Hitchcockの「三十九夜」:これも見た気になっていただけだったが,筋金入りの傑作であった。
監督:Alfred Hitchcock
出演:Robert Donat, Madelene Carroll, Lucie Mannheim, Godfrey Tearle, Peggy Ashcroft, Wylie Watson
Alfred Hitchcockの映画は書籍「映画術」を通じてその魅力の深みにはまり,結構な数の映画を見てきたつもりでいる。しかし,当ブログで取り上げた「間諜最後の日」にしろ,「バルカン超特急」にしろ,イギリス時代の作品は見た気になっていただけで,実は見たことがなかったのではないかというのが実態であった。この「三十九夜」もMr.メモリーだの,小指のない男だのの逸話は知っていたのだが,今回ストリーミングで見てみると,本作も映画としてちゃんと見たことがなかったと感じてしまった。まずは反省である。これに先立つ「暗殺者の家」だって見た気になっているが,リメイクの「知りすぎていた男」は何度も見ているから,その気になっているだけかもしれないと思えてきてしまった。それは別の機会に改めるとして,この「三十九夜」である。
これが主題の通り,筋金入りの面白さなのだ。殺人や逃走劇から生まれるサスペンスに,ユーモラスな要素も加えて,Hitchcockの面目躍如たる出来にマジで感心してしまったのであった。そもそもの巻き込まれ型のプロットの面白さもあるが,86分という尺でこんなに面白く映画が作れてしまうというところが素晴らしい。昨今,やたらに上映時間が長い映画が多いが,こういうストーリーテリングの妙を見習って欲しいと思うのは私だけではあるまい。ロンドンの都会的な描写と,スコットランドの荒涼とした風景の対比も面白く,あっという間に時間が過ぎて行ったのであった。まさにクラシック。これは星★★★★★以外にはない傑作。
お馴染みHitchcock登場のシーンは少々わかりづらいが,そう言われてみればそうだという感じのゴミをポイ捨てする通行人(笑)。
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