2026年3月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
フォト
無料ブログはココログ

お知らせ

  • 当ブログはAmazonのアソシエイトとして、適格販売により収入を得ています。

« 2025年10月 | トップページ | 2025年12月 »

2025年11月30日 (日)

またまた見ました,白黒映画:「天使の顔」ってタイトルからは想像できない怖~いフィルム・ノワール。

Angel-face 「天使の顔 ("Angel Face")」(’52,米,RKO)

監督:Otto Preminger

出演:Robert Mitchum, Jean Simmons, Mona Freeman, Herbert Marshall, Leon Ames

「過去を逃れて」に続くRobert Mitchumの出演映画である。この映画は日本では劇場未公開だったらしいが,職人と言ってよいOtto Premingerが撮ったフィルム・ノワールで,「小悪魔的ティーンエイジャー」を演じるJean Simmonsが怖い。それに翻弄されるのがRobert Mitchumなのだが,タフガイっぽいのに優柔不断にすら映る部分があるのはどうなのよと思いつつ,まぁJean Simmonsが演じるDianeが無茶苦茶なキャラなので,そっちの怖さの方が勝ってしまう映画。

映画の前半部からJean Simmonsのもはやサイコパス的な怪しさが出ているが,90分そこそこの映画ながら,裁判シーンなどにも時間を掛けて丁寧に作られているのは大したもんだと思った。まぁこの映画の公開当時,23歳だったJean Simmonsが19歳を演じても,とても19歳には見えないところはよしとして,絶対こんな女に関わりたくないと思わせるだけでこの映画は成功だろう。一種のファム・ファタールと言ってもよいが,むしろ上述の通りサイコパスだ。この映画のポスターのイメージそのものだ。ストーリーがストーリーだけに,詳しく書くのは野暮だが,いかにもLAらしい夜景が一部で出てくるのも一興。よく出来た映画として星★★★★☆。

尚,この映画には執事の伊藤とその妻ちよ役として日系人の役者が出ているが,彼らの間のセリフは拙いとは言え,きっちり日本語で行われていたところも好感度が高かった。

本作のストリーミングへのリンクはこちら

2025年11月29日 (土)

全然ECMっぽくないのだが,音に痺れるジョンスコ~Dave Hollandデュオ。

Memories-of-home "Memories of Home" John Scofield / Dave Holland(ECM)

このデュオのアルバムがECMから出ることは意外とも思えるが,最近はご無沙汰ながら,Dave HollandはECMの黎明期からアルバムを何枚もリリースしているし,ジョンスコことJohn Scofieldも最近はECMからアルバムを出しているから,こういうアルバムが出ることは不思議ではない。そもそも以前この二人はScoLoHoFoでも共演していたし,Herbie Hancockのアルバムでも共演しているから,共演すること自体もあり得る話だ。だが,このアルバムを聞いてECMというレーベルを意識することは難しい,そういうサウンドなのには驚く。そもそもが相当にオーセンティックな響きなのだ。

私はストリーミングで聞いたのだが,とにもかくにもDae Hollandのベース音が生々しい。アコースティック・ベースってのはこういう音だと思いたくなるような音で迫ってくる。ギターとベースの音のバランスも完全に対等なレベルに設定されていて,これぞギターとベースのデュオだ!って思いたくなる。

ジョンスコはジョンスコで,いつもながらの変態的フレーズも聞かせるので,ジョンスコ・ファンも相応に納得の出来だと思うが,私の耳はDave Hollandの方に向いてしまう瞬間が多かったのも事実だ。私にとってはDave Hollandの野太い音を楽しむべきアルバムとなった。優れた装置で再生したらどんなことになってしまうのか,実に興味深いとすら感じた好アルバム。このアルバムのエンジニアリングを担当したScott Petito自身もベーシストらしいのだが,まさにDave Hollandへのリスペクトが感じられる録音という気がする。ジョンスコがもう少し暴れてもよかったとも感じるが,それでも十分星★★★★☆に値する。

Recorded in August 2024

Personnel: John Scofield(g), Dave Holland(b)

本作へのリンクはこちら

2025年11月28日 (金)

Colin Vallon Trio@Baroom参戦記

Colin-vallon-at-baroom

ECMからアルバムをリリースしているColin Vallonが来日するということで,Nik Bärtsch’s Roninのライブを観に行った南青山のBaroomを再訪することとなった。今回のトリオはこれまでずっとレギュラーで演奏している面々。私は正直言って,Colin Vallonのアルバムに辛口な評価をしてきただけに,何でライブに?って話もあるのだが,アルバムとライブに違いがあるのかというところにも関心があったがゆえの参戦である。

Colin-vallon-trio_20251127083801 これまで未聴だった彼らのECMでの最新作である"Samares"を聞きながら現地に向かった私だったが,そもそもこのアルバムからして,今までのアルバムより印象がずっとよかったので,ライブへの期待値も高まったのであった。

そしてライブの場では,Colin Vallonはピアノに細工を施し,プリペアド・ピアノのようにしたり,ピアノの弦を弓弾きするような荒業(笑)まで交え,Jimmy Pageかっ!と思いながら,現代音楽とジャズが交錯する感覚を打ち出していたのが面白かった。また,ドラムスのJulian Sartoriusはスティック何種類持ってるんだ?と思うほど,太さの違うスティックを使い分けるだけでなく,ブラシ代わりに手帚みたいなものまで使うという相当な変態な演奏ぶりで,後ろから見ていた私はついつい内心笑ってしまっていたのであった。ベースもPatrice Moretはアルコも使いながら,アブストラクトな一面を見せていて,この3人の指向は同じ方向を向いていたと思えばいいだろう。

結論からすれば,私にとってはこれまで聞いたアルバムよりライブの方が面白いと思えたのも事実で,それに加えて抒情的な響きも魅力的に響く"Samares"を聞けば,この人に対する評価を改めなければならないと思ったのであった。やはり予断はいかんと思うが,ライブの場で見直せたのはいい機会となった。とか何とか言いながら,一瞬睡魔に襲われてしまったのは飲み過ぎだったな(爆)。

尚,余談ながら会場にはスイス大使館関係者と思しき,こうしたヴェニューでは滅多に見かけそうもない人々も結構な人数で来場していた。

Live at Baroom on November 26, 2025

Personnel: Colin Vallon(p), Patrice Moret(b), Julian Sartorius(ds)

2025年11月27日 (木)

3月のライブを見逃したことを強く後悔したMavis Staplesの新作。

_20251119_0001 "Sad and Beautiful World" Mavis Staples (Anti-)

Mavis Staplesと言えば,Ry Cooderとやった"We'll Never Turn Back"に痺れたのがこのブログを始めた2007年だから,それからは随分時間が経過したものだ。

そして,それから幾星霜,今年の7月で86歳(!)となったMavis Staplesの新作。高齢ゆえ次があるかわからないということで,3月の来日に行くか悩んだ末,結局行かなかったことを強く後悔させるような新作である。そもそもリリースを知って,ストリーミングで聞いたのだが,1曲目のTom Waitsの"Chicago"を聞いただけで,「買い」を決意した私であった。とにかくこの"Chicago"がカッコいいのだ。冒頭からゲストのDerek Trucksのスライドが炸裂してぞくぞくしてしまった。ついでにここではBuddy Guyもギターで参加という豪華キャスト。

最初の"Chicago"の印象が強烈であるがゆえに,その後の展開は少々落ち着いた感覚を覚えるが,そこでのテーマは「連帯」であり,「怒り」であり,それを越える「希望」であり「慈愛」だと考えれば,この流れはうなずける。

