Harvey Mason Trio@Blue Note東京参戦記。

「夜の部活メイト」(笑)のお誘いで今回参戦したのがHarvey Masonのトリオ。記憶を辿っても,Harvey MasonのライブはFourplay以外では見たことはないはずだ。加えてピアノのGonzalo Rubalcabaにしても,ベースのFelix Pastoriusにしても生で見るのは初めてのはず。今回は”Trio 2: Changing Partners"のVinyl Release Partyと銘打ってのライブである。
Harvey Masonが複数のピアニストを迎えたアルバムに関しては,私はBrad Mehldauが参加した1枚目の"With All My Heart"は保有しているが,Gonzalo Rubalcaba参加の2枚目"Changing Partners"は未聴のままだったので,ストリーミングで聞いてからの参戦となった。再発された本作では,曲順変更に加え,オリジナルには入っていなかったLars Janssonとの共演や,Joey Calderazzoとの演奏が1曲追加されていて,それはそれで魅力的である。私から言わせれば,オリジナル・リリース時にLars Janssonを入れていれば,買っていたかもなぁなんて思ってしまったぐらい,ここでの演奏はLars Janssonらしいものなのだ。
その"Changing Partners"におけるGonzalo Rubalcabaとの演奏でアコースティック・ベースを弾いていたのはStanley Clarkeだったが,今回のFelix Pastoriusはエレクトリック・ベースだろうなぁという予想で,演奏のタイプにも違いが出るのではないかと思いつつ現地に向かった。
案の定ステージ上には6弦のエレクトリック・ベースが置かれていて,それは予想通りだったのだが,驚いたのがピアノがベーゼンドルファーだったことだ。通常はスタインウェイが置かれていることが多いBlue Note東京だが,ベーゼンドルファーをBlue Noteで見たのは初めてだった。おそらくこれはGonzalo Rubalcabaの指定だろうが,正直言ってベーゼンドルファーを導入した効果があったかと言えば,それは疑問。Gonzalo Rubalcabaはフレージングはそれなりだとしても,ベーゼンドルファーを使うほどのピアニストか?と思っていた私である。
それはさておき,Harvey Mason,今年で78歳だが,元気なものである。ドラミングはサトルにもダイナミックにも叩けるという器用さも十分に表れて,冒頭の"All of You"から好調なものであった。全編を通じて的確なドラミングだったと思えたのはさすがである。ベースのFelix Pastoriusは正面はそれほどでもないが,横顔が父親のジャコパスそっくりだなぁと思いながら見ていたが,ハーモニクスの使い方等は父親譲りだなぁと思っていた。結構なソロ・スペースも与えられていて,なかなかの腕を披露していた。
そしてピアノのGonzalo Rubalcabaだが,以前はテクニシャンとしての色彩が強かったと感じられる人だが,随分落ち着いた感覚があった。繰り出すフレージングは悪くないので,そこには文句はない。ただ,ミュージシャンの格としてベーゼンドルファーには不釣り合いだし,ライブの場でもその音を満喫できたかと言えば否だと言っておきたい。ジャズ・ミュージシャンならどんなピアノでも弾きこなすぐらいの方が,それっぽい。まぁそれは私がドラムスのすぐ前に座っていたこともあるだろうが,それにしてもだ。ベーゼンドルファーなかりせば,この3人で¥11,000というチャージはなかっただろう。だから余計に腹が立つ。
そうした頑固オヤジみたいな感覚もあって,私としては演奏中はリーダーHarvey MasonとFelix Pastoriusに注意が向いていたライブであった。オーセンティックなピアノ・トリオと言うよりも,一部の曲(Herbie Hancockの"4AM"だったらしい)ではファンク色を交えたコンテンポラリー感もあって,相応に楽しめたからいいんだけど。尚,トップの写真はBlue Note東京のWebサイトから拝借。
Live at Blue Note東京 on May 8, 2025 2ndセット
Personnel: Harvey Mason(ds), Gonzalo Rubalcaba(p), Felix Pastorius(el-b)
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ベーゼンを使ったジャズピアノの音色って、どんな感じなのか
聞いてみたい気はするけど・・・
ヤマハの方がジャズ向きだったりして・・・😭
投稿: ぼんち | 2025年5月 9日 (金) 11時06分
ぼんちさん,おはようございます。はじめましてですかね。コメントありがとうございます。
>ベーゼンを使ったジャズピアノの音色って、どんな感じなのか
>聞いてみたい気はするけど・・・
>ヤマハの方がジャズ向きだったりして・・・😭
記事にも書きましたが,正直言って,敢えてベーゼンドルファーを使う理由は見当たらないというのが私の見立てでした。Gonzalo Rubalcabaは前回の自身の公演でもベーゼンドルファーを使っていたようですから,こだわりがあるんでしょうが,ジャズ・ミュージシャンたる者,どんなピアノでも弾きこなすのが筋ですね。こだわっていいのは亡きOscar Petersonぐらいのものでしょう。
とまれ,今後ともよろしくお願いします。
投稿: 中年音楽狂 | 2025年5月10日 (土) 06時22分