YMOのライブ・アンソロジー:もはや"Faker Holic"は無用の長物か?
"YMO 1979 Trans Atlantic Tour Live Anthology" Yellow Magic Orchestra(Alfa/Sony)
この限定生産のボックスが春先にリリースされた際には即完売みたいになって,転売ヤーが無茶苦茶な値段で売りに出していた曰く付きのYMOのライブ・アンソロジーである。この度,めでたくアンコール・プレスされたものがデリバリーされた。アンコール・プレスが発表された段階で,さぞや臍を嚙む思いをした転売ヤーも多かっただろうが,ざまぁ見ろってところだ(笑)。しかし,このアンコール・プレス品ですら,受注生産だっただけに,既にプレミアムを付けた商品が出ているのは許しがたいが。
今回収録されている音源は"Faker Holic"や"Public Pressure"としてもリリースされているが,後者は渡辺香津美のギターが収録されないという決定的な瑕疵があった。だからこそ"Faker Holic"の価値は高かったし,中古盤市場でも高値で取引されていたというところだ。しかし,その音源がこうしたボックスとして出てしまうと,正直なところ,"Faker Holic"の存在意義は薄まったと言ってもよいように思う。しかし,考えようによっては,様々なヴェニューにおけるベスト・テイク集だと考えるとその価値は維持されるかもしれない。
但し,"Faker Holic"収録のテイクが本当にベストな選択かどうかは,今回のボックスに収録された演奏を聞いて判断する必要があるだろうが,そういうマニアックな聞き方を私がするかと言えば,多分しない(笑)。今や細野晴臣だけが生き残りとなったYMOの往時の活動を懐かしく聞けばいいという感じだ。まぁGreek Theaterでのライブを収めたディスク1は"Faker Holic"とは異なる音源で,Tubesの前座で出た時の演奏だそうで,既に公開されていたものだが,そのほかのディスクの音源は初出のものも含むので,Greek Theaterに加え,ロンドン,パリの音源は分売されるそうだ。最終的にはボックスに収録された演奏は全部分売されるってことになるかもしれないが,基本的にやっているレパートリーに変化はないので,これってやっぱりマニア向けかもしれないな。
"Faker Holic"同様,私は渡辺香津美の弾きっぷりを聞きたくてこのボックスも買ったようなものだが,それでも十分マニアック?
Personnel: 坂本龍一(key),細野晴臣(b),高橋幸宏(ds, vo),松武秀樹(prog),渡辺香津美(g),矢野顕子(key, vo)
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