バンドはプロデューサーも兼ねたBrad Cookを中心とするほぼ固定のメンツに,ヴォーカルを中心としたゲストが加わるという形式と考えてよいが,知った名前もあれば,聞いたこともない人もいる。しかし,それぞれがレーベル契約を持っている人だし,Wikipediaで調べればそれなりの人たちばかりで,私が不勉強なだけということになるが,いずれにしてもこうしたメンツが集うというのがMavis Staplesの音楽界における立ち位置を示すものと言ってよい。

私にとってのMavis Staplesは何はなくとも"We'll Never Turn Back"になってしまうのだが,このアルバムは静かな感動を呼ぶというところだと思う。"We'll Never Turn Back"の後に何枚か購入したMavis Staplesのアルバムでは最も出来がいいと思う。星★★★★☆。

Personnel: Mavis Staples(vo), Brad Cook(g, b, synth, vib, tambourine), Phil Cook(g, p, el-p, org, synth), Buddy Guy(g), Derek Trucks(g), Bonnie Raitt(g, vo), Rick Holmstrom(g), Nathan Stocker(g, synth), MJ Lenderman(g, ds, vo), Colin Croom(pedal steel), Andrew Marlin(mandolin), Andy Kaulkin(p), Will Miller(synth, tp), Jeff Tweedy(b), Matt McCaughan(ds, perc, b, synth), Spencer Tweedy(ds), Matt Douglas(sax), Trevor Hagen(tp), Sam Beam(vo), Tré Burt(vo), Nathaniel Rateliff(vo), Amy Ray(vo), Anjimile(vo), Kara Jackson(vo), Katie Clutchfield(vo), Eric Burton(vo), Justin Vernon(vo), Patterson Hood(vo)

本作へのリンクはこちら

2025年11月26日 (水)

Jimmy Cliffを偲んで,名作と言われたライブ盤を改めて聞く。

_20251125_0001"In Concert: The Best of Jimmy Cliff" (Reprise)

Jimmy Cliffが亡くなった。熱心なレゲエのリスナーではない私でも,Jimmy Cliffのアルバムを保有しているということで,これが唯一のアルバムなので,本作を改めて聞いて追悼である。訃報を聞いて,"Harder They Come"もストリーミングで聞いたが,やはり私にとっては本作の方がよいと思った。

改めて聞いてみて,John Sebastianも歌った"Sittin' in Limbo"がJimmy Cliff作だったと認識した無知な私である。更にリズムはレゲエそのものでやっても,曲がレゲエっぽくないCat Stevensの"Wild World"とか,レゲエをベースとはしながらも実に幅広い音楽性を持った人だったなぁと感じたのであった。冒頭の"You Can Get It If You Really Want"なんて,タイトルだけ見ればStonesの”You Can’t Always Get What You Want"に対するアンサー・ソングみたいルだと思いながら,そのポジティブな姿勢には心を打たれるよなぁと感じていた。

私は決してJimmy Cliffの音楽に頻繁に接してきた訳ではないとしても,このアルバムの持つ力は十分に感じられるし,魅力的な歌声を持つ歌手だったと思う。惜しい人を亡くした。

改めてR.I.P.

Personnel: Jimmy Cliff(vo), Ernest Ranglin(g), Earl "Baga"Walker(b), Noel "Diggles" Bailey(g), Carleton "Santa" Davies(ds), Ernest "Sterling" McCleod(key), Joseph "Joe" Higgs(vo, perc), Uzziah "Sticky" Thompson(perc)

尚,コーラス隊は"Give Thanks to"と書かれている8名だと思われる。

本作へのリンクはこちら。なぜかこのアルバムがストリーミングでも公開されず,媒体もほぼ廃盤状態というのは解せないなぁ...。

 

2025年11月25日 (火)

今回見た白黒映画はFritz Langの「ハウス・バイ・ザ・リバー」。

House-by-the-river 「ハウス・バイ・ザ・リバー ("House by the River")」(’50,米,Republic)

監督:Fritz Lang

出演:Louis Hayward, Lee Bowman, Jane Wyatt, Dorothy Patrick, Ann Shoemaker

この映画,Louis Hayward演じるStephen Byrneの人物設定が最悪で,こんなひどいキャラをよく演じる気になったもんだと,むしろLouis Haywardの役者魂に感銘を覚えるとすら言いたくなる。一方,その弟であるJohn Byrneを演じるLee Bowmanが,なんでそこまで兄をかばう必要があるのかというところには少々無理があるとは言え,83分という尺の中でのなかなかサスペンスフルな作りは結構見応えがあった。

Stephen Byrneの妻,Marjorieを演じるのはJane Wyattだが,この人は以前取り上げた「影なき殺人」にも出ていたが,綺麗な人ではあるものの,イマイチ個性に乏しい感じがするのは少々残念。

私は不勉強にして,Fritz Langの映画をこれまで見たことはなかったと思うが,昨今の白黒映画マイ・ブームの中で,早くFritz Langの作品も見なければと思っていた。この映画を選んだのは83分という尺ゆえであったが,傑作とは思わないとしても,演出力は確かなのはよくわかるし,とにかくLouis Hayward演じるStephen Byrneの人間として考えられない卑劣度こそが印象を強めるってところか。星★★★★。次のFritz Lang作は「復讐は俺に任せろ」か「死刑執行人もまた死す」あたりだな。

それにしても,この白黒映画の沼から私はいつ脱却するのやら...。今回もAmazon Primeで見たのだが,CM入れるのはいいとしても,明らかな字幕の崩れが数か所あったのは困ったもんだよなぁ。

本作のストリーミングへのリンクはこちら

2025年11月24日 (月)

年の瀬にリリースされるAl Fosterの遺作(?)は最注目盤。

Al-foster-live-at-smoke "Live at Smoke" Al Foster(Smoke Sessions)

Smoke Sessions Recordsからのメールが届いて,おぉっ!となってしまったアルバムの告知だ。惜しくも今年の5月に亡くなったAl Fosterが死の約4か月前にオールスター・クァルテットでSmokeに出演した時の実況盤である。確かこの時の演奏はFBで一部映像が公開されていたと記憶するが,生で聞けたらなぁと思っていたところへ,Al Foster追悼の意味も込めてのリリースだろう。メンツがクリポタことChris Potter,Brad MehldauにJoe Martinとあっては即発注である。現在,Bandcampで"Unrequited","E.S.P.","Everything Happens to Me"の3曲が試聴可能だが,もうそれだけ聞いても12月5日のリリースが待ち遠しい。楽しみにリリースを待とう。

2025年11月23日 (日)

Raphael Payare / Emanuel Ax / N響@サントリーホール参戦記

Payare-with-nhk-symphony-orchestra

ここのところ,仕事の都合でクラシックのコンサートを立て続けに2回聞き逃した私であったが,ようやく久々のオケを聞くべくサントリーホールに行ってきた。今回はヴェネズエラ出身のRafael Payareが「英雄の生涯」をメインに振り,Emanuel AxがモーツァルトのP協25番のソロイストというプログラム。

Ax-at-suntory-hall 私はRafael Payareを聞くのは初めてだったが,「英雄の生涯」におけるエネルギッシュな振りっぷりは,まだ40代半ばだからできるという感じのものだった。冒頭の「マンフレッド序曲」は無難な出だしというところだろうが,続くモーツァルトがなかなかよかった。とか何とか言いながら,第2楽章では心地よさゆえに少々眠りに落ちた私だったのだが,Emanuel Axのタッチはソフトな感じで,美しい響きを聞かせていたと思う。ひょこひょこ歩く姿は爺さんそのものだが,紡ぎ出されるピアノの音は実によかった。ソロイスト・アンコールとして弾いたシューベルトの「セレナーデ」もナイスなアンコール・ピースだったと思う。

