またも見ました白黒映画:今回は「潜行者」。Lauren Bacallが綺麗だねぇ。
「潜行者("Dark Passage")」(’47,米,Warner Brothers)
監督:Delmar Daves
出演:Hamphrey Bogart, Lauren Bacall, Bruce Bennett, Agnes Moorehead, Tom D'Andrea
暇さえあれば,古き佳き時代の白黒映画を見る生活から抜けられない私だが,今回見たのがHamphrey BogartとLauren Bacallの夫婦共演作である「潜行者」であった。この映画,なかなか面白い作りをしていて,ボギーことHamphrey Bogartが自身の顔を見せるのは後半になってからで,前半はボギー演じるVincent Parryの視点で描かれるので,ボギーは声だけで役割を果たす。まぁこれは脱獄囚であるVincent Parryが映画の途中で整形を施すからなのだが,いつになったらボギーは出てくるのかと感じてしまう。その分,Lauren Bacallの出番が多く,そして彼女が実に綺麗に撮られている。
詳しく書くとネタバレになるので筋書きは控えるが,お話には少々無理があるものの,これは上記の演出も含めて結構見られる映画だと思った。私がストーリー同様に楽しんだのが,舞台となる往時のサンフランシスコの風景で,変わったところもあれば,変わらないところもあって,へぇ~と思ってしまう。ユニオン・スクエアあたりはもちろん建物自体は変わっているものの,雰囲気的にはあまり変わってないようにも思えた。劇中でボギーが坂の多いサンフランシスコを8km歩いて,へとへとになる描写には思わず「わかる~」と笑みが洩れた私であった。歩いて移動する街ではないからねぇ。
主役の二人はいいに決まっているが,この映画で一番印象に残るのは,実はAgnes Mooreheadではないかと思える。後に「奥さまは魔女」でサマンサの母親を演じることになる彼女が,全く印象の異なる「マジで嫌な女(笑)」を演じる演技っぷりで,さすがオスカーに4度ノミネートされるだけのことはあると思ってしまった。また,脇役で出てくる役者陣もなかなかよい上に,音楽も印象的で,こういう映画は好きだなぁとつくづく思ってしまった。星★★★★。
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