上原ひろみのHiromi’s Sonicwonder@東京国際フォーラム参戦記

突然のお知り合いのお誘いにより上原ひろみのライブに行ってきた。このバンドのライブをCotton Clubで観た(その時の記事はこちら)のがもう2年前かぁって感じだが,今回の東京国際フォーラム公演は2夜連続でソールド・アウトという人気ぶり。直前の北京公演は日中関係の悪化を受けてキャンセルになったようだが,日本公演は結構な数が組まれていて,その人気ぶりは相変わらず凄まじい。今回のライブ前に未聴だったバンドとしての第2作"Out There"をストリーミングで予習しての参戦である。アルバム冒頭の"XYZ"から激しいグルーブで,これをライブでやったらどうなってしまうんだろうと思わせる音で,Hadrien Feraudのベースが強烈に煽る。今回もHadrien Feraudは注目だと思った。
会場に到着すると,何と7列目中央というナイスなポジション。客層は意外(?)に高齢層が多い。上原ひろみのやっている音楽からすれば,もう少し年齢層が低いと想像していたが,彼女もデビューして23年目であるから,当時からのファンも歳を重ねた結果ということかもしれない。だとしても,ファンが離れないというのは大したものだと思う。
この日のスターは上原ひろみである。ライブは冒頭から笑いたくなるような強烈なグルーブを展開し,1曲当たりの演奏時間も長くなる中で,20分の休憩を挟んで,アンコール含め約2時間強のステージを見ていると,体力あるわぁ~と思ってしまった上原ひろみである。まさに彼女のプレイぶりは一種の「芸風」とさえ言いたくなるようなもので,まさに「弾き倒し」であった。全くやっている音楽は違うが,聞いていて(見ていて)一種の爽快感を与えるのは私にとっては山下洋輔と同じだと思いながら見ていた。期待のHadrien FeraudはPAのせいか,少々音がバンドに埋没する感じがあったものの,テクニシャンぶりを発揮して,見ているこっちは相変わらず凄いねぇと思いつつも,演奏中はあくまでも上原ひろみに視線が集中するようになっているのだ。これがスターってものだろう。
活動を重ねてバンドとしてもこなれて,前回は疑問を感じたGene Coyも今回は違和感なくバンドを煽っていたし,ラッパのAdam O'Farrillはエフェクターを使いながらも,ソロイストとしても場を与えられているのにちゃんと応える吹きっぷりであった。前回同様,この人の本質はコンベンショナルなプレイだとは思いつつ,ちゃんとこのバンドの音楽にフィットさせるのは大したものだ。
いずれにしても,バンドとしては聴衆を満足させる術を知っていると感じさせるものであり,エンタテインメントとして楽しめる演奏であったと言える。2枚のアルバムからの曲を演奏した後の,アンコールの1曲目として上原ひろみがソロで弾いたBeatlesの"Blackbird"。この曲はBrad Mehldauもよく弾くのでついつい比較したくなってしまったが,冒頭のメロディ・ラインの弾き方こそBrad Mehldauに近い部分があったが,演奏が進むにつれてピアニストとしての個性の違いも出てきて面白かった。
今回のライブに接して,上原ひろみがなぜ人気があるのかということを,2年前のCotton Clubでの演奏以上に理解した私であった。お誘い頂いたMさんにはこの場を借りて感謝したい。ありがとうございました!
Live at 東京国際フォーラム ホールA on December 5, 2025
Personnel: 上原ひろみ(p, key, synth), Adam O'Farrill(tp), Hadrien Feraud(b), Gene Coye(ds)
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