それでもって「英雄の生涯」だが,私がクラシックのオーケストラの生を聞く場合は,リヒャルト・シュトラウスを選ぶ回数が結構多いなぁと思ってしまうが,まぁそれは大編成のオケの音を聞きたいからだろうなぁと思っている。今回の演奏自体も決して悪いとは思わないし,コンマスの長原幸太のソロもいい響きだったと思った。しかし,なぜか今回の演奏に高揚感をおぼえなかったのは,私に先週のきつい海外渡航の疲れが残っていたのか,はたまた演奏前に酒を飲み過ぎていたのかは不明だが,オケの響きに血沸き肉躍るという感覚をおぼえなかったのも事実なのだ。

まぁそれは演奏者側の責任と言うよりも,私の横にNHKのカメラがあって,少々落ち着かなかったということもあるかもしれないが,聴衆の盛り上がりもそれほどではなかったのは,聴衆の高い年齢層ゆえか,あるいは同日に横浜でベルリン・フィルの演奏があって,そっちにその筋(笑)の客が流れていたか?とうがった見方をしてしまった。

正直なところ,私にとっては可もなく不可もなくってところの演奏だったように思う。結局Axのピアノが一番よかったってことになるのかもしれない。

尚,写真はネットから拝借。

Live at サントリーホール on November 20, 2025

Personnel: Raphael Payare(cond), Emanuel Ax(p), NHK交響楽団

2025年11月22日 (土)

叩いて叩いて叩きまくるBilly Cobhamのアンソロジー。

Rudiments "Rudiments" Billy Cobham(Atlantic)

ジャズ界の千手観音,Billy CobhamがAtlanticレーベルに残した音源から選曲したコンピレーションをストリーミングで聞いた。本人のリーダー作とCobham~Duke Bandの音源から満遍なくチョイスされたアルバムであるが,全部聞き通すには結構体力がいるとさえ感じるアルバム。

Billy Cobhamのドラミングと言えば,手数とそのタイトさには目が点になるのだが,このコンピレーションも完全にその線狙いというところで,主題の通り,全編叩きまくりの曲が揃っていて,メリハリもへったくれもあったものではない(笑)。何もここまで...って感じすらある強烈さであるが,まぁファンにとってはたまらんってところだろう。そしてBilly Cobhamに煽られるのがBrecker Brothersほかの面々なのだから,聞いている方も燃えちゃうよねぇ。しかもBilly Cobhamのドラミングで"Some Skunk Funk"やっちゃうし。それでもミキシングのせいで,Billy Cobhamが相当目立っているのはご愛嬌で,ちょっと感じが違うのも面白い。そしてジョンアバことJohn Abercrombieですら激しいフレージングを聞かせるのだから,内容は推して知るべしである。

こんな音楽を2時間以上聞かされてお腹いっぱいの私だが,誰でもそうなるわ!と思わざるを得ない。まぁ,Billy Cobhamのリーダー・アルバムは全部保有するほどではないというのが私の感覚で,保有するのは"Spectrum"だけでもいいぐらいだと思っているので,こういうコンピレーションはなかなかありがたいとも言える。

ストリーミングで聞いたので,手許にデータがある訳でもなく,必ずしも正確ではない部分もあるかもしれないが,Discogs等を参考にするとPersonnelは次のような感じ。

Personnel: Billy Cobham(ds, perc, synth, vo), Tommy Bolin(g), John Abercrombie(g), John Scofield(g), Cornell Dupree(g), Jan Hammer(key, synth), Micho Leviev(p, key), Dawilli Gonga(key), George Duke(key, vo), Alan Zavod(org), Lee Sklar(b), John Williams(b), Alex Blake(b), Doug Rauch(b), Alphonso Johnson(b, vo), Randy Brecker(tp), Walt Fowler(tp), Michael Brecker(ts, ss), Larry Schneider(ts), Garnet Brown(tb), Glenn Ferris(tb), Tom Malone(tb), Lee Pastra(perc), David Earle Johnson(perc), Reebop Kwaku Baah(perc), Sue Evans(marimba)

本作へのリンクはこちら

2025年11月21日 (金)

実力者3人により実に面白いサウンドが展開される"Trio of Bloom"。

Trio-of-bloom "Trio of Bloom" Craig Taborn / Nels Cline / Marcus Gilmore(Pyroclastic)

このアルバム,メンツを見た瞬間からこれは面白そうだと思わされ,そしてストリーミングで聞いた瞬間からこれはいいと感じて,現物を発注済みなのだが,いつまで経ってもデリバリーされない。しびれを切らして記事をアップするが,これは様々な音楽的な要素のミクスチャーである。ファンク風味,ロック風味,サウンドスケープ風味と何でもありという感じだが,それがばらけた感じをさせず,アルバムとして一貫した響きを感じさせるのだ。例えば10曲目の"Bend It"に聞かれる執拗なベース・ラインは70年代Miles Davisを想起させる部分もあるし,やはりこのメンツであるから一筋縄では行かないのだ。

Craig TabornやMarcus Gilmoreには相応の馴染みがあっても,Nels Clineはそれほどでもなかった私だ。この人,Wilcoのギタリストでありながら,Blue Noteからリーダー・アルバムも出しているし,そもそもリーダー作の数も越境ぶりも半端ではなく,捉えどころがないというのが正直なところなのだが,そうしたこの人の特性も貢献してこのアルバムの面白さは増したと言ってもよいかもしれない。私にとってはこのアルバムは実に魅力的に響いたし,こういう音楽には惹かれてしまうのだ。甘いの承知で星★★★★★としてしまおう。最近,こういう音楽への評価が甘くなっている気がしないでもないが,そういう嗜好に変わってきたということかもしれないな。

それにしても,このアルバムをリリースしているPyroclasticというレーベルは本作を出したり,Patricia Brennanを出したり,Kris Davisを出したりと,なかなか尖ったレーベルとして見逃せない存在と言える。

Recorded on November 24-26, 2024

Personnel: Craig Taborn(key), Nels Cline(g, lap-steel, b), Marcus Gilmore(ds, perc)

本作へのリンクはこちら

2025年11月20日 (木)

Wingsのベスト盤を今になって出す真意は不明だが,鉄板の選曲だ。

Wings "Wings" (Capitol)

Paul McCartney自らの選曲によるWings名義の曲だけで構成したベスト・アルバムをストリーミングで聞いた。まぁこうなるよねという選曲だと言ってもよいのだが,こうして聞いていると彼らの活動時期である70年代(特に前半)という時期が,私が音楽にのめり込んでいくのと完全に同時代だったという思いを強くした。

私が聞いたのはCD2枚組ヴァージョンのストリーミングであるが,アルバム未収録のシングルも交えた全32曲は一部例外はあるものの,ほぼどの曲も馴染みがあるものばかりだと言ってもよい。そうは言っても"Love Is Strange"は異色過ぎる気もするが...。まぁ逆に言えば何を今更このベスト盤という気がしないでもないのだが,今回のポイントはDolby Atmosの採用と,これまでもWingsのアルバムに関わってきたHipgnosisのAubrey ’Po’ Powellによるデザインへの関与だと言ってもいいのかもしれない。音についてはそれほどこだわりのない私にとっては,この音源を改めて聞くことで往時を懐かしむという方が強い。まぁそれでもPaul McCartneyがBeatles解散後もしっかりとチャートを守っていたことを実証するベスト盤であった。

