今にして思えば,珍しい組み合わせだったGary Burtonの"Cool Nights"。
"Cool Nights" Gary Burton(GRP)
Gary Burtonについては,先日Pat Methenyとの"Reunion"を取り上げたところだが,GRP時代はほぼ毎年のようにリリースしていて,活動はかなり活発だったころだが,本作は91年に"Reunion"に続いてリリースされたもの。GRP時代のGary Burtonのアルバムは少々微妙なところがあるとも思えるのだが,このアルバムもあまりプレイバックしていないということで,久しぶりに取り出してみたが,こんなメンツだったか...と今更ながら思ってしまうような編成である。
Will LeeとPeter Erskineのリズム隊は"Reunion"からの続投だが,それ以外がBob Berg,Bob James,そしてWolgang Muthspielの組合せというのは珍しい。特にBob JamesとGary Burtonの共演はこれが最初で最後ぐらいではないか。
そして展開される演奏はソフトな感覚が強いが,このアルバムがリリースされた91年頃というのは,「スムーズ・ジャズ」全盛期みたいな時期だから,そういう方向性に向かったとしても不思議ではない。タイトル・トラックを含めてPat Methenyの曲が4曲入っていて,Wolfgang Muthspielのギター・フレーズもそこはかとなくPat Methenyを感じさせる部分がある。"Take Another Look"なんて,いかにもPat Methenyらしいメロディ・ラインだし。しかもアルバムの最後では"Farmer's Trust"までやっちゃうしねぇ。
そういうサウンドなので,いつもならブイブイ吹くBob Bergもおとなしい演奏で,Bob Bergらしくないと言えば,全くらしくない。Bob Bergファンである私としては,Bob Bergはもっとハイブラウなサウンドにこそフィットするのであって,ここはBob Bergでなくてもいいんじゃないかと思えてしまう。
まぁそうは言いつつ,これだけのメンツが揃っているので,演奏の質としては問題ないのだが,ここは少々スムーズに流れ過ぎたという感じだ。心地よく時の流れる良質のBGMだと思えばいいだろうが,ジャズ・アルバムとして捉えると刺激に乏しいというのが正直なところ。そういう意味では何とも惜しいと思えてしまうアルバム。星★★★。
Personnel: Gary Burton(vib), Bob Berg(ts), Bob James(p, key), Wolfgang Muthspiel(g), Will Lee(b, perc), Peter Erskine(ds, perc)
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