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2026年1月18日 (日)

年末年始に見た映画(7):「わが命つきるとも」。高潔さと信仰について深く考えさせられてしまった。

Photo_20251231085801 「わが命つきるとも("A Man for All Seasons")」('66,英,Columbia)

監督:Fred Zinnemann

出演:Paul Scofield, Wendy Hillar, Robert Shaw, Leo McKern, Susanna York, Nigel Davenport, Orson Welles, John Hurt

Netflixというメディアにおいて往年の名画を見る機会はあまりない(と言うよりあまりストリーミングされていない)が,珍しくも66年のオスカー主要部門を獲ったこの映画が見られるのを発見し,初めて見ることができた。無茶苦茶真面目に撮られたコスチューム・プレイである。

シナリオを書いたのが「アラビアのロレンス」や「ドクトル・ジバゴ」等のDavid Lean作品も書いたRobert Boltなので,重厚なのは端から想定できる。そもそもこれはRobert Boltが書いた戯曲を脚色したものだから尚更だが,派手さはなくても,ドラマとしては一流の出来というところである。

舞台はヘンリー8世の時代で宗教改革が背景として描かれるが,主人公は「ユートピア」を書いたトーマス・モアである。トーマス・モアのガリガリのカトリック信仰がヘンリー8世との対立を生むというところだが,私がこの映画を見た後,ヘンリー8世について調べたくなったのには理由がある。私がプログレの世界に足を突っ込んだのはRick Wakemanの「ヘンリー8世の6人の妻」というアルバムからだが,ここで描かれているのは曲名にもなっている「アラゴンのキャサリン」と「アン・ブーリン」の時代だったのねぇ。この対立がアラゴンのキャサリンとの離婚問題に端を発していることを改めて理解したのであった。

それはさておき,この映画は戯曲が原作であるから,いかにもストーリー展開も舞台劇的な感じがするが,トーマス・モアを演じるPaul Scofieldの演技はオスカーの主演男優賞に値する名演であった。Paul Scofieldに対して,その他の男性の登場人物が俗物に見えてしまうのは,トーマス・モアの頑固なまでの高潔さと信仰の強さゆえというところであろう。そうした雰囲気を作り出した役者陣と監督のFred Zinnemannの手腕も大したものだと思った。

こういう映画は現代ではなかなか受け入れられるのが難しくなってしまっているかもしれないが,こういう格調高い往時の映画を再評価する機運が高まってもよさそうに感じるのは私だけではないだろう。そしてこの映画にこの邦題をつけるセンスも素晴らしいよなぁ。そうした点も含めて星★★★★★である。相当地味だけどね(笑)。

本作のDVDへのリンクはこちら

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