尚,今回のベスト盤にはシングル・アルバム・ヴァージョンもあるが,全12曲の1枚ものを買う人の気が知れんと言っておこう。

本作へのリンクはこちら

2025年11月19日 (水)

Cheap Trickの新作がリリース。絶対また来るな(笑)。

All-washd-up "All Washed Up" Cheap Trick(BMG)

今年,Farewell Tourと題して来日公演を行ったCheap Trickであるが,その時も新作が秋口に出ると言っていたその新作がリリースされた。このアルバムをストリーミングで聞いたのだが,いかにもCheap Trickらしい曲が並んでいる。前半はハード目,徐々にポップさが増すって感じのアルバム構成のように感じたが,まだまだ現役感に溢れたアルバムで,引退する気ないだろう?と言いたくなってしまった。

そもそもライブの時の記事にも「多分これで最後ってことはないんじゃないのと思わせるようなライブであった。」なんて書いた私だが,このアルバムを聞いて,ますますそう思ってしまったのであった。正直なところ,来日についてもまだまだ含みを持たせているようなところもあって,私は主題の通り,「絶対また来る」だろうと思っている。

私は彼らのファンとは言えないが,このアルバムは彼らのファンを満足させることは間違いないだろうと思わせる。ファンが何を求めているかをわかっているバンドだと思えた。星★★★★。

Personnel: Rick Nielsen(g), Tom Petersson(b), Robin Zander(vo, g) with Daxx Nielsen(ds), Tim Lauer(key), Julian Raymond(vo), Robin Taylor Zander(vo, g), Robin-Sailor Zander(vo)

本作へのリンクはこちら。 

2025年11月18日 (火)

ストリーミングで聞いたAaron Parksの新作。彼らしいリリシズムに満ちたアルバムとなった。

By-all-means"By All Means" Aaron Parks(Blue Note)

私が初めてAaron Parksのアルバムを聞いたのは本作と同じくBlue Noteからリリースした2008年の"Invisible Cinema"だったはずだが,その後,順調に成長を遂げたAaron ParksはECMでも素晴らしい仕事を聞かせてくれた。そして本作はECMでの第2作である"Find the Way"と同じメンツのトリオに,サックスのBen Solomonを加えたクァルテットでの演奏。"Find the Way"から約10年を経て,Aaron Parksのリリシズムは更に魅力的に響く。ジャケは往時のBlue Noteのアルバムのようではあるが,出てくる音は全然ゴリゴリではない。

本作はその"Find the Way"のトリオでの再演をAaron Parksが望んだものということもあり,本人としても相性の良さを感じてのことだったと思う。私は"Find the Way"の記事にも書いたのだが,Billy Hartが合うかなぁというところはあったが,本作ではBilly Hartは傘寿を過ぎて適切なドラミングでAaron Parksを支えているのが好ましい。注目はBen Solmonのテナーだが,この人Wallace Roneyのバンドで吹いていたらしいので,吹こうと思えばもう少し激しくも吹けそうだが,ここではAaron Parksのリリカルな音楽に合わせたソフトな音色で,フレージングも適切で心地よい。

アルバム全体としては比較的オーセンティックなサウンドと言ってよいものの,このアルバムはAaron Parksのリリカルな資質を前面に打ち出したナイスな佳作という評価ができると思う。こういうアルバムが嫌われることはないだろうと思わせるような作品。星★★★★。心休まりますな。

Personnel: Aaron Parks(p), Ben Solomon(ts), Ben Street(b), Billy Hart(ds)

本作へのリンクはこちら

2025年11月17日 (月)

出張中に見た映画と読んでいた本の話。

Movies-2025_11

今回の出張のように長いフライトだと,ついつい映画を見てしまう私だが,往路は到着後あまり時間を置かずに仕事があるということで,控えめに成田~アブダビ間で2本,復路は時差ボケのピークということもあり,あまり見るつもりはなかったのだが,結局ワルシャワ~アブダビ間で2本,アブダビ~成田間で2本の都合4本,往復で6本だから,以前出張が多かった時とあまり変わらなかったというのが実態(笑)。今回見たのが次の6本。「パピヨン」,「スーパーマン」,「バレリーナ」,「サンダーボルツ*」,「裸の銃(ガン)を持つ男 」,「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」。

それぞれに感想はあるが,「パピヨン」は後にリメイクもされているが,73年に製作されたこの映画を見たのは初めてであった。当時,Steve McQueenとDustin Hoffmanの共演が大きな話題になった記憶があるが,正直言ってしまえば,なぜこの映画を評価する人が多いのか全く理解できない,私にとっては冗長な映画であった。6本の中での最低作は「裸の銃(ガン)を持つ男 」。彼我の笑いのセンスの違いもあるとしてもギャグはすべっているし,あまりのくだらなさに辟易としていた。途中でやめるというオプションもあったが,そのうち改善するのではないかと期待した私がバカだった(爆)。Liam Neesonには出る映画はもう少し選べよと言いたくなるような駄作で時間潰しにもならんと思えた。

一方で意外に面白いと思えたのが「サンダーボルツ*」。私はMarvelの映画に思い入れはないが,エンタテインメントとしてどうかという観点で,私が想定したよりは面白かったってところだ。まぁ話に無理はあるのだが,最後はやり過ぎ感があった「アベンジャーズ」シリーズよりはいいんじゃないかと思えた。そのほかの3本は私がどうこう言うまでもないだろうが,「バレリーナ」は劇中でいったい何人死んでいるんだと数えたくなると思ってしまった(苦笑)。

Photo_20251116073401

因みに往路ではもう少し映画を見ていてもよさそうだが,ワルシャワ~アブダビ間は到着後の仕事に備え,休息に重きを置いていたこともあり,映画を見る代わりに読んでいた本が川本三郎の「サスペンス映画 ここにあり」(平凡社)であった。私が昨今Amazon Primeで見る往時の白黒映画をチョイスする際に参考にしているのが川本三郎と逢坂剛の対談本「さらば愛しきサスペンス映画」なのだが,「サスペンス映画 ここにあり」はサスペンス映画55本についての更に細かい論評ということで,450ページを越える大冊ながら,結構なページ数を読み進めてしまった。この本,2015年発行にもかかわらず,もはや入手が難しく,私はネットでプレミア付きの値段で購入したものだが,入手の甲斐もあったってものだ。しかし探すところを探せば定価で買えた...。いずれにしても今後の白黒映画鑑賞の手引きになること必定(笑)。

ということで,明日からはまた音楽関係の記事に移行することにしよう。

2025年11月16日 (日)

仲代達矢を偲んで:白黒映画と言っても今回は邦画「白と黒」なる映画を見た。

Photo_20251101162101「白と黒」('63,東宝)

監督:堀川弘通

出演:小林桂樹,仲代達矢,大空真弓,乙羽信子,西村晃,小沢栄太郎,井川比佐志,千田是也,淡島千景

恐縮ながらポーランドへのきつい出張前に書いておいた記事。

先日亡くなった仲代達矢を偲んで見たのがこの映画。暇さえあれば白黒映画を見続ける私だが,大概は海外のフィルム・ノワールを中心にしている中で,今回は趣向を変えて邦画であるが,サスペンス映画であることには変わりはない。

犯罪の真犯人をめぐる描写が丁寧に描かれる映画であるが,所謂どんでん返し映画と言ってもいいもので,橋本忍のシナリオにしては特に物的証拠や状況証拠の集まり方に少々無理があると感じられる部分もあるものの,国内における渋い役者勢揃いの感があり,これはこれでなかなか面白く見られた。また私の知る限りにおいて,仲代達矢のこれほど「辛気臭い」演技というのは見たことがなかったから,本作は珍しいとも思える部分も興味深かった。

端的に言ってしまえば,正義感と良心の呵責のせめぎ合いが主たるテーマではあるが,それがいいようにも悪いようにも働くという感覚が強い。そして大宅壮一や松本清張までゲスト出演させてしまうところも,こうしたテーマとの親和性あるがゆえというところか。

監督の堀川弘通は黒澤明の助監督も務めたことがあり,黒澤の弟子という感じの人らしい。作品を見たのはこれが初めてのはずだが,黒澤譲りの演出力の確かさは十分に感じられたと思う。星★★★★。いずれにしても,いつもとちょっと感じの違う仲代達矢の演技を見て,この人は本当に何でもできる稀有な役者だったと痛感。

改めてR.I.P.

