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2025年10月24日 (金)

これも知らなかった!Dave Liebmanのスタンダード・バラッド集。Ben Monderが効いている!

Trust-and-honesty "Trust and Honesty" Dave Liebman (Newvelle)

ストリーミングを利用していると,特定のアルバムを聞いた後,似たような音楽のランダム再生が行われることで,全く知らなかった音楽に出会う機会が結構あると思っている。このアルバムがどんな音楽から連携してきたかは覚えていないが,これがDave Liebmanとしては珍しい編成にして,こういう音楽もやるのかと思わせるものであった。

このアルバムは基本的によく知られたスタンダード・ナンバーをバラッド・テイストで演奏しているのだが,通常ははるかにハイブラウな音楽をやると思わせるDave Liebmanにしては珍しいなぁと感じさせるのだが,実はこれが味わい深いアルバムなのだ。冒頭の"Designs"こそLiebmanのオリジナルらしいが,それ以外は誰もが知る曲なのだ。もちろん,Dave Liebmanだけに時折,鋭いフレージングも交えてくるが,それも控えめというところが実感だ。それをよしとするか否かが評価の分かれ目というところだろうが,私には十分ありだと思えた。

このアルバムのサウンド上,重要なのはBen Monderらしい浮遊感のあるギターだと思うが,そこに加わるJohn Hébertのベースも控えめながらいい音で捉えらえていて,好印象なのだ。そして基本はトリオ演奏の中,"Blue in Green"のみLiebmanのソプラノ・ソロで演じられる。このアルバムのストリーミング版には,その代わりにと言ってよいのかどうかわからないが,Ben Monderのソロによる"Time Remembered"とJohn Hébertのソロによる"Blind Pig"が追加されているところに,三者対等感を打ち出そうとするかのようなDave Liebmanの気配りを感じるのは私だけだろうか。

そして,最後はJobimの"Zingaro"で締めるが,ここでのみLiebmanはイントロで木製フルートを吹き,Ben Monderは12弦ギターで対応して,異なった雰囲気を作っているが,Ben Monderの12弦はもう1曲ぐらいあってもよかったように思える。それでもこのアルバムは傾聴に値するバラッド・アルバムだと思えることは間違いない。星★★★★。尚,本作はアナログ盤でもリリースされていて,レーベルのサイトから購入できるようだ(Trust and Honesty by Dave Liebman – Newvelle Records)。送料を考えると相当の出費覚悟の方は是非。

Recorded on February 12, 2022

Personnel: Dave Liebman(ss, wooden-fl), Ben Monder(g), John Hébert(b)

本作のストリーミングへのリンクはこちら

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