Dino Saluzziの新作は哀愁度高く心に沁みるアルバムであった。
"El Viejo Caminante" Dino Saluzzi(ECM)
リリースからは5か月ぐらい経過しているが,今年リリースの新作である。卒寿を迎えたDino Saluzziが息子のJosé María Saluzziに,何とJacob Youngを加えた2ギター編成で吹き込んだこのアルバムは,彼らのオリジナルにスタンダード等を加えた構成なのだが,これが哀愁度が極めて高く,聞けば聞くほど味わいが増す好アルバムであった。どう経緯でJacob YoungがSaluzzi親子との共演に至ったのかはわからないが,全く違和感なしだ。
息子の方はクラシック・ギター,Jacob Youngの方はスチール弦のアコギに,エレクトリックはテレキャスを弾いているとECMのサイトには記載されているが,テレキャスとは思えぬソフトな音がここでの音楽にマッチしている。こういう音を聞くとやっている音楽は違っても,Ed Bickertのテレキャスの音を想起してしまった。
それにしてもDino Saluzzi,齢90とは思えぬ元気さである。本作が録音された時期こそ88歳になる直前というタイミングではあるものの,全く衰えを感じさせないのが素晴らしい。
先日,Enoのアンビエント・アルバムを「忙しない師走に聞くのに最適」と書いた私だが,こういうアルバムこそ落ち着きを取り戻すのにフィット感が強いと思えるアルバムであった。地味と言えば地味な音楽であるが,ここで展開される演奏は私のツボに完全にはまった。これには聞いた瞬間に星★★★★★と正直思えた一作。
Recorded in April 2023
Personnel: Dino Saluzzi(bandneon), Jacob Young(g), José María Saluzzi(g)
本作へのリンクはこちら。
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