"The Gift":Larry Carltonのソロ・アルバムには今一つのめり込めないという事例。
"The Gift" Larry Carlton (GRP)
Larry Carltonがギタリストとしては超優秀な人だということには異議は全くない。だが,リーダー・アルバムとなると,セルフ・タイトル盤のような例外はあるものの,必ずしも出来のいいものばかりとも言えないと思う。なので,以前は結構買っていたLarry Carltonのアルバムもこのアルバム以降で買ったのはSteve Lukatherとのライブ,Robben Fordとのライブ等数えるほどになってしまったのも仕方ないと思っている。ライブでのギター・バトルならば,ギタリストの個性を聞くという楽しみはあっても,Larry Carltonのソロ・アルバムとなると,ライブならではの丁々発止感もなくなるし,魅力を感じなくなってしまったというのが実態だ。その契機がこのアルバムだったと言っては言い過ぎか。
このアルバムは当時のレギュラー・バンドとの録音だと思えるが,そもそも冒頭の"Ridin' the Treasure"からして,いきなりのカントリー・フレイヴァーに面食らってしまう。どう考えても,これはLarry Carltonに合っているとは思えない。もちろん技量からすれば何でもできるのはわかるとしてもだ。2曲目はヴォーカル入りのBeatlesの"Things We Said Today"というのはまぁいいとして,どうもこのアルバムに感じられる「緩さ」が気になってしまう。もはやこの世界はスムーズ・ジャズであって,フュージョンではない。まぁそれは私がもう少しハードな音作りのほうが好みだからというのが大きい訳で,だからこそLarry Carltonのリーダー・アルバムに魅力を感じなくなっていたということかもしれない。そうしたこともあって,リーダー作という観点ではLee Ritenourの方を評価してしまうのだ。それを言ったらFourplayも私はLee Ritenour在籍時の方を高く評価してしまうのだが。
もちろん,このアルバムにおいてもLarry Carltonらしいフレージングを聞けるところもあって,あぁ,やっぱりLarry Carltonだと思わせてくれる部分はあるとしても,やっぱりこのアルバム面白くないのだ。ということで星★★☆。結局本人もそういうところは理解していて,ギタリストとの共演アルバムを連発しているという気もしてくるのであった。もはやディスクとして保有する意味はなくなったと言っては言い過ぎ?
Personnel: Larry Carlton(g), Matt Rollings(key), Rick Jackson(key), Larry Kimpel(b), Greg Bissonette(ds), Michael Fisher(perc), Kirk Whalum(sax) with Michel Pillar Carlton(vo), Buddy Emmons(steel-g), Melvin Davis(b), Land Richards(ds), Paulinho Da Costa(perc)
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