キング・レコードが売りたかったのはAlan Broadbentなのか,Brian Brombergなのか。
"'Round Midnight" Alan Broadbent(Paddle Wheel)
Alan Broadbentは自身のアルバムもあれば,Quartet West,あるいは初期にはIrene Kralの歌伴,更にはオーケストレーション等,何でもこなすピアニストであるが,少なくとも日本においてはその存在は地味な方だと言っていいだろう。なので,このコンベンショナルなピアノ・トリオのフォーマットでも,Alan Broadbentの名前だけでは商売は厳しいと考えるのもまぁそれは無理はない。なので,バックにBrian BrombergとJoe LaBarberaを据えるというのは,ビジネス上の判断としてはありだろう。そしてキング・レコードが「低音」でBrian Brombergを売ろうとしていたこともわかっているから,Brian Brombergのソロ・スペースも通常よりも多いように感じる。即ち,聞いていてキング・レコードの商魂が見え隠れするというのが正直なところだ。
そもそも私がこのアルバムを入手したのは中古だったはずだが,Alan Broadbentに関しては上記のような活動を通じて結構評価していたから,まぁ聞いてみてもいいかぐらいが購入の動機だったはずだ。そんなこんなで入手したこのCDもプレイバックするのは超久しぶりだったが,一聴して「商魂」という言葉が私の頭をよぎってしまったのであった。ジャズマン・オリジナルにスタンダード,そしてAlan Broadbentのオリジナルを交えるというプログラムは悪くないし,演奏にしたって結構楽しめるものだと思う。だが,このアルバムをプロデュースしているのがBrian Brombergだからと言って,もう少し出番は控えめでもよくないかと思ってしまったのも事実。リーダーには華を持たせているとは言え,どっちが主役やねん?と感じる部分がなかったとは言えないのだ。
なので,久しぶりに聞いても,演奏自体は悪いとは思わなかったものの,何となく感じが悪いって思ってしまった私であった。星★★★☆。結局は音楽制作に美学や哲学を感じられないところが一番の不満。
Recorded on August 9 & 10, 2004
Personnel: Alan Broadbent(p), Brian Bromberg(b), Joe LaBarbera(ds)
本作へのリンクはこちら。尚,リンク先のジャケは上記のものとは少々異なるので念のため。
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