追悼,Ralph Towner。

Ralph Townerが亡くなった。2023年にリリースした"At First Light"でも,衰えることのない音楽を聞かせていただけに,突然の訃報はショックだ。しかし,考えてみればRalph Townerも既に85歳だったという年齢を踏まえれば,いつかこういう時が来ることは覚悟はしておかなければならなかった。
私が初めて買ったRalph Townerのレコードが"Solo Concert"だったが,そこで聞かれたクラシック・ギターと12弦ギターの素晴らしい響きに魅せられ,私はそれ以来のRalph Townerのファンとなった。このブログを開設したのが2007年1月だったが,その2日目の記事にこの"Solo Concert"をアップしていることからしても,私がいかにこのレコードを愛していたかの表れだ。プレイバックにはもっぱらCDを使うこのアルバムも,ドイツ盤のアナログは決して手放すことはない。
その後,ECMのアルバムを中心に参加作も含め,数多くのRalph Townerの音源を集めたが,必ずしも傑作揃いとは言わずとも,失望させられることはなかった。このブログを開設後に出たECMの新譜はどれも素晴らしいと思ったが,中でもPaolo Fresuとのデュオ,"Chiaroscuro"が今でも印象深い。
私がRalph Townerのライブ演奏に接したのは,NYCのBottom LineにおけるOregon Trioとお台場にあったTribute to the Love Generationにおけるソロのたった2回だったのは返す返すも残念だ。そもそも海外出張時を除いて,私がライブ通いを再開したのが2009年以降のことであるから,それも仕方がないことではあるのだが,2019年の最後の来日となった高崎でのライブを日程の関係で見逃したのは本当に残念なことであった。それでもOregon Trioの時はピアノを聞けたのも懐かしいが,この人はギターだけでなく,ピアノも非常に上手い人だったことは改めて強調しておかねばならない。
さまざまなアルバムを通じて,私の音楽的な嗜好を明確にし,生活に潤いを与えてくれた人として,Ralph Townerには感謝しても感謝しきれない。世界はまた素晴らしいミュージシャンを失った。
R.I.P.

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