本作のストリーミングへのリンクはこちら

2025年11月15日 (土)

Return of 中年音楽狂 from ポーランド。

とは少々大袈裟だが,ポーランドの出張から帰国した。今回はプレゼンが1本,対談形式のFireside Chat1本,現地メディア取材1本と社内打合せが仕事の全てだったが,仕事はさておき,やはりアブダビ経由の移動はきついものであった。

振り返ってみれば,私がワルシャワを前回訪れたのは2009年のことだったようだが,その時は世界一周出張の道すがらということで,ワルシャワ滞在は1泊のみで,街並みを見る余裕すらなかった。今回は仕事が正午過ぎで終了したので,散歩がてらイベント会場(兼宿泊先)から徒歩で世界遺産,旧市街を目指した私であった。片道3km弱なので,日頃の散歩の距離からすれば楽勝だと思った。

Warsaw-1 まず訪れたのがワルシャワ王宮だったが,日本で言えば遠足や修学旅行みたいな子たちが多数いたが,そこから旧市街を目指そうと思ったら,映画か何かのロケーションが行われていて,通行できない箇所が多数で,奥深くまでは入り込めなかったのは少々残念であったが,まぁそれでも雰囲気は堪能することができた。

Warsaw-2 そもそも旧市街はナチスに破壊された街並を再建してしまうというところに,ポーランド人の矜持を感じられるところだが,写真から雰囲気だけでも感じてもらえればいいと思う。ポーランド経済は絶好調なので,ビジネス・ディストリクトとの違いが大きいことも実に面白かったが,歴史の重みを痛感させてくれる場所だったと思う。

Warsaw-4

そのほかにもいろいろ街並の写真は撮影しているのだが,もう一枚アップしておきたいのがサスキ庭園にある無名戦士の墓である。ここは第一次世界大戦後に建てられた国立の無名戦士の墓らしいが,この墓には永遠の炎が灯されているともに,衛兵がガードしているという徹底ぶりである。私が行った時には女性衛兵2名だったが,さすがに正面から撮影することは憚られたので,公園内の背面から撮影した写真である。こういうところにも歴史や人民のために戦った戦士に対するリスペクトが感じられて,愛国心というのはこういうところから生まれるのだと強く感じさせられたのであった。

しかし散歩をしていて,歩行距離は10km程度だったと思うが,最後は神経痛で足が痺れてきたのにはまいってしまった。

Elixir そのほかにポーランドらしいと思ったのがウォッカの種類の豊富さだった。私が初日にご招待頂いたのがELIXIR by Dom Wódkiというお店だったのだが,まぁ出てくるわ,出てくるわで私がいただいたのが計10種類のウォッカであった。芋,ライ麦,シトラス,梅,更にはわさび風味までウォッカの世界も奥が深い。写真のように棚に並んでいるのは全てウォッカなのだ。土産には最もオーセンティックなChopin Blackにしたが,それだけ飲めば酒の力で時差ボケも解消できると期待したものの,結局はほとんど眠れぬ夜を過ごした私であった。

Elixir-appetizer このレストラン,料理も非常に美味しくて,写真は牛肉のタルタルと豚肉のゼリー仕立て。味付けが適切で,素材のよさを味わえるナイスな店であった。もうこの辺は完全に出張者の役得ではあったが,マジでウォッカとの相性も最高で,ワルシャワに行かれる方には是非お勧めしたいレストラン。

今回は4泊5日,うち機中泊2泊というマジできつい出張だったにもかかわらず,それなりの成果はあったと思う。仕事の写真をアップすると,素性がバレバレになってしまうので,ここは仕事以外についてのご報告となった。疲れたのは事実だが,初めて登場したエティハド航空のCAのホスピタリティもよく,移動の辛さも軽減されたと言っておこう。特にアブダビ~ワルシャワの往復は同じCAが対応してくれて,「またあんたか~」みたいな感じで私のことを覚えていてくれたのもホスピタリティ向上に寄与したのは間違いない。

久々の海外出張はこうして終了したということでのご報告である。

2025年11月14日 (金)

出張はつらいよ: Again

Elixir-vodka

年8ヶ月ぶりの海外出張は移動もきつかったが,時差ボケも最悪レベルであった。そもそも55歳を過ぎた頃から時差の調整能力は衰えていたのを自覚していたが,今回は更にダメであった。

昨晩のディナーでは10種のウォッカ(芋,ライ麦,梅,シトラス,わさび!等いろいろあるのだ)を飲んだので,酒の力を借りて寝られると期待したのだが,おそらく2時間も寝ていない。さすがに2日目の仕事はきつかったが,これも全て歳のせいってことにしておこう。

それにしても今回のスケジュールはきつい。帰りも機中泊だしなぁ。「出張はつらいよ」ってのが冗談にならんわ。

携帯からの投稿なのでレイアウトは帰国後に修正することにして,取り敢えずのご報告である。

2025年11月12日 (水)

5年8か月ぶり(!)の「出張はつらいよ」。

「出張はつらいよ」と題する記事を最後に書いたのは2020年の3月のアリゾナ州フェニックス出張時に遡る。コロナ禍の広がりが懸念され始めた頃のことであり,その後のコロナ禍の世界的な広がりを受けて,出張は海外のみならず国内も含めて全てキャンセルされたというのが実態だ。そして私は2021年7月には定年を迎え,現在はシニア従業員として勤務している以上,後進に道を譲るという観点からも海外渡航は想定されていない。よって渡航の予算も取られていないから,もはや海外出張はないだろうと思っていたし,このブログに「出張はつらいよ」と書くことももうないだろうと思っていた。

しかしである。今回,ポーランドはワルシャワにおけるイベントへのお呼びが掛かり,費用は先方持ちということもあり,5年8か月振りの海外出張となった。この記事がアップされる頃には私は空の上を移動中のはずだ。

今回の出張は私のような老体には非常に厳しいスケジュールであり,4泊5日の出張のうち2泊は機中泊だ。しかも往復ともアブダビ・トランジットで,往路の移動時間はトランジット込みで21時間(!)だ。しかも到着して3時間半後には90分のプレゼンをこなさなければならないので,これは相当きつい。少なくともトランジット後の機内では飲んだくれることもできないので,寝ているだけって感じにならざるをえまい。寝ているだけでも移動はボディ・ブローのように効いてくるから,これぞ老体に鞭打つというところだが,何とかこなすしかないのである。

