久々に取り出したDavid Murrayのボックスから今日は"Body And Soul"。
"Body And Soul" David Murray Quartet(Black Saint)
たまにしか聞かないのだが,たまに聞くとはまるのがDavid MurrayのBlack Saint/Soul Noteの7枚組ボックス・セットだ(でもまだ全部聞いた記憶はない:爆)。David Murrayは多作の人なので,とても全部は追い掛ける気力もないし,そのつもりもないが(笑),このボックスに収められたアルバム群は,特にMurrayの充実期のアルバムだったと思える。
そうした中で,本日はこのアルバムだが,スタンダードはタイトル・トラックだけで,あとは参加メンバーのオリジナルなので,決してアルバム・タイトルに騙されてはいけない。3曲目に演奏されるタイトル・トラックだけヴォーカルのTaana Runningが加わっているのだが,不思議なことに歌詞が通常と異なっているのがユニーク。なんでこういうことになったかの詳細は不明ながら,David Murrayの吹奏ぶりと優れたバラッド表現は,激しさが通常前に出がちなDavid Murrayのイメージを覆す。それに続くMurrayのオリジナル”Doni’s Song"でもバラッド表現は素晴らしく,激しいだけの人ではないということを見事に実証している。
しかし,この2曲をはさんで演じられる演奏は,基本的にアップテンポで,相当激しく演じられるので,その落差を楽しむのも一興である。だが,6曲目の"Odin"はミディアム・ファストで演じられるが,ソロの前半まではコンベンショナルな印象すら与えるものである。そこでも激しく吹くところは激しく吹くMurrayであるが,完全にフリー化する訳ではなく,あくまでもジャズの伝統に沿いつつも,ややアウト気味なフレージングを繰り出すというところで,それがDavid Murrayの基本的な立ち位置だと思う。そのアウトなフレージングがリスナーを燃えさせるのだ。
ここでピアノを弾いているSonelius Smithという人は初聞きだと思うが,Rahsaan Roland Kirkとも共演していたということで,なるほどなぁという感じで聞いていた。打鍵が非常に強いのが特徴って感じの人である。「惑星空間」でお馴染みのRashied Aliもともすればフリー寄りの人と思われがちだが,ここでの演奏を聞けばコンベンショナルな演奏だってこなした上での,フリーなプレイだったということがわかる。結局,伝統に則るというのは大事なことなのだと思わせるが,それでもラストにMurrayとのデュオで演じられる"Cuttin’s Corners"は完全に「惑星空間」へのオマージュだが。やはりRashied Aliと言えばあれってことだなぁ(笑)。
全編に渡って,ぎりぎりコンベンショナルな域に留まりつつ,素晴らしい演奏を聞かせるDavid Murrayの実力発揮盤。星★★★★☆。
Recorded on February 11 & 12, 1993
Personnel: David Mu Murray(ts), Sonelius Smith(p), Wilbur Morris(b), Rashied Ali(ds), Taana Running(vo)
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