Gentle Thoughts Reunion@Blue Note東京参戦記。はっきり言って最悪のPAであった。
今年最初のライブに参戦すべく,Blue Note東京に出掛けてきた。
Lee Ritenourほかによる"Gentle Thoughts"は懐かしいアルバムだ。ダイレクト・カッティングによる音のよさを売りにしていたが,私にとっては"Captain Fingers"で聞かれた超絶ユニゾンに興奮させられたのももはや50年近く前のことである。そんな彼らが,Lee Ritenour,Patrice Rushen,そしてHarvey Masonというオリジナルのメンバー3人を揃えてリユニオンするということで,懐かしさもあってBlue Note東京に向かったのであった。今回は4日間の公演だが,全セットがフルハウスという人気ぶり。同じように懐かしむ人々が多いってことか。
本来リユニオンと言うのであれば,ホーンのErnie Watts,亡くなったベースのAnthony Jackson,そしてパーカッションのSteve Formanが揃ってこそではあるのだが,Ernie WattsとSteve Formanは最近の消息が伝わっていないので,仕方がないところか。そしてベースはAnthony Jacksonに代わって,昨今Lee Retenourとの共演が多いMelvin Davisなのは妥当なチョイスってところだろう。
Lee Ritenourにしろ,Patrice Rushenにしろ,Harvey Masonにしろ各々が自分のバンドで来日してしまうメンツだけに,ギャラが高くなるのも仕方ないが,昨今のブルーノートのチャージは高騰している上に,アリーナは¥2,200の追加料金が必要というのは困ったものだ。しかし,懐かしさに負けた私は速攻で予約し,ステージ前ほぼかぶりつきの参戦となった。
それはいいのだが,演奏が始まって,私は異常なLee Ritenourのギターの音量に驚かされた。ギターの音で身体に振動が伝わるぐらいのレベルで,ハードロックか?と言いたくなってしまった。今までBlue Note東京でLee Ritenourのライブは何度か 見ているが,これほどまでギターの音量が上がっていた経験はない。音割れしているとさえ感じるようでは,繊細なニュアンスなんて伝わらないと一瞬にして思った私である。ベースとドラムスはある程度聞き取れるものの,Patrice Rushenのピアノ,キーボードが極めて聞き取りづらいレベルであり,バランスの悪さに最初から辟易としてしまった。中盤以降は多少はましになったとはいえ,それでも全編を通じてギターのボリュームが過剰であったことは否めない。
音の悪さに加え,Gentle Thoughtsのリユニオンと言うならば,往時のレパートリーをやって然るべきだと思うが,ほとんどLee Ritenourのアルバムからの選曲であり,例外は最後に演奏した"Captain Fingers"だけってのはどうなのよ?と思っていた私である。もちろん,上述の通り,アルバムに収められた"Captain Fingers"に興奮した人間にとっては,嬉しい選曲ではあったものの,今回の演奏が全くいけていなかったことはLee Ritenour本人も自覚していたはずだ。とにかく指が動いていないし,キメこそが重要なユニゾンも乱れるようでは何をかいわんやだ。大変な難曲であることは承知していても,Lee Ritenourというギタリストは演奏を完璧にこなすことが当然と思っていただけに,今回の体たらくは長年のファンである私にとっても衝撃であった。ごまかしっぷりが許せないと思ったのは私だけか?
Patrice RushenもHarvey Masonは真っ当にプレイしていたし,Melvin Davisは7弦ベースを中心に安定したバックアップぶりであっただけに,Lee Ritenourのギターの音が私にとっては大いに不満であった。演奏の質はさておき,音が耐えられないレベルであり,こんな演奏にスタンディング・オベーションを送る気には一切なれなかったと言っておく。Blue Note東京ではPAに泣かされることは何度かあったが,Lee Ritenourだけに今回の失望感は大きい。新年最初のライブがこれとは縁起が悪い(きっぱり)。
Live at Blue Note東京 on January 14, 2026,2ndセット
Personnel: Lee Ritenour(g), Patrice Rushen(key), Harvey Mason(ds), Melvin Davis(b)
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