だから今回はマジで「出張はつらいよ」なのだ...。ということで,出張中は記事の更新が滞る可能性もあり,できるとしてもスマホからの投稿になるであろうことはご了承願いたい。いずれにしても何とか無事に帰ってきたいものだ。

2025年11月11日 (火)

"The Gift":Larry Carltonのソロ・アルバムには今一つのめり込めないという事例。

_20251106_0001 "The Gift" Larry Carlton (GRP)

Larry Carltonがギタリストとしては超優秀な人だということには異議は全くない。だが,リーダー・アルバムとなると,セルフ・タイトル盤のような例外はあるものの,必ずしも出来のいいものばかりとも言えないと思う。なので,以前は結構買っていたLarry Carltonのアルバムもこのアルバム以降で買ったのはSteve Lukatherとのライブ,Robben Fordとのライブ等数えるほどになってしまったのも仕方ないと思っている。ライブでのギター・バトルならば,ギタリストの個性を聞くという楽しみはあっても,Larry Carltonのソロ・アルバムとなると,ライブならではの丁々発止感もなくなるし,魅力を感じなくなってしまったというのが実態だ。その契機がこのアルバムだったと言っては言い過ぎか。

このアルバムは当時のレギュラー・バンドとの録音だと思えるが,そもそも冒頭の"Ridin' the Treasure"からして,いきなりのカントリー・フレイヴァーに面食らってしまう。どう考えても,これはLarry Carltonに合っているとは思えない。もちろん技量からすれば何でもできるのはわかるとしてもだ。2曲目はヴォーカル入りのBeatlesの"Things We Said Today"というのはまぁいいとして,どうもこのアルバムに感じられる「緩さ」が気になってしまう。もはやこの世界はスムーズ・ジャズであって,フュージョンではない。まぁそれは私がもう少しハードな音作りのほうが好みだからというのが大きい訳で,だからこそLarry Carltonのリーダー・アルバムに魅力を感じなくなっていたということかもしれない。そうしたこともあって,リーダー作という観点ではLee Ritenourの方を評価してしまうのだ。それを言ったらFourplayも私はLee Ritenour在籍時の方を高く評価してしまうのだが。

もちろん,このアルバムにおいてもLarry Carltonらしいフレージングを聞けるところもあって,あぁ,やっぱりLarry Carltonだと思わせてくれる部分はあるとしても,やっぱりこのアルバム面白くないのだ。ということで星★★☆。結局本人もそういうところは理解していて,ギタリストとの共演アルバムを連発しているという気もしてくるのであった。もはやディスクとして保有する意味はなくなったと言っては言い過ぎ?

Personnel: Larry Carlton(g), Matt Rollings(key), Rick Jackson(key), Larry Kimpel(b), Greg Bissonette(ds), Michael Fisher(perc), Kirk Whalum(sax) with Michel Pillar Carlton(vo), Buddy Emmons(steel-g), Melvin Davis(b), Land Richards(ds), Paulinho Da Costa(perc)

本作へのリンクはこちら

2025年11月10日 (月)

Jack DeJohnetteを偲んでMiles DavisのLost Quintetを聞く。

Lost-quintet "Live in Europe 1969: Bootleg Series Volume 2" Miles Davis Quintet (Columbia)

Jack DeJohnetteが亡くなって,改めて彼を追悼すべく何を聞こうかと考えていて取り出したのがLost Quintet音源である。今日は1969年フランスで2日連続で演奏した際の2日目の音源(ボックスのディスク2)。もともとこの音源はブートレッグでも出回っていて私もボックス収録の音源は全て保有していたのだが,このボックスが出た際についつい買ってしまったというのが実態。ばかげていると言われればその通りだし,マジでアホだ。

まぁそれはさておきである。Lost Quintetは正規音源を残さなかったがゆえの"Lost"な訳だが,これほど凶暴なバンドがあるかってぐらい激しい。その激しさを増幅させたのがJack DeJohnetteのドラミングであったと言いたい。この煽り,この激しさはJack DeJohnetteならではであり,私の感覚で言えばこの演奏を聞いて燃えない奴はもぐりである(きっぱり)。

このLost Quintetの面々も,もはや存命なのはDave Hollandだけとなってしまったが,それでもブートであろうが何であろうが,音源として残っていてよかったと思えるバンドであった。そしてJack DeJohnetteがこの世を去ったことの寂しさを改めて感じるのであった。

Recorded Live at Festival Mondial du Jazz d’Antibes on July 26, 1969

Personnel: Miles Davis(tp), Wayne Shorter(ts, ss), Chick Corea(el-p), Dave Holland(b), Jack DeJohentte(ds)

2025年11月 9日 (日)

またも見ました白黒映画:今回の「過去を逃れて」は完全なファム・ファタールもの。

Out-of-the-past「過去を逃れて("Out of the Past")」('47,米,RKO)

監督:Jacques Tourneur

出演:Robert Mitchum, Jane Greer, Kirk Douglas, Rhonda Fleming, Virginia Huston, Rciahrd Webb

いかにもフィルム・ノワールって感じの映画である。この映画をそうしているのはJane Greer演じるKathieの悪女ぶりなのだが,私のこの手の映画体験の少なさ故もあって,なかなかここまでの悪女キャラってのもあまりお目に掛かったことがない。男を手玉に取って,自分がいい思いをするためなら何でもありみたいに描かれているのは強烈。40年代屈指のフィルム・ノワールと評されるのも,こういう人物造形あってゆえの部分があろう。

銀幕デビューして間もないKirk Douglasも出ているが,男優ではRobert Mitchumのハード・ボイルドな部分も示しつつ,Jane Greerに騙されるところは騙されるというのも面白い。結局美形には弱いのだ(笑)。そして主役,準主役,脇役という感じで出てくる女優陣であるJane Greer,Virginia Huston,Rhonda Flemingが個性は異なるものの,3人ともなかなかの別嬪なのも眼福と思えてしまう。それぞれが順に悪女,清楚系,何を考えているか謎という類型で描かれるのも大いに結構。

この映画は後にDVDではリリースされたとは言え,結局日本では未公開に終わったらしいが,それが不思議にも思える作品。星★★★★☆。因みに「カリブの熱い夜」は本作のリメイクだそうだ。へぇ~。

本作のDVDへのリンクはこちら。ストリーミングへのリンクはこちら

2025年11月 8日 (土)

Clapton温故知新。

_20251105_0002 "E.C. Was Here" Eric Clapton (RSO)

久しぶりに聞いたブルーズ感覚溢れるEric Claptonのライブ・アルバム。ここに収録されている曲はほとんどがリミックスされて"Crossroads 2 (live in seventies)"という4枚組ボックスに収録されているので,音が改善されているそっちは聞いても,こっちを聞く回数はあまり多くない。だが,ここに収められた演奏はブルーズ基本なのに対し,ボックスはより幅広いセレクションなので,ブルーズ・ロックにどっぷりつかりたければ,本作かボックスのディスク1を聞くというのが正解だ。4枚組のディスク1には"Further on up the Road"以外は収録されているから似たようなものなのだ。

このCDのブックレットには詳しい録音場所は書いていないが,4枚組ボックスで明らかになっている。不思議なのは本作に入っている"Further on up the Road"とボックスの同曲だけがテイクが違うことだが,そんなことは大して気にならないぐらいのカッコよさであることは間違いない。しかし,どうせなら4枚組のディスク1に入れた方が本作との一貫性,関係性が保ててよかったようにも思えるが...。

