最近入手した渡辺香津美の「桜花爛漫」を聞く。
先日「MOBO倶楽部」と同時に入手した渡辺香津美のライブ盤である。私はこのアルバムをかつて保有していたように記憶していたのだが,今回改めて聞いてみると,本当にそうだったのか怪しいと思うようになってしまった。このアルバムもスキップして,私が"MOBO"の次に買ったのは"Spice of Life"だったのではないかとさえ思えてきたのであった。結局私がこれを買った気になっていたのは,ジャズ喫茶でこれを聞いたことがあったからではないのか...というところだ。まぁそれでも,長きに渡って入手が難しい状態が解消されたのもめでたいということでの購入となった。
それはさておき,本作はMOBOバンドにゲストを迎えた,今はなき新宿厚生年金会館でのライブ音源であるが,バンドそのものの演奏は「MOBO倶楽部」と大きな変化はないとしても,ゲストによる賑々しさとライブならではのダイナミズムがあって,これはこれで楽しい。そして「危険がいっぱい」等はまさにKing Crimson的,そして"Σ"では"Purple Haze"を引用してしまうところも極めてロック的である。
全編に渡って,まさにイケイケな音楽が続くところは,いかにもその後バブル期に突入しようとする当時の日本を象徴するような音楽だと言ってもよいかもしれない。と言っても,このアルバムがレコーディングされたのはバブルの契機となったプラザ合意の前なのだが,リリースは円高が急速に進行し,日本企業が海外の不動産を買いまくり始める86年だからそう感じるのかもしれないが...。
いずれにしても,この派手さはライブ盤ゆえというところもあるだろうが,もう少しメリハリをつけてもよかったように思える。まぁ,それでも十分楽しめるので星★★★★。いやはや派手だ。
Recorded Live at 新宿厚生年金会館 on April 10, 1985
Personnel: 渡辺香津美(g), 橋本一子(key, vo), Gregg Lee(b), 渡辺建(b), 村上秀一(ds), 仙波清彦(perc, ds), 沢村満(as, sn), 坂田明(as), 梅津和時(as), 片山広明(ts), 向井滋春(tb), 青山純(ds), れいち(ds), 横沢龍太郎(ds)
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