またも見ました白黒映画:「彼奴は顔役だ!」って凄いタイトルだねぇ。
「彼奴(きゃつ)は顔役だ!("The Roaring Twenties")」(’39,米,Warner Brothers)
監督:Raoul Walsh
出演:James Cagney, Pricilla Lane, Hamphrey Bogart, Gradys George, Jeffrey Lynn, Frank McHugh
1939年に本国では公開されたこの映画,日本での公開は1955年までずれ込んだ往年のギャング映画である。それにしても凄い邦題だが,「彼奴」なんてのはもはや死語と言っていいだろうなぁ。舞台は第一次大戦の終戦から1920年代の禁酒法時代,そして大恐慌といった時代を描くがゆえの原題の"The Roaring Twenties"である。この20年代の時代の流れとともに,James Cagney演じるEddie Bartlettの運命も翻弄され,大きな浮沈を経験することになるというところだ。
私はこれまでJames Cagneyの映画を見た記憶はほとんどないのだが,決して美男という感じでは全くないから,ギャング映画を中心とするキャスティングだったのにもうなずける話だ。片や相手役のPricilla Laneは普通のアメリカのおねぇちゃんって感じで,劇中で歌も披露するものの,印象が強くないのが難点。Hamphrey Bogartは助演扱いだが,後のカッコよさの片鱗を示す。
この映画,典型的なギャング映画という感じだが,サスペンスを盛り上げるというのでもないので,私の好みからは少々外れるというのが実感だが,それでも古い映画の割に,ストリーミングでも画質は十分見られるレベルだったのは嬉しい。いずれにしても,禁酒法という訳のわからない法律がいかにばかげたものであるかを感じるとともに,結局それがギャングの金づるになっていたことを明確に示すところも時代を感じさせる。同時代感ゼロなので,評価すること自体が難しい部分もあるが,これはこれで十分見られる映画だし,劇中で流れる音楽もなかなか魅力的。星★★★★。この手の映画における古典という位置づけでよいと思う。
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