それにしても,ブルーズを弾きまくるEric Claptonの素晴らしさを改めて堪能できると言ってもよいが,このCDで復活した音源として,アナログ時代には入っていなかった"Ramblin' on My Mind"におけるスライドの響きに痺れない人間はいないだろう。いくらアナログの収録時間に限界があるからと言って,この演奏を省いたアナログ盤の編集方針はちょっとなぁ...と思ってしまう。今やディープでヘヴィなギターを堪能できるからいいようなものの,本作に関して言えばアナログだけではもったいないのである。

この頃のバック・バンドは魅力的なメンツが揃っていたし,Eric Claptonの鬼のようなギターも聞きどころ満載で,改めてこの頃のEric Claptonのよさを再認識したのであった。後年のライブ・アルバムより圧倒的にこっちの方がいいのではないかとも思え,ついつい星★★★★☆としてしまうのである。今更ながらであるが,Yvonne Ellimanとの相性もよかったと思え,二人によるデュエットはなかなか素敵である。

Recorded Live at Varios Venues in 1974

Personnel: Eric Clapton(vo, g), George Terry(g), Dick Sims(key), Carl Radle(b), Jamie Oldkaer(ds), Yvonne Elliman(vo), Mercy Levy(vo)

本作へのリンクはこちら

2025年11月 7日 (金)

今にしてみればリーダーが一番マイナー?とでも言いたくなるBruce Gertzのアルバム。

_20251105_0001"Blueprint" Bruce Gertz Quintet (Free Lance)

主題の通りである。ベーシスト,Bruce Gertzのアルバムであるが,リーダーには悪いが,メンバーからすれば一番名の通っていないのがリーダーだと思いたくなってしまう。まぁそうは言っても私がこの人を知っているのはJerry Bergonzi人脈としての訳なのだが,Bruce Gertzはバークリーで教鞭を執る方がメインの活動だったようだから,アルバムはそこそこあっても,なかなか表に出てこない(出てこれない)というのが実態だったのではないか。

そしてこのアルバムだが,クインテットと言いつつ,編成はいろいろなパターンで行われており,5人揃っての演奏がなかなか出てこないというのはどうなのよと思ってしまうところもある。だが演奏自体はメンツがメンツだけに破綻はないし,特にこの当時のJerry Bergonziは好調だった時期のはずなので,Bergonziのフレージングを聞いているだけでも嬉しくなってしまうというところだ。また,ジョンアバことJohn Abercrombieのソロも刺激的。曲は全てリーダーのオリジナルだが,曲の魅力と言うよりもBergonziやジョンアバのアドリブの魅力の方が上かなぁというのが正直なところだ。Joey CalderazzoはBlue Noteから初リーダー作"In the Door"をBlue Noteから出した頃と重なる時期だが,ここではまだまだ控えめにピアノを弾いているという感じか。

面白いのはこのアルバムがフランスのレーベルから出ているというところ。本国のレーベルでは無視されそうな面々のアルバムを米国以外のレーベルが出すというところが,この当時の状況と言ってもいいかもしれない。それでも演奏とは相応に聞きどころもあり,見逃すには惜しいと思えるアルバム。星★★★★。

Recorded on February 28 & March 1, 1991

Personnel: Bruce Gertz(b), Jerry Bergonzi(ts), John Abercrombie(g), Joey Calderazzo(p), Adam Nussbaum(ds)

本作へのリンクはこちら

2025年11月 6日 (木)

兄貴の"Life"を久しぶりに聞く。

_20251102_0001 "Life" Neil Young and Crazy Horse(Geffin)

兄貴ことNeil Youngの多作ぶりにはもはや追随できなくなっている私だが,以前はアルバムが出ればほぼ確実に入手していたのも今は昔である。本作は1987年リリースなので,全部ではないとしても,結構兄貴のアルバムを買っていた頃だ。ただ,この時期,Geffenレーベルとは折り合いが悪かったようで,レーベルからすれば自分の趣味じゃなく,もっと売れるアルバムを出せよって感じだったことは想像に難くない。

このアルバムに関してはフォーク・タッチの曲や兄貴にしてはポップに響く曲もあれば,後のグランジの萌芽となりそうな曲が混在していて,やや捉えどころがないと言ってもよいように思う。私がこのアルバムの後,兄貴のアルバムを買うのは"Ragged Glory"になるのだが,この頃の私は兄貴のアルバムもちゃんと選択して購入しようとしていた時期かもしれない。やはりGeffenレーベルでのアルバムの捉えどころのなさは私にも相応の影響を与えていたはずだからだ。

しかし,よくよく調べてみると,この音源がもとはほとんどがライブ音源で,そこにオーヴァーダビングを施したものであることを考えると,兄貴とCrazy Horseのライブでの演奏能力の高さが実証されていることは間違いない。このアルバムが異色なのはシンセサイザーが結構使われているところかもしれないが,その辺はJoni Mitchellの"Dog Eat Dog"に近い部分を若干感じる。そうは言っても"Dog Eat Dog"ほど極端ではないので,そんなにデジタル臭さないが,ごちゃまぜ感はやはりあるよなぁってところ。それでもよくよく聞けばかなりいい曲が揃っていて,私にアンビバレントな感覚を残すので星★★★★。

Personnel: Neil Young(vo, g, hca, key), Poncho Sampedro(g, key, vo), Billy Talbot(b, key, vo), Ralph Molina(ds, vo), Jack Nitzsche(vo)

本作へのリンクはこちら。 

2025年11月 5日 (水)

Dionne WarwickボックスからDisc 3を聞く。

Here-i-am_20251101183601 Dionne Warwickの12枚組ボックス,"Make It Easy on Yourself: The Scepter Recordings 1962-1971"から今日はDisc 3。このディスク3は"Here I Am"と"Here Where There Is Love"の2枚のアルバムをカップリングし,ボーナス・トラックを3曲追加したもの。

"Here I Am"には特大のヒット曲は収められていないが,"I Love You Porgy"なんかを歌っているのが珍しいと言えば珍しいが,それでもほとんどは安定のBurt Bacharachサウンドと言ってよいので,ヒット曲があろうがなかろうが楽しめることは間違いない。だが少々地味だと思われても仕方がない部分があるのは事実だと思う。

Here-where-there-is-love しかしこのディスク3においてはもう一枚の"Here Where There Is Love"の方がはるかにDionne Warwickの魅力を示すものと思うし,曲も粒揃いだ。究極は"Alfie"(これがシングルのB面だったというのは信じがたいが)だと思うが,"Alfie"に限らずここにはBurt Bacharachサウンドに乗ったDionne Warwickの良さが凝縮されているとさえ感じてしまう。彼らに期待する音がここには詰まっていると思うし,これまで聞いてきたアルバム群においては,コラボレーションの成果としての一つのピークだったと言ってもいいのではないだろうか。まぁBob Dylanの「風に吹かれて」がDionne Warwickに合っているかは微妙だが,ここまでオリジナルと違うかたちならこれはこれでありだ。

このボックスに関してはいつも書いていることだが,やっぱいいですわぁ(笑)。

2025年11月 4日 (火)

このブログにKansas初登場 (笑)。

_20251101_0001 "Point of Know Return" Kansas(Columbia)

邦題は「暗黒への曳航」だ。私はKansasのアルバムはこれとライブ盤の2枚しか保有していないし,両方とも中古で安く仕入れたはずだから,ファンでも何でもない。だから,ブログを開始以来,初のKansasに関する記事のアップである。

