Kenny Barron@Blue Note東京参戦記。
以前に比べれば,私がライブに出掛ける回数も随分増えたが,それでもジャズに関しては一定の傾向があることはこのブログをお読み頂いている方にはご理解願えるのではないか。基本的にコンテンポラリーな感覚を持つミュージシャンか,美的なセンスが強い人が中心で,オーセンティックなジャズのライブはあまり行っていないように思う。
だから,今回のKenny Barronのライブに行ったのもある意味気まぐれと言ってもよいのだが,別にこの手の音楽を聞かない訳ではないし,Kenny BarronのBradley'sでライブ盤は私のフェイヴァリットの一枚と言ってもよいぐらいなのだ。そんなKenny Barronのトリオだが,さすがに傘寿を過ぎたKenny Barron(6月で82歳だ!)には疲れの色が見えるものの,スタンダードにオリジナルを交えた曲の全てにおいて,出てくるフレーズはノーブルで,的確。さすがの熟練技だと思っていた私である。
北川潔のベースは出過ぎることはないものの,ソロのフレージングも決まっていて,これまた適切であったが,Johnathan Blakeは若干世代が若いこともあり,元気がいいのはいいのだが,ステージ後半になって熱を帯びてくると,このトリオにしては少々叩き過ぎという感じはしたが,文句を言うほどではないレベルの演奏だったと思う。やはり実力者が3人揃えば,相応のレベルを確保できることは明らかであった。
ただ,このトリオにBlue Note東京というヴェニューがいいのかと言えば,ちょっと違和感があると思っていた私である。彼らのようなトリオの演奏には,よりこじんまりとした,よりインティメイトな空間の方が確実にフィットする。そこはちょっと惜しいなぁと,音楽には満足しながらも感じていたのであった。今回の演奏を聞いていて,やはり彼らにはBradley'sのような店の方がいいよなぁとつくづく思っていた私である。
Live at Blue Note東京 on April 23, 2025 2ndセット
Personnel: Kenny Barron(p),北川潔(b),Johnathan Blake(ds)
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