Walter Wanderley:このイージーリスニング的な感覚がいいねぇ。
"Batucada" Walter Wanderley(Verve)
このアルバムを聞くのも久しぶりだ。このアルバムはブラジル音楽の棚に入れているのだが,ブラジルものは聞くソフトに偏りがあるため,本作のプレイバック頻度は決して高くなく,ジャケを見てまたも気まぐれで聞いてみたもの。
Walter Wanderleyはブラジル出身のオルガン奏者だが,このオルガンを中心としたここでの演奏は,ボサノヴァと言ってもよいのだが,相当響きは(いい意味で)軽く,主題の通りイージーリスニング的に感じられる。その辺はプロデューサーがCreed Taylorだけに,完全なイージーリスニングにはなっていないという感覚だが,ここでの音楽は往年のワイドショーのようなTV番組のBGMとしても使われていた記憶がある。8曲目の"So What’s New"あたりがその典型だが,いろいろなシーンに「使えそうな」音楽だと言ってもよいだろう。
久々に聞いたので全然覚えていなかったのだが,4曲目はFrançoise Hardyでお馴染みの「さよならを教えて」だが,この演奏はFrançoise Hardyがレコードを発売する前にレコーディングされていて,なんでやねん?と思っていたら,この曲はもともと"It Hurts to Say Goodbye"(本作でもそのタイトルである)というArnold GolandとJack Goldが書いた曲だったらしい。それにSerge Gainsbourgが歌詞をつけて,Françoise Hardyが歌ったのが「さよならを教えて」だったのであった。私は子供の頃に「さよならを教えて」を聞いていたので,そっちがオリジナルと思っていたら,全然違っていたのねぇ。
それはさておき,本作の売りの一つはMarcos Valleがギターで参加していることだと思うが,一部アレンジにも関わっているとは言っても,本作での主役はあくまでもWalter Wanderleyのオルガンなので,過剰な期待をするべきではない。それでもこれからの猛暑の季節にも合いそうな音楽が流れてきて,気楽に聞けて心地よいことこの上ない。ビアガーデンに遭いそうだなぁなんてことを思いながら,こういうのもたまにはいいねぇと思った次第。星★★★★。
Recorded on May 16-18 and on June 25, 1967
Personnel: Walter Wanderley(el-org, p), Marcos Valle(g), Sebastian Netto(b), Jose Marina(b), Paulinho(ds), Dom Romao(ds), Lu Lu Ferreira(perc), Talya Ferro(vo), Claudio Miranda(vo)
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