ストリーミングで公開されたGilad Helselmanのアルバムがなかなかよい。
"Downhill from Here" Gilad Hekselman(Far Star)
世界的なトレンドとして,媒体のリリースをせず,デジタル・オンリーのアルバムが増えているが,私のような基本現物主義の人間にとっては残念なことである。ネットをうろついていて,このGilad Hekselmanの新作に遭遇したのだが,本作はアナログではリリースされているようだ。しかし,送料を含めると結構な散財となってしまうので,ここはストリーミングで我慢である。
一聴して,編成はコンベンショナルではあるが,サウンド的には完全にコンテンポラリーな作品と言ってよい。そして実に繊細な感覚を聞かせていて,これはなかなか出来が良い。このブログではGilad Hekselmanのリーダー作は"This Just In"を取り上げたことがあるだけだが,そのほかにもAri Hoenig盤やWill Vinson盤も記事にしたことがある。また,記事にしていないだけで,Village Vanguardでのライブ盤も聞いている。
そんなGilad Hekselmanの新作はバックのメンツがLarry GrenadierとMarcus Gilmoreという魅力的なトリオである。Larry GrenadierとはVanguardでのライブでも共演しており,"This Just In"にも参加のMarcus Gilmoreとは長年の朋友のようである。この二人の的確なバッキングもあり,Gilad Hekselmanのフレージングは淀みなく展開され,実に耳に心地よい。
全8曲中6曲がHekselmanのオリジナルで,残る2曲がBurt Bachrachの"Alfie"と母国イスラエルのフォーク・ソング"Like a Wildflower"というプログラムもよいが,特に面白いのが7曲目のオリジナル"Scoville"だろう。タイトルからもうかがえるが,これがもろにJohn Scofield調なのだ。ある意味,この曲が浮いているとも言えるのだが,Gilad Hekselmanとジョンスコがなかなか結びつかないところもあり,意外な感じもした。まぁそれだけジョンスコの影響力は大きいということなのだが。
いずれにしても,いかにも今日風のギターが聞けるアルバムであり,私としても面白く聞かせてもらった。星★★★★。
Recorded on December 21, 2023
Personnel: Gilad Helselman(g), Larry Grenadier(b), Marcus Gilmore(ds)
本作のストリーミングへのリンクはこちら。
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