「陪審員2番」をようやくBlu-rayで観た。
「陪審員2番("Juror #2")」(’24,米,Warner Brothers)
監督:Clint Eastwood
出演:Nicholas Hoult, Zoey Deutch, Toni Collette, J.K. Simmons, Kiefer Sutherland, Amy Aquino, Chris Messina
日本では劇場公開が見送られるという憂き目に遭ったEastwoodが監督した最新作。一部ストリーミングでは見られたが,そのためだけに契約することはせず,ひたすら媒体としての発売を待ち続けて,ようやくGW休み中にこの映画を見ることができた。結論からすれば,やはり劇場で見たかったと思わせる佳品。
正直言って,地味な映画と言えばその通りであるが,法廷シーンを含めて,サスペンスフルに話が展開され,最後まで心地よい緊張感が持続する映画であった。評決結果がどのように導かれたのかという点にはシナリオ上の穴があるのは事実だが,非常に面白く見られる作品。ヒットは難しいとしても,こういう作品の公開を見送る配給会社の気が知れないし,日本の映画ファンにとっては不幸なことだったと声を大にして言いたい。
この映画を見ていると,当然往年の名画「十二人の怒れる男」を想起する訳だが,本作の更にひねりが効かせたストーリーと,Clint Eastwoodの演出にはまたも感心させられてしまった。大概のEastwood作品には常々賞賛を惜しまない私だが,90歳を過ぎてこの創造力はまさに見事としか言いようがない。
いずれにしても,「バイアス」というのは恐ろしいものだと痛感させられ,冤罪が起こるのもこれでは仕方がないと思わされる。本当の公正さ,本当の正義とは何なのかを考えさせられるという点でも実に印象深い作品であった。私はこの映画がより多くの人の目に触れることを願ってやまない。星★★★★☆。
本作のBlu-rayへのリンクはこちら。
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