復帰後のArt Pepperのアルバムではリラックスした感覚のアルバム。
"Among Friends" Art Pepper(Trio→Storyville)
以前にも書いたことがあるが,Art Pepperの音楽については,麻薬で捕まって引退状態になる前と復帰後でどっちがいいという論争が続いていた。まぁ明らかに変わったというのは事実だったとしても,復帰後には復帰後なりの味わいがあったと思っているので,私はどちらのArt Pepperも好きである。
そんな復帰後のArt Pepperの音源で最もリラックスした感覚が強いのが本作ではないかと思える。何せ日本制作のアルバムであるから,プロデューサーの意向もそれなりに反映している部分があって,比較的捕まる前のArt Pepper的に吹いている部分は感じられる。それは選曲のせいもあるだろうし,"Among Friends"というタイトルにもある通り,ジャズ界からほぼ退いていたと思われるRuss Freemanを引っ張り出してきたことが大きかったのではないか。
Art PepperとRuss Feemanと言えば,私がArt Pepperの最高傑作と思っている"Modern Art"はじめ,Tampaのアルバム,更には"Surf Ride"と,Art Pepperの重要作で共演している仲だ。それがArt Pepperの高揚感を生み,当時の「いつもの感じ」とは違う演奏を生んだと言ってもよいかもしれない。
私としては本作が決して悪いアルバムだとは思わないが,それでもこれが50年代のRuss Freemanとの共演盤を上回るとか,復帰後のVillage Vanguardでのライブ盤を上回るとは思っていない。一番よくないのがBob Magnussenの増幅過剰のベース。これがどうにも私には気持ち悪い。Russ Freemanのピアノもミキシングのせいもあるかもしれないが,ややエッジが立ち過ぎの部分があるし,例えば"What’s New"のような曲において,ソロが少々仰々しく感じさせるのも事実だ。Art Pepperのアルトに限って言えば,特に文句もないのだが,総合的に見ると手放しで傑作とは言えないのだ。ボートラで入っている"Blue Bossa(Take 2)"では完全にしくじっているしねぇ(苦笑)。
私が保有しているのはStoryvilleからの再発CDだが,ジャケもペラ紙一枚だし,装丁としてもあまり力が入っていないのはまぁ許せるとしても,全体的には悪くはないアルバムとは言え,それ以上のものではない。Art Pepperの凄みを感じたければ,前期にしろ,後期にしろ,別のアルバムを聞くべきだと思う。甘めの星★★★★という評価が妥当だろう。
Recorded on September 2, 1978
Personnel: Art Pepper(as), Russ Freeman(p), Bob Magnussen(b), Frank Butler(ds)
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