改めてこのアルバムを聞いてみると,この頃のKansasというバンドは相応の勢いを感じさせる。「アメリカン・プログレ・ハード」とも位置付けられるプログレ的な音作りは,ツイン・キーボードとヴァイオリンによるところが大きいと感じさせるが,今となっては少々時代を感じさせるものと言っても,私のようにロックは70年代中心の人間にとってはフィット感が大きいのだ。完全にプログレ的な音が支配する中で,突然登場するアコースティック・ギターが印象的な"Dust in the Wind"はアルバムにとっていいスパイスのようになっているように思う。

今にして思えば,少々の仰々しさと多少の曲の出来不出来はあるが,全体的には結構よく出来たアルバムだったなぁと思えるで,これならストリーミングでほかのアルバムを聞いてもいいように思えたこれが本当の温故知新。その前に手持ちのライブ盤,"Two for the Show"を聞くのが先か(笑)。本作はミキシングのせいか,音が軽いのがちょっと惜しいように思えるが,十分星★★★★には値する。

Personnel: Steve Walsh(vo, org, synth, vib, perc), Kerry Livgren(synth, key, g, vo), Robby Steinhardt(vo, vln, vla), Rich Williams(g), Dae Hope(b), Phil Ehart(ds, perc)

本作へのリンクはこちら

2025年11月 3日 (月)

90歳を過ぎてもまだまだ現役,ナベサダのストリングス付きライブ盤。

Hope-for-tomorrow"Hope for Tomorrow" 渡辺貞夫(Victor)

ナベサダこと渡辺貞夫は既に92歳となっているが,来年には"California Shower"を再演するツアーもアナウンスしていて,高齢者としては考えられないようなアクティブな活動を続けている。そんなナベサダが昨年の12月にストリングスを従えて行ったライブの実況盤をストリーミングで聞いた。このレコーディングが行われた時だって,既に91歳だ。私が最後にナベサダのライブを観たのは2019年のBlue Note東京でのことだった(そのライブに関する記事はこちら。)が,その時にも驚かされたのに,まだまだ驚かさせてくれるわが同郷のナベサダである。

この時のストリングスは20人からなる結構な編成だったそうだが,まずこのストリングスのアレンジを誰がやったのかと思いたくなる適切さにまず感心してしまった。私はストリングスものの最高傑作はWynton Marsalisの"Hot House Flowers"だと信じて疑わないが,同作を想起してしまうぐらいのレベルだと思っていた。

そうしたストリングスをバックに,ナベサダは気持ちよさそうに吹いているが,さすがに音は昔に比べればソフトになった感じがするものの,フレージングには全く衰えを感じさせないのは凄い。バックのトリオも実力者なので安心感があることも効いているとは思うが,当時91歳にしてこの演奏ぶりはもはや化け物の領域に入ってきたと言ってもいいかもしれない。しかし,ナベサダの年齢を考えれば,やはりこれは評価しなくてはならないだろうということで,星★★★★☆。半星引いたのは,開催時期を踏まえて演奏されたであろう"Sonho de Natal(邦題は「クリスマス・ドリーム」)"が曲として私として魅力を感じられなかったことによる。私にとってはこの曲は蛇足であった。

とは言え,これは味わい深く,なかなかいいアルバムだと思う。

Recorded Live at Various Venues on December 15, 18, 20 & 21, 2024

Personnel: 渡辺貞夫 (as), Russell Ferrante (p), Ben Williams (b), 竹村一哲 (ds), 押鐘貴之ストリングス 

本作へのリンクはこちら

2025年11月 2日 (日)

今回見た白黒映画は「絶壁の彼方に」。タイトル通り絶壁が出てくるのねぇ。

State-secret「絶壁の彼方に("State Secret")」(’50,英)

監督:Sidney Gilliat

出演:Douglas Fairbanks, Jr., Glynis Johns, Jack Hawkins, Herbert Lom, Walter Rilla

逢坂剛と川本三郎の「さらば愛しきサスペンス映画」でも絶賛されていたこの映画を見た。架空の国における重大な原題通りの「国家の秘密」を知ってしまったDouglas Fairbanks, Jr.演じる医師の逃避行を描いたものだが,架空の国の言葉が何を言っているのかわからないというところにこの映画のサスペンス的意義がある。

主題の通り,逃避行の中で国境越えを図るために登山映画のような趣になるのがなかなか面白いが,監督のSidney GilliatはAlfred Hitchcockの「バルカン超特急」のシナリオも書いた人なので,同じような架空の国を舞台にするのもなるほどと思えてしまう。まぁ,ヒロインを演じるGlynis Johnsの巻き込まれ具合とか,エンディング等はどうなのよと思わせる部分もあるので,この映画がそれほど絶賛に値するかなぁと思えるが,それでも1950年という時代を考えれば,このハラハラドキドキ的な展開は相応に刺激的だったんだろうと感じられるものであった。星★★★★。

Jack-hawkins 尚,甚だ余談ながら,Jack Hawkinsが数々の名作に出演した名優だと認めつつ,この映画でのJack Hawkinsがザキヤマに見えて仕方なかった私であった(爆)。

本作のDVDへのリンクはこちら。ストリーミングへのリンクはこちら

2025年11月 1日 (土)

リリースから35年!今なお瑞々しさが変わらないPrefab Sproutの傑作。

_20251023_0001 "Jordan: the Comeback" Prefab Sprout (Epic)

このアルバムがリリースされたのが1990年だから,購入したのは私のNYC在住中だったはずだ。そもそもアメリカ音楽指向の強い私がなぜこのアルバムを購入する気になったかは記憶の彼方ではあるが,店頭でプレイバックされていたのを気に入った可能性が高い。あるいはジャケの色遣いに惹かれた可能性もあるが,本作は心から買って正解だと思ったアルバムとなった。とにかくPaddy McAloonのソング・ライティングのセンスが素晴らしく,35年経った今でも魅力的に響く。購入した当時も何度聞いたかわからないぐらいよく聞いたから,今回久しぶりにプレイバックしても曲をよく覚えていた。主題の通り,その瑞々しさは不変であった。

Prefab Sproutとしての最新作は私が2013年のベスト作の一枚にも選んだ"Crimson / Red"なので,それからも12年という時間が経過しているが,今後アルバムが出るかどうかはもはやPaddy McAloonのワンマン・バンドと化したPrefab Sproutゆえ,Paddy McAloonの心持ち次第ということになろう。だが,このアルバムや"Crimson / Red"におけるような音を今一度聞きたいという気持ちになってしまった。

私がブリティッシュで惹かれるのはPrefab SproutやDeacon Blueのようなバンドなので,メロディ・ラインこそが私のバンドへの思い入れの支配的要素なんだろうと思える。そうした私の音楽的な好みにストレートに刺さる大傑作だと評価したい。そしてそんなメロディ・メイカーとプロデューサーとしてタッグを組んだのがThomas Dolbyなのだ。実に素晴らしい仕事ぶりだ。もちろん星★★★★★だ。

このアルバムのライナーにはメンバーの担当楽器の記載がないが,まぁ下記のような感じだろう。そして今更気づいたが,Jenny Agutterが1曲で語りの声を聞かせている。この人,「2300年未来への旅」やそのほかにもホラー映画に結構出ていたように記憶しているが,「アベンジャーズ」にも出ていたのねぇ。

Personnel: Paddy McAloon(vo, g, p, key), Martin McAloon(b), Wendy Smith(g, p, key, vo), Neil Conti(sa, perc) with Jenny Agutter(spoken words), Luís Jardim(perc), Judd Lander(hca), Phantom Horns

本作へのリンクはこちら

« 2025年10月 | トップページ | 2025年12月 »