DownBeat誌のArtist of the Year:James Brandon Lewisの最新作。ライブを聞いておくべきだった...。
"Abstruction Is Deliverance" James Brandon Lewis(Intakt)
先日,Patricia Brennanについての記事を書いた際に,「改めてDownBeatの投票結果を眺めて,これ誰?って名前に注目してみたいと思う。」なんて書いた私であるが,今回は国際批評家投票においてArtist of the Year及び#1テナーに選出されたJames Brandon Lewisである。
この人の名前は認識していたが,音はほとんど聞いたことがないはずだ。よって,このブログでもその名前が出てきたことはない。そんなことなので,今年の6月にCotton Clubに出演して時もスルーしてしまったが,このアルバムをストリーミングで聞いて,ライブも聞いておくべきだったなぁなんて思っても後の祭りである。
テナーの響きを一聴して,John Coltraneみたいだと思った私だが,決してColtraneフォロワーでは終わらないという感じだ。私は奇をてらうことなく,比較的オーセンティックな演奏を繰り広げるこのクァルテットの演奏のレベルの高さに驚いてしまったのであった。これならば評価されて然るべきだろうと思わせるに十分なのだ。私がこのクァルテットでリーダー以外で名前を知っているのはベースのBrad Jonesぐらいだが,彼がDave DouglasのKeystoneでやっていた音楽とは全然違うのが面白い。いずれにしても,このアルバムにおけるクァルテットによる一貫したトーンは,コンベンショナルなジャズを好むリスナーにも受け入れられるはずだと思わせるに十分な出来。
こうしたクァルテットが"Left Alone"のような曲を演奏するのは少々意外とも思えるが,これは冒頭がリーダーのソロから入り,テーマは4者が一体化したアレンジメント,そして展開部ではドラムスとのデュオ的(+控えめなアルコ・ベース)な演奏に転じ,改めてピアノが入るというなかなか凝った作りである。こういうのは評価はわかれそうだが,これはこれで面白いと思ったし,よく知られた曲だけに普通のアプローチで臨むような人たちではないということだな。こういう演奏にもちゃんと目を向けるべきだと認識させてくれるところに,DownBeatの価値はあると思ってしまった。刺激的とは言えないとしても,これはよくできたアルバムだ。星★★★★☆。
Recorded on April 25, 2024
Personnel: James Brandon Lewis(ts), Aruán Ortiz(p), Brad Jones(b), Chad Taylor(ds)
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