Action Trio@Cotton Club参戦記。
Action Trioって何だ?となってしまうのが普通だ。サックス奏者David Binneyがリーダーとするトリオだが,このバンドのキモはLouis Coleの参加だろうなぁと思えるバンドである。正直なところ,David Binneyだけならば集客力の乏しいところ,フルハウスになっているのはLouis Cole目当てのオーディエンスが多かったのではないか。この二人にベースのPera Krstajicを加えたトリオは,"Action"というアルバム(これが媒体はCD-Rだ)をリリースしていて,それゆえのAction Trioって訳だ。
David BinneyはCriss Crossやらいろいろなレーベルからアルバムを出しているし,Wayne Krantzとの付き合いもあって,私には相応に馴染みのある人だ。しかし,アルバム単位で言えば,これぞって作品が思い出せないところが難点。一方Louis Coleは自身のバンドでも来日している(何てったってフジ・ロックにも出ているのだ)し,私にとってはアルバム"Time"にBrad Mehldauが1曲だけ客演していることもあって,その名前も未知のものではなかった(Louis Coleに関してはBrad Mehldau的観点で結構マニアックな記事を書いた:記事はこちら)。だが,そのLouis Coleとて敢えて私がライブに行こうと思うようなところはなかったのだが,今回は「夜の部活」メイトからのお誘いに乗っての参戦である。上述の"Action"をストリーミングで聞いて準備して現地に向かった。
そしてライブであるが,絶対アルバム"Action"より面白かったと言いたい。ファンク,ロック,メロウ,アンビエント,ミニマル,フリー・ジャズと,何でもござれみたいな多様な音楽性を聞かせたこのトリオ,実に面白かった。David Binneyのアルトはまぁこういう感じになるかなぁってところだったが,このバンドで音としての支配力はLouis Coleのドラムスが強烈だったと言える。この人の手数の多いタイトなドラムスを聞いていて,私は既視感(既聴感?)を覚えていたのだが,DOMI & JD BECKのJDのドラムスを聞いた時の感覚だったと気づいたのであった。強烈な手数とタイトな響きでバンドをドライブさせる感覚と言えばいいだろうか。それに対し,リーダー,David Binneyもエフェクターも使いながら熱いフレーズを繰り出すって感じである。
一方,Louis Coleがヴォーカルをとる段になると,メロウな響きにDavid Binneyが甘いオブリガートを被せたり,Louis Coleがシークェンサーでヴォーカルの多重化を図るとまさにチャントのような響きを生んだのも面白かった。そしてそこからのどファンクへの移行は聴衆を燃えさせるに十分だったと言ってよいだろう。打ち込みも使いながらの演奏はトリオとしての枠をはみ出していて,私の想定よりはるかに楽しめたと言っておこう。ベースのPera Krstajicはなんて読むんだ?って思わせるが,決してテクニシャンとは思わないが,このバンドにはあれぐらいが適切だろうという感じで,フィット感は問題なしってところであった。いずれにしても,私はLouis Coleの激しい煽りが今回のライブのキモであったとは思うが,このトリオ,変態度では相当なもので,そもそもこの3人がなんでトリオを組んだのかってのが実に興味深いとも思えた。
それにしても私の席から見ても,明らかに極端な立てノリをしている聴衆の姿には少々笑ってしまったが。隣にいた客は大変だったろうなぁ(笑)。また,甚だ余談であるが,David Binneyが小柄なのには驚いた。私より10cmぐらい身長が低かったのねぇなんて今更思った私であった。
Live at Cotton Club on January 30, 2026 2ndセット
Personnel: David Binney(as, electronics), Louis Cole(ds, vo, key), Pera Krstajic(b)
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