来日目前:Klaus Mäkelä+パリ管の「幻想」をストリーミングで聞く。
"Berlioz: Symphonie Fantastique / Ravel: La Valse" Klaus Mäkelä / Orchestre de Paris(Decca)
来日を目前に控えたKlaus Mäkelä(クラウス・マケラ)+パリ管であるが,私もサントリーホールにおけるコンサートに行くことになっている。何てたってプログラムがサン・サーンス「オルガン付き」とベルリオーズ「幻想」なのだ。そもそも私の「幻想」好きは筋金入りと言ってもよいが,まだ30歳にも満たないにもかかわらず,今年だけでパリ管とコンセルトヘボウで来日するKlaus Mäkeläがどのように「幻想」を振るのかということに興味は集中してしまう。ということで,予習も兼ねてストリーミングで公開されたばかりの「幻想」と「ラ・ヴァルス」のカップリングを聞いた。
「幻想」は冒頭の第1楽章から随分とゆったりとしたテンポで入るなぁというのが第一印象。そして徐々にダイナミズムを増すというのはこの曲の特性と言ってもよいが,ここで高揚感を盛り上げる必要があるので,そこは問題なくクリア。それにしても録音のせいもあるかもしれないが,弦の分離が明確に感じる。そして私が「幻想」で最も好きな第2楽章だが,ここではコルネットなし版。私が好きな「幻想」の演奏はほぼコルネット入りと決まっているのだが,ここはパリ管の「幻想」と言えばCharles Munchということで,Munchに倣ったと解釈しよう。弦の鳴らせ方がここでも明確かつ明瞭に聞こえるところが,この人の特徴か。ここでのワルツの振りっぷりはなかなかよかった。
私の中ではいくら好きな曲でも,牧歌的にも響く次なる第3楽章はやや冗長に感じられる「中だるみ」楽章(笑)なのだが,そういう楽章でもそれなりには聞かせる演奏だと思えるのは立派。そして第4楽章,「断頭台への行進」はオーケストラのダイナミズムが最も顕著に表れる部分だが,弦のみならず,管もよく鳴っていると感じられた。まぁこの楽章の繰り返しが必要かどうかは議論のあるところだと思うが,盛り上がるからよしとしよう。そして終楽章は私が「幻想」に感じる魅力が凝縮されていると言ってもよい。この何とも劇的な感覚をうまく引き出した演奏だと思えた。これをライブで聞けば確実に燃える(きっぱり)。
全体的に見ればよく出来た演奏だが,これが私の中で最高の「幻想」となるかと言えば,必ずしもそうではないかもしれない。しかし,それでも東京でのライブへの期待値は高まった。サントリーホールでは是非とも私を燃えさせて欲しいものだ。
私にとってはオマケと言ってもよいので,ここでは「ラ・ヴァルス」については多くを語らないが,ここでも弦の響きが美しく,中盤~後半の管の響きもよかった。
Klaus Mäkeläは2027年からコンセルトヘボウの首席のみならず,シカゴの音楽監督にも就任予定って凄いことだなぁと思うが,それだけ期待の集まる指揮者ってことなのは明らかで,ライブではどのように「幻想」を振るのかを楽しみに待ちたい。
Recorded in September and December, 2024
Personnel: Klaus Mäkelä(cond),Orchestre de Paris
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