Boz Scaggsの新譜,"Detour"は渋いジャズ・ヴォーカル作。
傘寿を過ぎたBoz Scaggsは今なおライブで元気な声を聞かせており,昨年2月の日本公演でもまだまだ現役感たっぷりだったのは凄いが,7年ぶりのアルバムは渋いジャズ・ヴォーカル作で来た。これまでも同系列の"Speak Low"や"But Beautiful"をリリースしているから,この路線は驚かないが,基本的にピアノ・トリオをバックにしたこのアルバムはスローな曲を中心とした実に渋くも味わい深いアルバムとなった。
このアルバムを紹介した記事によれば,Boz Scaggsにとってはこれまでも歌ってきた曲という訳ではなく,"Angel Eyes"は初めて歌ったのだそうだ。それにしてはこのフィット感は何?と言いたくなるぐらいのフィット感なのだ。"Angel Eyes"やBill Evansでお馴染みの"Detour Ahead",あるいは"The Meaning of the Blues"のような曲を聞いていると,インティメイトなジャズ・クラブでこれらの曲を歌うBoz Scaggsの姿を目撃したいという衝動に駆られる。また,Duane Allmanとのセルフ・タイトル作にも入っていた"I'll Be Long Gone"の再演でのヴォーカルの違いを感じるのも一興だろう。尚,国内盤にはボートラで"Body and Soul"も入るらしいが,ストリーミングでは公開されていない。
Boz Scaggsの年齢を考えれば,この路線も十分にあると思うが,ライブではバリバリのヴォーカルとギターを聞かせていたから,今後はライブでこうした曲のセットを組み込むというかたちなのかもしれないとしても,こうした編成で一度来日してくれてもいいかなぁなんて思えるアルバムであった。それが日本で受けるかどうかは別だが,私はそれもありだと思えるほどの味わいなのだ。きっとうまい酒が飲めると思える歌いっぷり。星★★★★。参加メンバーの詳細はわからないが,ネット情報を信じれば下記の通り。
Personnel: Boz Scaggs(vo), Seth Asarnow(p, arr), Hans Trowsea(b), Jason Lewis(ds), Jim Cox(p, synth), Jeremy Cohen(vln, vla), Michael Miller(g), Ashra Weston(g)
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