リリースから35年!今なお瑞々しさが変わらないPrefab Sproutの傑作。
"Jordan: the Comeback" Prefab Sprout (Epic)
このアルバムがリリースされたのが1990年だから,購入したのは私のNYC在住中だったはずだ。そもそもアメリカ音楽指向の強い私がなぜこのアルバムを購入する気になったかは記憶の彼方ではあるが,店頭でプレイバックされていたのを気に入った可能性が高い。あるいはジャケの色遣いに惹かれた可能性もあるが,本作は心から買って正解だと思ったアルバムとなった。とにかくPaddy McAloonのソング・ライティングのセンスが素晴らしく,35年経った今でも魅力的に響く。購入した当時も何度聞いたかわからないぐらいよく聞いたから,今回久しぶりにプレイバックしても曲をよく覚えていた。主題の通り,その瑞々しさは不変であった。
Prefab Sproutとしての最新作は私が2013年のベスト作の一枚にも選んだ"Crimson / Red"なので,それからも12年という時間が経過しているが,今後アルバムが出るかどうかはもはやPaddy McAloonのワンマン・バンドと化したPrefab Sproutゆえ,Paddy McAloonの心持ち次第ということになろう。だが,このアルバムや"Crimson / Red"におけるような音を今一度聞きたいという気持ちになってしまった。
私がブリティッシュで惹かれるのはPrefab SproutやDeacon Blueのようなバンドなので,メロディ・ラインこそが私のバンドへの思い入れの支配的要素なんだろうと思える。そうした私の音楽的な好みにストレートに刺さる大傑作だと評価したい。そしてそんなメロディ・メイカーとプロデューサーとしてタッグを組んだのがThomas Dolbyなのだ。実に素晴らしい仕事ぶりだ。もちろん星★★★★★だ。
このアルバムのライナーにはメンバーの担当楽器の記載がないが,まぁ下記のような感じだろう。そして今更気づいたが,Jenny Agutterが1曲で語りの声を聞かせている。この人,「2300年未来への旅」やそのほかにもホラー映画に結構出ていたように記憶しているが,「アベンジャーズ」にも出ていたのねぇ。
Personnel: Paddy McAloon(vo, g, p, key), Martin McAloon(b), Wendy Smith(g, p, key, vo), Neil Conti(sa, perc) with Jenny Agutter(spoken words), Luís Jardim(perc), Judd Lander(hca), Phantom Horns
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