジャズの範疇で語ることには無理があり,現代音楽とのハイブリッドとして捉えた方がよい。よって,Kris Davisがインプロヴィゼーションを聞かせるパートも限定的であり,基本的には記譜された音楽である。

そうした音楽なので,コンベンショナルなジャズ・ファンに受けるとは考えられないし,フリー・ジャズ好きにも訴求するかも微妙なところがある中で,最後に収められた"Degrees of Separation"辺りが最もジャズ的な起伏を感じさせる。私は現代音楽も好きな方なので,こういう音楽にも抵抗はないが,それでもやはり一筋縄では行かないと感じさせる。Kris Davisについては,このブログにおいても"Run the Gauntlet"を取り上げた際にもそこにも「一筋縄ではいかない」と書いていて,自分の表現力のなさを痛感するが,これはこれで純粋に音楽的なチャレンジとして捉えればよいし,Kris Davisというミュージシャンの多様な才能を示すものだ。

いずれにしてもこのハイブラウな響きは好き嫌いは出てきて当然が,評価はしなければならない音楽だと思う。そうした意味も込めて星★★★★☆としよう。

Recorded on November 23, 2024

Personnel: Kris Davis(p), Lutosławski Quartet:Roksana Kwaśnikowska(vln),Marcin Markowicz(vln), Artur Rozmysłowicz(vla), Maciej Młodawski(cello)

本作は現物も出ているはずだが,現物のリンクが見当たらない。ということでストリーミングへのリンクはこちら

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